聖なる夜に リザさん百合夢

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「はぁ…はぁ…っ!」

カーディガンすら羽織るのを忘れてしまうくらい。

私は急いで外に出た。

落ちそうになりながら階段を走り降りて、マンションの裏側へ走る。

なんで?

どうして?

仕事は?

会いに来てくれたの?

クリスマスという特別な日に。

あなたも私に会いたいと思ってくれたの?

そんな思いを頭の中で駆け巡らせて。

息を切らせ、嬉しさで胸を躍らせて。






走りを止めずにそのままの勢いで。







「[#dn=1#]さん…っ!!」







前方を歩いて来る人へと。






[#dn=1#]さんへと抱き着いた。





「リザ」





[#dn=1#]さんは抱き留めてくれて。




強く抱き締めてくれた。


「はぁ…会いたかったぁ…」

「私も会いたかったです…!」



ああ、愛しい。

どうしよう、愛しい。



[#dn=1#]さんは私の頬に両手を添えてキスをしてくれた。

「…!」

そこで気付く。

血の味がすることに。

「[#dn=1#]さ…っん…っぅ…っ」

そのことを聞こうとしても、舌が侵入して来て。

「ふ…っん…っ」

その舌を絡め取り、私からも求めた。

血の味がするのは気になるけど。

今はこの時間が大切だから。

[#dn=1#]さんは私にキスをしながら、器用にコートを脱いで私に掛けてくれて。

さらに深く口付ける。

シンシンと降り注ぐ雪の中。

厭らしい音を響かせて。

私たちはお互いを求め合った。

「……は…」

「はぁ…」

しばらくして白い吐息と零し離れれば、透明の糸が伝い名残惜しくプツリと切れた。

「…リザ、髪の毛濡れてるわよ?」

風邪引いちゃうじゃない、と私の手を引いて歩き出す。

「[#dn=1#]さん…どうして…」

[#dn=1#]さんの背中を見つめ、どうしてここに居るのかを聞くと。



「えー?そんなのリザに会いたかったからに決まってるじゃない」



なんて、ククスクス笑いながらそう言ってくれた。

嬉しい。

これが何よりのクリスマスプレゼント。

クリスマスの日に、こうして[#dn=1#]さんと会えて。

キスをして、手を繋いで。

ああ、幸せ。

「まぁ軍服っていう色気も何もないけどね」

「関係ありません。こうして[#dn=1#]さんと過ごせるだけで私は幸せです」

私がそう言うと、[#dn=1#]さんは立ち止まって振り返って。

「…本当…リザって可愛いわよね…」

ほんのり頬を赤らめた。

ギュッと[#dn=1#]さんの背中に抱き着く。

「ほらほら、早く中に入りましょ」

「はい…」

でも離れたくない。

「あーるーきーにーくーいー」

[#dn=1#]さんはクスクスと笑い、私を離そうとせずに歩いてくれる。

「ほらー、風邪引いちゃうから早く早く」

「…わかりました…」

渋々離れ、再び[#dn=1#]さんと手を繋いで。

[#dn=1#]さんと笑い合い、私の部屋へと向かった。



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