天の邪鬼の恋
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「なあ、なんで炭治郎ってモテんだ?」
あたしは頭の上からした伊之助の声を見上げた。
目線の先には、女子に囲まれている炭治郎が居る。
クラスでの一角、野生児伊之助は勝手に人の弁当を食べてるし。
炭治郎は確かにモテるが、今は伊之助目当てに押しかけてきた女子へ対応しているのだっていうのに。
さすが、人語を聞かない男。
顔面だけの男。ディすろうと思えば、2時間以上このネタで話せる自信がある。
「なにいってんの?」
「なにじゃねえよ、炭治郎ってけっこう昔っから女に囲まれてンよな。なんでアイツなんだよ」
「は~……あんたに付き合ってるあたしと炭治郎ってほんとかわいそう。マジかわいそう、そして人類まれに見るいいヤツだわー」
「はああああ!?なんでだよっ!?」
伊之助も炭治郎も、幼馴染だ。
この超俺様と超マイペースの間で、あたしは振り回されたり……主に振り回されたりしている。
ただ振り回されてるだけじゃん、うん。
わがままな伊之助。マイペース炭治郎。気分屋のあたし。
妙なようでいて、なんでか気楽なこの組み合わせ。
どちらかに甘酸っぱい思いを抱える……という、いわゆる漫画的な展開もなく、寝ている伊之助もしくは炭治郎を起こしにくる勝気な幼馴染とかいう少年漫画にありがちな役割を演じたこともなく。
むしろあたしが炭治郎に起こしてもらうことも多く。
ただ、途中の小学校高学年からそんなあたしと炭治郎には、同じ悩み?同じ問題がふりかかりだしたのだ。
いわゆる、伊之助被害、と勝手にあたしが命名している。
やつはモテる。
馬鹿で阿呆だがモテる。
しかし、超俺様と威圧感にて、周囲や他クラス女子は話しかけにくい。
しかし、その傍にいるあたしや、妹sがいる炭治郎は話しかけやすいわけで。
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