ミニ小話
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『吾朗さん。吾朗さん』
「どないしたんや」
『アタシ今日会社でとっても衝撃的な話を聞いちゃったんですよ…』
「衝撃的な話ぃ?」
『はい、かなり衝撃的でした…聞きます?』
「ほな、聞かせぇ」
『はい』
今日一日を終えてベッドの中で就寝するために寛いでいたななしと真島。
お互いベッドの中で何をするでもなく触れ合っている最中急にななしが真剣な表情で真島に語りかけたのだ。
スキンシップを楽しんでいた真島は真っ直ぐに自身を見つめてくるななしに話をするようにと先を促した。
『えーっと……ぇっ…ち…って…一ヶ月に2、3回が平均的らしいですよ!』
「あぁ?なんやて?」
『だ、だから…え、えっち…の回数ですよぅ!』
「セックスの回数ぅ?」
『はい。大体の頻度って月に2、3回が普通らしいです』
腕の中で顔を真っ赤にして平均的な"セックスの回数は月に2、3回だ"と言うななし。
かなり恥ずかしかったのか彼女の声は震えており、とてもか細い。
「それがどないしてん?」
『よ、良く考えてみてくださいアタシ達の頻度!』
「まぁ、だいたい三日に1回やな」
『あまりに多すぎやしませんか!?平均数を聞いてアタシ本当にビックリしちゃったんですから〜!』
どうやらななしは会社で教えてもらった,"平均的なセックスの回数"が自分達とあまりにもかけ離れていたことに衝撃を受けてしまったらしい。
真島からするとそれらはただの数字でしかなく、そこまで衝撃を受けるものではなかった。
寧ろななしとは逆に普通のカップルはそんなにもセックスをしないものなのかと、そちらの方に驚かされてしまう。
「やたらと淡白な奴が多いんやなぁ。性欲ないんか」
『多分ですけど、吾朗さんが性欲多いんだと思いますよ。淡白なんじゃなくてその回数が普通なんじゃないですかね』
「普通ってなんやねん。全然普通やないやろ」
『ん〜まぁ、平均的なって感じ?大多数は月に2、3回なんですから少数派のアタシ達の方が普通じゃないと思うって事ですよ』
「多数が正解やなんてそないな事あるはずないやろ。俺らの正解は俺らしか分からん。よそ様の常識と俺らの常識を混同されたら困るわ」
『そう言われたらそうなんですけどね…』
赤の他人のセックスの回数など真島には関係の無い話。
月に2、3回が平均だとしても自分がその枠にハマる必要など全くない。
真島はななしを可愛いと感じたり愛おしいと感じた時、目一杯愛してやりたいし体で繋がりたいと思っている。
それは単に己の性欲を発散するためという訳ではなく、お互いの心の中や想いを触れ合いを通じて確かめ合うと言う意味合いが込められている。
故に真島にとってセックスとは愛情を表現する手段のひとつで、決して自己中心的な意味がある訳では無いのだ。
勿論気いい事も好きではあるが大部分は愛故である。
「お前は他人の回数なんか気にせんと、俺らの事だけを考えとればええねん。分かったか?」
『で、でも多いと…は、恥ずかしいじゃないですか…』
「ななし…セックスが恥ずかしい事やと思っとるんか?」
『そういう訳じゃないですけど…でも、あまり多いと友達とかには言えないかなぁって思います』
「ええか、多ければ多いほど仲ええっちゅう事なんやで?」
『そ、そうかなぁ?』
「そらそうやろ。ええ言い方やないがセックスっちゅうんは手間暇かかんねん。せやけどその手間暇もどうでもよぉなるくらいお前が可愛ええさかい抱くんやないか」
『な、なるほど』
「それに好きやなかったらここまで毎日抱かんわ」
『…ふふふっ、確かに。それはそうかもですね。てことは…アタシとっても吾朗さんに愛されてるって事?』
「ヒヒッ!なんや知らんだんか?」
『嘘、とっても好きでいてくれるって知ってます。……アタシも好きですよ吾朗さん』
「それもよぉさん知っとんで」
『ふふ、そっか。嬉しい』
誰がなんと言おうが三日に1回、多い時は三日に2回…このセックスの頻度が自分とななしにとっての普通であり当たり前である。
「あー、そないな話しっとたらななしの事抱きとうなって来よった…別に今すぐ抱いてもええよな?」
『え!?き、昨日もしましたよ!?』
「好きやさかいどんだけでも抱きたいねん」
『そ、そんな言い方ズルくないですか!?』
「俺の気持ち、否定せんと受け取ってくれるよな?ななし」
『も、勿論ですけど!でもなにもえっちじゃなくても……んっ、あっ』
「ななし、愛しとんで」
昨晩も、一昨日の晩も、もれなくななしを抱いてきたし、今日も抱けば三日連続になる。
それでも全ては今目の前で赤く悶えているななしがとても愛おしいからだ。
自分のこの大容量の愛が、そして全ての想いが今から行うセックスでななしに伝わればいい。
狼狽えているななしの唇に唇を押し当てながら、真島はそんな風に思うのだった。