小話集1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(真島/ゴロ美/恋人)
今日もいつも通り仕事を終え、恋人の真島がいる事務所に向かっていたななし。
沢山の人が行き交う神室町をすすみながら、今彼は何をしているのだろうと恋人に思いを馳せる。
仕事が捗ってるといいいけど。
喧嘩や怪我はしていないかな、無茶な事をしていないかな…。
色々頭の中で真島の事を考えていると今すぐにでも会いたくなってしまって、事務所に向かって動かしていた足が自然と早くなる。
人々を縫うようにし早足に事務所に向かっていると前方に妙な人だかりが出来ているのがななしの目に映った。
『うわぁ、喧嘩?』
この町では喧嘩や酔っぱらいのいざこざ等揉め事が日常茶飯事であり常に絶え間なくどこかしらで起きている。
神室町が活動区域であるななしにとってもそんな光景はとても見慣れたもので。
今日も喧嘩かな、本当に忙しないなぁ…と特に気にすることなく人だかりを避けて通り過ぎてしまおうとしたのだが。
人だかりの真ん中あたりから「はよどきぃ!ウチは見せもんやないでぇ!」とあまりにも聞きなれた声が耳に届いて、咄嗟に歩みを止めてしまったのだ。
『ぇ…今の声って…』
声は普段よりも幾分か高く聞こえたし一人称も違っているが、イントネーションや独特の訛りは恋人である真島とよく似ていて。
あまりにも気になってしまったななしにその場を立ち去るという選択肢は無く、人だかりの後方で中心部に居るであろう声の主を探してみることにした。
『ん〜、見えない…』
なんとか背伸びをして確認してみるがなかなか誰がいるのか見えない。こんな時真島のように高身長であれば誰が輪の真ん中にいるのかすぐに分かるのだろう。
今だけでも身長伸びろ〜と精一杯背伸びをしていると、前の人の肩口からちらりと金色の髪とピンク色のドレスのような服が見えた。
───…もしかして真ん中にいるのってキャバクラのホステスさん…?
でもそうなると吾朗さんとよく似た声は一体誰のものだったんだろう。ホステスさんとは別に彼もこの中に居るのかな?
結局ちらりと見えた部分だけでは中でなにが起きているのかななしには想像もできなかった。
暫く見つめていたものの中に誰かいるのかわからずじまい。
こんなにもやもやしたまま終わるのもなんだかなぁ、と思いつつこれ以上ここに居てもなんの成果も得られないだろうと早々に見切りをつけたななしは背伸びを辞めて、再び真島組の事務所に向かうために人だかりから離れた。
なんとなく気がかりであったが帰路につき、再び歩みを進めたまさにその時。
遥後方から「ななしやないのぉ〜!」と、とても楽しそうな声で名を呼ばれ、ななしは立ち止まった。
『え?…え!?えぁぁあ!?』
立ち止まりそのまま声の主を確認すべく振り返れば、先程ちらりと見えたどぎついピンクのボディコンドレスを身に纏った金髪の女性…もとい女性の格好をした真島が手を振りながらこちらに駆け寄って来るのだ。
あまりにも衝撃的な光景に空いた口が塞がらない状態のななしを、女装姿の真島がドレスからはみ出た逞しい腕で抱き締め「こんなとこで会えるなんてウチほんま嬉しい〜」と声高らかにそう言った。
『あ、えー、ご、吾朗さん…?』
「ウチな吾朗さん、やなくてゴロ美言うねん。気軽にゴロ美ちゃんって呼んでな〜」
『ゴロ美…ちゃん』
「ええで、その調子!今日の仕事終わったん?こんなとこで会えるなんて運命感じるわ〜」
『ちょっと、待って、色々情報量が多くて…』
抱きしめながら饒舌に喋る真島…もといゴロ美ちゃんにななしはタジタジだ。
どぎつい衣装の隙間からは逞しい筋肉が見えるし、刺青だってこれでもかと晒されている。
顔も綺麗に化粧を施しているのに、トレードマークである髭はそのままであまりにもちぐはぐだ。
女装というには完成度が低いような、高いような。よくわからない姿格好にななしは戸惑いを隠せなかった。
『な、なんでそんな格好をしてるんですか…?』
「ん?それは桐生チャンと喧嘩するためや。今日もええ喧嘩できてゴロ美めちゃくちゃハッピーやねん」
『…喧嘩するために女装って…ちょっと行動力ありすぎません?ゴロ美ちゃん』
「それがウチの長所やん。思い立ったが吉日、即行動したおかげで喧嘩もできたしななしにも会えたんや」
『まぁ、確かに会えましたけど…』
人だかりの原因はこのやばい格好のゴロ美と巻き込まれた桐生との喧嘩だったようだ。
喧嘩をするために女装という文言が既に理解できなかったが、彼の言っていることは本当らしく、口の端や手の甲など至る所に微かに血が付着している。
『はぁ、喧嘩してもいいですけどね、こんな格好でしかも人前で堂々と喧嘩ってどうなんですか?』
「どうってそら、めっちゃ興奮したわ」
『…吾朗さんはそういう人だもんねぇ』
「ウチはゴロ美やで」
『はいはいゴロ美ちゃんね。せっかくおめかししたのに、口の横切れてるから早く帰って手当しましょうね〜』
「えぇー?ほんまに??ウチの美貌が台無しやん〜」
『ふふふっ、でぇ?桐生さんとの喧嘩は楽しかったですか??』
「そらもうごっつ楽しかったでぇ!また勝負したくて今からうずうずしとるわ〜」
『ふふ、そっかぁ。楽しかったなら良かったです』
痛々しい傷を負いながらも終始嬉しそうにしているゴロ美に少し呆れるが、彼がニコニコと「楽しかった」というので、楽しむことができたのならよかったとななしは小さく笑った。
「ほな、さっさとタクシー拾って帰ろかななし」
『そうしましょうか』
「じゃ、ウチと手ぇ繋いで行こか〜」
『ふふ、その格好のゴロ美ちゃんと手を繋ぐんですか?』
「なんなんその言い方〜ウチと手ぇ繋げんて言うん?」
『うん、ちょっと躊躇いますね』
「そんなこと言わんと、二人でレズっ子して帰ろ」
『ちょっと、変な言い方しないで下さいよっ。わわっ!』
咎めるように言うななしだったが、ゴロ美には特段効かなかったらしく。
狼狽えているななしの手をゴロ美は大きな手で包み込み、ピンクのヒールで子気味のいい音を鳴らしながら歩き出したのだ。
引っ張られるようにして前に出たななしはもつれる足をなんとか動かし歩き出したゴロ美に遅れてしまわないように必死に追いかけた。
繋がれた手がいつもとは違い素肌だった事に少し違和感を感じたななしはゴロ美の手をちらりと見つめた。
『あ、ゴロ美ちゃん。指先までお洒落してるんですね』
いつもは黒の革手袋が嵌められているゴロ美の手だが、今日は女装し綺麗にネイルまで施されているらしい。
そこまで拘っているのか…。
自分よりもとても女子力が高い気がしてななしはなんとも言えない敗北感に苛まれた。
「さすがななし!ちゃぁんと気づいてくれて嬉しいわ」
『それにしても長すぎません??怪我しちゃいますよ?』
「ウチがそんなヘマするはずないやんか。これも慣れれば普通と変わらんわ」
『本当ですか?何かの拍子に引っ掻いちゃいません?』
「安心してや、ななしに傷をつけるようなことは絶対せぇへんさかい」
『…そ、そうですか』
ニッコリと効果音がつきそうな程口角をあげて笑ったゴロ美。
化粧を施し普段とは違うと言えど、中身は恋人の真島と何ら変わりなく。
優しく愛おしげに細められた隻眼にみつめられななしは目の前にいるゴロ美に対して胸を高鳴らせてしまった。
こんなとんちんかんな女装姿で喧嘩をしてとても呆れているはずなのに、それでもちゃんと胸が高鳴るあたり自分が思っている以上に彼に惚れ込んでいるのだろう。
意図せず自分の心境を思い知らされ気恥ずかしくなってしまったななしは、手を引くゴロ美を直視出来ず地面に視線を落としてしまった。
「ヒヒヒッ、ななし耳まで赤ぉなって…ほんま可愛ええなぁ」
『な、なってません!』
「こんな姿でもときめいてくれて嬉しいでぇ」
『と、ときめいてもいないです!』
「嘘はアカンでぇ」
『……』
「ほな、家着いたらななしが気に入ってくれたこの姿でたーっぷり可愛がったるわ。楽しみにしといてな」
『気に入ってないです!いつもの吾朗さんの方がいいです!』
「いけずなこと言わんと、ウチとレズっ子しような??」
『しません!!』
「ヒヒヒッ、どうやろなぁ?」
からかうようにニヤニヤし見下ろしてくるゴロ美から顔を逸らし、なるべく反応をしないように務めたもののタクシーに乗り込んでからは至近距離で執拗なまでに愛を囁かれななしは暫く生きた心地がしなかった。
それにタクシーの運転手の驚いたような、憐れむような瞳もきっと忘れることが出来ないだろう。
それから真島宅に帰宅し、存分にゴロ美ちゃんに可愛がられたのは言うまでもない。
ゴロ美ちゃん第一弾!
今日もいつも通り仕事を終え、恋人の真島がいる事務所に向かっていたななし。
沢山の人が行き交う神室町をすすみながら、今彼は何をしているのだろうと恋人に思いを馳せる。
仕事が捗ってるといいいけど。
喧嘩や怪我はしていないかな、無茶な事をしていないかな…。
色々頭の中で真島の事を考えていると今すぐにでも会いたくなってしまって、事務所に向かって動かしていた足が自然と早くなる。
人々を縫うようにし早足に事務所に向かっていると前方に妙な人だかりが出来ているのがななしの目に映った。
『うわぁ、喧嘩?』
この町では喧嘩や酔っぱらいのいざこざ等揉め事が日常茶飯事であり常に絶え間なくどこかしらで起きている。
神室町が活動区域であるななしにとってもそんな光景はとても見慣れたもので。
今日も喧嘩かな、本当に忙しないなぁ…と特に気にすることなく人だかりを避けて通り過ぎてしまおうとしたのだが。
人だかりの真ん中あたりから「はよどきぃ!ウチは見せもんやないでぇ!」とあまりにも聞きなれた声が耳に届いて、咄嗟に歩みを止めてしまったのだ。
『ぇ…今の声って…』
声は普段よりも幾分か高く聞こえたし一人称も違っているが、イントネーションや独特の訛りは恋人である真島とよく似ていて。
あまりにも気になってしまったななしにその場を立ち去るという選択肢は無く、人だかりの後方で中心部に居るであろう声の主を探してみることにした。
『ん〜、見えない…』
なんとか背伸びをして確認してみるがなかなか誰がいるのか見えない。こんな時真島のように高身長であれば誰が輪の真ん中にいるのかすぐに分かるのだろう。
今だけでも身長伸びろ〜と精一杯背伸びをしていると、前の人の肩口からちらりと金色の髪とピンク色のドレスのような服が見えた。
───…もしかして真ん中にいるのってキャバクラのホステスさん…?
でもそうなると吾朗さんとよく似た声は一体誰のものだったんだろう。ホステスさんとは別に彼もこの中に居るのかな?
結局ちらりと見えた部分だけでは中でなにが起きているのかななしには想像もできなかった。
暫く見つめていたものの中に誰かいるのかわからずじまい。
こんなにもやもやしたまま終わるのもなんだかなぁ、と思いつつこれ以上ここに居てもなんの成果も得られないだろうと早々に見切りをつけたななしは背伸びを辞めて、再び真島組の事務所に向かうために人だかりから離れた。
なんとなく気がかりであったが帰路につき、再び歩みを進めたまさにその時。
遥後方から「ななしやないのぉ〜!」と、とても楽しそうな声で名を呼ばれ、ななしは立ち止まった。
『え?…え!?えぁぁあ!?』
立ち止まりそのまま声の主を確認すべく振り返れば、先程ちらりと見えたどぎついピンクのボディコンドレスを身に纏った金髪の女性…もとい女性の格好をした真島が手を振りながらこちらに駆け寄って来るのだ。
あまりにも衝撃的な光景に空いた口が塞がらない状態のななしを、女装姿の真島がドレスからはみ出た逞しい腕で抱き締め「こんなとこで会えるなんてウチほんま嬉しい〜」と声高らかにそう言った。
『あ、えー、ご、吾朗さん…?』
「ウチな吾朗さん、やなくてゴロ美言うねん。気軽にゴロ美ちゃんって呼んでな〜」
『ゴロ美…ちゃん』
「ええで、その調子!今日の仕事終わったん?こんなとこで会えるなんて運命感じるわ〜」
『ちょっと、待って、色々情報量が多くて…』
抱きしめながら饒舌に喋る真島…もといゴロ美ちゃんにななしはタジタジだ。
どぎつい衣装の隙間からは逞しい筋肉が見えるし、刺青だってこれでもかと晒されている。
顔も綺麗に化粧を施しているのに、トレードマークである髭はそのままであまりにもちぐはぐだ。
女装というには完成度が低いような、高いような。よくわからない姿格好にななしは戸惑いを隠せなかった。
『な、なんでそんな格好をしてるんですか…?』
「ん?それは桐生チャンと喧嘩するためや。今日もええ喧嘩できてゴロ美めちゃくちゃハッピーやねん」
『…喧嘩するために女装って…ちょっと行動力ありすぎません?ゴロ美ちゃん』
「それがウチの長所やん。思い立ったが吉日、即行動したおかげで喧嘩もできたしななしにも会えたんや」
『まぁ、確かに会えましたけど…』
人だかりの原因はこのやばい格好のゴロ美と巻き込まれた桐生との喧嘩だったようだ。
喧嘩をするために女装という文言が既に理解できなかったが、彼の言っていることは本当らしく、口の端や手の甲など至る所に微かに血が付着している。
『はぁ、喧嘩してもいいですけどね、こんな格好でしかも人前で堂々と喧嘩ってどうなんですか?』
「どうってそら、めっちゃ興奮したわ」
『…吾朗さんはそういう人だもんねぇ』
「ウチはゴロ美やで」
『はいはいゴロ美ちゃんね。せっかくおめかししたのに、口の横切れてるから早く帰って手当しましょうね〜』
「えぇー?ほんまに??ウチの美貌が台無しやん〜」
『ふふふっ、でぇ?桐生さんとの喧嘩は楽しかったですか??』
「そらもうごっつ楽しかったでぇ!また勝負したくて今からうずうずしとるわ〜」
『ふふ、そっかぁ。楽しかったなら良かったです』
痛々しい傷を負いながらも終始嬉しそうにしているゴロ美に少し呆れるが、彼がニコニコと「楽しかった」というので、楽しむことができたのならよかったとななしは小さく笑った。
「ほな、さっさとタクシー拾って帰ろかななし」
『そうしましょうか』
「じゃ、ウチと手ぇ繋いで行こか〜」
『ふふ、その格好のゴロ美ちゃんと手を繋ぐんですか?』
「なんなんその言い方〜ウチと手ぇ繋げんて言うん?」
『うん、ちょっと躊躇いますね』
「そんなこと言わんと、二人でレズっ子して帰ろ」
『ちょっと、変な言い方しないで下さいよっ。わわっ!』
咎めるように言うななしだったが、ゴロ美には特段効かなかったらしく。
狼狽えているななしの手をゴロ美は大きな手で包み込み、ピンクのヒールで子気味のいい音を鳴らしながら歩き出したのだ。
引っ張られるようにして前に出たななしはもつれる足をなんとか動かし歩き出したゴロ美に遅れてしまわないように必死に追いかけた。
繋がれた手がいつもとは違い素肌だった事に少し違和感を感じたななしはゴロ美の手をちらりと見つめた。
『あ、ゴロ美ちゃん。指先までお洒落してるんですね』
いつもは黒の革手袋が嵌められているゴロ美の手だが、今日は女装し綺麗にネイルまで施されているらしい。
そこまで拘っているのか…。
自分よりもとても女子力が高い気がしてななしはなんとも言えない敗北感に苛まれた。
「さすがななし!ちゃぁんと気づいてくれて嬉しいわ」
『それにしても長すぎません??怪我しちゃいますよ?』
「ウチがそんなヘマするはずないやんか。これも慣れれば普通と変わらんわ」
『本当ですか?何かの拍子に引っ掻いちゃいません?』
「安心してや、ななしに傷をつけるようなことは絶対せぇへんさかい」
『…そ、そうですか』
ニッコリと効果音がつきそうな程口角をあげて笑ったゴロ美。
化粧を施し普段とは違うと言えど、中身は恋人の真島と何ら変わりなく。
優しく愛おしげに細められた隻眼にみつめられななしは目の前にいるゴロ美に対して胸を高鳴らせてしまった。
こんなとんちんかんな女装姿で喧嘩をしてとても呆れているはずなのに、それでもちゃんと胸が高鳴るあたり自分が思っている以上に彼に惚れ込んでいるのだろう。
意図せず自分の心境を思い知らされ気恥ずかしくなってしまったななしは、手を引くゴロ美を直視出来ず地面に視線を落としてしまった。
「ヒヒヒッ、ななし耳まで赤ぉなって…ほんま可愛ええなぁ」
『な、なってません!』
「こんな姿でもときめいてくれて嬉しいでぇ」
『と、ときめいてもいないです!』
「嘘はアカンでぇ」
『……』
「ほな、家着いたらななしが気に入ってくれたこの姿でたーっぷり可愛がったるわ。楽しみにしといてな」
『気に入ってないです!いつもの吾朗さんの方がいいです!』
「いけずなこと言わんと、ウチとレズっ子しような??」
『しません!!』
「ヒヒヒッ、どうやろなぁ?」
からかうようにニヤニヤし見下ろしてくるゴロ美から顔を逸らし、なるべく反応をしないように務めたもののタクシーに乗り込んでからは至近距離で執拗なまでに愛を囁かれななしは暫く生きた心地がしなかった。
それにタクシーの運転手の驚いたような、憐れむような瞳もきっと忘れることが出来ないだろう。
それから真島宅に帰宅し、存分にゴロ美ちゃんに可愛がられたのは言うまでもない。
ゴロ美ちゃん第一弾!