小話集1
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(真島/恋人)
『おかえりなさい』
「おう」
肩がこったと腕を回しながら深いため息をついている真島の傍 らで、ななしはクスクスと笑いながら彼から受け取った黒のジャケットをハンガーに掛けていた。
時刻は12時を回っており、もうあと少しで夜中の1時になりそうだ。
朝から今の時間まで東城会の重鎮達と会議をしていたのだから真島の言うように肩も凝るだろうなぁ、とななしはぼんやりと思った。
『このままお風呂入って寝ちゃいましょうか』
「ななしは入ったんか?」
『アタシはだいぶ前に入っちゃった』
「なら、さっさと入るかのぉ」
『…』
「ななし?何を見とんねん」
ハンガーとジャケットをクローゼットにしまい、ぼんやり真島を見ていると、不意に革手袋が嵌められた手が黒のネクタイを緩めた。
結び目を掴んだ手は解くようにして左右に動かされ、スルスルと下に降りていく。
このネクタイを解く仕草は真島が正装した日は毎回見るものなのだが。
何度見てもななしの視線を奪う仕草であった。
幹部会 のためにびっしりと固められたスーツが、ななしが待つ家に来た途端に緩められる。
仕事モードである真島がオフモードに切り替わる瞬間がななしはたまらなく好きなのだ。
特別感のある仕草であるし、ネクタイが緩んだあとにはだけるワインレッドのワイシャツ姿もとてもセクシーなのだ。
加えて鎖骨や胸あたりに薄ら見える刺青も彼の色気を際立たせている。
今日もそんな凄まじい色気を放つ真島を目の当たりにしてしまい、ななしは何となく目を逸らしてしまった。
恋人になってもう何年単位になるのに、毎度彼の色気ある仕草にドキドキしてしまう。
───…かっこよすぎて、心臓破裂しそうなんですけど…今のアタシ鼻血出てない?
指でそっと鼻の下を触ってみるが、鼻血は出ていなさそうだ。
いつの日かこのドキドキに心臓が耐えられなくなって動きを止めてしまうんじゃないだろうか。
死因は恋人のかっこよさに当てられたから、うん。別に悪くは無い。寧ろ本望かもしれない。
平静を装っているものの、彼女心の中は嵐のように忙しない。
───…どれもこれも吾朗さんがかっこいいのがいけないんだ、うんうん。
ななしは未だにワイシャツ姿のままの真島を視界に入れぬようにしながら、うんうんと一人頷いた。
───…もういっそ上半身裸の方が耐えられる。変にワインレッドのワイシャツ着てる方がセクシーに見える…これが俗に言う裸より着衣がエロいか。まさにその通りかもしれない …。
「なんでそないにそっぽ向いとんねん」
『え!?き、気のせいじゃないですか』
「阿呆、せやったらこっち向かんかい」
セクシーな恋人を凝視出来ないんです!とは口が裂けてもいえなかったななしは熱が集まる顔を真島のいる方へできるだけゆっくりと向けた。
おずおずと彼の方を向けば存外と近くにおり、はだけた胸元が視界いっぱいに映る。
───…凄くえっちだっっ!
「うお、どないしてん」
『なんでもないです』
目の前に広がる鎖骨と胸板。微かに見える刺青、極めつけの喉仏近くのホクロ。
どこをどうとってもかっこよくななしの心臓をこれでもかとドキドキさせる。
暴れ狂う心臓に肋が折られてしまうんじゃないかとさえ思えた。
このままではいけない、もう見てはいけないと、ななしは傍にあったソファに逃げるように倒れ込み真島の体や顔を視界に移さぬように手で目を覆った。
奇っ怪な行動を起こしたため真島はとても驚いているようだ。
ごめんなさい、でも貴方がかっこいいのが悪いんです。
目を隠しながらななしは心の中で真島にひたすら謝った。
「ヒヒッ、なんでもないのにそないに耳真っ赤にしとんか?」
『……してません』
「ほな、顔見せぇや」
『無理です。今すぐそのワイシャツ脱いでくれないと見れません』
「なんでやねん。普通に服着とるだけやないか」
『普通じゃない、その色気は普通じゃないんですよ吾朗さん』
「普通は裸の方が見れんもんやないんか」
『アタシ多分チラリズムに弱いんです、許してください』
「…お前も意外にミーハーなとこあんねんな」
『ミーハーなんて死語ですよ。吾朗さん』
「チラリズムかて死語やろ」
『……え?チラリズム死語なんだ…』
「せやろ」
『もう二度と使わない』
「そんなことどうでもええねん。それよりななし」
『は、はい?』
「着とるより脱いだ方がええなんて大胆な事言うたんはお前やけど…それでええんやな?」
『わっ!?』
目を覆っていたななしに覆い被さるように倒れてきた真島。衝撃に驚きななしは咄嗟に覆っていた手を退かしてしまった。
ずっと視界に移さぬようにしていたため気付かなかったが、倒れ込んできた真島は話していた通り上半身裸で。
ワイシャツに隠れていた逞しい体と、刺青が露になっている状態だったのだ。
「こっちのがよっぽど見れんと思うんやけどなぁ」
そのまま上半身裸の状態で力強く抱きしめられてしまったななし。頭を抱えるように抱きしめられたため自ずと胸板に顔を引っつける形になってしまう。
しまいには真島の長い足までもがギュッと絡みついてくるため全く身動きが取れない。
真島の体が密着したことで彼の温もりが物凄く伝わってくる。そして香水とほのか混じった汗の香りが鼻をくすぐり、頭がクラクラとしてくるようだった。
『こ、これは見れる見れないの問題じゃない気がする…』
「せやけどこれはお前が脱げ言うた結果や」
『確かに脱いでっていったけど…』
「ヒヒッ、自分の言葉には責任もたなアカンでぇ」
これだけ引っ付かれてしまうと、はだけたワイシャツやチラリズムどころの騒ぎでは無い。
それら以上に心臓がバクバクと早鐘を打ち、口から飛び出してしまいそうになる。
これだけ密着しているのだから、死ぬほど爆速で動く心臓の音もきっと真島に伝わってしまっているのだろう。
そう思うと余計に恥ずかしくて。
胸の動悸が止まない。
『吾朗さん…アタシ薬局行ってくる』
「あ?こんな時間から一人で出歩こうとすな、阿呆」
『そ、そうなんですけど…』
「それにこれは求心じゃどうにもならんやつや」
『なんで求心買うって分かるの』
「こんだけバクバクしとったら分かるわ」
『全部見透かされてる…恥ずかしい』
「そんなもんに頼らんでも耐性できるまで俺が協力したるわ」
『…今のおじさんっぽい…』
「つべこべ言うとらんと口閉じとき」
『んん…』
真島には何もかもお見通しらしい。
ななしの心音もモロバレだったようだ。
恥ずかしくて今すぐに逃げ出したくなったが真島に与えられる快楽に直ぐに体がヘロヘロになって、それどころでは無い。
多分こうして"耐性を付けて"もきっとまだまだかっこよさに翻弄され続けるのだろうなとななしはぼんやりとそう思う。
ただそれも悪くは無い。
早死しそうではあるけど。
求心…今の子知っているのかしら( ˇωˇ )
『おかえりなさい』
「おう」
肩がこったと腕を回しながら深いため息をついている真島の
時刻は12時を回っており、もうあと少しで夜中の1時になりそうだ。
朝から今の時間まで東城会の重鎮達と会議をしていたのだから真島の言うように肩も凝るだろうなぁ、とななしはぼんやりと思った。
『このままお風呂入って寝ちゃいましょうか』
「ななしは入ったんか?」
『アタシはだいぶ前に入っちゃった』
「なら、さっさと入るかのぉ」
『…』
「ななし?何を見とんねん」
ハンガーとジャケットをクローゼットにしまい、ぼんやり真島を見ていると、不意に革手袋が嵌められた手が黒のネクタイを緩めた。
結び目を掴んだ手は解くようにして左右に動かされ、スルスルと下に降りていく。
このネクタイを解く仕草は真島が正装した日は毎回見るものなのだが。
何度見てもななしの視線を奪う仕草であった。
仕事モードである真島がオフモードに切り替わる瞬間がななしはたまらなく好きなのだ。
特別感のある仕草であるし、ネクタイが緩んだあとにはだけるワインレッドのワイシャツ姿もとてもセクシーなのだ。
加えて鎖骨や胸あたりに薄ら見える刺青も彼の色気を際立たせている。
今日もそんな凄まじい色気を放つ真島を目の当たりにしてしまい、ななしは何となく目を逸らしてしまった。
恋人になってもう何年単位になるのに、毎度彼の色気ある仕草にドキドキしてしまう。
───…かっこよすぎて、心臓破裂しそうなんですけど…今のアタシ鼻血出てない?
指でそっと鼻の下を触ってみるが、鼻血は出ていなさそうだ。
いつの日かこのドキドキに心臓が耐えられなくなって動きを止めてしまうんじゃないだろうか。
死因は恋人のかっこよさに当てられたから、うん。別に悪くは無い。寧ろ本望かもしれない。
平静を装っているものの、彼女心の中は嵐のように忙しない。
───…どれもこれも吾朗さんがかっこいいのがいけないんだ、うんうん。
ななしは未だにワイシャツ姿のままの真島を視界に入れぬようにしながら、うんうんと一人頷いた。
───…もういっそ上半身裸の方が耐えられる。変にワインレッドのワイシャツ着てる方がセクシーに見える…これが俗に言う裸より着衣がエロいか。まさにその通りかもしれない …。
「なんでそないにそっぽ向いとんねん」
『え!?き、気のせいじゃないですか』
「阿呆、せやったらこっち向かんかい」
セクシーな恋人を凝視出来ないんです!とは口が裂けてもいえなかったななしは熱が集まる顔を真島のいる方へできるだけゆっくりと向けた。
おずおずと彼の方を向けば存外と近くにおり、はだけた胸元が視界いっぱいに映る。
───…凄くえっちだっっ!
「うお、どないしてん」
『なんでもないです』
目の前に広がる鎖骨と胸板。微かに見える刺青、極めつけの喉仏近くのホクロ。
どこをどうとってもかっこよくななしの心臓をこれでもかとドキドキさせる。
暴れ狂う心臓に肋が折られてしまうんじゃないかとさえ思えた。
このままではいけない、もう見てはいけないと、ななしは傍にあったソファに逃げるように倒れ込み真島の体や顔を視界に移さぬように手で目を覆った。
奇っ怪な行動を起こしたため真島はとても驚いているようだ。
ごめんなさい、でも貴方がかっこいいのが悪いんです。
目を隠しながらななしは心の中で真島にひたすら謝った。
「ヒヒッ、なんでもないのにそないに耳真っ赤にしとんか?」
『……してません』
「ほな、顔見せぇや」
『無理です。今すぐそのワイシャツ脱いでくれないと見れません』
「なんでやねん。普通に服着とるだけやないか」
『普通じゃない、その色気は普通じゃないんですよ吾朗さん』
「普通は裸の方が見れんもんやないんか」
『アタシ多分チラリズムに弱いんです、許してください』
「…お前も意外にミーハーなとこあんねんな」
『ミーハーなんて死語ですよ。吾朗さん』
「チラリズムかて死語やろ」
『……え?チラリズム死語なんだ…』
「せやろ」
『もう二度と使わない』
「そんなことどうでもええねん。それよりななし」
『は、はい?』
「着とるより脱いだ方がええなんて大胆な事言うたんはお前やけど…それでええんやな?」
『わっ!?』
目を覆っていたななしに覆い被さるように倒れてきた真島。衝撃に驚きななしは咄嗟に覆っていた手を退かしてしまった。
ずっと視界に移さぬようにしていたため気付かなかったが、倒れ込んできた真島は話していた通り上半身裸で。
ワイシャツに隠れていた逞しい体と、刺青が露になっている状態だったのだ。
「こっちのがよっぽど見れんと思うんやけどなぁ」
そのまま上半身裸の状態で力強く抱きしめられてしまったななし。頭を抱えるように抱きしめられたため自ずと胸板に顔を引っつける形になってしまう。
しまいには真島の長い足までもがギュッと絡みついてくるため全く身動きが取れない。
真島の体が密着したことで彼の温もりが物凄く伝わってくる。そして香水とほのか混じった汗の香りが鼻をくすぐり、頭がクラクラとしてくるようだった。
『こ、これは見れる見れないの問題じゃない気がする…』
「せやけどこれはお前が脱げ言うた結果や」
『確かに脱いでっていったけど…』
「ヒヒッ、自分の言葉には責任もたなアカンでぇ」
これだけ引っ付かれてしまうと、はだけたワイシャツやチラリズムどころの騒ぎでは無い。
それら以上に心臓がバクバクと早鐘を打ち、口から飛び出してしまいそうになる。
これだけ密着しているのだから、死ぬほど爆速で動く心臓の音もきっと真島に伝わってしまっているのだろう。
そう思うと余計に恥ずかしくて。
胸の動悸が止まない。
『吾朗さん…アタシ薬局行ってくる』
「あ?こんな時間から一人で出歩こうとすな、阿呆」
『そ、そうなんですけど…』
「それにこれは求心じゃどうにもならんやつや」
『なんで求心買うって分かるの』
「こんだけバクバクしとったら分かるわ」
『全部見透かされてる…恥ずかしい』
「そんなもんに頼らんでも耐性できるまで俺が協力したるわ」
『…今のおじさんっぽい…』
「つべこべ言うとらんと口閉じとき」
『んん…』
真島には何もかもお見通しらしい。
ななしの心音もモロバレだったようだ。
恥ずかしくて今すぐに逃げ出したくなったが真島に与えられる快楽に直ぐに体がヘロヘロになって、それどころでは無い。
多分こうして"耐性を付けて"もきっとまだまだかっこよさに翻弄され続けるのだろうなとななしはぼんやりとそう思う。
ただそれも悪くは無い。
早死しそうではあるけど。
求心…今の子知っているのかしら( ˇωˇ )