古き御伽話 しのぶさん百合夢
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「というか、白麗さんは一体何処へ」
いろんな部屋を見た。
いろんな歴史的なものを見て回った。
でも白麗さんはなかなか迎えに来てくれず。
「もしかして、お屋敷にはいらっしゃらない?」
けれど今は昼間だから、鬼である白麗さんは外出は出来ない。
部屋から出て、廊下に出る。
「……」
ふと視線を落とし、長い廊下を見る。
「この先にも部屋があるのでしょうか」
振り返ったら違う部屋だったから、廊下の先の部屋へは行ったことがない。
「…気になりますねぇ」
白麗さんは優しいから、きっと怒らない。
…他人の家を探検する私も私ですが…。
廊下を歩き、壁に手を付く。
冷ややかな壁。
静かな空間に、僅かばかりの不安が過ぎる。
…もしかしたら白麗さん自身も私を見つけられないのかもしれない。
こんな複雑な構造だもの、白麗さん自身も迷子にくらいなるわよね。
と。
「突き当たり」
突き当たりの、とある部屋に辿り着いた。
左右にまた廊下が続いている。
「この部屋には何があるのかワクワクですね」
襖に手をかけ、開けると。
「……」
ヒヤリとした空気に出迎えられて。
「…何もない」
初めて何もない部屋に入った。
部屋の中を見ながら踏み入れると。
「…!」
パタン、と勝手に閉まった。
「え?」
今まで勝手に閉まったことはない。
「白麗さんですか?」
やっぱり、白麗さんは私に気付いていてわざと迎えに来てないのだろう。
私が遊んでるから、どこかで見守ってくれているのかも。
「……」
けれど白麗さんからの返事はなく、視線を戻せば。
「…刀?」
日本刀にしては強く曲線が描かれている刀があった。
これも歴史的な遺産かと思ったけど、この部屋にはこの刀しかなかった。
「……どの偉人の刀でしょうかね」
ちょっと見てみたいと思って、刀へと手を伸ばした瞬間だった。
–––––––ゾッ
「…ッ!?」
背筋が凍った。
何?
何?この刀。
この刀から放たれる“何か”に、私は言い知れない恐怖を抱いた。
冷たい空気と、背筋を駆け抜ける悪寒。
自然とカタカタと震えてしまうほど、私は恐怖に支配されそうになった。
駄目だ。
早くこの部屋から出ないと。
おかしくなりそう。
でも。
「…ッ」
でも足が。
足が動かない。
白麗さん。
白麗さん、来てください。
声も出せない。
白麗さん。
早く来て。
「何をしてるのよあなたはもう…」
背後から声が聞こえた瞬間。
「…ッ」
冷たい空気も、私を支配していた恐怖も消えて。
「ごめんね?遅くなって」
すぐに私は白麗さんに抱きついた。
「…っな…なにをしてたんですか…!」
白麗さんはクスクス笑って。
「たまには温泉で飲もうと思ってお酒飲んでたら、寝ちゃってたみたいで気付くの遅れたの」
顔を上げると、白麗さんの髪が濡れていて。
急いで来てくれたのか、体も拭かずに無造作に寝巻きを纏ったようで体も濡れていた。
「まさかこの部屋を見つけるなんてね」
白麗さんは刀へと視線を向ける。
「…あの刀はなんですか…?触ろうとしたらすごい悪寒が…」
「そうねぇ。所謂“妖刀”ってのになってしまった刀かしら」
妖刀。
そんな御伽話のような刀が実際にあるなんて…。
「…妖刀…」
私も刀を見る。
白麗さんが来た瞬間に悪寒が消えた。
まるで刀に意思があるかのように。
私を拒絶するかのように。
「捨ててもよかったんだけど、これが人の手に渡った時のことを考えたら捨てるに捨てられなくてね」
だからずっと保管していた、と。
いろんな部屋にあった歴史的遺産は押し付けられたものだろうけど、この刀は白麗さんの意思で持っているもの。
「…人の手に渡れば危険なんですか?」
「人形とか大事にしていたら、魂が宿るって言い伝えがあるでしょ?」
「…ありますが…」
まさか、これに魂が…。
「…白麗さんは触れるんですか?」
「触れるわよ」
カチャリ、と音を立てて白麗さんが刀を持った。
「たまに手入れをしないと殺意を飛ばしてくるからね」
「……」
俄かには信じられない。
でもそうじゃないとさっきの感覚を説明出来ない。
「…その刀の持ち主は一体…」
どんな人間だったのだろう。
何故“妖刀”と化したのだろう。
「継国縁壱って知ってる?」
「もちろんです。“始まりの呼吸”である“日の呼吸”を生み出した最強の剣士を、鬼殺隊が知らないわけないですから」
まさか継国縁壱の刀?
鬼の血を吸いすぎたが故に、殺された鬼たちの魂が宿った?
次に白麗さんから放たれた言葉は。
「四百年前、無惨がその縁壱にボッコボコにされたように、五百年も前に私もこの刀の持ち主にボッコボコにされたの」
だった。
.
「というか、白麗さんは一体何処へ」
いろんな部屋を見た。
いろんな歴史的なものを見て回った。
でも白麗さんはなかなか迎えに来てくれず。
「もしかして、お屋敷にはいらっしゃらない?」
けれど今は昼間だから、鬼である白麗さんは外出は出来ない。
部屋から出て、廊下に出る。
「……」
ふと視線を落とし、長い廊下を見る。
「この先にも部屋があるのでしょうか」
振り返ったら違う部屋だったから、廊下の先の部屋へは行ったことがない。
「…気になりますねぇ」
白麗さんは優しいから、きっと怒らない。
…他人の家を探検する私も私ですが…。
廊下を歩き、壁に手を付く。
冷ややかな壁。
静かな空間に、僅かばかりの不安が過ぎる。
…もしかしたら白麗さん自身も私を見つけられないのかもしれない。
こんな複雑な構造だもの、白麗さん自身も迷子にくらいなるわよね。
と。
「突き当たり」
突き当たりの、とある部屋に辿り着いた。
左右にまた廊下が続いている。
「この部屋には何があるのかワクワクですね」
襖に手をかけ、開けると。
「……」
ヒヤリとした空気に出迎えられて。
「…何もない」
初めて何もない部屋に入った。
部屋の中を見ながら踏み入れると。
「…!」
パタン、と勝手に閉まった。
「え?」
今まで勝手に閉まったことはない。
「白麗さんですか?」
やっぱり、白麗さんは私に気付いていてわざと迎えに来てないのだろう。
私が遊んでるから、どこかで見守ってくれているのかも。
「……」
けれど白麗さんからの返事はなく、視線を戻せば。
「…刀?」
日本刀にしては強く曲線が描かれている刀があった。
これも歴史的な遺産かと思ったけど、この部屋にはこの刀しかなかった。
「……どの偉人の刀でしょうかね」
ちょっと見てみたいと思って、刀へと手を伸ばした瞬間だった。
–––––––ゾッ
「…ッ!?」
背筋が凍った。
何?
何?この刀。
この刀から放たれる“何か”に、私は言い知れない恐怖を抱いた。
冷たい空気と、背筋を駆け抜ける悪寒。
自然とカタカタと震えてしまうほど、私は恐怖に支配されそうになった。
駄目だ。
早くこの部屋から出ないと。
おかしくなりそう。
でも。
「…ッ」
でも足が。
足が動かない。
白麗さん。
白麗さん、来てください。
声も出せない。
白麗さん。
早く来て。
「何をしてるのよあなたはもう…」
背後から声が聞こえた瞬間。
「…ッ」
冷たい空気も、私を支配していた恐怖も消えて。
「ごめんね?遅くなって」
すぐに私は白麗さんに抱きついた。
「…っな…なにをしてたんですか…!」
白麗さんはクスクス笑って。
「たまには温泉で飲もうと思ってお酒飲んでたら、寝ちゃってたみたいで気付くの遅れたの」
顔を上げると、白麗さんの髪が濡れていて。
急いで来てくれたのか、体も拭かずに無造作に寝巻きを纏ったようで体も濡れていた。
「まさかこの部屋を見つけるなんてね」
白麗さんは刀へと視線を向ける。
「…あの刀はなんですか…?触ろうとしたらすごい悪寒が…」
「そうねぇ。所謂“妖刀”ってのになってしまった刀かしら」
妖刀。
そんな御伽話のような刀が実際にあるなんて…。
「…妖刀…」
私も刀を見る。
白麗さんが来た瞬間に悪寒が消えた。
まるで刀に意思があるかのように。
私を拒絶するかのように。
「捨ててもよかったんだけど、これが人の手に渡った時のことを考えたら捨てるに捨てられなくてね」
だからずっと保管していた、と。
いろんな部屋にあった歴史的遺産は押し付けられたものだろうけど、この刀は白麗さんの意思で持っているもの。
「…人の手に渡れば危険なんですか?」
「人形とか大事にしていたら、魂が宿るって言い伝えがあるでしょ?」
「…ありますが…」
まさか、これに魂が…。
「…白麗さんは触れるんですか?」
「触れるわよ」
カチャリ、と音を立てて白麗さんが刀を持った。
「たまに手入れをしないと殺意を飛ばしてくるからね」
「……」
俄かには信じられない。
でもそうじゃないとさっきの感覚を説明出来ない。
「…その刀の持ち主は一体…」
どんな人間だったのだろう。
何故“妖刀”と化したのだろう。
「継国縁壱って知ってる?」
「もちろんです。“始まりの呼吸”である“日の呼吸”を生み出した最強の剣士を、鬼殺隊が知らないわけないですから」
まさか継国縁壱の刀?
鬼の血を吸いすぎたが故に、殺された鬼たちの魂が宿った?
次に白麗さんから放たれた言葉は。
「四百年前、無惨がその縁壱にボッコボコにされたように、五百年も前に私もこの刀の持ち主にボッコボコにされたの」
だった。
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