ライバル? オリヴィエ 男主夢
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「ブリッグズ要塞、広すぎるからちょっと狭めようか」
「ドラクマに国境を越えられてもよろしいのであればご自由に」
「それは君の力量不足ってことにならない?」
「この広いブリッグズ要塞をまとめ上げている事を評価していただきたいですな」
「確かに!こりゃ一本取られた」
はははと笑うアルバート中将を見送るため、ノースシティの駅へと足を運んだ。
駅内へ入り、前方のベンチに座っている奴。
こちらをチラ見した後、フードを被った。
明らかに怪しい奴だな。
「………」
銘刀を握り、襲撃に備える。
「しかし寒くなってきたなぁ」
「ブリッグズ地方はこれから雪が降りますので、まだまだ寒くなりますよ」
「だから誰も来たがらない」
「だから貴方に押し付けられる」
「本当にそれだよ…」
アルバート中将はガクッと肩を落とす。
怪しい奴が座るベンチを横切る時、私はそいつを横目で見ながら。
クッと親指で鍔を持ち上げると同時に。
「っ動くな!!レイリー・アルバート!!」
ベンチに座っていた奴が立ち上がり、銃口をこちらに向けた。
「おやまぁ、待ち伏せされていたとはね」
「アルバート中将、お下がりを」
時間が時間のため、周りに民間人はいないため巻き込むことはない。
アルバート中将の前に出て、護ろうとすれば。
「大丈夫だよ」
アルバート中将は下がらず。
「…しかし」
「大丈夫 大丈夫」
ニコリと笑って前に出た。
「ほら、両手を上げたよ。要求はなんだい?」
「…っ隣の女も武器を捨てて手を上げろ!」
「……」
言う通りに、銘刀を駅の床に置いて両手を上げる。
何を考えている、この男は。
何をしようとしているんだ。
「よ、よし…レイリー・アルバート…貴様に用がある…」
「聞こう」
「…五年前、貴様に捕まった俺たちのリーダーを釈放しろ…」
五年前?
アルバート中将が捕まえた者。
「…“赤の組織”の者か」
私がそう言うと、男は小さく頷いた。
「“赤の組織”ねぇ。確か、サウスシティ方面に向かう列車をジャックしたり銀行強盗で一般市民に死傷者を出した組織だね」
とんでもない悪党共の組織だな。
「俺たちには思想があった!それを聞かずに一方的に拘束したのはお前らだ!」
思想だと?
「無関係な一般市民を……、、、中将?」
上げている両の手のうち、片手を僅かに傾けることで私の言葉を遮ったアルバート中将。
「君が解放しろと言っているリーダーとやらも思念だとか理念だとかほざいていたが、それを語りたいのならなぜ一般市民を巻き込んだんだ?」
アルバート中将はそう問いかけた。
……“ほざいていた”、か。
相当お怒りだな。
「それは貴様ら軍人が俺たちの言葉を聞かなかったからだ!」
「え?話を聞かせるために一般市民を巻き込んだということ?」
「そ、そうだ!だから俺たちは「じゃあ手段を間違えたということだよ」
アルバート中将は目を閉じ、そして。
「僕は、無関係な人間を傷つける者たちの言葉に耳を傾けるつもりなど毛頭ない」
と。
強く鋭い眼差しを男へと向けた瞬間。
「「……ッ!?」」
男が持っていた銃が分解され、手錠に再構築されて。
「…ッ」
逃走しようとしたが。
「ああ、逃げようとしても無駄無駄。僕と正面から相対した時点で君はもう逃げられないことが確定していたよ」
いつの間にか、駅の床の素材を利用して男の足を拘束した。
「……恐ろしいな」
手際の良さと、アルバート中将もこの男の怪しさに気付いていたこと。
さらに、男へと向けた強く鋭い眼差しは、先ほどまで軽口を叩いていた人とは思えないほどの威厳と威圧感があった。
アルバート中将は近くにあったベンチに触れて、台車を造り出す。
「よっこいせ!」
「うわっ!何すんだ…!」
「え?足も拘束してるから歩けないでしょ?拘束を解くつもりないし」
男を乗せて、ゴロゴロと押して歩き出す。
……シュールな絵面だ。
「じゃ、ブリッグズ要塞に戻ろうか。アームストロング少将」
「…北方司令部ではなく、ブリッグズ要塞ですか?」
北方司令部ではなく、要塞に戻ると。
「うん。ブリッグズ要塞のほうが都合が良いじゃない?それに北方司令部は「レイリーちゃん!」
アルバート中将の言葉を遮ったのは。
「「!……アマル中将…」」
北方司令部の司令官、マリー・アマル中将だ。
私はアマル中将に敬礼をする。
「お疲れ様です、アマル中将」
アルバート中将はニコニコと笑顔だが。
“…うわぁ…面倒さ…”と、小さく零した。
アマル中将のことが苦手なんだな。
「いやだわ、レイリーちゃん。北へ来てるなら言ってくれればいいのに」
「ははは、ブリッグズ要塞の査察でしたので北方司令部に用はなかったんですよー」
ゴロゴロと台車を押し、歩き出すアルバート中将。
「アルバート中将、私が台車を押します」
「そう?ありがとね」
アマル中将はアルバート中将の隣にべったり張り付き、横目で私を睨むような眼差しを送ってきた。
睨まれるようなことはしていないが、まぁどうでもいい。
「あのアマルって奴、なんかやな感じだな」
台車の男がそう零す。
それに返事をするつもりはなかったが。
「ジェラシー?」
ニヤニヤと腹立たしい笑みを浮かべながらそうほざいたため。
「嫉妬なぞするか阿呆。私を誰だと思っている」
「いや知らん」
悪態を吐き捨て、二人の後ろを歩く。
「アマル中将、歩きにくいので離れていただいてもよろしいですか?」
「ねぇレイリーちゃん。北方司令部にいらっしゃってよ。おもてなしするわよ?」
「いやー、ちょっと忙しいのでまたの機会に」
「んもう、つれないわねぇ」
話を聞いていれば、アマル中将の一方的な想いだということがこれでもかというくらい伝わってくる。
「アームストロング少将、こちら……何事ですか?」
駅から出れば、マイルズが出迎えた。
状況が状況のため、マイルズも不思議そうだ。
「説明は後だ。こいつはアルバート中将を襲った男だからブリッグズ要塞に連行する」
「は、はい。わかりました」
マイルズと二人で男を車に乗せて、私は反対のドアから後部座席に座る。
男の隣だ。
「では「待て、マイルズ」
車を出そうとしたマイルズを止めてすぐ。
「じゃ、アマル中将。また定例会議で」
「レイリーちゃん、本当にブリッグズ要塞に連れて行くの?北方司令部のほうが近いわよ?」
アルバート中将も後部座席に乗り込んだ。
つまり、男の両サイドに私たちがいるということ。
「いやいや、そんなアマル中将のお手を煩わせるわけには」
ははは、と笑いながら。
「……」
アマル中将の死角になってる場所でしきりに指先を動かしている。
ハンドサインだ。
“早く出せ”と言っている。
「…マイルズ、時間が時間だ。出せ」
「は、はい」
「ではアマル中将、失礼します」
「……」
アマル中将を横目で見て軽く頭を下げ、マイルズは車を発進させた。
「はーしつこい。なんてしつこい人なんだ」
「あんたも大変だな」
男が労いの言葉をかけるが。
「貴様が銃を構えなければ、アルバート中将はアマル中将に会うこともなかったんだぞ」
私の言葉に、アルバート中将はため息を零して。
「本当だよまったく。こりゃ要塞でとんでもない拷問をしないと駄目だね」
「駄目じゃねぇよ!!!」
窓枠に肘を掛け、ニヤニヤと笑った。
「ですが、尋問は我々で行いますので中将は中央司令部に戻られてもよろしいですよ?」
マイルズがそう言うと。
「中央司令部に戻ったらやりたくないデスクワークが待ってるから戻りたくない…だから出来るだけ長くサボりたいから、あまり早く口を割らないようにお願いね」
ニコニコと笑顔でそう答えた。
「…大変ですね」
…この人も大変だなと思った。
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「ブリッグズ要塞、広すぎるからちょっと狭めようか」
「ドラクマに国境を越えられてもよろしいのであればご自由に」
「それは君の力量不足ってことにならない?」
「この広いブリッグズ要塞をまとめ上げている事を評価していただきたいですな」
「確かに!こりゃ一本取られた」
はははと笑うアルバート中将を見送るため、ノースシティの駅へと足を運んだ。
駅内へ入り、前方のベンチに座っている奴。
こちらをチラ見した後、フードを被った。
明らかに怪しい奴だな。
「………」
銘刀を握り、襲撃に備える。
「しかし寒くなってきたなぁ」
「ブリッグズ地方はこれから雪が降りますので、まだまだ寒くなりますよ」
「だから誰も来たがらない」
「だから貴方に押し付けられる」
「本当にそれだよ…」
アルバート中将はガクッと肩を落とす。
怪しい奴が座るベンチを横切る時、私はそいつを横目で見ながら。
クッと親指で鍔を持ち上げると同時に。
「っ動くな!!レイリー・アルバート!!」
ベンチに座っていた奴が立ち上がり、銃口をこちらに向けた。
「おやまぁ、待ち伏せされていたとはね」
「アルバート中将、お下がりを」
時間が時間のため、周りに民間人はいないため巻き込むことはない。
アルバート中将の前に出て、護ろうとすれば。
「大丈夫だよ」
アルバート中将は下がらず。
「…しかし」
「大丈夫 大丈夫」
ニコリと笑って前に出た。
「ほら、両手を上げたよ。要求はなんだい?」
「…っ隣の女も武器を捨てて手を上げろ!」
「……」
言う通りに、銘刀を駅の床に置いて両手を上げる。
何を考えている、この男は。
何をしようとしているんだ。
「よ、よし…レイリー・アルバート…貴様に用がある…」
「聞こう」
「…五年前、貴様に捕まった俺たちのリーダーを釈放しろ…」
五年前?
アルバート中将が捕まえた者。
「…“赤の組織”の者か」
私がそう言うと、男は小さく頷いた。
「“赤の組織”ねぇ。確か、サウスシティ方面に向かう列車をジャックしたり銀行強盗で一般市民に死傷者を出した組織だね」
とんでもない悪党共の組織だな。
「俺たちには思想があった!それを聞かずに一方的に拘束したのはお前らだ!」
思想だと?
「無関係な一般市民を……、、、中将?」
上げている両の手のうち、片手を僅かに傾けることで私の言葉を遮ったアルバート中将。
「君が解放しろと言っているリーダーとやらも思念だとか理念だとかほざいていたが、それを語りたいのならなぜ一般市民を巻き込んだんだ?」
アルバート中将はそう問いかけた。
……“ほざいていた”、か。
相当お怒りだな。
「それは貴様ら軍人が俺たちの言葉を聞かなかったからだ!」
「え?話を聞かせるために一般市民を巻き込んだということ?」
「そ、そうだ!だから俺たちは「じゃあ手段を間違えたということだよ」
アルバート中将は目を閉じ、そして。
「僕は、無関係な人間を傷つける者たちの言葉に耳を傾けるつもりなど毛頭ない」
と。
強く鋭い眼差しを男へと向けた瞬間。
「「……ッ!?」」
男が持っていた銃が分解され、手錠に再構築されて。
「…ッ」
逃走しようとしたが。
「ああ、逃げようとしても無駄無駄。僕と正面から相対した時点で君はもう逃げられないことが確定していたよ」
いつの間にか、駅の床の素材を利用して男の足を拘束した。
「……恐ろしいな」
手際の良さと、アルバート中将もこの男の怪しさに気付いていたこと。
さらに、男へと向けた強く鋭い眼差しは、先ほどまで軽口を叩いていた人とは思えないほどの威厳と威圧感があった。
アルバート中将は近くにあったベンチに触れて、台車を造り出す。
「よっこいせ!」
「うわっ!何すんだ…!」
「え?足も拘束してるから歩けないでしょ?拘束を解くつもりないし」
男を乗せて、ゴロゴロと押して歩き出す。
……シュールな絵面だ。
「じゃ、ブリッグズ要塞に戻ろうか。アームストロング少将」
「…北方司令部ではなく、ブリッグズ要塞ですか?」
北方司令部ではなく、要塞に戻ると。
「うん。ブリッグズ要塞のほうが都合が良いじゃない?それに北方司令部は「レイリーちゃん!」
アルバート中将の言葉を遮ったのは。
「「!……アマル中将…」」
北方司令部の司令官、マリー・アマル中将だ。
私はアマル中将に敬礼をする。
「お疲れ様です、アマル中将」
アルバート中将はニコニコと笑顔だが。
“…うわぁ…面倒さ…”と、小さく零した。
アマル中将のことが苦手なんだな。
「いやだわ、レイリーちゃん。北へ来てるなら言ってくれればいいのに」
「ははは、ブリッグズ要塞の査察でしたので北方司令部に用はなかったんですよー」
ゴロゴロと台車を押し、歩き出すアルバート中将。
「アルバート中将、私が台車を押します」
「そう?ありがとね」
アマル中将はアルバート中将の隣にべったり張り付き、横目で私を睨むような眼差しを送ってきた。
睨まれるようなことはしていないが、まぁどうでもいい。
「あのアマルって奴、なんかやな感じだな」
台車の男がそう零す。
それに返事をするつもりはなかったが。
「ジェラシー?」
ニヤニヤと腹立たしい笑みを浮かべながらそうほざいたため。
「嫉妬なぞするか阿呆。私を誰だと思っている」
「いや知らん」
悪態を吐き捨て、二人の後ろを歩く。
「アマル中将、歩きにくいので離れていただいてもよろしいですか?」
「ねぇレイリーちゃん。北方司令部にいらっしゃってよ。おもてなしするわよ?」
「いやー、ちょっと忙しいのでまたの機会に」
「んもう、つれないわねぇ」
話を聞いていれば、アマル中将の一方的な想いだということがこれでもかというくらい伝わってくる。
「アームストロング少将、こちら……何事ですか?」
駅から出れば、マイルズが出迎えた。
状況が状況のため、マイルズも不思議そうだ。
「説明は後だ。こいつはアルバート中将を襲った男だからブリッグズ要塞に連行する」
「は、はい。わかりました」
マイルズと二人で男を車に乗せて、私は反対のドアから後部座席に座る。
男の隣だ。
「では「待て、マイルズ」
車を出そうとしたマイルズを止めてすぐ。
「じゃ、アマル中将。また定例会議で」
「レイリーちゃん、本当にブリッグズ要塞に連れて行くの?北方司令部のほうが近いわよ?」
アルバート中将も後部座席に乗り込んだ。
つまり、男の両サイドに私たちがいるということ。
「いやいや、そんなアマル中将のお手を煩わせるわけには」
ははは、と笑いながら。
「……」
アマル中将の死角になってる場所でしきりに指先を動かしている。
ハンドサインだ。
“早く出せ”と言っている。
「…マイルズ、時間が時間だ。出せ」
「は、はい」
「ではアマル中将、失礼します」
「……」
アマル中将を横目で見て軽く頭を下げ、マイルズは車を発進させた。
「はーしつこい。なんてしつこい人なんだ」
「あんたも大変だな」
男が労いの言葉をかけるが。
「貴様が銃を構えなければ、アルバート中将はアマル中将に会うこともなかったんだぞ」
私の言葉に、アルバート中将はため息を零して。
「本当だよまったく。こりゃ要塞でとんでもない拷問をしないと駄目だね」
「駄目じゃねぇよ!!!」
窓枠に肘を掛け、ニヤニヤと笑った。
「ですが、尋問は我々で行いますので中将は中央司令部に戻られてもよろしいですよ?」
マイルズがそう言うと。
「中央司令部に戻ったらやりたくないデスクワークが待ってるから戻りたくない…だから出来るだけ長くサボりたいから、あまり早く口を割らないようにお願いね」
ニコニコと笑顔でそう答えた。
「…大変ですね」
…この人も大変だなと思った。
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