サーモン&ラディッシュ[冨岡夢連載]
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「よし、すぐこの人間ゴミを捨ててこい、不死川」
「てめぇ、命令すんな!!!」
「何故なら俺は移動教室があるからだ、終わったら連絡しろ、いいか、冨岡」
言い捨てて、伊黒が走り去る。
雪姫と同じクラスなのは義勇と不死川だけなので、別クラスの伊黒や別の学年の宇髄は個別に動くことも多い。
「手分けして捨ててこよう」
「うるせぇ、指図すんな冨岡!!!俺一人でもできるわ!」
不死川の喧嘩腰は大半の人間相手に同じなので、気にしたことはあまりない。
うっかり拾った鳥の卵より繊細に扱うのを見ることが出来るのは、ほぼ雪姫相手の時だけだといってもいい。
「不死川は……」
「あぁ!?」
「雪姫には優しいな」
「はああ!?ほんとに不愉快なやつだなぁてめえは。唐突になんなんだ!」
乱暴に、叩きのめした侵入者たちを学校の外へ蹴り出している不死川が凶悪な表情で振り向く。
伊黒に念書や動画まで取られたというのに、後ろ手に縛られた挙げ句、衣類の前後に「私は変質者です」など書かれた紙が貼り付けられて蹴り出され、どちらが被害者なのか、という状態だ。
ネット社会のご時世である、通りすがりの人に写真にとられていずれかのソーシャルネットサービスに投稿されて、社会的抹殺をうけてる可能性を考えれば大金を積まれても次は引き受けないだろうという意図もある。
そんな処遇に手慣れてさばいていた二人だが、不死川は振り向いた勢いで片手の強力接着剤を落としかけた。
尚、これらのエグい追加提案は宇髄である。
「他人に興味なんかねぇみたいなツラして、一番雪姫から離れねぇやつが何言ってやがる」
「いや、雪姫といるときの不死川は大体笑顔でいることが多いと思っただけだ」
「そりゃあ不愉快なことがねぇからだろーが」
「……それは暗に俺が不愉快だと言いたいのか??」
「暗にじゃなくて直に言ってんだろうが!!阿呆が!!……俺は、頑丈なのだけが取り柄だからな、雪姫が実際どんだけ辛いのかわからんが、少しでも助けてやりてぇと思うだろうが」
「ああ」
「うちもシングルマザー家庭で、俺がしっかりしねぇとって思っちゃいるが、雪姫の家はもっと特殊だろ。俺の親父はクソだったがお袋にはいつも感謝してる……雪姫の親はあんなクズを許嫁に送り込んでおいて、放置じゃねえか。成金野郎も、手入れる為ならあえて雪姫を傷物にして上から目線で手に入れようって算段を親が知らねぇとは思えねぇ」
最後の侵入者を力いっぱいで蹴り倒すと、金に目がくらんだ不幸な男はそこで気絶したらしい。
しかも不幸はそこでブレーキが止まらず、不死川の手から接着剤が頭皮にこぼれた。
「体は弱くても、気持ちは強ェ。前むこうって頑張ってるのに、親がその頭を押さえつけて下にむけやがる。そんな胸糞悪い事情を、見てみぬふり出来るほど人間できてねぇし、男辞めてねぇよ」
義勇は手持ちの紙を、不死川がこぼした場所に貼った。
張り紙自体も地味すぎるからもっと手書きで派手にポップなやつにしようと、宇髄が恐ろしいことをのたまっていたがこちらの主犯がバレるような内容は避けるべきだという、伊黒の冷静かつ冷酷な指摘で辛うじて回避されての、プリントアウトされたシンプルな作りだが残り少ない。
「って、何で俺が雪姫についてこんな長々とてめぇなんかに語らないといけねンだよ!!キモいわ!!」
「いや、いい話だと思ったが?」
「うるせぇ、うざ岡!!!いい加減に黙れ、殺すぞ!!」
授業開始の音が鳴る。
不死川のイライラは糖分不足からで、ポケットに入っていたコンビニおはぎを渡そうと思っていた義勇の心遣いは消滅することとなった。
そしておはぎは制服のポケットの中であり、今はジャージだ。
「……うざ岡というのは、あだ名なのか?」
「言葉のまんまだよ、ボケ岡!!!いいから死ぬ気で走れ!!!!」
「死んだら走れないが」
「あーあーーあーー!!ふざけてやがるなァ。マジでいっぺんてめぇーを本気でボコりてぇ。おい、何で同じチームなんだろうなぁ!!」
不毛な怒鳴り合いは、日常の一部。
移動教室に全力で走った二人はたいして息も乱さず、互いのせいで遅刻しかけたと言いつけるように雪姫へ不満をこぼした。
「てめぇ、命令すんな!!!」
「何故なら俺は移動教室があるからだ、終わったら連絡しろ、いいか、冨岡」
言い捨てて、伊黒が走り去る。
雪姫と同じクラスなのは義勇と不死川だけなので、別クラスの伊黒や別の学年の宇髄は個別に動くことも多い。
「手分けして捨ててこよう」
「うるせぇ、指図すんな冨岡!!!俺一人でもできるわ!」
不死川の喧嘩腰は大半の人間相手に同じなので、気にしたことはあまりない。
うっかり拾った鳥の卵より繊細に扱うのを見ることが出来るのは、ほぼ雪姫相手の時だけだといってもいい。
「不死川は……」
「あぁ!?」
「雪姫には優しいな」
「はああ!?ほんとに不愉快なやつだなぁてめえは。唐突になんなんだ!」
乱暴に、叩きのめした侵入者たちを学校の外へ蹴り出している不死川が凶悪な表情で振り向く。
伊黒に念書や動画まで取られたというのに、後ろ手に縛られた挙げ句、衣類の前後に「私は変質者です」など書かれた紙が貼り付けられて蹴り出され、どちらが被害者なのか、という状態だ。
ネット社会のご時世である、通りすがりの人に写真にとられていずれかのソーシャルネットサービスに投稿されて、社会的抹殺をうけてる可能性を考えれば大金を積まれても次は引き受けないだろうという意図もある。
そんな処遇に手慣れてさばいていた二人だが、不死川は振り向いた勢いで片手の強力接着剤を落としかけた。
尚、これらのエグい追加提案は宇髄である。
「他人に興味なんかねぇみたいなツラして、一番雪姫から離れねぇやつが何言ってやがる」
「いや、雪姫といるときの不死川は大体笑顔でいることが多いと思っただけだ」
「そりゃあ不愉快なことがねぇからだろーが」
「……それは暗に俺が不愉快だと言いたいのか??」
「暗にじゃなくて直に言ってんだろうが!!阿呆が!!……俺は、頑丈なのだけが取り柄だからな、雪姫が実際どんだけ辛いのかわからんが、少しでも助けてやりてぇと思うだろうが」
「ああ」
「うちもシングルマザー家庭で、俺がしっかりしねぇとって思っちゃいるが、雪姫の家はもっと特殊だろ。俺の親父はクソだったがお袋にはいつも感謝してる……雪姫の親はあんなクズを許嫁に送り込んでおいて、放置じゃねえか。成金野郎も、手入れる為ならあえて雪姫を傷物にして上から目線で手に入れようって算段を親が知らねぇとは思えねぇ」
最後の侵入者を力いっぱいで蹴り倒すと、金に目がくらんだ不幸な男はそこで気絶したらしい。
しかも不幸はそこでブレーキが止まらず、不死川の手から接着剤が頭皮にこぼれた。
「体は弱くても、気持ちは強ェ。前むこうって頑張ってるのに、親がその頭を押さえつけて下にむけやがる。そんな胸糞悪い事情を、見てみぬふり出来るほど人間できてねぇし、男辞めてねぇよ」
義勇は手持ちの紙を、不死川がこぼした場所に貼った。
張り紙自体も地味すぎるからもっと手書きで派手にポップなやつにしようと、宇髄が恐ろしいことをのたまっていたがこちらの主犯がバレるような内容は避けるべきだという、伊黒の冷静かつ冷酷な指摘で辛うじて回避されての、プリントアウトされたシンプルな作りだが残り少ない。
「って、何で俺が雪姫についてこんな長々とてめぇなんかに語らないといけねンだよ!!キモいわ!!」
「いや、いい話だと思ったが?」
「うるせぇ、うざ岡!!!いい加減に黙れ、殺すぞ!!」
授業開始の音が鳴る。
不死川のイライラは糖分不足からで、ポケットに入っていたコンビニおはぎを渡そうと思っていた義勇の心遣いは消滅することとなった。
そしておはぎは制服のポケットの中であり、今はジャージだ。
「……うざ岡というのは、あだ名なのか?」
「言葉のまんまだよ、ボケ岡!!!いいから死ぬ気で走れ!!!!」
「死んだら走れないが」
「あーあーーあーー!!ふざけてやがるなァ。マジでいっぺんてめぇーを本気でボコりてぇ。おい、何で同じチームなんだろうなぁ!!」
不毛な怒鳴り合いは、日常の一部。
移動教室に全力で走った二人はたいして息も乱さず、互いのせいで遅刻しかけたと言いつけるように雪姫へ不満をこぼした。
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