聖なる夜に リザさん百合夢

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「ホークアイ中尉、クリスマスは[#dn=1#]少将と過ごすんスか?」

「いえ、過ごさないわ」

「え!?喧嘩中ですか!?」

「…どうしてそうなるのよ。あの方は忙しすぎてクリスマスなんてないようなものだから」



12月25日 クリスマス。



街は今、煌びやかなイルミネーションで飾り付けて恋人たちで溢れていて。

私たちは賑わう街の警備を任され、手を繋ぎ歩く恋人たちを見守っている。

そんな中、一緒に警備に当たっているハボック少尉が“[#dn=2#]少将と過ごさないのか”という質問を投げかけてきたため、“NO”と答えた。

「あー…あの方の忙しさは異常っスからね…」

ハボック少尉は苦笑いを零し、タバコに火を点けた。

「ハボック少尉、仕事中は喫煙を控えなさい」

「クリスマスですし、多めに見てくださいよ」

「クリスマス関係ないでしょう…」

そんなハボック少尉に呆れてため息を零し、腕を組んで歩く恋人たちへと視線を戻す。

女性は綺麗にオシャレをして、恋人と楽しそうに幸せそうに笑っている。

中には遅刻したみたいで、恋人を怒らせてしまった人もいたり。

ドキドキしながら恋人を待っている人もいたり。

クリスマスの日の街は、幸せで溢れ返っていて。

…いいな、と思ってしまう。

[#dn=2#]少将…いえ、[#dn=1#]さんと恋人同士になって初めてのクリスマスなのに。

[#dn=1#]さんは中央で仕事で、私は東部で仕事。

軍人にはクリスマスなんて関係ないけれど。

初めてのクリスマスは[#dn=1#]さんと過ごしたかった…。

クリスマスプレゼントも用意してあるから余計に。

編み物なんてやったことがないから、本を購入して。

あまり上手くは編めなかったけど、マフラーを編んだの。

白い毛糸と黒い毛糸で。

編み物をするのが初めてなのに二色の毛糸を使うんだから、上手く編めるわけないわよね…。

でもどうしても編みたかった。

他でもない[#dn=1#]さんのために。

でも、今日中に渡すのは不可能。

過ぎてしまうけど、今度会えた時に渡して。

その日を私たちの特別な日にしよう。

…そう、思うようにしようとしているんだけど…。

「………(やっぱり今日会いたい)」

なんて思ってしまう。

………ダメね。

ちゃんと仕事に集中しないと…。


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