聖なる夜に リザさん百合夢

'

「はー!あったかーい」

リザの部屋に入って、ハヤテ号を一撫でしてからリビングへ行く。

ちなみに車は東方司令部に置いて、リザの家までは歩いてきたの。

時間ないかと思ったら、結構時間に余裕あったし。

軍用車を個人的に使用したってバレたら面倒だしね。

「今ココアお入れしますね」

「んー」

私の冷えた身体を気にしてか、リザがココアを入れくれるようなんだけど。

「それより、来て」

「?はい」

時刻はもう23時過ぎ。

クリスマスはあと僅かで過ぎてしまうから。

今はリザを抱き締めて居たい。

「…っ!」

私の近くに来たリザの手を引いて、私を跨ぐ体勢で座らせた。

間近にあるリザの綺麗な顔。

「……[#dn=1#]さん、唇切れてますよ…」

リザが私の唇に触れる。

「ここに来る前に、交通事故を起こしてる人たちに遭遇してね」

その時起きたことを手短に説明すると。

「……甘過ぎます」

リザが眉間に皺を寄せた。

「だって早く来たかったんだもの。ダメ?」

と、首を傾げれば、リザはほんのりと頬を赤らめて。

「…ダメ…ではないですが…」

私の唇を親指で撫でながら。


「……傷ついて欲しくないです…」


なんて可愛いことを言うんだもの。

「はぁもう…可愛いなぁ…」

可愛さのあまり、ため息だって出るわよね。

フニフニと私の唇をずっと触れてる。

「なぁに?まだ足りない?」

「…っ」

外で深いキスをしたけど、まだまだ足りないようで。

リザの顎に手を添え、ゆっくりと誘導する。

後数センチで触れるというところで止めて、リザの顎から手を離す。

「…[#dn=1#]さん…」

真っ直ぐ逸らさず、リザの瞳を見続ける。

リザの手が私の肩に置かれる。

これは多分私しかわからないと思うけど、今のリザの瞳は普段とかわらない瞳なのに。

こうして見続けているとね。

「…っ」

色を含む瞳になるの。

私が欲しくて仕方ないー!って表情になるの。

「リザ?」

そうした表情を浮かばせた時に、名前を呼ぶと。

「ん」

キスをしてくれるの。

まぁ早い話、欲情を掻き立ててやったってだけなんだけどね?

ちゅ、ちゅ、と音を立てて。

会えなかった時間を埋めるような深いキスをして。

舌を絡ませ合いながら、リザの服の中に手を入れて。

「…ン、ぅ…っ」

指の腹で胸の先に触れれば。

「んっんっ」

ピクッと肩を震わせた。

唇を離し、リザが私の肩に顔を埋めたからリザの首筋に舌を這わせて。

胸の先を摘むと。

「ああっ」

またピクッと肩を震わせたから。

リザをゆっくりとソファへ寝かせて、服を捲り上げて胸の先を口に含むと。

「あぁ…っあ…っ」

背中を浮かせた。

「あ、そうだ」

そこで思い出した。

「……?[#dn=1#]さん…?」

私は顔を上げて、立ち上がる。

「[#dn=1#]さん?」

突然の行為の中断に、リザがどこか不安そうに後について来た。

リザがコートを掛けてくれた時にバレなくてよかったわ。

私はコートのポケットに手を入れて。

小箱を取り出す。

「どうしたんですか…?」

リザへ振り返って、笑みを向けて。





「メリークリスマス、リザ」





小箱を開けて、中をリザに見せると。



「…うそ…」



リザは目を見開いて、ポロポロと涙を零し始めた。

小箱の中身は、シンプルなシルバーリング。

リザと交際を始めて、プレゼントというプレゼントを贈ったことがなかったから。

ほら、恋人同士ってお揃いのリングを付けてるじゃない?

私も付けたいなぁと思って。

「リザ?受け取ってくれる?」

リザは泣いて、とてもそれどころじゃなくて。

そんなリザにクスクス笑いながら、リザの左手を取り薬指に指輪をはめた。

もう一つは、リザが震える手で私の薬指に指輪を嵌めてくれたわ。

「ん、ありがとう」

そんなリザにキスをして。

「正式に申し込む時は、もっと高い物を贈るから」

いえ、これも純銀だし十分高いのよ?

シンプルな作りでも、フルオーダーで色々拘ったの。

でもほら。

正式に申し込む時は、宝石が散りばめられてるようなものをね?

「正式に…っ申し込む……っ」

正式に申し込むという言葉にますます涙を零して、私に抱き着いて来た。


「もう少し先になるけど、この指輪は予約だから」


リザの左手の薬指にキスをして、泣きすぎて言葉を発せられない唇にキスをした。


そして。



「好きよリザ。愛してる」



誰よりも愛しい人へ。

愛の言葉を紡いだ。

リザも涙を零しながら笑みを浮かべて。



「私も…っ愛してます…っ[#dn=1#]さん…っ!」



愛の言葉を紡いでくれた。




それから。

私たちは。

「ん…っあ…っああっあっ[#dn=1#]さ…っ!」

「ん。またイキそう?」

「イ…っあっああっイク…ッ」

溺れるような熱を、何度も分かち合った…。


.
6/7ページ
スキ