婚約者 オリヴィエ百合夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
バンッ
「アイリ」
「わっ!びっくりしたぁ…ノックしてから入ってきなさいよね…」
「なんだ貴様、まだそんな大量の書類と睨めっこをしているのか」
「だって押し付けられるんだもの。というか、どうしたの?何か用事?」
「…大した用事ではない」
「大した用事じゃないのにブリッグズから出てくるなんて、余程のことじゃない。あ、またフィリップさんに呼ばれた?」
「………」
「どこか苛立ってる雰囲気だし」
「アイリ」
「なぁに?」
「抱きたい」
「あらま。随分素直に欲望出すわね」
ある日。
また父上に呼ばれた。
また見合いの話かと思ったが。
見合いの話を通り越して、婚約者なる輩を紹介された。
そんな暇はないと何度父上に言えばわかってくれるのか。
大体、父上も国軍将校だったのだから私の忙しさはわかっているはずなのにも関わらずだ。
余生を共に過ごす相手はいると告げたにも関わらずだ。
なんだ、ボケたか?
“飾りの婚約者だから、受ける受けないは好きにしていい”
と言われたが。
「見ての通り、まだまだ家に帰れないのよ」
「そんな書類どうせ阿呆みたいな内容なのだろう」
「阿保みたいな書類でも、中にはまとめなのもあるからちゃんと確認しないとダメなの」
くそ。
どう足掻いても今すぐには帰れないのか。
「…手伝う」
「なに、欲求不満なのー?」
アイリはクスクス笑うが。
欲求不満などそういう理由で抱きたいわけではない。
いや、欲求不満ではあるんだがな。
「まぁあれよ。いつまでも独り身の娘が心配ってことよ、フィリップさんは」
純粋な親心だとアイリは笑う。
「国軍将校である娘を心配ではなく自慢してほしいものだな」
私が肩を竦めてため息を零すと。
アイリは視線を上げて。
「オリヴィエ、フィリップさんと何かあった?」
突然聞いてきた。
「…何がだ」
今の会話の流れで、何を疑問に思ったのか。
「何か言われたの?」
何かを言われたというか、婚約者を紹介されたと告げれば不機嫌になるだろうし。
「何も言われてなぞいない」
アイリは書類を置き、デスクに頬杖を付いて。
「ふーん?」
「…なんだ」
目を細めて。
「婚約者を紹介された、とか?」
いきなり当ててきた。
怖いな、こいつ…。
.
バンッ
「アイリ」
「わっ!びっくりしたぁ…ノックしてから入ってきなさいよね…」
「なんだ貴様、まだそんな大量の書類と睨めっこをしているのか」
「だって押し付けられるんだもの。というか、どうしたの?何か用事?」
「…大した用事ではない」
「大した用事じゃないのにブリッグズから出てくるなんて、余程のことじゃない。あ、またフィリップさんに呼ばれた?」
「………」
「どこか苛立ってる雰囲気だし」
「アイリ」
「なぁに?」
「抱きたい」
「あらま。随分素直に欲望出すわね」
ある日。
また父上に呼ばれた。
また見合いの話かと思ったが。
見合いの話を通り越して、婚約者なる輩を紹介された。
そんな暇はないと何度父上に言えばわかってくれるのか。
大体、父上も国軍将校だったのだから私の忙しさはわかっているはずなのにも関わらずだ。
余生を共に過ごす相手はいると告げたにも関わらずだ。
なんだ、ボケたか?
“飾りの婚約者だから、受ける受けないは好きにしていい”
と言われたが。
「見ての通り、まだまだ家に帰れないのよ」
「そんな書類どうせ阿呆みたいな内容なのだろう」
「阿保みたいな書類でも、中にはまとめなのもあるからちゃんと確認しないとダメなの」
くそ。
どう足掻いても今すぐには帰れないのか。
「…手伝う」
「なに、欲求不満なのー?」
アイリはクスクス笑うが。
欲求不満などそういう理由で抱きたいわけではない。
いや、欲求不満ではあるんだがな。
「まぁあれよ。いつまでも独り身の娘が心配ってことよ、フィリップさんは」
純粋な親心だとアイリは笑う。
「国軍将校である娘を心配ではなく自慢してほしいものだな」
私が肩を竦めてため息を零すと。
アイリは視線を上げて。
「オリヴィエ、フィリップさんと何かあった?」
突然聞いてきた。
「…何がだ」
今の会話の流れで、何を疑問に思ったのか。
「何か言われたの?」
何かを言われたというか、婚約者を紹介されたと告げれば不機嫌になるだろうし。
「何も言われてなぞいない」
アイリは書類を置き、デスクに頬杖を付いて。
「ふーん?」
「…なんだ」
目を細めて。
「婚約者を紹介された、とか?」
いきなり当ててきた。
怖いな、こいつ…。
.
1/6ページ