始まり しのぶさん百合夢
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それから、麓街の宿で眠った。
「この街、桜餅が名産だから買ってきてもいいわよ?何なら少し見て歩いて来てもいいし」
「白麗さんも行きましょう」
「そうね。瞬く間に焼け消えるけども」
「ふふっ、お屋敷の子たちと甘露寺さんにお土産を買って来ますね」
「えぇ、いってらっしゃい」
起きたのはお昼頃。
白麗さんは昼間は外に出られないから、宿でお留守番。
お昼時の街は、活気に溢れていて。
「どこの桜餅も美味しそうですね」
白麗さんも食べれたらいいのになぁと思いながら、どこのお店で買おうかと迷ってしまう。
「あ、田助さんご夫婦にも買いましょうか」
白麗さんがお世話になってますというお礼も兼ねて、白麗さんのご近所さんにも。
「っと、早く買って戻らないと」
見て歩いていいと言ってくれたけど、白麗さんの傍に居たいから。
「……あら?」
いろんなお店の桜餅を買って、宿に戻れば。
「…本当に綺麗な人だったよね!」
「うん、めちゃくちゃ綺麗な人だった!」
「次のお酒のおかわりは私が持ってくから!」
「「ずるいー!」」
なんていう会話が聞こえてきて…。
絶対に白麗さんのことよね…。
「…あの人は昼間からお酒を飲んで…」
呆れるようにため息を吐いて。
「すみませーん、あの人今日は休肝日でして」
と、笑顔でお断りしといた。
で。
「ただいま帰りました白麗さん昼間からお酒なんて何考えてるんですかあなたはもう」
「…こんなに早く戻ってくるなんて」
せっかくお酒のおかわりお願いしようと思ってたのに、と不貞腐れた。
「というか、今は名前違うでしょ?」
「…魅月さん」
「ん、よろしい」
…まぁお酒よりも何よりも、人の姿であろうと白麗さんに会わせたくない。
「またたくさん買って来たわねぇ」
「配りたい方がたくさんいるんです。あ、食べますか?」
「桜餅より、しのぶの血が欲しいわ」
「…まだ早いですよ」
「何かエッチなこと考えてない?」
なんて白麗さんはクスクス笑った。
そうして私たちは、夜には街を発って。
「う…ぷ…っなんで私も鬼殺隊本部に行かないとダメなの…」
「お館様にご説明をするので同席してください」
白麗さんと一緒に、藤の花の結界に囲まれた鬼殺隊本部へと帰還した。
「やぁ、白麗。今回はしのぶのわがままを聞いてくれてありがとう」
お館様は何故か事情を知っていました…。
「…お館様…私は「本当にわがままな子よ。まぁそんなわがままなしのぶも可愛いけどね」
っそんなふうに言われたら何も言えなくなるじゃない…っ
「…っお館様、弥勒山の麓街の名産品である桜餅をどうぞ」
「うん、ありがとうしのぶ。みんなで頂くね」
お館様に桜餅をお渡しして、白麗さんとお屋敷に戻ると。
「「「しのぶ様ー!!」」」
ナホたちが走って抱きついてきた。
「おかえりなさいませ、しのぶ様」
アオイやカナヲも出迎えてくれて。
「ただい「ぐはははは!!やっと帰ってきやがったかしのぶ!!」
「伊之助!しのぶ“さん”だろう!しのぶさん、おかえりなさい!」
「しのぶさーん!!待ってましたー!」
伊之助君や炭治郎君、善逸君までいらっしゃった。
「あらあら、賑やかな出迎えねぇ」
「桜餅、すぐなくなっちゃいますね」
いつもの日常に戻り、私たちは笑い合った。
千年前に起きた悲劇を知った。
“赤眼の鬼”の罪を知った。
お母さんを殺めてしまった罪は消えないけれど。
仕方ないことではないけれど。
“赤眼の鬼”は。
千年という気が狂いそうになるほど永い刻の中で。
ひっそりと人を救い、ひっそりと生きていた。
「もうお酒飲んでもいいでしょ?正直飲みたすぎて禁断症状が出そうなの」
「…私を抱くのとお酒を飲むのとどちらか選んでください」
「私にとって究極の選択なんだけど…」
千年という気が狂いそうになるほどの永い永い刻の中を、ずっと独りで生きていた“赤眼の鬼”
そんな“赤眼の鬼”と、私はこの先ずっと一緒に生きたいと思った。
それがたとえ、私がシワシワなおばあちゃんになってしまったとしても。
最期の最期、目を閉じるその瞬間まで。
どうか“赤眼の鬼”の隣に–––––
END
それから、麓街の宿で眠った。
「この街、桜餅が名産だから買ってきてもいいわよ?何なら少し見て歩いて来てもいいし」
「白麗さんも行きましょう」
「そうね。瞬く間に焼け消えるけども」
「ふふっ、お屋敷の子たちと甘露寺さんにお土産を買って来ますね」
「えぇ、いってらっしゃい」
起きたのはお昼頃。
白麗さんは昼間は外に出られないから、宿でお留守番。
お昼時の街は、活気に溢れていて。
「どこの桜餅も美味しそうですね」
白麗さんも食べれたらいいのになぁと思いながら、どこのお店で買おうかと迷ってしまう。
「あ、田助さんご夫婦にも買いましょうか」
白麗さんがお世話になってますというお礼も兼ねて、白麗さんのご近所さんにも。
「っと、早く買って戻らないと」
見て歩いていいと言ってくれたけど、白麗さんの傍に居たいから。
「……あら?」
いろんなお店の桜餅を買って、宿に戻れば。
「…本当に綺麗な人だったよね!」
「うん、めちゃくちゃ綺麗な人だった!」
「次のお酒のおかわりは私が持ってくから!」
「「ずるいー!」」
なんていう会話が聞こえてきて…。
絶対に白麗さんのことよね…。
「…あの人は昼間からお酒を飲んで…」
呆れるようにため息を吐いて。
「すみませーん、あの人今日は休肝日でして」
と、笑顔でお断りしといた。
で。
「ただいま帰りました白麗さん昼間からお酒なんて何考えてるんですかあなたはもう」
「…こんなに早く戻ってくるなんて」
せっかくお酒のおかわりお願いしようと思ってたのに、と不貞腐れた。
「というか、今は名前違うでしょ?」
「…魅月さん」
「ん、よろしい」
…まぁお酒よりも何よりも、人の姿であろうと白麗さんに会わせたくない。
「またたくさん買って来たわねぇ」
「配りたい方がたくさんいるんです。あ、食べますか?」
「桜餅より、しのぶの血が欲しいわ」
「…まだ早いですよ」
「何かエッチなこと考えてない?」
なんて白麗さんはクスクス笑った。
そうして私たちは、夜には街を発って。
「う…ぷ…っなんで私も鬼殺隊本部に行かないとダメなの…」
「お館様にご説明をするので同席してください」
白麗さんと一緒に、藤の花の結界に囲まれた鬼殺隊本部へと帰還した。
「やぁ、白麗。今回はしのぶのわがままを聞いてくれてありがとう」
お館様は何故か事情を知っていました…。
「…お館様…私は「本当にわがままな子よ。まぁそんなわがままなしのぶも可愛いけどね」
っそんなふうに言われたら何も言えなくなるじゃない…っ
「…っお館様、弥勒山の麓街の名産品である桜餅をどうぞ」
「うん、ありがとうしのぶ。みんなで頂くね」
お館様に桜餅をお渡しして、白麗さんとお屋敷に戻ると。
「「「しのぶ様ー!!」」」
ナホたちが走って抱きついてきた。
「おかえりなさいませ、しのぶ様」
アオイやカナヲも出迎えてくれて。
「ただい「ぐはははは!!やっと帰ってきやがったかしのぶ!!」
「伊之助!しのぶ“さん”だろう!しのぶさん、おかえりなさい!」
「しのぶさーん!!待ってましたー!」
伊之助君や炭治郎君、善逸君までいらっしゃった。
「あらあら、賑やかな出迎えねぇ」
「桜餅、すぐなくなっちゃいますね」
いつもの日常に戻り、私たちは笑い合った。
千年前に起きた悲劇を知った。
“赤眼の鬼”の罪を知った。
お母さんを殺めてしまった罪は消えないけれど。
仕方ないことではないけれど。
“赤眼の鬼”は。
千年という気が狂いそうになるほど永い刻の中で。
ひっそりと人を救い、ひっそりと生きていた。
「もうお酒飲んでもいいでしょ?正直飲みたすぎて禁断症状が出そうなの」
「…私を抱くのとお酒を飲むのとどちらか選んでください」
「私にとって究極の選択なんだけど…」
千年という気が狂いそうになるほどの永い永い刻の中を、ずっと独りで生きていた“赤眼の鬼”
そんな“赤眼の鬼”と、私はこの先ずっと一緒に生きたいと思った。
それがたとえ、私がシワシワなおばあちゃんになってしまったとしても。
最期の最期、目を閉じるその瞬間まで。
どうか“赤眼の鬼”の隣に–––––
END