ライバル? オリヴィエ 男主夢
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「あれ!?アームストロング少将!?お疲れ様です!」
「ああ、ご苦労。アルバート中将はまだいらっしゃるだろうか」
「アルバート中将はまだいらっしゃいます!先ほどまでアマル中将に捕まっていたらしく、大変そうでしたが…」
「…そうか。ありがとう」
あれから。
ブリッグズへ一度は戻ったが、やはり気になって中央司令部へと戻ってきた。
国家機密漏洩の調査に、鋼のたちの研究施設見学の件。
あの含み笑いは何か企んでいるに違いないし、それに伴い忙しくなるだろうしな。
「っと、ここだな」
アルバート中将の執務室前。
コンコン
軽くノックをすれば。
『合言葉を言え』
などとほざいた。
「……誰対策ですか」
問えば。
『え!?アームストロング少将!?』
走ってくる音が聞こえて。
「いいよ!入って入って!どうしたの!?何か忘れ物かい!?」
扉を開け、ひょこっと顔を出した。
「いえ、忘れ物ではないのですが、やはり些か気になりまして」
そう言うと、アルバート中将はきょとん顔を優しい笑みへと変えて。
「君も忙しいだろうに、ありがとうねぇ。さぁ入って」
中へ通してくれた。
「失礼します。アマル中将に捕まっていたようですね」
「……ああ、あの人ね。何度忙しいと言っても聞きやしない」
…物凄く迷惑そうだな。
アマル中将も、アルバート中将に気があるのなら仕事を手伝えばいいものを。
「国家機密の件は、マイルズに話を通してこちらでも調査を開始します」
「それは助かる。僕もあれからグラマン中将へ会いに東方司令部にも行ってきたんだ」
北と東で調査をすれば、早めに結果が出せる。
「なんて仰ってました?」
「ん?調査してみるって」
「いえ、そうではなく」
「?」
私はアルバート中将のデスクにある書類の束を手に取って。
「今日の会議の有様を愚痴ったのでは?」
そう問うと。
「……エスパー?」
ギョッと目を見開いた。
「“敬愛するグラマン中将”と仰っておられたので」
「確かに言ったけど、それでそこまで想像出来るってなかなか凄いよ」
他の人はそこまで気にしないし、興味ないだろうから、と。
アルバート中将は言った。
「……ありがとうございます」
興味なければ確かにそうだろう。
この人は、私が自分に対して興味を持っていないと思っているのか。
興味を持っていなければ手伝いに来たりはせんのにな。
「“反吐が出る”と仰ってたよ」
「でしょうね」
アルバート中将はクスクス笑った。
その時。
バンッ
「レイリーちゃん!」
「「!?」」
突然扉が開き、入ってきたのは。
「…アマル中将、まだいらしたのですね」
アマル中将で。
賊かと思い、私は咄嗟にアルバート中将を庇うように手を出して銘刀の柄を握っていた。
「お疲れ様です、アマル中将」
アルバート中将の声。
少しトーンが落ちた。
また来た面倒くさいと思っているのだろう。
「アームストロング少将、どうしてあなたがここにいるのかしら」
アマル中将の、私へ向ける視線は冷めたもので。
「アマル中将、彼女は「アルバート中将の仕事量が些か心配でしたので、手伝いに参っただけです」
アルバート中将の言葉を遮り、簡潔に説明をする。
「そう、ご苦労様。もう帰っていいわよ」
シッシッと手を払い、出て行けと遠回しにほざく。
「いや、アーム「従いかねます」
また遮るとアルバート中将はきょとん顔を浮かべ、アマル中将は眉間に皺を寄せる。
「……なんですって?」
「私はアルバート中将の手伝いに参ったので、アルバート中将に帰れと言われない限り、動くつもりはありません」
「ふっ」
アルバート中将が堪えきれない笑みが溢れ、ますますアマル中将が不機嫌になった。
「僕はアームストロング少将が手伝いにわざわざブリッグズから戻ってきてくれたことを嬉しく思っています。なのでアマル中将、手伝う気がないのであればご退場願いますが」
アルバート中将は肩を竦めた。
「…ッ」
「!」
ギリッと悔しそうに私を睨み上げ、私の胸倉を掴んできたので。
「っきゃっ!」
「え!?!?」
逆に手を掴み返し、アマル中将を扉に押し付けて。
「時間の無駄ですので、どうぞご退場を」
顔を近づけ、見据えてやれば。
「……っ」
「……」
アマル中将は何故か頬を赤らめ、息を呑んで。
「ッじ、じゃあレイリーちゃん!また来るから!」
私の手を払い、去って行った。
「…なんだったんでしょう」
扉を開け、アマル中将が去った方を見る。
「…ありゃライバルが増えたなぁ…」
ボソッとアルバート中将が呟いた。
「ライバル?」
アルバート中将はデスクに戻る。
「アマル中将、絶対今ので君に惚れたね」
「そんな尻軽には見えませんが」
「人が人を好きになるきっかけっていうのはね?優しくしてくれた、気遣ってくれた、笑ってくれたとか様々な理由があってそのどれかにビビビッと来るんだよ」
アルバート中将が言う。
「アマル中将にソレは当てはまりませんよ」
私はただ脅しとも取れる行動をし、出て行けと言ったんだ。
どこに掘れる要素がある。
「アマル中将の場合は、“格好良い”が当てはまったんだね」
「…格好良い…」
私が?
…意味がわからん。
「……」
何をどうしたらあれが格好良いになるんだ。
「……無自覚かぁ」
アルバート中将はため息を零して。
「何にせよ、ライバル増えるのは厄介…」
また呟いた。
私は横目でアルバート中将を見て、数回視線を彷徨わせて。
「…何のライバルか存じませんが」
「んー?…アームストロング少将?」
カツンとアルバート中将へ歩み寄り、そして。
「これでライバルが増えることはないでしょう」
椅子に座りながら私を見上げるアルバート中将に。
「ッッ!?!?!?」
触れるだけの口付けをした。
一瞬だけ。
一秒にも満たない、ほんの一瞬だが。
瞬間的にアルバート中将の顔が真っ赤になる。
「っほ、ほほほ本当は何のライバルかわかってるんでしょ!!」
口を押さえ、真っ赤な顔のまま抗議してくる。
「さぁ?何のことやら」
私はクツリと笑い、書類を手に取って。
「仕事を再開しますよ。鋼のたちからの報告もあるでしょうから早めに片付けねば」
アルバート中将へ渡す。
「……ちょっと待って。僕は今心臓が痛すぎて仕事どころじゃないんだ」
「無能ですか」
「君のせいだよ!!わかってるでしょ!」
いつまでも真っ赤な顔で喧しいから。
「また黙らせますよ」
そう言うと。
「……いや、嬉しいけどさ。黙らせる理由でするのはやだな」
複雑そうな表情を浮かべた。
喜怒哀楽がはっきりしている人だな。
私はここまで感情を出せんから少し羨ましい。
と思っていれば。
リリリリリン
「「!!」」
突然電話が鳴った。
「噂をすれば」
アルバート中将は目を細め、小さく笑って。
「もしもし、ぼ『アルバート中将ッ!俺だけど施設の責任者が逃げた!手伝ってくれ!』
受話器越しでも聞こえる鋼のの声。
「わかったよ、すぐ行く」
受話器を置いて。
「逃げたんだってさ」
そう言った。
「僕は駅の方へ行くから、君は彼らと合流してくれ」
「わかりました」
そうして。
「…やべぇ施設だった…」
「うん。だから君たちにちょっと悪さしてもらって調査に入れるようにしたかったんだよね」
「俺らを利用したのかよ!」
「阿呆。貴様らもアルバート中将の名を利用しただろうが」
「…ぅ…」
摘発することに成功した。
国家機密漏洩の件はそう簡単には解決はしないため調査中…と思っていたんだが…。
「オリヴィエちゃん、レイリーちゃんと国家機密漏洩の件を追ってるんでしょ?」
「…なぜそれを…というか、なぜアマル中将がブリッグズ要塞にいらっしゃるのですか…」
「私も一応独自で追ってたの。レイリーちゃんを呼んで情報の照らし合わせをしましょ」
何故かアマル中将が頻繁にブリッグズ要塞へ来るようになった。
「…どういうことだ、マイルズ」
「…アポは取ってあると仰って聞かないのです…」
「…そうか」
どうやらアルバート中将から私へと心移りをしたようだが。
「リヴィ!なんでアマル中将がここにいるの!」
「私は「あら、レイリーちゃん。私がここに居ちゃダメだと言うの?」
「ダメですね。リヴィは僕の恋人なので」
「そんなの私は認めてないわ!」
ぎゃいぎゃいと喧しく言い争う二人にため息を吐く私。
「レン、アマル中将、遊んでいる暇なぞありませんよ。さっさと情報共有を」
レンとあだ名で、アマル中将を階級で呼ぶ。
「ふっ」
「……」
すると、レンは勝ち誇った顔をしてアマル中将は眉間に皺を寄せて悔しそうだ。
まぁそれからはやはり中将というだけあって。
「信用おける情報屋がいるの。ちょっと探らせるわ」
「わかりました。僕はこの件をグラマン中将にも報告しておきます」
仕事が早い。
アマル中将が去り、私の執務室にて。
「…アマル中将はポンコツかと思っていた」
「僕もポンコツかと思ってたよ…あんなに頼りになるなんて…」
人は見かけに寄らないな、などと驚いていた。
「さて、と。僕も東に行って来るかな」
「場合によっては大総統に報告、ですね」
「うんうん」
「………なんだ」
「え?いってらっしゃいのチュー」
「…私がそんな柄か」
「僕にくらい甘え–––––」
「…満足か」
「大満足」
それから。
四人の将官によって国家機密漏洩の件が動き出すのは、この数ヶ月後。
END
「あれ!?アームストロング少将!?お疲れ様です!」
「ああ、ご苦労。アルバート中将はまだいらっしゃるだろうか」
「アルバート中将はまだいらっしゃいます!先ほどまでアマル中将に捕まっていたらしく、大変そうでしたが…」
「…そうか。ありがとう」
あれから。
ブリッグズへ一度は戻ったが、やはり気になって中央司令部へと戻ってきた。
国家機密漏洩の調査に、鋼のたちの研究施設見学の件。
あの含み笑いは何か企んでいるに違いないし、それに伴い忙しくなるだろうしな。
「っと、ここだな」
アルバート中将の執務室前。
コンコン
軽くノックをすれば。
『合言葉を言え』
などとほざいた。
「……誰対策ですか」
問えば。
『え!?アームストロング少将!?』
走ってくる音が聞こえて。
「いいよ!入って入って!どうしたの!?何か忘れ物かい!?」
扉を開け、ひょこっと顔を出した。
「いえ、忘れ物ではないのですが、やはり些か気になりまして」
そう言うと、アルバート中将はきょとん顔を優しい笑みへと変えて。
「君も忙しいだろうに、ありがとうねぇ。さぁ入って」
中へ通してくれた。
「失礼します。アマル中将に捕まっていたようですね」
「……ああ、あの人ね。何度忙しいと言っても聞きやしない」
…物凄く迷惑そうだな。
アマル中将も、アルバート中将に気があるのなら仕事を手伝えばいいものを。
「国家機密の件は、マイルズに話を通してこちらでも調査を開始します」
「それは助かる。僕もあれからグラマン中将へ会いに東方司令部にも行ってきたんだ」
北と東で調査をすれば、早めに結果が出せる。
「なんて仰ってました?」
「ん?調査してみるって」
「いえ、そうではなく」
「?」
私はアルバート中将のデスクにある書類の束を手に取って。
「今日の会議の有様を愚痴ったのでは?」
そう問うと。
「……エスパー?」
ギョッと目を見開いた。
「“敬愛するグラマン中将”と仰っておられたので」
「確かに言ったけど、それでそこまで想像出来るってなかなか凄いよ」
他の人はそこまで気にしないし、興味ないだろうから、と。
アルバート中将は言った。
「……ありがとうございます」
興味なければ確かにそうだろう。
この人は、私が自分に対して興味を持っていないと思っているのか。
興味を持っていなければ手伝いに来たりはせんのにな。
「“反吐が出る”と仰ってたよ」
「でしょうね」
アルバート中将はクスクス笑った。
その時。
バンッ
「レイリーちゃん!」
「「!?」」
突然扉が開き、入ってきたのは。
「…アマル中将、まだいらしたのですね」
アマル中将で。
賊かと思い、私は咄嗟にアルバート中将を庇うように手を出して銘刀の柄を握っていた。
「お疲れ様です、アマル中将」
アルバート中将の声。
少しトーンが落ちた。
また来た面倒くさいと思っているのだろう。
「アームストロング少将、どうしてあなたがここにいるのかしら」
アマル中将の、私へ向ける視線は冷めたもので。
「アマル中将、彼女は「アルバート中将の仕事量が些か心配でしたので、手伝いに参っただけです」
アルバート中将の言葉を遮り、簡潔に説明をする。
「そう、ご苦労様。もう帰っていいわよ」
シッシッと手を払い、出て行けと遠回しにほざく。
「いや、アーム「従いかねます」
また遮るとアルバート中将はきょとん顔を浮かべ、アマル中将は眉間に皺を寄せる。
「……なんですって?」
「私はアルバート中将の手伝いに参ったので、アルバート中将に帰れと言われない限り、動くつもりはありません」
「ふっ」
アルバート中将が堪えきれない笑みが溢れ、ますますアマル中将が不機嫌になった。
「僕はアームストロング少将が手伝いにわざわざブリッグズから戻ってきてくれたことを嬉しく思っています。なのでアマル中将、手伝う気がないのであればご退場願いますが」
アルバート中将は肩を竦めた。
「…ッ」
「!」
ギリッと悔しそうに私を睨み上げ、私の胸倉を掴んできたので。
「っきゃっ!」
「え!?!?」
逆に手を掴み返し、アマル中将を扉に押し付けて。
「時間の無駄ですので、どうぞご退場を」
顔を近づけ、見据えてやれば。
「……っ」
「……」
アマル中将は何故か頬を赤らめ、息を呑んで。
「ッじ、じゃあレイリーちゃん!また来るから!」
私の手を払い、去って行った。
「…なんだったんでしょう」
扉を開け、アマル中将が去った方を見る。
「…ありゃライバルが増えたなぁ…」
ボソッとアルバート中将が呟いた。
「ライバル?」
アルバート中将はデスクに戻る。
「アマル中将、絶対今ので君に惚れたね」
「そんな尻軽には見えませんが」
「人が人を好きになるきっかけっていうのはね?優しくしてくれた、気遣ってくれた、笑ってくれたとか様々な理由があってそのどれかにビビビッと来るんだよ」
アルバート中将が言う。
「アマル中将にソレは当てはまりませんよ」
私はただ脅しとも取れる行動をし、出て行けと言ったんだ。
どこに掘れる要素がある。
「アマル中将の場合は、“格好良い”が当てはまったんだね」
「…格好良い…」
私が?
…意味がわからん。
「……」
何をどうしたらあれが格好良いになるんだ。
「……無自覚かぁ」
アルバート中将はため息を零して。
「何にせよ、ライバル増えるのは厄介…」
また呟いた。
私は横目でアルバート中将を見て、数回視線を彷徨わせて。
「…何のライバルか存じませんが」
「んー?…アームストロング少将?」
カツンとアルバート中将へ歩み寄り、そして。
「これでライバルが増えることはないでしょう」
椅子に座りながら私を見上げるアルバート中将に。
「ッッ!?!?!?」
触れるだけの口付けをした。
一瞬だけ。
一秒にも満たない、ほんの一瞬だが。
瞬間的にアルバート中将の顔が真っ赤になる。
「っほ、ほほほ本当は何のライバルかわかってるんでしょ!!」
口を押さえ、真っ赤な顔のまま抗議してくる。
「さぁ?何のことやら」
私はクツリと笑い、書類を手に取って。
「仕事を再開しますよ。鋼のたちからの報告もあるでしょうから早めに片付けねば」
アルバート中将へ渡す。
「……ちょっと待って。僕は今心臓が痛すぎて仕事どころじゃないんだ」
「無能ですか」
「君のせいだよ!!わかってるでしょ!」
いつまでも真っ赤な顔で喧しいから。
「また黙らせますよ」
そう言うと。
「……いや、嬉しいけどさ。黙らせる理由でするのはやだな」
複雑そうな表情を浮かべた。
喜怒哀楽がはっきりしている人だな。
私はここまで感情を出せんから少し羨ましい。
と思っていれば。
リリリリリン
「「!!」」
突然電話が鳴った。
「噂をすれば」
アルバート中将は目を細め、小さく笑って。
「もしもし、ぼ『アルバート中将ッ!俺だけど施設の責任者が逃げた!手伝ってくれ!』
受話器越しでも聞こえる鋼のの声。
「わかったよ、すぐ行く」
受話器を置いて。
「逃げたんだってさ」
そう言った。
「僕は駅の方へ行くから、君は彼らと合流してくれ」
「わかりました」
そうして。
「…やべぇ施設だった…」
「うん。だから君たちにちょっと悪さしてもらって調査に入れるようにしたかったんだよね」
「俺らを利用したのかよ!」
「阿呆。貴様らもアルバート中将の名を利用しただろうが」
「…ぅ…」
摘発することに成功した。
国家機密漏洩の件はそう簡単には解決はしないため調査中…と思っていたんだが…。
「オリヴィエちゃん、レイリーちゃんと国家機密漏洩の件を追ってるんでしょ?」
「…なぜそれを…というか、なぜアマル中将がブリッグズ要塞にいらっしゃるのですか…」
「私も一応独自で追ってたの。レイリーちゃんを呼んで情報の照らし合わせをしましょ」
何故かアマル中将が頻繁にブリッグズ要塞へ来るようになった。
「…どういうことだ、マイルズ」
「…アポは取ってあると仰って聞かないのです…」
「…そうか」
どうやらアルバート中将から私へと心移りをしたようだが。
「リヴィ!なんでアマル中将がここにいるの!」
「私は「あら、レイリーちゃん。私がここに居ちゃダメだと言うの?」
「ダメですね。リヴィは僕の恋人なので」
「そんなの私は認めてないわ!」
ぎゃいぎゃいと喧しく言い争う二人にため息を吐く私。
「レン、アマル中将、遊んでいる暇なぞありませんよ。さっさと情報共有を」
レンとあだ名で、アマル中将を階級で呼ぶ。
「ふっ」
「……」
すると、レンは勝ち誇った顔をしてアマル中将は眉間に皺を寄せて悔しそうだ。
まぁそれからはやはり中将というだけあって。
「信用おける情報屋がいるの。ちょっと探らせるわ」
「わかりました。僕はこの件をグラマン中将にも報告しておきます」
仕事が早い。
アマル中将が去り、私の執務室にて。
「…アマル中将はポンコツかと思っていた」
「僕もポンコツかと思ってたよ…あんなに頼りになるなんて…」
人は見かけに寄らないな、などと驚いていた。
「さて、と。僕も東に行って来るかな」
「場合によっては大総統に報告、ですね」
「うんうん」
「………なんだ」
「え?いってらっしゃいのチュー」
「…私がそんな柄か」
「僕にくらい甘え–––––」
「…満足か」
「大満足」
それから。
四人の将官によって国家機密漏洩の件が動き出すのは、この数ヶ月後。
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