願い ベルモット男主夢
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「…なにあの金額…ぼったくりじゃねぇの?」
「高級な料理は口に合わないようね」
「ラーメンのがよっぽど美味ぇ、口直しに行くぞ」
「無理に決まってるでしょ?胃がブラックホールなわけ?」
昼食を摂り、ご馳走してあげたにも関わらず文句を言う銀麗にため息を零す。
パスタを食べた直後にラーメンを食べに行くなんて正気の沙汰じゃないわね。
「一人でラーメン食ってくる」
なんてほざいて。
「なに?その手は」
「金」
お金を寄越せ、と。
「頼み方間違えてない?」
「お金くださいお願いします」
プライドがないのかしら、この男は。
さすがにラーメンまで食べられないから、ため息を零してお金を渡した時。
「ん」
銀麗のスマホが鳴った。
「誰から?」
「ジンだよ」
銀麗は通話ボタンを押して、スマホを耳に当てる。
「おう、さっき舌打ちしたの忘れてねぇぞお前」
ジンからなら絶対に仕事の話。
私は煙草に火を点け、銀麗の通話の様子を見つめる。
つくづく思う。
銀麗は容姿だけは本当に良い。
銀髪に空色の瞳なのに日本国籍を持つ日本人。
何でも曽祖母がイギリス人とかで、隔世遺伝でその容姿になったようでね。
『親が毎日喧嘩してたよ。DNA鑑定も何回したことか』
なんて笑って話していたのを思い出す。
「えー…俺今日有給休暇なのに…」
「あるわけないでしょそんなの」
ふぅ、と煙草の煙を吹きかける。
「ケホッおま!やめろ煙てぇわ!ベルモット?あぁ、まだいるよ」
「あら、私も?」
「えー…わかったわかった…はい、わかりました…」
と、通話が終わったみたい。
「今夜、某企業の社長さんを殺れってさ」
「あら、交渉決裂したのね」
銀麗は背中を伸ばして。
「ラーメン食って帰って寝るわ。時間なったら起こしに来てくれ」
「ちょっと」
じゃあな、と歩き出した銀麗の腕を掴む。
「なんだよ」
「なんだよ、じゃないわよ。わざわざ起こしに行くの面倒くさいんだけど」
私の言葉に、銀麗は首を傾げて。
「じゃあ電話でもいいよ。とにかく起こしてくれ」
そう言った。
「……」
鈍いなんてものじゃないわ。
無よ、無。
何も考えてないし、何も考えてくれていない。
どうしてこの私がここまでするのかを。
何も考えてくれていない。
私を数多いるセフレの一人だと思ってるのかしら。
腹が立つ。
「ベルモット?」
「…もういいわ、また連絡するから」
苛々してくる。
と、ため息を零して踵を返した時。
「?なに––––、、、!?!?」
突然銀麗に腕を引かれ、抱き締められたかと思えば。
「いってぇ…掠ったか…」
銀麗の額から血が流れていた。
「え、え?」
狙撃?
もしかして、狙撃された?
「銀…」
銀麗の名前を呼ぼうとしたら。
「白昼堂々とまぁ」
私を抱き寄せたまま物陰に隠れた。
銀麗は眉間に皺を寄せ、物陰に隠れながら狙撃された方向を見る。
普段はアホの子のように、馬鹿みたいなことしか言わないししない。
私を苛立たせて、思い通りにならないくせに。
「…血が出てるわよ」
「いいよ。ハンカチに血が付くぞ」
こういう、緊迫した状況下では一切ふざけた様子を見せずに。
自分の服の袖で血を拭って。
「お前が滞在してるホテルも割れてそうだし、このまま俺の家に行ったほうが良さそうだな。いいか?」
真っ直ぐ私を見て来るその眼差しは。
「…えぇ、構わないわ」
「ん、そんじゃ行こう」
堪らなく優しく、強くて。
––– ああ 護ってくれている –––
そう感じさせられた。
…腹が立つ。
本当に。
心底。
腹が立つ。
「…スピリタス、歩けるわ。返って目立つから下ろしてちょうだい」
「わかった」
腹が立つくらい。
––– 愛おしい。
「……苛々するわ」
「わかる、あの野郎絶対殺す」
私の苛立ちはあなたに向けてなのにね。
「行くぞ」
「…えぇ」
銀麗と居れば居るほど。
どうにかして私だけを見るようにさせたいという。
独占欲に支配されて。
「…(どうかしてるわよね、私も)」
おかしくなりそうになるのを。
耐えるのが精一杯だった。
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「…なにあの金額…ぼったくりじゃねぇの?」
「高級な料理は口に合わないようね」
「ラーメンのがよっぽど美味ぇ、口直しに行くぞ」
「無理に決まってるでしょ?胃がブラックホールなわけ?」
昼食を摂り、ご馳走してあげたにも関わらず文句を言う銀麗にため息を零す。
パスタを食べた直後にラーメンを食べに行くなんて正気の沙汰じゃないわね。
「一人でラーメン食ってくる」
なんてほざいて。
「なに?その手は」
「金」
お金を寄越せ、と。
「頼み方間違えてない?」
「お金くださいお願いします」
プライドがないのかしら、この男は。
さすがにラーメンまで食べられないから、ため息を零してお金を渡した時。
「ん」
銀麗のスマホが鳴った。
「誰から?」
「ジンだよ」
銀麗は通話ボタンを押して、スマホを耳に当てる。
「おう、さっき舌打ちしたの忘れてねぇぞお前」
ジンからなら絶対に仕事の話。
私は煙草に火を点け、銀麗の通話の様子を見つめる。
つくづく思う。
銀麗は容姿だけは本当に良い。
銀髪に空色の瞳なのに日本国籍を持つ日本人。
何でも曽祖母がイギリス人とかで、隔世遺伝でその容姿になったようでね。
『親が毎日喧嘩してたよ。DNA鑑定も何回したことか』
なんて笑って話していたのを思い出す。
「えー…俺今日有給休暇なのに…」
「あるわけないでしょそんなの」
ふぅ、と煙草の煙を吹きかける。
「ケホッおま!やめろ煙てぇわ!ベルモット?あぁ、まだいるよ」
「あら、私も?」
「えー…わかったわかった…はい、わかりました…」
と、通話が終わったみたい。
「今夜、某企業の社長さんを殺れってさ」
「あら、交渉決裂したのね」
銀麗は背中を伸ばして。
「ラーメン食って帰って寝るわ。時間なったら起こしに来てくれ」
「ちょっと」
じゃあな、と歩き出した銀麗の腕を掴む。
「なんだよ」
「なんだよ、じゃないわよ。わざわざ起こしに行くの面倒くさいんだけど」
私の言葉に、銀麗は首を傾げて。
「じゃあ電話でもいいよ。とにかく起こしてくれ」
そう言った。
「……」
鈍いなんてものじゃないわ。
無よ、無。
何も考えてないし、何も考えてくれていない。
どうしてこの私がここまでするのかを。
何も考えてくれていない。
私を数多いるセフレの一人だと思ってるのかしら。
腹が立つ。
「ベルモット?」
「…もういいわ、また連絡するから」
苛々してくる。
と、ため息を零して踵を返した時。
「?なに––––、、、!?!?」
突然銀麗に腕を引かれ、抱き締められたかと思えば。
「いってぇ…掠ったか…」
銀麗の額から血が流れていた。
「え、え?」
狙撃?
もしかして、狙撃された?
「銀…」
銀麗の名前を呼ぼうとしたら。
「白昼堂々とまぁ」
私を抱き寄せたまま物陰に隠れた。
銀麗は眉間に皺を寄せ、物陰に隠れながら狙撃された方向を見る。
普段はアホの子のように、馬鹿みたいなことしか言わないししない。
私を苛立たせて、思い通りにならないくせに。
「…血が出てるわよ」
「いいよ。ハンカチに血が付くぞ」
こういう、緊迫した状況下では一切ふざけた様子を見せずに。
自分の服の袖で血を拭って。
「お前が滞在してるホテルも割れてそうだし、このまま俺の家に行ったほうが良さそうだな。いいか?」
真っ直ぐ私を見て来るその眼差しは。
「…えぇ、構わないわ」
「ん、そんじゃ行こう」
堪らなく優しく、強くて。
––– ああ 護ってくれている –––
そう感じさせられた。
…腹が立つ。
本当に。
心底。
腹が立つ。
「…スピリタス、歩けるわ。返って目立つから下ろしてちょうだい」
「わかった」
腹が立つくらい。
––– 愛おしい。
「……苛々するわ」
「わかる、あの野郎絶対殺す」
私の苛立ちはあなたに向けてなのにね。
「行くぞ」
「…えぇ」
銀麗と居れば居るほど。
どうにかして私だけを見るようにさせたいという。
独占欲に支配されて。
「…(どうかしてるわよね、私も)」
おかしくなりそうになるのを。
耐えるのが精一杯だった。
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