ライバル? オリヴィエ 男主夢
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「………」
なんだこれは。
ワイワイガヤガヤ。
会議だというのに世間話に夢中の将官共。
「…大総統が不在だとこうなんですね」
「うむ…」
隣に座るマスタングがコソッと言ってくる。
「レイリーちゃん、今度食事に行かない?」
「日々忙しいので無理ですねぇ」
アルバート中将は、何やら書類を見ている。
顎に手を添え、真剣な眼差しだ。
何の書類なのだろうな。
「休むことも必要よぉ?」
甘ったるい声でアルバート中将を誘うが。
「少しよろしいですか?」
アルバート中将は無視して立ち上がり、書類を将官たちに見せながら。
将官たちは一斉にアルバート中将へ視線を送るが。
「この書類に「アルバート、今話中だぞ。後にしたまえ」
後にしろ、と。
アルバート中将が眉間に皺を寄せる。
「後にしろ?今、会議中ですよね?今話さずにいつ話すのですか?」
最もな言葉だ。
「貴様、何様だ。私たちは今情報を共有しているんだ。若造が黙ってろ」
マルクル中将はそう吐き捨てた。
アルバート中将に借りがありながらも、そんな阿呆な言葉を吐けるとは。
人間性が終わってるな。
「……なるほど」
アルバート中将は眉間に皺を寄せたまま、書類を茶封筒に戻して。
「では私は“仕事”をしてきます。失礼致しました」
軽く頭を下げ、ツカツカと歩き出して会議室を出て行った。
「なんだあの若造は」
「よくも中将として居られるものだ」
将官共はブチブチと文句を言って、アマル中将も出て行こうとしたのを。
「アマル中将、そういえば北方司令部で」
「!なぁに?」
マスタングがまた声をかけた。
チラッと私を見て、“行け”というような目配らせをしたため。
私も立ち上がり、“恩に着る”という意味を込めてマスタングの肩に手を置いて会議室を出た。
「アルバート中将!」
「!アームストロング少将、君も出てきたんだね」
小走りでアルバート中将を追い、声をかけた。
「大総統が不在だといつもああなのですか?」
「大体はね。今日は特に酷い」
大総統不在の会議はいつも井戸端会議と化すらしい。
「反吐が出るよ、まったく」
いつになく悪態を吐く。
「話そうとしていたことは何ですか?」
「ん?ああ、この書類なんだけどね。とある情報屋から得たものなんだが」
書類を確認させてもらうと。
「…国家機密を隣国に?」
「そう。そのことについて話そうと思ってたらああだろう?本当にゴミ共だよ」
……この人がこうまで暴言を吐くのは珍しいな。
「どうされるんです」
「調査するよ。直接大総統に報告するさ」
あのポンコツ共は使えないから、と吐き捨てた。
と、その時。
「ん?変わった足音が聞こえる」
「…確かに」
空のバケツを棒で叩いているかのような足音と、もう一つ違う足音が聞こえてきた。
「…ああ、恐らくは」
二つの変わった足音を推測するに、これは。
「あれ?アームストロング少将じゃん。こんなところで何してんの?」
「こんにちは、アームストロング少将。兄さん、挨拶が先でしょ」
あの兄弟だろうな。
「…貴様たちか」
角からひょこっと顔を出したのは、やはりエルリック兄弟で。
「え!?鎧!?歩いてる!?」
アルバート中将はギョッとアルフォンスを見て、エルリック兄弟は小走りで近づいてきた。
「誰この人。偉い人?」
鋼のがアルバート中将へ視線を向ける。
「…こちら、レイリー・アルバート中将閣下だ」
「え!?中将!?!?」
「その若さで!?!?」
「はっはっ、若いってまぁよく言われるけどね」
今度はエルリック兄弟がギョッとアルバート中将を見て、姿勢を正した。
「アルバート中将、こちらはエルリック兄弟「エルリック?ああ、君が鋼の錬金術師のエドワード君だね」
アルバート中将は私の言葉を遮り、鋼のを見た。
「「……」」
鋼のたちは顔を見合わせて。
「…よ、よく俺のほうが“鋼の錬金術師”ってわかったな…」
驚くようにアルバート中将を見た。
「ん?ああ、うん。マスタング大佐から小生意気な小僧と聞いていたからね」
「…小生意気な…」
「小僧…」
弟のアルフォンスは丁寧な口調に対して、兄のエドワードはぶっきらぼう。
「…あんのクソ大佐…」
鋼のは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「さてさて、君は弟君か。ほうほう」
「…あの…アルフォンス・エルリックです…よろしくお願いします…」
次はアルフォンスの足の爪先から見上げて。
「ちょっといいかな?」
「はい?」
視線はそのまま。
ゴンゴン
「「!?」」
アルフォンスの顔を見ながら、アルバート中将はアルフォンスのボディをノックした。
「ちょ!!何して…ッ!!」
すぐに鋼のが止めたが。
「すごいなぁ。この鎧にアルフォンス君の魂を定着させてるんだね」
誰にでも出来ることじゃない、と。
アルバート中将は鋼のを褒めた。
アルバート中将がこう言うのだから、本当に凄いことなのだろう。
「……まぁ、な」
鋼のは気まずそうで、どこか照れくさそうな表情を浮かべた。
「で、だ。鋼の。貴様なぜ中央司令部に来た」
話題を戻し、再び問う。
「あ、クソ大佐に用があってさ。東方司令部に電話したら中央司令部にいるって言うから」
「マスタング大佐に用事なら、今定例会議中だからもう少し時間がかかると思うよ」
マスタングに用らしく、アルバート中将が私の代わりに答えた。
「定例会議って、二人は違うのかよ?」
こいつ、中将相手でも変わらんな。
まぁ鋼のらしいと言えば鋼のらしいが。
「僕らはサボっちゃった」
「サボ…」
「井戸端会議に長々と参加する気はない」
私は腕を組み、肩を竦める。
「あ、じゃあ兄さん、アームストロング少将にお願いしてみたらどう?」
「それいいかも。大佐より少将の階級のがすんなり通してくれそうだしな」
「「…?」」
私とアルバート中将は顔を見合わせて僅かに首を傾げる。
「これなんだけどさ、立ち入り許可証にサインがほしいんだ」
鋼のは鞄から茶封筒を取り出し、中から一枚の書類を出して見せてきた。
「立ち入り許可証だと?」
鋼のから書類を受け取り、確認をする。
生体実験を行なっている施設か。
「見学だけでもさせてほしいんだよ」
チラッとアルバート中将を見れば。
「……」
アルバート中将は目を細め、口元を手で隠しながらも緩く曲線を描いている。
…何かあるんだな、この施設には。
「僕がサインをしてあげるよ。中将の階級のほうが色々融通が効くだろうしね」
「本当かよ!ありがとう中将!!」
「ありがとうございます!」
書類を中将に渡して、その場でサインする。
「鋼の、アルバート中将の名を使うということの意味をちゃんとわかっているのだろうな?」
「わ、わかってるって!中将の顔に泥を塗るようなことはしねぇ!」
「誓って!アルバート中将のご迷惑にはならないようにします!」
アルフォンスも誓いの手を上げた。
「じゃあ、なんかあったら報告してね」
「わかった!サンキュー中将!」
「ありがとうございました!」
書類を受け取り、エルリック兄弟は嬉しそうに足早に去って行った。
「元気な子たちだなぁ」
「あの阿呆は最初から最後まで敬称を付けずに…」
「あっはっ!恐れ知らずの小生意気な小僧でいいじゃない」
エルリック兄弟が去ったほうを見つめて。
「こっちも調べないといけないしで、こりゃ忙しくなりそうだ」
クツリと笑った。
エルリック兄弟を利用して何を企んでいるのやら。
「じゃあアームストロング少将、またね」
アルバート中将の執務室前。
「本当に手伝わなくていいのですか?」
「うんうん、大丈夫。ありがとうね」
「…そうですか。では、失礼致します」
私はアルバート中将に敬礼をし、歩き出した。
国家機密の件はこちらも調査しよう。
アルバート中将は手伝わなくてもいいと仰ったが、気になるしな。
「……」
中央司令部を出て、一度振り返って。
「時間的にもう少しで汽車が来るな」
会議も早めに退席したため。
予定より早くブリッグズに戻った。
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「………」
なんだこれは。
ワイワイガヤガヤ。
会議だというのに世間話に夢中の将官共。
「…大総統が不在だとこうなんですね」
「うむ…」
隣に座るマスタングがコソッと言ってくる。
「レイリーちゃん、今度食事に行かない?」
「日々忙しいので無理ですねぇ」
アルバート中将は、何やら書類を見ている。
顎に手を添え、真剣な眼差しだ。
何の書類なのだろうな。
「休むことも必要よぉ?」
甘ったるい声でアルバート中将を誘うが。
「少しよろしいですか?」
アルバート中将は無視して立ち上がり、書類を将官たちに見せながら。
将官たちは一斉にアルバート中将へ視線を送るが。
「この書類に「アルバート、今話中だぞ。後にしたまえ」
後にしろ、と。
アルバート中将が眉間に皺を寄せる。
「後にしろ?今、会議中ですよね?今話さずにいつ話すのですか?」
最もな言葉だ。
「貴様、何様だ。私たちは今情報を共有しているんだ。若造が黙ってろ」
マルクル中将はそう吐き捨てた。
アルバート中将に借りがありながらも、そんな阿呆な言葉を吐けるとは。
人間性が終わってるな。
「……なるほど」
アルバート中将は眉間に皺を寄せたまま、書類を茶封筒に戻して。
「では私は“仕事”をしてきます。失礼致しました」
軽く頭を下げ、ツカツカと歩き出して会議室を出て行った。
「なんだあの若造は」
「よくも中将として居られるものだ」
将官共はブチブチと文句を言って、アマル中将も出て行こうとしたのを。
「アマル中将、そういえば北方司令部で」
「!なぁに?」
マスタングがまた声をかけた。
チラッと私を見て、“行け”というような目配らせをしたため。
私も立ち上がり、“恩に着る”という意味を込めてマスタングの肩に手を置いて会議室を出た。
「アルバート中将!」
「!アームストロング少将、君も出てきたんだね」
小走りでアルバート中将を追い、声をかけた。
「大総統が不在だといつもああなのですか?」
「大体はね。今日は特に酷い」
大総統不在の会議はいつも井戸端会議と化すらしい。
「反吐が出るよ、まったく」
いつになく悪態を吐く。
「話そうとしていたことは何ですか?」
「ん?ああ、この書類なんだけどね。とある情報屋から得たものなんだが」
書類を確認させてもらうと。
「…国家機密を隣国に?」
「そう。そのことについて話そうと思ってたらああだろう?本当にゴミ共だよ」
……この人がこうまで暴言を吐くのは珍しいな。
「どうされるんです」
「調査するよ。直接大総統に報告するさ」
あのポンコツ共は使えないから、と吐き捨てた。
と、その時。
「ん?変わった足音が聞こえる」
「…確かに」
空のバケツを棒で叩いているかのような足音と、もう一つ違う足音が聞こえてきた。
「…ああ、恐らくは」
二つの変わった足音を推測するに、これは。
「あれ?アームストロング少将じゃん。こんなところで何してんの?」
「こんにちは、アームストロング少将。兄さん、挨拶が先でしょ」
あの兄弟だろうな。
「…貴様たちか」
角からひょこっと顔を出したのは、やはりエルリック兄弟で。
「え!?鎧!?歩いてる!?」
アルバート中将はギョッとアルフォンスを見て、エルリック兄弟は小走りで近づいてきた。
「誰この人。偉い人?」
鋼のがアルバート中将へ視線を向ける。
「…こちら、レイリー・アルバート中将閣下だ」
「え!?中将!?!?」
「その若さで!?!?」
「はっはっ、若いってまぁよく言われるけどね」
今度はエルリック兄弟がギョッとアルバート中将を見て、姿勢を正した。
「アルバート中将、こちらはエルリック兄弟「エルリック?ああ、君が鋼の錬金術師のエドワード君だね」
アルバート中将は私の言葉を遮り、鋼のを見た。
「「……」」
鋼のたちは顔を見合わせて。
「…よ、よく俺のほうが“鋼の錬金術師”ってわかったな…」
驚くようにアルバート中将を見た。
「ん?ああ、うん。マスタング大佐から小生意気な小僧と聞いていたからね」
「…小生意気な…」
「小僧…」
弟のアルフォンスは丁寧な口調に対して、兄のエドワードはぶっきらぼう。
「…あんのクソ大佐…」
鋼のは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「さてさて、君は弟君か。ほうほう」
「…あの…アルフォンス・エルリックです…よろしくお願いします…」
次はアルフォンスの足の爪先から見上げて。
「ちょっといいかな?」
「はい?」
視線はそのまま。
ゴンゴン
「「!?」」
アルフォンスの顔を見ながら、アルバート中将はアルフォンスのボディをノックした。
「ちょ!!何して…ッ!!」
すぐに鋼のが止めたが。
「すごいなぁ。この鎧にアルフォンス君の魂を定着させてるんだね」
誰にでも出来ることじゃない、と。
アルバート中将は鋼のを褒めた。
アルバート中将がこう言うのだから、本当に凄いことなのだろう。
「……まぁ、な」
鋼のは気まずそうで、どこか照れくさそうな表情を浮かべた。
「で、だ。鋼の。貴様なぜ中央司令部に来た」
話題を戻し、再び問う。
「あ、クソ大佐に用があってさ。東方司令部に電話したら中央司令部にいるって言うから」
「マスタング大佐に用事なら、今定例会議中だからもう少し時間がかかると思うよ」
マスタングに用らしく、アルバート中将が私の代わりに答えた。
「定例会議って、二人は違うのかよ?」
こいつ、中将相手でも変わらんな。
まぁ鋼のらしいと言えば鋼のらしいが。
「僕らはサボっちゃった」
「サボ…」
「井戸端会議に長々と参加する気はない」
私は腕を組み、肩を竦める。
「あ、じゃあ兄さん、アームストロング少将にお願いしてみたらどう?」
「それいいかも。大佐より少将の階級のがすんなり通してくれそうだしな」
「「…?」」
私とアルバート中将は顔を見合わせて僅かに首を傾げる。
「これなんだけどさ、立ち入り許可証にサインがほしいんだ」
鋼のは鞄から茶封筒を取り出し、中から一枚の書類を出して見せてきた。
「立ち入り許可証だと?」
鋼のから書類を受け取り、確認をする。
生体実験を行なっている施設か。
「見学だけでもさせてほしいんだよ」
チラッとアルバート中将を見れば。
「……」
アルバート中将は目を細め、口元を手で隠しながらも緩く曲線を描いている。
…何かあるんだな、この施設には。
「僕がサインをしてあげるよ。中将の階級のほうが色々融通が効くだろうしね」
「本当かよ!ありがとう中将!!」
「ありがとうございます!」
書類を中将に渡して、その場でサインする。
「鋼の、アルバート中将の名を使うということの意味をちゃんとわかっているのだろうな?」
「わ、わかってるって!中将の顔に泥を塗るようなことはしねぇ!」
「誓って!アルバート中将のご迷惑にはならないようにします!」
アルフォンスも誓いの手を上げた。
「じゃあ、なんかあったら報告してね」
「わかった!サンキュー中将!」
「ありがとうございました!」
書類を受け取り、エルリック兄弟は嬉しそうに足早に去って行った。
「元気な子たちだなぁ」
「あの阿呆は最初から最後まで敬称を付けずに…」
「あっはっ!恐れ知らずの小生意気な小僧でいいじゃない」
エルリック兄弟が去ったほうを見つめて。
「こっちも調べないといけないしで、こりゃ忙しくなりそうだ」
クツリと笑った。
エルリック兄弟を利用して何を企んでいるのやら。
「じゃあアームストロング少将、またね」
アルバート中将の執務室前。
「本当に手伝わなくていいのですか?」
「うんうん、大丈夫。ありがとうね」
「…そうですか。では、失礼致します」
私はアルバート中将に敬礼をし、歩き出した。
国家機密の件はこちらも調査しよう。
アルバート中将は手伝わなくてもいいと仰ったが、気になるしな。
「……」
中央司令部を出て、一度振り返って。
「時間的にもう少しで汽車が来るな」
会議も早めに退席したため。
予定より早くブリッグズに戻った。
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