譲れない男と譲らない男(捧げ夢)
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「なぁ……あれはいつものションボリモードじゃないよな、なにモードよ」
「はーー、赤葦バリアにむくれ嫉妬モードとでも呼ぶ?雪姫ちゃんの隣の席を賭けてジャンケンで、って飯、部活中、移動中、帰宅中とひたすらジャンケンする事赤葦が15連勝……」
チームメイトが声をひそめつつ半分面白がるのは、虚無な顔でスマホを握りしめる梟谷のエースの残骸だ。
「つーか、15連勝って赤葦何者だよ、どんだけ強いの」
「単に木兎が何出すのか読まれてんじゃないのか」
その位はやりかねない、と全員が納得しつつ、一回でも譲ろうと思えば譲れるはずの万能フォローセッターが、こればかりは頑なに譲らない。
隣の席ならば、反対側があるのでは。部員以外は思ったが、部員からすればそんな見通しは甘すぎる。雪姫の鉄壁ガーディアン赤葦京治に、死角はないのである。
歩く時は安全な内側とはいえ、さりげなく背中や腰に手を回して『自分のものだ』というアピールをこれでもかと発揮させて、食事も角席。
負けたんだから雪姫さんの傍によらないでください、としれっと約束のグレードアップさせている。隣という約束なら、向かいに座ればいいのでは?という発案は木兎から出るわけもない。
よって、ゴネても嘆いてもしょぼくれようとも雪姫の隣を譲らない赤葦に、メンタルを粉砕された新しい腑抜け木兎が爆誕した。
大人気ない赤葦といえば、お弁当もあーんで雪姫に食べさせる、部活中のドリンクも自分のものは必ず雪姫に作らせて木兎には他のマネージャーに作らせる念の入り用だ。
流石に気の毒になった――だが何故こんな状況なのかはイマイチわかっていない雪姫――から「どうしたの、木兎」と声をかけるとニューモード木兎は虚無から醒めて、雪姫を横抱きに逃走を開始する。
「何してるんですか、木兎さん!!ジャンケンですよ!!」
「いや、そこは部活中ですよ、っていうツッコミだろ赤葦……」
「しっ……今余計な事いうとあの眼光で殺されるぞ!!」
他の部員の囁きに、メデューサ赤葦が振り返った。
全員が見ざる聞かざる言わざるになって、ノータッチを主張する。
「俺の雪姫さんを取り戻してくるまで、自主練しててください」
――とうとう俺のと言い切ったよ、こいつ。
全会一致で心の声を叫んだが、既に赤葦は全力疾走で木兎を追いかけに去っていた。
「赤葦のばーかばーか!!俺の雪姫だぞ!!独り占めなんて許すか!」
「うるさいですよ、木兎さん!!ジャンケンルール言い出したのは自分でしょう?!早く俺の雪姫さんを返してください!」
「違うもんね、赤葦のじゃなくて、俺の!お、れ、の、雪姫なんですぅ〜!!」
不毛な叫びを聞きながら、本日も梟谷はエースとセッターが留守の自主練となった。
「はーー、赤葦バリアにむくれ嫉妬モードとでも呼ぶ?雪姫ちゃんの隣の席を賭けてジャンケンで、って飯、部活中、移動中、帰宅中とひたすらジャンケンする事赤葦が15連勝……」
チームメイトが声をひそめつつ半分面白がるのは、虚無な顔でスマホを握りしめる梟谷のエースの残骸だ。
「つーか、15連勝って赤葦何者だよ、どんだけ強いの」
「単に木兎が何出すのか読まれてんじゃないのか」
その位はやりかねない、と全員が納得しつつ、一回でも譲ろうと思えば譲れるはずの万能フォローセッターが、こればかりは頑なに譲らない。
隣の席ならば、反対側があるのでは。部員以外は思ったが、部員からすればそんな見通しは甘すぎる。雪姫の鉄壁ガーディアン赤葦京治に、死角はないのである。
歩く時は安全な内側とはいえ、さりげなく背中や腰に手を回して『自分のものだ』というアピールをこれでもかと発揮させて、食事も角席。
負けたんだから雪姫さんの傍によらないでください、としれっと約束のグレードアップさせている。隣という約束なら、向かいに座ればいいのでは?という発案は木兎から出るわけもない。
よって、ゴネても嘆いてもしょぼくれようとも雪姫の隣を譲らない赤葦に、メンタルを粉砕された新しい腑抜け木兎が爆誕した。
大人気ない赤葦といえば、お弁当もあーんで雪姫に食べさせる、部活中のドリンクも自分のものは必ず雪姫に作らせて木兎には他のマネージャーに作らせる念の入り用だ。
流石に気の毒になった――だが何故こんな状況なのかはイマイチわかっていない雪姫――から「どうしたの、木兎」と声をかけるとニューモード木兎は虚無から醒めて、雪姫を横抱きに逃走を開始する。
「何してるんですか、木兎さん!!ジャンケンですよ!!」
「いや、そこは部活中ですよ、っていうツッコミだろ赤葦……」
「しっ……今余計な事いうとあの眼光で殺されるぞ!!」
他の部員の囁きに、メデューサ赤葦が振り返った。
全員が見ざる聞かざる言わざるになって、ノータッチを主張する。
「俺の雪姫さんを取り戻してくるまで、自主練しててください」
――とうとう俺のと言い切ったよ、こいつ。
全会一致で心の声を叫んだが、既に赤葦は全力疾走で木兎を追いかけに去っていた。
「赤葦のばーかばーか!!俺の雪姫だぞ!!独り占めなんて許すか!」
「うるさいですよ、木兎さん!!ジャンケンルール言い出したのは自分でしょう?!早く俺の雪姫さんを返してください!」
「違うもんね、赤葦のじゃなくて、俺の!お、れ、の、雪姫なんですぅ〜!!」
不毛な叫びを聞きながら、本日も梟谷はエースとセッターが留守の自主練となった。
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