お惚気けはデザートの前に
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「結構、荷物嵩張るンすね。旭さんが予備のエコバッグ持ってて助かったっス」
「案外買い物に行くと買い忘れとか思い出すだろ?だから大体持つようにしてるんだ」
高校を卒業して、田中の先輩たちは概ね忙しい。特にキャプテン、副キャプテンだった二人は国立大学で単位に追われているので、都内のデザイナー学校に通う東峰の所には、東京に遊びに行きがてら会うことが多くなった。
最も同期の西谷に至っては、国を横断している事もままあるので、なかなかに顔も合わせにくくなっている。
「大地もスガも、成人式で会おうって言ってるけど、大学大変そうだなぁ」
「っスね。八限目とかまであるとか聞くと、オレは無理っす!!」
高校卒業して、なににびっくりしたかと思うとガラスのハートと自他共に称される先輩が、東京で専門学校に通いながら付き合っている彼女と同棲していることだ。
恐るべし、シティーボーイ。トーキョーはシャイな男すらシティーボーイへと変えるのか。
東京に行くからと気軽に入れた田中からの電話に、東峰からはサラッと背後の女性と相談をいれながらの同棲生活という爆弾宣言が落ちてきて、思わず飲みかけのファンタを足にぶちまけたものだ。
「でも、いいんすか、旭さん……オレがいきなり夕飯お邪魔しても」
「おう、いいよー、雪姫も楽しみにしてるって」
漢、田中龍之介、生まれて十九年。男女トーキョー同棲生活に踏み入ることはかなりの心拍数ドキドキな体験になる。
ただ話に聞いているのと、自分がその空間に行くことは次元がまるで違うのだ。
「いやぁ、いきなり晩飯のタイミングですいません」
遊ぶ時間とは別に、姉から強制的な『お願い』リクエストが想定外に鬼だったせいで、東峰との昼ランチが大幅にズレ込んだせい。
田中もトーキョー生活とおノロケを聞く覚悟はしていたが、まさか先輩の同棲彼女と直に会うことは考えもしなかった。
「いいよいいよ、田中のお姉さんにはバレー部がお世話になってたし、今も応援に来てくれてるんだろ」
「そっすね〜、呑んでるか太鼓してるかで、相変わらずうるせぇンすよ」
後輩らもそこそこに懐いている恐るべき姉。
脳裏で慄いてから、ふと長身の先輩を仰ぎ見る。
「その、旭さんのカノジョさんは」
「うん?雪姫が?」
「どーいうタイプなのかなぁ、と」
「可愛いよ」
――それは答えになってないンすよ、旭さん!
握った田中の拳に、切なさが宿った。可愛いと思わなかったら付き合ったりしないだろうし、更には一緒に暮らそうなど、奥手の東峰がダッシュで踏み切るとは思えない。聞きたいのは具体的な外見や、性格などのアレコレである。
「いやぁ、だけど、ずっと一緒に居てもドキドキするし、嬉しいし、何かしてあげたくて、ずっと腕に閉じ込めておけたらとか思っちゃったりして、笑顔が見たくて、俺に出来ることなんでもやりたいって思うよ」
バレーの試合以外で、強気な姿勢などなかなか見れない先輩が、頼もしいオーラとゆとりを見せているのは、きっとそのカノジョのお陰なわけで。
多くの知り合いが地元に居るのに、単身で都会ライフを送る東峰が寂しいのではと思うのはおこがましいレベルだった。
「……旭さんもういっそ結婚したら良いんじゃないすか」
「おう、するよ!とはいっても、きちんと雪姫を食わせられるレベルにならないとだけど、そのつもりじゃなきゃ一緒に暮らしてないよ」
「旭さん……晩飯の前に既にオレはおなかいっぱいです」
幸せそうな東峰の笑顔に、ド級の極甘デザートノロケのフルコースで田中は腹をかかえた。
チームメイト全員で御祝儀を用意するのは、きっとそんなに遠い日では無い。
当人を置き去りにしたお惚気けプロポーズ発言は、無事にその後田中を出迎えた雪姫が食事中に恥ずか死ぬ結果となった。
--------キリトリ線--------
相互に突然送り付けた初の東峰旭さん夢です。微甘夢すぎて……ごめんなさい……
「案外買い物に行くと買い忘れとか思い出すだろ?だから大体持つようにしてるんだ」
高校を卒業して、田中の先輩たちは概ね忙しい。特にキャプテン、副キャプテンだった二人は国立大学で単位に追われているので、都内のデザイナー学校に通う東峰の所には、東京に遊びに行きがてら会うことが多くなった。
最も同期の西谷に至っては、国を横断している事もままあるので、なかなかに顔も合わせにくくなっている。
「大地もスガも、成人式で会おうって言ってるけど、大学大変そうだなぁ」
「っスね。八限目とかまであるとか聞くと、オレは無理っす!!」
高校卒業して、なににびっくりしたかと思うとガラスのハートと自他共に称される先輩が、東京で専門学校に通いながら付き合っている彼女と同棲していることだ。
恐るべし、シティーボーイ。トーキョーはシャイな男すらシティーボーイへと変えるのか。
東京に行くからと気軽に入れた田中からの電話に、東峰からはサラッと背後の女性と相談をいれながらの同棲生活という爆弾宣言が落ちてきて、思わず飲みかけのファンタを足にぶちまけたものだ。
「でも、いいんすか、旭さん……オレがいきなり夕飯お邪魔しても」
「おう、いいよー、雪姫も楽しみにしてるって」
漢、田中龍之介、生まれて十九年。男女トーキョー同棲生活に踏み入ることはかなりの心拍数ドキドキな体験になる。
ただ話に聞いているのと、自分がその空間に行くことは次元がまるで違うのだ。
「いやぁ、いきなり晩飯のタイミングですいません」
遊ぶ時間とは別に、姉から強制的な『お願い』リクエストが想定外に鬼だったせいで、東峰との昼ランチが大幅にズレ込んだせい。
田中もトーキョー生活とおノロケを聞く覚悟はしていたが、まさか先輩の同棲彼女と直に会うことは考えもしなかった。
「いいよいいよ、田中のお姉さんにはバレー部がお世話になってたし、今も応援に来てくれてるんだろ」
「そっすね〜、呑んでるか太鼓してるかで、相変わらずうるせぇンすよ」
後輩らもそこそこに懐いている恐るべき姉。
脳裏で慄いてから、ふと長身の先輩を仰ぎ見る。
「その、旭さんのカノジョさんは」
「うん?雪姫が?」
「どーいうタイプなのかなぁ、と」
「可愛いよ」
――それは答えになってないンすよ、旭さん!
握った田中の拳に、切なさが宿った。可愛いと思わなかったら付き合ったりしないだろうし、更には一緒に暮らそうなど、奥手の東峰がダッシュで踏み切るとは思えない。聞きたいのは具体的な外見や、性格などのアレコレである。
「いやぁ、だけど、ずっと一緒に居てもドキドキするし、嬉しいし、何かしてあげたくて、ずっと腕に閉じ込めておけたらとか思っちゃったりして、笑顔が見たくて、俺に出来ることなんでもやりたいって思うよ」
バレーの試合以外で、強気な姿勢などなかなか見れない先輩が、頼もしいオーラとゆとりを見せているのは、きっとそのカノジョのお陰なわけで。
多くの知り合いが地元に居るのに、単身で都会ライフを送る東峰が寂しいのではと思うのはおこがましいレベルだった。
「……旭さんもういっそ結婚したら良いんじゃないすか」
「おう、するよ!とはいっても、きちんと雪姫を食わせられるレベルにならないとだけど、そのつもりじゃなきゃ一緒に暮らしてないよ」
「旭さん……晩飯の前に既にオレはおなかいっぱいです」
幸せそうな東峰の笑顔に、ド級の極甘デザートノロケのフルコースで田中は腹をかかえた。
チームメイト全員で御祝儀を用意するのは、きっとそんなに遠い日では無い。
当人を置き去りにしたお惚気けプロポーズ発言は、無事にその後田中を出迎えた雪姫が食事中に恥ずか死ぬ結果となった。
--------キリトリ線--------
相互に突然送り付けた初の東峰旭さん夢です。微甘夢すぎて……ごめんなさい……
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