小話集2
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(支配人+西谷/恋人)
「…ん?」
グランドの営業が終了し、残された事務作業を行っていた真島はスタッフルームの外がやけに騒がし事に気が付き咄嗟に顔を起こした。
従業員は皆帰り、今グランドの中は自分と恋人であるななししか居ないはずだ。
そんな中大人しいななしが1人で騒ぐとは思えず、何かあったのかもしれないと不安に駆られた真島は急いで立ち上がりスタッフルームを飛び出した。
「ななし!」
『ま、真島さん!』
「お、真島くんや〜」
「な!?西谷!」
外へ出れば直ぐにななしの姿が見えたのだが…ななしだけでなく臙脂色のスーツの男…西谷もおり、彼女を壁へ追いやりながらニヤニヤと笑っていたのだ。
そんな光景に真島は一瞬で血が上ると、憤りに任せ西谷の頬目掛け右ストレートを放った。
力強い拳が頬にめり込んだ西谷は「ぐふっ」と後方へ飛んでいくが真島は一瞥しただけで、すぐにななしの元へと駆け寄っていく。
「大丈夫か?ななし」
『うん、大丈夫です。ありがとうございます。真島さんこそ手大丈夫でしたか?』
「おう、こんなもんかすり傷や。安心せぇ」
『良かった…』
「いつからおったんや。ホンマ気色悪いおっさんやで」
『い、いつの間にかいました』
「気色悪いなんて言い過ぎやないか真島くん!ワシはなななしちゃんと真島くんと仲良ぉなりたくてここに来たんや。もっと優しく出迎えてや」
「…ななし。掃除終わったんなら帰ろか」
『え、あ、はい!そうですね、帰りましょうか』
「待ってや二人とも!ワシな二人と最高に仲良ぉなれるええ案持ってきたんや。聞いてぇや」
真島の右ストレートでしっかり鼻血を出している西谷だが、彼は気にしていないらしくニコニコと嬉しそうにしている。
鼻血を流しながら腕を広げ嬉々として話し出す西谷はななしや真島から見てもかなり異質で、二人は顔を見合せて同時にため息をついた。
「アンタに構っとる暇なんてないねん。はよ帰れや。俺らは忙しいんや」
「もう帰るんやろ?少し話し聞いてや」
「はぁ、鬱陶しい…」
『…ま、真島さん?大丈夫ですか?』
「ん?すまん。大丈夫や」
西谷に頭を悩ませイライラしていたことがななしにも伝わったらしく、眉を下げ不安そうにしている。
本来ならグランドから蹴りだし無視を決め込む真島だが、これ以上ななしを怖がらせるのは不本意でしかないため、とりあえず暴力は止めニヤニヤ笑う西谷に「はよ話せや」と先を促した。
「ワシと真島くんとななしちゃん。3Pすれば仲良ぉなれると思うんや!どや?ええ案やろ!?」
「……」
真島は西谷の発言を聞き、先程話すように促した
ことを後悔した。
この男がまともでないと分かっていたはずなのに、発言を許可したせいでななしに下世話な話を聞かせてしまった自分を殴ってやりたい。
グッと力の入る拳を振り上げそうになるがななしがいる手前なんとか耐え忍び、真島はニヤニヤと笑っている西谷に詰め寄り威圧するように睨みつけた。
「何を言うとんねん。ぶち殺すぞおっさんっ」
「おぉ、怖い怖い。そないな顔しとるとまたななしちゃん怖がらせてまうで真島くん」
「せやったらおどれが黙っとけやっ!」
「仲良ぉなれる最短ルートやと思わんか?」
「誰がおどれと仲良ぉなりたいねん!寝言は寝て言えや」
「せやけど真島くんも男や。他の男に犯されるななしちゃんに興奮するかもしれへんやろ?新しい道を開拓すると思て、やってみいひん?」
「この子に指一本でも触れたらぶち殺したるからなっ!」
傍にななしがいると言うのに、つらつらと永遠にしゃべり続ける西谷に我慢の限界が来た真島は、臙脂色のジャケットの襟を引っつかみ「ええ加減にせぇよ!」と凄む。
この境遇から抜け出せると言われたとしても絶対にななしを誰かと共有するつもりはない。
彼女は監獄の中で見つけた唯一の癒しで、光だ。
己の人生の中で最も愛した女性で、彼女もまた自身を愛してくれている。
そんな愛おしくも大事なななしを西谷のような変態で気色の悪い男に触れられてなるものか。
絶対にななしだけは死守してやる、そう威嚇するように西谷の胸ぐらを掴む真島は今にも噛みつきそうな勢いだ。
西谷は胸ぐらを掴まれて居るはずなのに何故か楽しそうにしている。
この状況が面白いと感じているらしい。
まさに一触即発状態。
今ここで殺し合いの喧嘩が勃発してもおかしくは無い。
「どや?ななしちゃん。おっさんと真島くんとで3Pしてみいひん?」
「この子に話しかけんな!!」
「な?どや?」
西谷の変態的な問に真島は大きく怒鳴る。
またななしを怖がらせてしまうかもしれないが、これ以上我慢はできない。
この害悪な存在を彼女の目に映らないように抹消しなければ…真島は腰のベルトに刺してある短刀に手を伸ばした。
『えっ、えっと、あの…さ、さんぴーってなんですか?ピース的ななにかですか?』
「……」
「……」
真島が手を伸ばしたと同時にななしが西谷の問に返事をしたのだが…。
その返事があまりにも無垢で純粋なものであったため、思わず体の動きが止まり彼女を見つめていた真島。
西谷も同じだったようでななしが分からないと首を傾げる姿を凝視している。
「ななしちゃん…こないな所で働いとるくせにえろうおこちゃまなんやな。なんやもっと興奮してきたわ。ワシが大人っちゅうもんがどんなもんか教えたる」
『え!?お、おこちゃまじゃないです!』
「ななし、このおっさんに構わんでええ。無視しとき。おい、西谷。これ以上この子に適当なこと言うてみ。ホンマにぶち殺したるからな」
「せやけど真島くん、ななしちゃん希少種過ぎるわ。今どきこないになんも知らん子もおらんやろ」
「黙っとけや」
『す、すみません。アタシ…本当になにも知らなくて…』
「ななし!こんなアホの変態に謝らんでええ!世の中には知らんでもええこともあるんや」
「いや、一般教養やで。ななしちゃん、知らんと笑われるさかい今日勉強しよな」
『い、一般教養…そうなんですか?真島さん』
「ちゃう!一般教養やない。ななし、こいつの話は信じんでええ」
「何言うとんのや真島くん。これから蒼天堀で、夜の世界で生きてくっちゅうんやったら一般教養やろ。知っといて損は無いで?」
「あんま調子にのんなや西谷。この子はここで生きていく訳やない。ななし、帰んで」
『あ、ま、真島さんっ!』
「そんな怒らんでもええやん。真島くぅん」
これ以上西谷の話には付き合っていられないと判断した真島は、いち早く帰宅するべくななしの手をとり踵を返した。
後方で「ちょっと待ってや二人とも〜」と言う西谷の事は完全に無視し、施錠をするため玄関へ向かう。
『真島さん。西谷さん放っておいて大丈夫ですか?』
「ん?勝手に出てくやろ」
『な、なるほど』
「はぁ、ホンマ疲れたわ」
『ふふ、確かにそうですねぇ。お疲れ様です』
「ななしも、お疲れさん」
グランドの中をのそのそ歩く西谷を無視し真島は素早く施錠を行った。
中から鍵をあけられるので簡単に外に出ることは出来るだろうし明日には消えているだろう。今日散々な目に合わされた仕返しとばかりに西谷の目の前でしっかりと施錠をし再び真島はななしの手を引く。
『真島さん、さっきのって結局なんだったんですか?』
「ん?気にせんとき」
『そう言っても気になっちゃうんですもん!それにお子ちゃまって言われたんですからね!もう二度と言われないように知っておかないと!』
「ななしがどうしても知りたいんなら教えたる」
『はい、知りたいです!』
「3P…つまり三人でセックスするっちゅうことや」
『…えっ』
「あの場合は俺とおっさんとななしとでセックスするっちゅうことや。分かったか?」
『…ひぇ…』
この世には知らなくていい事が山ほどある。
"3P"とはその最もたるものだ。
しかしそれでも知りたいというのなら真島が止めることは出来ない。知りたいのだとふんふんと怒る純粋なななしに真島は3Pの意味を説明してやった。
すると何を想像したかななしの顔はみるみる青ざめ、よほど嫌だったのか彼女の口から小さな悲鳴が零れた。
嫌悪感を示すななしが不謹慎だが可愛いらしいと感じ、真島はそっと彼女の頭を撫でてやった。
「知らんでも良かったやろ?」
『やっぱりおこちゃまでいいです…』
「安心せぇ。俺の目が黒いうちはななしにそんな事させへんからな」
『全力でお願いします!』
「おうっ、頼まれたで」
自分の恋人はこんな境遇で生きていようと真っ直ぐで純粋で穢れがない。
そんな綺麗なななしだからこそ真島は惹かれ、愛したのだ。
無理に大人になる必要も、そんな大人の汚い部分や卑猥な部分をななしは知らなくてもいい。
この先ななしがななしらしく生きるため、そして世の中の汚い部分が見えてしまわないように自分が出来ることは何でもしよう。
真島は隣でぎゅうっと手を握り返してくれる真白なななしを見つめそんな事を思うのだった。
(真島さん、おはようございます!)
(……ななしか、おはようさん)
(ど、どうかしましたか?顔色が良くないような…)
(少しホールん中見てみ)
(え?…え!?西谷さん!?寝てる!!)
(あのおっさん帰らんと一夜明かしたんやろな…どんだけガサツやねん…はぁ、警察に連絡してくるわ…)
(は、はい…)
ななしちゃんは真島さんとおせっせするようになってどんどん色んなことを知るようになる。
でもすんごい卑猥なことは教えて貰えないらしい。
過保護だね、支配人。
「…ん?」
グランドの営業が終了し、残された事務作業を行っていた真島はスタッフルームの外がやけに騒がし事に気が付き咄嗟に顔を起こした。
従業員は皆帰り、今グランドの中は自分と恋人であるななししか居ないはずだ。
そんな中大人しいななしが1人で騒ぐとは思えず、何かあったのかもしれないと不安に駆られた真島は急いで立ち上がりスタッフルームを飛び出した。
「ななし!」
『ま、真島さん!』
「お、真島くんや〜」
「な!?西谷!」
外へ出れば直ぐにななしの姿が見えたのだが…ななしだけでなく臙脂色のスーツの男…西谷もおり、彼女を壁へ追いやりながらニヤニヤと笑っていたのだ。
そんな光景に真島は一瞬で血が上ると、憤りに任せ西谷の頬目掛け右ストレートを放った。
力強い拳が頬にめり込んだ西谷は「ぐふっ」と後方へ飛んでいくが真島は一瞥しただけで、すぐにななしの元へと駆け寄っていく。
「大丈夫か?ななし」
『うん、大丈夫です。ありがとうございます。真島さんこそ手大丈夫でしたか?』
「おう、こんなもんかすり傷や。安心せぇ」
『良かった…』
「いつからおったんや。ホンマ気色悪いおっさんやで」
『い、いつの間にかいました』
「気色悪いなんて言い過ぎやないか真島くん!ワシはなななしちゃんと真島くんと仲良ぉなりたくてここに来たんや。もっと優しく出迎えてや」
「…ななし。掃除終わったんなら帰ろか」
『え、あ、はい!そうですね、帰りましょうか』
「待ってや二人とも!ワシな二人と最高に仲良ぉなれるええ案持ってきたんや。聞いてぇや」
真島の右ストレートでしっかり鼻血を出している西谷だが、彼は気にしていないらしくニコニコと嬉しそうにしている。
鼻血を流しながら腕を広げ嬉々として話し出す西谷はななしや真島から見てもかなり異質で、二人は顔を見合せて同時にため息をついた。
「アンタに構っとる暇なんてないねん。はよ帰れや。俺らは忙しいんや」
「もう帰るんやろ?少し話し聞いてや」
「はぁ、鬱陶しい…」
『…ま、真島さん?大丈夫ですか?』
「ん?すまん。大丈夫や」
西谷に頭を悩ませイライラしていたことがななしにも伝わったらしく、眉を下げ不安そうにしている。
本来ならグランドから蹴りだし無視を決め込む真島だが、これ以上ななしを怖がらせるのは不本意でしかないため、とりあえず暴力は止めニヤニヤ笑う西谷に「はよ話せや」と先を促した。
「ワシと真島くんとななしちゃん。3Pすれば仲良ぉなれると思うんや!どや?ええ案やろ!?」
「……」
真島は西谷の発言を聞き、先程話すように促した
ことを後悔した。
この男がまともでないと分かっていたはずなのに、発言を許可したせいでななしに下世話な話を聞かせてしまった自分を殴ってやりたい。
グッと力の入る拳を振り上げそうになるがななしがいる手前なんとか耐え忍び、真島はニヤニヤと笑っている西谷に詰め寄り威圧するように睨みつけた。
「何を言うとんねん。ぶち殺すぞおっさんっ」
「おぉ、怖い怖い。そないな顔しとるとまたななしちゃん怖がらせてまうで真島くん」
「せやったらおどれが黙っとけやっ!」
「仲良ぉなれる最短ルートやと思わんか?」
「誰がおどれと仲良ぉなりたいねん!寝言は寝て言えや」
「せやけど真島くんも男や。他の男に犯されるななしちゃんに興奮するかもしれへんやろ?新しい道を開拓すると思て、やってみいひん?」
「この子に指一本でも触れたらぶち殺したるからなっ!」
傍にななしがいると言うのに、つらつらと永遠にしゃべり続ける西谷に我慢の限界が来た真島は、臙脂色のジャケットの襟を引っつかみ「ええ加減にせぇよ!」と凄む。
この境遇から抜け出せると言われたとしても絶対にななしを誰かと共有するつもりはない。
彼女は監獄の中で見つけた唯一の癒しで、光だ。
己の人生の中で最も愛した女性で、彼女もまた自身を愛してくれている。
そんな愛おしくも大事なななしを西谷のような変態で気色の悪い男に触れられてなるものか。
絶対にななしだけは死守してやる、そう威嚇するように西谷の胸ぐらを掴む真島は今にも噛みつきそうな勢いだ。
西谷は胸ぐらを掴まれて居るはずなのに何故か楽しそうにしている。
この状況が面白いと感じているらしい。
まさに一触即発状態。
今ここで殺し合いの喧嘩が勃発してもおかしくは無い。
「どや?ななしちゃん。おっさんと真島くんとで3Pしてみいひん?」
「この子に話しかけんな!!」
「な?どや?」
西谷の変態的な問に真島は大きく怒鳴る。
またななしを怖がらせてしまうかもしれないが、これ以上我慢はできない。
この害悪な存在を彼女の目に映らないように抹消しなければ…真島は腰のベルトに刺してある短刀に手を伸ばした。
『えっ、えっと、あの…さ、さんぴーってなんですか?ピース的ななにかですか?』
「……」
「……」
真島が手を伸ばしたと同時にななしが西谷の問に返事をしたのだが…。
その返事があまりにも無垢で純粋なものであったため、思わず体の動きが止まり彼女を見つめていた真島。
西谷も同じだったようでななしが分からないと首を傾げる姿を凝視している。
「ななしちゃん…こないな所で働いとるくせにえろうおこちゃまなんやな。なんやもっと興奮してきたわ。ワシが大人っちゅうもんがどんなもんか教えたる」
『え!?お、おこちゃまじゃないです!』
「ななし、このおっさんに構わんでええ。無視しとき。おい、西谷。これ以上この子に適当なこと言うてみ。ホンマにぶち殺したるからな」
「せやけど真島くん、ななしちゃん希少種過ぎるわ。今どきこないになんも知らん子もおらんやろ」
「黙っとけや」
『す、すみません。アタシ…本当になにも知らなくて…』
「ななし!こんなアホの変態に謝らんでええ!世の中には知らんでもええこともあるんや」
「いや、一般教養やで。ななしちゃん、知らんと笑われるさかい今日勉強しよな」
『い、一般教養…そうなんですか?真島さん』
「ちゃう!一般教養やない。ななし、こいつの話は信じんでええ」
「何言うとんのや真島くん。これから蒼天堀で、夜の世界で生きてくっちゅうんやったら一般教養やろ。知っといて損は無いで?」
「あんま調子にのんなや西谷。この子はここで生きていく訳やない。ななし、帰んで」
『あ、ま、真島さんっ!』
「そんな怒らんでもええやん。真島くぅん」
これ以上西谷の話には付き合っていられないと判断した真島は、いち早く帰宅するべくななしの手をとり踵を返した。
後方で「ちょっと待ってや二人とも〜」と言う西谷の事は完全に無視し、施錠をするため玄関へ向かう。
『真島さん。西谷さん放っておいて大丈夫ですか?』
「ん?勝手に出てくやろ」
『な、なるほど』
「はぁ、ホンマ疲れたわ」
『ふふ、確かにそうですねぇ。お疲れ様です』
「ななしも、お疲れさん」
グランドの中をのそのそ歩く西谷を無視し真島は素早く施錠を行った。
中から鍵をあけられるので簡単に外に出ることは出来るだろうし明日には消えているだろう。今日散々な目に合わされた仕返しとばかりに西谷の目の前でしっかりと施錠をし再び真島はななしの手を引く。
『真島さん、さっきのって結局なんだったんですか?』
「ん?気にせんとき」
『そう言っても気になっちゃうんですもん!それにお子ちゃまって言われたんですからね!もう二度と言われないように知っておかないと!』
「ななしがどうしても知りたいんなら教えたる」
『はい、知りたいです!』
「3P…つまり三人でセックスするっちゅうことや」
『…えっ』
「あの場合は俺とおっさんとななしとでセックスするっちゅうことや。分かったか?」
『…ひぇ…』
この世には知らなくていい事が山ほどある。
"3P"とはその最もたるものだ。
しかしそれでも知りたいというのなら真島が止めることは出来ない。知りたいのだとふんふんと怒る純粋なななしに真島は3Pの意味を説明してやった。
すると何を想像したかななしの顔はみるみる青ざめ、よほど嫌だったのか彼女の口から小さな悲鳴が零れた。
嫌悪感を示すななしが不謹慎だが可愛いらしいと感じ、真島はそっと彼女の頭を撫でてやった。
「知らんでも良かったやろ?」
『やっぱりおこちゃまでいいです…』
「安心せぇ。俺の目が黒いうちはななしにそんな事させへんからな」
『全力でお願いします!』
「おうっ、頼まれたで」
自分の恋人はこんな境遇で生きていようと真っ直ぐで純粋で穢れがない。
そんな綺麗なななしだからこそ真島は惹かれ、愛したのだ。
無理に大人になる必要も、そんな大人の汚い部分や卑猥な部分をななしは知らなくてもいい。
この先ななしがななしらしく生きるため、そして世の中の汚い部分が見えてしまわないように自分が出来ることは何でもしよう。
真島は隣でぎゅうっと手を握り返してくれる真白なななしを見つめそんな事を思うのだった。
(真島さん、おはようございます!)
(……ななしか、おはようさん)
(ど、どうかしましたか?顔色が良くないような…)
(少しホールん中見てみ)
(え?…え!?西谷さん!?寝てる!!)
(あのおっさん帰らんと一夜明かしたんやろな…どんだけガサツやねん…はぁ、警察に連絡してくるわ…)
(は、はい…)
ななしちゃんは真島さんとおせっせするようになってどんどん色んなことを知るようになる。
でもすんごい卑猥なことは教えて貰えないらしい。
過保護だね、支配人。