夏祭り 黒尾バージョン
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「あのね――」
声が届くように背伸びをしても、雪姫が背の高い黒尾の耳元に届くわけがない。
浴衣の袖を引こうとして、その袖が夢主を包むように逆に体を絡み取られた。
「――すまん、ちょっとした悪戯心で。全部聞こえてた」
好きの気持ちにアクセルをかけていたにも関わらず、まさかの黒尾の申告に言葉を失う。
聞こえてたって――いつのどこから。
「ずっと我慢させて悪かった……言えば部内の空気が悪くなると思ったし」
あと先輩に雪姫を好きだって人もいたからな――耳朶に寄せられた黒尾の独り言はどこも独り言ではない。
「そ、そんなの初耳っ!」
そんな気配なんて気付かなかった、特別な視線はいつも黒尾を追っていたから。
「まぁ細かいことは置いといて――俺から言うつもりがまさか花火の最中に叫ばれるとは。それ反則」
抱き寄せられて、浅い布地越しの肌を感じて。
熱いのは熱気か、恋か。もう、心臓が止まりそう。
「俺も雪姫が好きだよ。3回以上叫べるくらい、な」
花火の音は掻き消えて、周囲は移動を始めているのに抱きしめられて、動けない。
周りの人に見られているに決まっている、こんな身長の目立つ男と居たら当たり前だが。それが分かっていても、手放せるわけがない。
震える手で、黒尾の背中に爪を立てると、策士な男は熱い頬を寄せてきた。
「もう待たせたりしねぇ、雪姫に俺じゃなきゃ嫌だって思わせてやるよ」
その囁きは優しく甘く。
初めて触れた口唇は、二人で食べたかき氷の味がした。
--------キリトリ線--------
後書き
連載で、ちょっとやられな黒尾さんなので、少し攻めを意識しました。もっとドSにしたかったんですが、なぜかソフトに……。
もっとゴリゴリに攻め攻めをかきたかった!!
声が届くように背伸びをしても、雪姫が背の高い黒尾の耳元に届くわけがない。
浴衣の袖を引こうとして、その袖が夢主を包むように逆に体を絡み取られた。
「――すまん、ちょっとした悪戯心で。全部聞こえてた」
好きの気持ちにアクセルをかけていたにも関わらず、まさかの黒尾の申告に言葉を失う。
聞こえてたって――いつのどこから。
「ずっと我慢させて悪かった……言えば部内の空気が悪くなると思ったし」
あと先輩に雪姫を好きだって人もいたからな――耳朶に寄せられた黒尾の独り言はどこも独り言ではない。
「そ、そんなの初耳っ!」
そんな気配なんて気付かなかった、特別な視線はいつも黒尾を追っていたから。
「まぁ細かいことは置いといて――俺から言うつもりがまさか花火の最中に叫ばれるとは。それ反則」
抱き寄せられて、浅い布地越しの肌を感じて。
熱いのは熱気か、恋か。もう、心臓が止まりそう。
「俺も雪姫が好きだよ。3回以上叫べるくらい、な」
花火の音は掻き消えて、周囲は移動を始めているのに抱きしめられて、動けない。
周りの人に見られているに決まっている、こんな身長の目立つ男と居たら当たり前だが。それが分かっていても、手放せるわけがない。
震える手で、黒尾の背中に爪を立てると、策士な男は熱い頬を寄せてきた。
「もう待たせたりしねぇ、雪姫に俺じゃなきゃ嫌だって思わせてやるよ」
その囁きは優しく甘く。
初めて触れた口唇は、二人で食べたかき氷の味がした。
--------キリトリ線--------
後書き
連載で、ちょっとやられな黒尾さんなので、少し攻めを意識しました。もっとドSにしたかったんですが、なぜかソフトに……。
もっとゴリゴリに攻め攻めをかきたかった!!
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