ミニ小話
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『総司さん寒くないんです?』
「あ?」
秋も終わり少しずつ冬らしくなってきたと言うのに沖田はまだ羽織のみを着用している。
胸や腹などが着ている羽織からはみ出ており、見ているだけでもとても寒そうだ。
これから冷たい風が吹く冬が来ると言うのに、未だに同じ格好のまま過ごす沖田にななしは訝しげに眉をひそめた。
「…ワシのこだわりや。変えるつもりはあらへん」
『えぇ…こだわりでお腹出しっぱなしなんですか?いつかお腹壊しちゃいますよ?』
「阿呆!ワシがそないにヤワなわけないやろ」
『そんなこと分からないじゃないですか〜』
「分かるわ!今まで壊したことないやろ」
『今までは無かったかもしれないですけど、これからは分からないですよ?もしかしたら今日お腹壊しちゃうかも…』
「分かる言うとるやろ!ワシはなにがあっても壊さんのや」
『壊しちゃってもしらないんですからね』
沖田は寒くない、腹を壊さないと言い切りフンっとそっぽを向いてしまった。
しかしそう言いプリプリと怒っている割に沖田は体をななしにぴったりとくっつけて座っている。
気温は低く寒いが触れ合っている箇所はじんわりと暖かい。沖田はきっとこの温もりを目的とし近づいているに違いない。
大体薄っぺらい羽織一枚で冬を過ごせるはずがないのだ。こだわりだろうとなんだろうともう一枚でも二枚でも着重ねた方が絶対に沖田の為にもなる。
風邪を引いてからでは遅いのだから…と思うものの、こうしてへそを曲げてしまった沖田は話をなかなか聞いてくれないため、今日はこれ以上何を言っても平行線のままだろう。
結局『もっと服を着てください』と言うことを諦めたななしは呆れたようにため息を着いた。
『まぁ、貴方がいいならそれでいいんですけどね』
「あ?なんの話や」
『いいえ、こちらの話です』
「ほうか。それよりななしもっとこっち来んかい」
『ま、まだ仕事中なんですから駄目ですよ』
「あ?別にええやろ。ワシが来い言うたら素直に来いや」
『総司さんこそ素直に寒いって言ったらどうですかー!』
「これは寒からゃなくてお前を可愛がるために引っ付いとんねん!」
『どちらにせよここは屯所なので駄目ですってば!』
「つべこべ言わんとはよぉ来い!」
『わっ!』
寒いから触れ合っていることをなかなか認めない沖田に腕をひかれたななしは、勢いよく彼の胸の中へと倒れ込んでしまった。
そのまま逃がさないとばかりに腰と頭に沖田の腕がまわり、ギュウっと力強く抱きしめられる。
するとななしの顔は必然的に沖田の胸板にくっついてしまう。
素肌と素肌が触れ合うとその箇所がじんわりと熱を持ち、着重ねていても寒いななしの体を微かに温めるようであった。
『そ、総司さんっ』
「はぁー、ぬくい。お前ホンマ子供体温やなぁ」
『もう、やっぱり寒いんじゃないですか!それに子供体温じゃありません!』
「ヒヒッ、これはお前との愛を確かめとんねん。確かめついでに温まっとるだけや」
『貴方は本当に素直じゃないですね…』
ギュウと強くも優しく抱きしめられていると二人分の体温でポカポカと体全体が温まってくる。
同時に言い知れぬ安心感や幸福感に体だけでなく心までポカポカと満たされるのだから想い人 とは凄い。
未だに"愛を確かめ合っている"ていで接してくる沖田だが、彼の行動はやはり暖を取るための行動に思える。
痩せ我慢をして「寒い」と言えないその不器用さに呆れつつもなんとなく愛おしさが募ったななしは『ふふふっ』と小さく笑いながら、沖田の羽織から腕を入れ上半身に抱きついた。
そのまま摩擦で熱を伝えるように、沖田の背中を手のひらで素早く摩る。
『ほら、どうですか?暖かいですか?』
「ヒヒッ!痛いの間違いやろ?」
『大丈夫!総司さんの背中はそんなにヤワじゃないでしょう?』
「まぁ、せやな。けど、そんなんせんでも十分ぬくいでななし」
『んっ、そっか。総司さんが暖かいなら良かった』
「お前はホンマに…健気なやっちゃなぁ…」
『んふふ……あ、今日帰ったら湯やっこ食べましょうか。きっと温まりますよ?』
「お、ええな。ほな今日は豆腐と酒買うて帰ろか」
『はい、買って帰りましょう』
この先もっともっと冷え込み雪も降ってくるだろう。それでもきっとこうして抱き合っていれば冬なんて簡単に乗り切れてしまいそうな気がする。
人肌のおかげか、想い人 のお陰か…はたまたその両方か。
ななしと沖田は現在地が屯所内の一室であることも忘れ、お互いの体温を分け合う様に抱き合うのだった。
Omk
『はぁ、暖かい。眠くなっちゃいそう』
「少し休憩してもええんやないか?」
『ふふふ、夢の様な提案ですね』
「ほな。俺の胸貸したるわ」
『本当に眠っちゃいそう…』
スーー
「ななし、総司」
『ひぇ!!?』
「お、なんや歳ちゃんやないか」
「…ななし随分と余裕そうじゃぁないか。先程の仕事が片付いたと見える」
『え、あ…えーっと…』
「それなら他にも手伝ってもらいたいものが山ほどある。今すぐに副長室に来たまえ」
「……陰湿副長」ボソッ
『シッ!!』
「どうせ聞こえとらんわ」
「……さて、私はこれで失敬するが…今日君たちは真っ直ぐ帰宅出来ない可能性がある。なぜなら私は陰湿であり、今からななしに1人では捌けない程の仕事を与えるからだ」
『えっ!?』
「それでは失敬する」
「地獄耳すぎるやろ」
『もう静かにしてください総司さん!』
「あ?」
秋も終わり少しずつ冬らしくなってきたと言うのに沖田はまだ羽織のみを着用している。
胸や腹などが着ている羽織からはみ出ており、見ているだけでもとても寒そうだ。
これから冷たい風が吹く冬が来ると言うのに、未だに同じ格好のまま過ごす沖田にななしは訝しげに眉をひそめた。
「…ワシのこだわりや。変えるつもりはあらへん」
『えぇ…こだわりでお腹出しっぱなしなんですか?いつかお腹壊しちゃいますよ?』
「阿呆!ワシがそないにヤワなわけないやろ」
『そんなこと分からないじゃないですか〜』
「分かるわ!今まで壊したことないやろ」
『今までは無かったかもしれないですけど、これからは分からないですよ?もしかしたら今日お腹壊しちゃうかも…』
「分かる言うとるやろ!ワシはなにがあっても壊さんのや」
『壊しちゃってもしらないんですからね』
沖田は寒くない、腹を壊さないと言い切りフンっとそっぽを向いてしまった。
しかしそう言いプリプリと怒っている割に沖田は体をななしにぴったりとくっつけて座っている。
気温は低く寒いが触れ合っている箇所はじんわりと暖かい。沖田はきっとこの温もりを目的とし近づいているに違いない。
大体薄っぺらい羽織一枚で冬を過ごせるはずがないのだ。こだわりだろうとなんだろうともう一枚でも二枚でも着重ねた方が絶対に沖田の為にもなる。
風邪を引いてからでは遅いのだから…と思うものの、こうしてへそを曲げてしまった沖田は話をなかなか聞いてくれないため、今日はこれ以上何を言っても平行線のままだろう。
結局『もっと服を着てください』と言うことを諦めたななしは呆れたようにため息を着いた。
『まぁ、貴方がいいならそれでいいんですけどね』
「あ?なんの話や」
『いいえ、こちらの話です』
「ほうか。それよりななしもっとこっち来んかい」
『ま、まだ仕事中なんですから駄目ですよ』
「あ?別にええやろ。ワシが来い言うたら素直に来いや」
『総司さんこそ素直に寒いって言ったらどうですかー!』
「これは寒からゃなくてお前を可愛がるために引っ付いとんねん!」
『どちらにせよここは屯所なので駄目ですってば!』
「つべこべ言わんとはよぉ来い!」
『わっ!』
寒いから触れ合っていることをなかなか認めない沖田に腕をひかれたななしは、勢いよく彼の胸の中へと倒れ込んでしまった。
そのまま逃がさないとばかりに腰と頭に沖田の腕がまわり、ギュウっと力強く抱きしめられる。
するとななしの顔は必然的に沖田の胸板にくっついてしまう。
素肌と素肌が触れ合うとその箇所がじんわりと熱を持ち、着重ねていても寒いななしの体を微かに温めるようであった。
『そ、総司さんっ』
「はぁー、ぬくい。お前ホンマ子供体温やなぁ」
『もう、やっぱり寒いんじゃないですか!それに子供体温じゃありません!』
「ヒヒッ、これはお前との愛を確かめとんねん。確かめついでに温まっとるだけや」
『貴方は本当に素直じゃないですね…』
ギュウと強くも優しく抱きしめられていると二人分の体温でポカポカと体全体が温まってくる。
同時に言い知れぬ安心感や幸福感に体だけでなく心までポカポカと満たされるのだから
未だに"愛を確かめ合っている"ていで接してくる沖田だが、彼の行動はやはり暖を取るための行動に思える。
痩せ我慢をして「寒い」と言えないその不器用さに呆れつつもなんとなく愛おしさが募ったななしは『ふふふっ』と小さく笑いながら、沖田の羽織から腕を入れ上半身に抱きついた。
そのまま摩擦で熱を伝えるように、沖田の背中を手のひらで素早く摩る。
『ほら、どうですか?暖かいですか?』
「ヒヒッ!痛いの間違いやろ?」
『大丈夫!総司さんの背中はそんなにヤワじゃないでしょう?』
「まぁ、せやな。けど、そんなんせんでも十分ぬくいでななし」
『んっ、そっか。総司さんが暖かいなら良かった』
「お前はホンマに…健気なやっちゃなぁ…」
『んふふ……あ、今日帰ったら湯やっこ食べましょうか。きっと温まりますよ?』
「お、ええな。ほな今日は豆腐と酒買うて帰ろか」
『はい、買って帰りましょう』
この先もっともっと冷え込み雪も降ってくるだろう。それでもきっとこうして抱き合っていれば冬なんて簡単に乗り切れてしまいそうな気がする。
人肌のおかげか、
ななしと沖田は現在地が屯所内の一室であることも忘れ、お互いの体温を分け合う様に抱き合うのだった。
Omk
『はぁ、暖かい。眠くなっちゃいそう』
「少し休憩してもええんやないか?」
『ふふふ、夢の様な提案ですね』
「ほな。俺の胸貸したるわ」
『本当に眠っちゃいそう…』
スーー
「ななし、総司」
『ひぇ!!?』
「お、なんや歳ちゃんやないか」
「…ななし随分と余裕そうじゃぁないか。先程の仕事が片付いたと見える」
『え、あ…えーっと…』
「それなら他にも手伝ってもらいたいものが山ほどある。今すぐに副長室に来たまえ」
「……陰湿副長」ボソッ
『シッ!!』
「どうせ聞こえとらんわ」
「……さて、私はこれで失敬するが…今日君たちは真っ直ぐ帰宅出来ない可能性がある。なぜなら私は陰湿であり、今からななしに1人では捌けない程の仕事を与えるからだ」
『えっ!?』
「それでは失敬する」
「地獄耳すぎるやろ」
『もう静かにしてください総司さん!』