賭けられた赤葦
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大勢の学校での合同合宿は、人数が多いだけに声を張り上げないとかき消される。
そのはずなのだが、練習試合の合間にラブラブだとか、耳に違和感を残してくる単語があちこちから聞こえてくるのは何故か。
しかも、なんら心当たりのない赤葦の顔をチラチラ見られながらのヒソヒソ。赤葦でなくても気分が害されて当然だ。
朝起きてから既にこのムード、逆算すると夜の主将会議までは昨日は何事もなかった。
自校のキャプテンに何かを問いただして解決するはずもないと諦めた足で、休憩中の黒尾に足を向けるとやはり食えない男は既に疑問を察知しているニヤケ顔だった。
「……何の賭けですか」
「えー、第一声からそうくる?普通は何か隠してないですか、とかじゃないの?」
やはり、キャプテンだけの会議で何かがあったのを確信する。
「木兎さんを仕込みに使うのやめてください、朝から「あかーし、ラブラブって言ってみ?」って意味不明な絡みに不快指数が」
おまけに、肩をつかまれて「お前はやれば出来る子!!」と謎の確信を迫られたことも訴訟したい。寄りにもよって、木兎からそんなセリフは聞きたくない。
「さすが木兎、変化球なしだわ」
「黒尾さんには、まさかアレが変化球できる人間に見えていたんですか?」
赤葦の言葉に、うっと頭を抱えるふりをした黒尾の演技が白々しかった。
「いや〜赤葦って、雪姫が絡むと割とバカになれるじゃん?だから『雪姫にラブラブずっきゅん』って言えるか言えないかで昨晩討論が起きてね?」
「皆さんそんなにバレーの話が終わって???」
それとも昨日の練習がハードすぎて脳が回らなかったのか。ワードのチョイスも中々に悲惨だ。
「澤村クンは、流石に無理だって言ってたんだけどね〜、あとは生川と……」
「烏野キャプテンも参加してたんです?!」
唯一止めてくれそうだと思っていた人物からのまさかの裏切り。
背後で試合している澤村からは「言っちゃダメだー!」という謎のサーブの掛け声が入り、赤葦は軽い目眩を抑えた。
烏野の方でも赤葦についてのネタは広がっているらしく「俺は絶対言うって思うよ!!」といいねポーズの副主将からの爽やかな笑顔と、「ダメですよ菅原さん、いくらなんでもセリフが酷すぎると思いますよ」と胡散臭い笑みをみせる一年ミドルブロッカー。
「……なんでこんなくだらない事が全校に……」
「ええ~、赤葦の雪姫ラブラブはその程度なんですかぁ~、ボクは悲しいですぅ」
「くだらないと言ったのは、貧困な賭け事をしたキャプテン全員に向けたもので、俺の雪姫に向けた台詞じゃないんですが?」
そもそも、赤葦の彼女に木兎より馴れ馴れしい男こそ目の前の黒尾鉄朗である。
そんな男に言えると賭けられた事が男として喧嘩を売られたにも等しい。
「え〜、俺のと言ってもまだ雪姫に告白してもないし、確定されてないと思いま〜す」
「ダサいセリフ言ってフラレろと?」
ドリンクを持ってウロウロしていた猫又監督に、くだらないとか言ってますけどこの男、と黒尾がわざわざ告げたのはまさか。
「話が違うぞ、まさか賭けに負けるんじゃなかろうな??」
止めてくれる大人など居なかった。
どうやらキャプテンたちが言い出したうわ言の賭けは、あとのバーベキューか何かの支払いにまで影響を与えるものらしい。
「言っちゃおうよー、素直にさぁ〜大丈夫、大丈夫。雪姫もそこまでドン引きしないって」
「困惑は絶対にしますけど」
むしろ、突然そんなワードを投げられて困らない人を見てみたいが。
見渡すと、赤葦に続いて秘密にされてるらしい雪姫もまた、謎のヒソヒソを聞いては周りに逃げられて、既に困惑の顔だ。
「雪姫、ちょっといい?」
「今日みんなおかしいんだけど、何か知らない?」
「いつもおかしいとも言えるけど……」
どうも音駒で唯一、言えないに賭けたらしい夜久をサラッと撒いて赤葦の横にきた雪姫の手を握る。
体育館中の試合の審判がタイムをかけた為に、合同合宿とは思えない静けさが広がった。
なんだこれは罰ゲームか。人の人生を賭け事にしないで欲しい。
自分の中の細い手のひら。確か雪姫は手を痛めやすいはずなのに、マネージャーとして仕事をしてくれている。
「木兎さんと黒尾さんとが発起人で俺が雪姫に『ラブラブずっきゅん』という言葉を言えるか賭けにしてたみたいだよ――なんなら、それでフラれるかどうかも」
「え……なにそれ?」
そのはずなのだが、練習試合の合間にラブラブだとか、耳に違和感を残してくる単語があちこちから聞こえてくるのは何故か。
しかも、なんら心当たりのない赤葦の顔をチラチラ見られながらのヒソヒソ。赤葦でなくても気分が害されて当然だ。
朝起きてから既にこのムード、逆算すると夜の主将会議までは昨日は何事もなかった。
自校のキャプテンに何かを問いただして解決するはずもないと諦めた足で、休憩中の黒尾に足を向けるとやはり食えない男は既に疑問を察知しているニヤケ顔だった。
「……何の賭けですか」
「えー、第一声からそうくる?普通は何か隠してないですか、とかじゃないの?」
やはり、キャプテンだけの会議で何かがあったのを確信する。
「木兎さんを仕込みに使うのやめてください、朝から「あかーし、ラブラブって言ってみ?」って意味不明な絡みに不快指数が」
おまけに、肩をつかまれて「お前はやれば出来る子!!」と謎の確信を迫られたことも訴訟したい。寄りにもよって、木兎からそんなセリフは聞きたくない。
「さすが木兎、変化球なしだわ」
「黒尾さんには、まさかアレが変化球できる人間に見えていたんですか?」
赤葦の言葉に、うっと頭を抱えるふりをした黒尾の演技が白々しかった。
「いや〜赤葦って、雪姫が絡むと割とバカになれるじゃん?だから『雪姫にラブラブずっきゅん』って言えるか言えないかで昨晩討論が起きてね?」
「皆さんそんなにバレーの話が終わって???」
それとも昨日の練習がハードすぎて脳が回らなかったのか。ワードのチョイスも中々に悲惨だ。
「澤村クンは、流石に無理だって言ってたんだけどね〜、あとは生川と……」
「烏野キャプテンも参加してたんです?!」
唯一止めてくれそうだと思っていた人物からのまさかの裏切り。
背後で試合している澤村からは「言っちゃダメだー!」という謎のサーブの掛け声が入り、赤葦は軽い目眩を抑えた。
烏野の方でも赤葦についてのネタは広がっているらしく「俺は絶対言うって思うよ!!」といいねポーズの副主将からの爽やかな笑顔と、「ダメですよ菅原さん、いくらなんでもセリフが酷すぎると思いますよ」と胡散臭い笑みをみせる一年ミドルブロッカー。
「……なんでこんなくだらない事が全校に……」
「ええ~、赤葦の雪姫ラブラブはその程度なんですかぁ~、ボクは悲しいですぅ」
「くだらないと言ったのは、貧困な賭け事をしたキャプテン全員に向けたもので、俺の雪姫に向けた台詞じゃないんですが?」
そもそも、赤葦の彼女に木兎より馴れ馴れしい男こそ目の前の黒尾鉄朗である。
そんな男に言えると賭けられた事が男として喧嘩を売られたにも等しい。
「え〜、俺のと言ってもまだ雪姫に告白してもないし、確定されてないと思いま〜す」
「ダサいセリフ言ってフラレろと?」
ドリンクを持ってウロウロしていた猫又監督に、くだらないとか言ってますけどこの男、と黒尾がわざわざ告げたのはまさか。
「話が違うぞ、まさか賭けに負けるんじゃなかろうな??」
止めてくれる大人など居なかった。
どうやらキャプテンたちが言い出したうわ言の賭けは、あとのバーベキューか何かの支払いにまで影響を与えるものらしい。
「言っちゃおうよー、素直にさぁ〜大丈夫、大丈夫。雪姫もそこまでドン引きしないって」
「困惑は絶対にしますけど」
むしろ、突然そんなワードを投げられて困らない人を見てみたいが。
見渡すと、赤葦に続いて秘密にされてるらしい雪姫もまた、謎のヒソヒソを聞いては周りに逃げられて、既に困惑の顔だ。
「雪姫、ちょっといい?」
「今日みんなおかしいんだけど、何か知らない?」
「いつもおかしいとも言えるけど……」
どうも音駒で唯一、言えないに賭けたらしい夜久をサラッと撒いて赤葦の横にきた雪姫の手を握る。
体育館中の試合の審判がタイムをかけた為に、合同合宿とは思えない静けさが広がった。
なんだこれは罰ゲームか。人の人生を賭け事にしないで欲しい。
自分の中の細い手のひら。確か雪姫は手を痛めやすいはずなのに、マネージャーとして仕事をしてくれている。
「木兎さんと黒尾さんとが発起人で俺が雪姫に『ラブラブずっきゅん』という言葉を言えるか賭けにしてたみたいだよ――なんなら、それでフラれるかどうかも」
「え……なにそれ?」
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