幸福 リザさん百合夢
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「何をしてるんですかあなたは!!」
「…だって…不便だから…」
中央司令部再建後、アイリさんはまた入院して。
左目にまた錬成陣を焼き付けた。
痛みでバタバタ暴れていたところを発見したと医師が言っていたわ…。
医師の目を盗んでそんなことして…。
そのおかげで入院が長引いてね。
「大丈夫なのに」
「あなたの“大丈夫”ほど信用出来ないものはありませんからね」
一週間後、退院したわ。
「鎮痛剤が効くことがわかったし、大丈夫よ」
「……無理をしたら許しませんからね」
身体の痛みは日を追うごとに和らいでいるみたいだけど、完全に取れることはないと医師に告げられている。
目の痛みは一生もので、鎮痛剤が必要。
まぁ鎮痛剤で一時的にだけど痛みが取れるなら…とは思うけど…。
「無理をするほど忙しくもならないわよ。グラマン中……大総統の政権になるし。」
それに、とアイリさんは続けて。
「“新しい将官たちを頼むよ、セイフォード中将”なんて言われたら頑張りまーす!って言うしかないじゃない?」
なんて、アイリさんはクスクス笑う。
少将から中将へと昇格し、新しく将官になった方々を導いている。
新しい将官たちは真面目に働き、かつてのアイリさんの忙しさは嘘のようになくなった。
「……セイフォード中将、眼鏡を掛けたんですね」
「えぇ。右目の視力を左目の視力に合わせるための眼鏡よ」
今まで動体視力の世界を生きていたから、世界ってこんなに早く動いてたのね、なんて驚いていた。
「……お似合いです」
「そう?ありがとう」
「……」
「なぁにその顔ー!可愛すぎるんですけどー!」
…眼鏡が似合いすぎて。
誰にも見て欲しくないんだけど…。
「ん?セイフォード中将、老眼ですか?」
アームストロング少将がニヤニヤ笑いながら揶揄うと。
「はい軍法会議にかけます」
「望むところですね、とことん戦いましょう」
「上等じゃない!次の軍法会議が楽しみだわ!」
アームストロング少将は敬語ではあるけど、二人の関係はご健在で。
…その仲の良さに嫉妬してしまいそうだけど。
アームストロング少将に見えないように、アイリさんは私の手を握ってくれているから大丈夫。
「…いいですか?絶対に無理はしないでくださいね?」
「えぇ、約束するわ」
数日後には中央も落ち着き、私たちは東部へと戻ることに。
駅までアイリさんが見送りに来てくれた。
昨日も体の痛みと目の痛みが出て、辛そうだったから…。
「………」
手を離せない。
もう汽車が出るブザーも鳴ったのに。
アイリさんはクスクスと笑って。
「ん…っ」
私にキスをしてくれて。
「寂しくなるわね」
なんて言うから。
「………セイフォード中将、ホークアイ中尉の純情で遊ばないでくださいよ」
涙が出てしまって。
「ごめんね、つい可愛くて」
マスタング大佐の呆れた声を聞きながら。
「また会いに行くわ、リザ」
「…はい。待ってますから…」
そっと手を離した。
でも扉が閉まる瞬間。
「…ッ!!」
アイリさんに手を引かれて。
汽車から降ろされてしまった。
「ア、アイリさん!?」
驚く私とマスタング大佐に、アイリさんは悪戯に笑って。
「明日送り届けまーす」
と、マスタング大佐に手を振った。
「こんな名残惜しんでばかり居たら、永遠と離れられないわね」
なんて言いながら抱き締めてくれて。
寂しいと思っていたのは私だけじゃなかったことが嬉しくて嬉しくて。
「もう泣かないでよー、可愛すぎて死にそうになるじゃない…」
「…アイリさんが…っ悪いんです…っ!」
「はいはい可愛い」
ますます涙が溢れた。
でも。
その半年後だった。
「…寂しくなるね…セイフォード君」
「まぁ国土錬成陣跡地を片付けなければならない役割も仰せつかってますからね。」
アイリさんの退職届を、グラマン大総統が受理したのは。
「チェスの相手もまた頼むよ」
「はい、いつでも」
“雷鳴の錬金術師”の退陣は、瞬く間にアメストリス中に広まって。
「…寂しすぎますよ、中将」
「遊びに来てくださいね!絶対ですよ!」
「まだまだご指導いただきたかったんですが…残念です…」
「みんな、ありがとう」
誰もがその退陣を惜しんだ。
もちろん私たちも駆けつけた。
「忙しいのにわざわざありがとうね、ロイ君、リザ」
マスタング大佐は花束をアイリさんへと渡して。
「何より優先すべき事項ですからね」
アイリさんへと握手を交わした。
「お疲れ様でした、セイフォード中将」
私もアイリさんへと握手を求めたら、アイリさんは綺麗に微笑んで。
「えぇ、ありがとうリザ」
「…!」
アイリさんはその手を取って引き寄せて抱き締めてくれた。
「好きよ、リザ。愛してる」
「…っわ、私も…っです…っ!」
キャーキャー歓喜の悲鳴が上がる中、みんなの前で愛の言葉を紡ぐのは恥ずかしいけれど。
それ以上に嬉しかった。
『でもセントラルシティも住みやすいからなぁ』
「………」
『お店も色々近いし、都会だしねぇ』
「………」
『顔馴染みも居るから、やっぱりセントラルシティに住み続けようかしら。どう思う?リザ』
「…早く来てください、アイリさん。」
退役後、住む場所について。
電話で話していたら、このままセントラルシティに居るなんて言うから。
…私を揶揄っているだけなんだけどね。
私の“一緒に住みたい”という気持ちをわかっていながら言うんだもの。
こういう時は本当に意地悪になるのよ、もう。
でもこれからずっとアイリさんと暮らせると思うと…。
「…早く来週にならないかしら…」
来週の引っ越しが楽しみでならない…。
.
「何をしてるんですかあなたは!!」
「…だって…不便だから…」
中央司令部再建後、アイリさんはまた入院して。
左目にまた錬成陣を焼き付けた。
痛みでバタバタ暴れていたところを発見したと医師が言っていたわ…。
医師の目を盗んでそんなことして…。
そのおかげで入院が長引いてね。
「大丈夫なのに」
「あなたの“大丈夫”ほど信用出来ないものはありませんからね」
一週間後、退院したわ。
「鎮痛剤が効くことがわかったし、大丈夫よ」
「……無理をしたら許しませんからね」
身体の痛みは日を追うごとに和らいでいるみたいだけど、完全に取れることはないと医師に告げられている。
目の痛みは一生もので、鎮痛剤が必要。
まぁ鎮痛剤で一時的にだけど痛みが取れるなら…とは思うけど…。
「無理をするほど忙しくもならないわよ。グラマン中……大総統の政権になるし。」
それに、とアイリさんは続けて。
「“新しい将官たちを頼むよ、セイフォード中将”なんて言われたら頑張りまーす!って言うしかないじゃない?」
なんて、アイリさんはクスクス笑う。
少将から中将へと昇格し、新しく将官になった方々を導いている。
新しい将官たちは真面目に働き、かつてのアイリさんの忙しさは嘘のようになくなった。
「……セイフォード中将、眼鏡を掛けたんですね」
「えぇ。右目の視力を左目の視力に合わせるための眼鏡よ」
今まで動体視力の世界を生きていたから、世界ってこんなに早く動いてたのね、なんて驚いていた。
「……お似合いです」
「そう?ありがとう」
「……」
「なぁにその顔ー!可愛すぎるんですけどー!」
…眼鏡が似合いすぎて。
誰にも見て欲しくないんだけど…。
「ん?セイフォード中将、老眼ですか?」
アームストロング少将がニヤニヤ笑いながら揶揄うと。
「はい軍法会議にかけます」
「望むところですね、とことん戦いましょう」
「上等じゃない!次の軍法会議が楽しみだわ!」
アームストロング少将は敬語ではあるけど、二人の関係はご健在で。
…その仲の良さに嫉妬してしまいそうだけど。
アームストロング少将に見えないように、アイリさんは私の手を握ってくれているから大丈夫。
「…いいですか?絶対に無理はしないでくださいね?」
「えぇ、約束するわ」
数日後には中央も落ち着き、私たちは東部へと戻ることに。
駅までアイリさんが見送りに来てくれた。
昨日も体の痛みと目の痛みが出て、辛そうだったから…。
「………」
手を離せない。
もう汽車が出るブザーも鳴ったのに。
アイリさんはクスクスと笑って。
「ん…っ」
私にキスをしてくれて。
「寂しくなるわね」
なんて言うから。
「………セイフォード中将、ホークアイ中尉の純情で遊ばないでくださいよ」
涙が出てしまって。
「ごめんね、つい可愛くて」
マスタング大佐の呆れた声を聞きながら。
「また会いに行くわ、リザ」
「…はい。待ってますから…」
そっと手を離した。
でも扉が閉まる瞬間。
「…ッ!!」
アイリさんに手を引かれて。
汽車から降ろされてしまった。
「ア、アイリさん!?」
驚く私とマスタング大佐に、アイリさんは悪戯に笑って。
「明日送り届けまーす」
と、マスタング大佐に手を振った。
「こんな名残惜しんでばかり居たら、永遠と離れられないわね」
なんて言いながら抱き締めてくれて。
寂しいと思っていたのは私だけじゃなかったことが嬉しくて嬉しくて。
「もう泣かないでよー、可愛すぎて死にそうになるじゃない…」
「…アイリさんが…っ悪いんです…っ!」
「はいはい可愛い」
ますます涙が溢れた。
でも。
その半年後だった。
「…寂しくなるね…セイフォード君」
「まぁ国土錬成陣跡地を片付けなければならない役割も仰せつかってますからね。」
アイリさんの退職届を、グラマン大総統が受理したのは。
「チェスの相手もまた頼むよ」
「はい、いつでも」
“雷鳴の錬金術師”の退陣は、瞬く間にアメストリス中に広まって。
「…寂しすぎますよ、中将」
「遊びに来てくださいね!絶対ですよ!」
「まだまだご指導いただきたかったんですが…残念です…」
「みんな、ありがとう」
誰もがその退陣を惜しんだ。
もちろん私たちも駆けつけた。
「忙しいのにわざわざありがとうね、ロイ君、リザ」
マスタング大佐は花束をアイリさんへと渡して。
「何より優先すべき事項ですからね」
アイリさんへと握手を交わした。
「お疲れ様でした、セイフォード中将」
私もアイリさんへと握手を求めたら、アイリさんは綺麗に微笑んで。
「えぇ、ありがとうリザ」
「…!」
アイリさんはその手を取って引き寄せて抱き締めてくれた。
「好きよ、リザ。愛してる」
「…っわ、私も…っです…っ!」
キャーキャー歓喜の悲鳴が上がる中、みんなの前で愛の言葉を紡ぐのは恥ずかしいけれど。
それ以上に嬉しかった。
『でもセントラルシティも住みやすいからなぁ』
「………」
『お店も色々近いし、都会だしねぇ』
「………」
『顔馴染みも居るから、やっぱりセントラルシティに住み続けようかしら。どう思う?リザ』
「…早く来てください、アイリさん。」
退役後、住む場所について。
電話で話していたら、このままセントラルシティに居るなんて言うから。
…私を揶揄っているだけなんだけどね。
私の“一緒に住みたい”という気持ちをわかっていながら言うんだもの。
こういう時は本当に意地悪になるのよ、もう。
でもこれからずっとアイリさんと暮らせると思うと…。
「…早く来週にならないかしら…」
来週の引っ越しが楽しみでならない…。
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