花言葉 オリヴィエ百合夢
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「……ん」
どれくらい寝ていたのだろう。
目を開ければ。
「あ」
「……」
アイリの顔があった。
「起きた?」
「……いつ帰ってきた」
「一時間くらい前よ」
アイリが膝枕をしてくれていて。
「…ちゃんと起こせ阿呆…」
「あなたがアホみたいな顔して寝てるからつい、ね」
アイリはクスクス笑う。
「「………」」
愛おしそうな眼差し。
その眼差しに、私の心臓がドクンと大きく脈打った。
まずい。
口に出そうだ。
言葉に出そうだ。
“好きだ”
秘めた想いが。
「…腹が減った」
なんとか出た違う言葉。
私は体を起こす。
危なかった。
もう少しで言葉が出そうだった…。
「ん、何か食べましょうか」
アイリも立ち上がって、私に続いて寝室を出る。
そうだ。
花束。
カウンターテーブルに置いたダークピンクの薔薇の。
「……!」
カウンターテーブルへと視線を向ければ、薔薇の花束は花瓶に移されていた。
花瓶の隣には本が置いてある。
さっきはなかった本が。
キッチンに立つアイリ。
ソファーに座る私。
「ね、オリヴィエ」
「なんだ」
アイリは私のほうを見ずに。
「この色の薔薇の花言葉を知ってて買って来てくれたの?」
問いかけてきた。
チラッとアイリを見る。
私たちは長い付き合いだ。
お互い貶し合い、高め合い、認め合い、信頼し合う仲で。
だからこそ。
「いや、適当に買って来た」
否定しても、内に秘めた想いに気づいてくれるだろう。
「そう」
チラッとアイリを見ると、どこか嬉しそうで。
「何か意味がある花なのか?」
問えば。
「さぁ?どうかしら。わからないなー」
アイリもわからないと言う。
「そうか」
「えぇ」
花瓶の隣にある本は、おそらく花言葉の図鑑。
調べたのだろう。
ダークピンクの薔薇の花言葉と。
その本数が意味する言葉を。
「今日泊まってくでしょ?」
「あぁ、泊まる」
お互いチラ見して。
「アイリ」
「んー?」
「食事は後でいい」
「……ん、わかったわ」
アイリは素直に私の傍に来て。
「…シャワーは浴びたいんだけど」
「後でな」
「もう…」
私に跨るように座って。
それからは…。
溺れるように。
深く。
求め合った。
ダークピンクの薔薇の花言葉は。
“愛を誓います”
12輪の意味は。
“夫婦になってください”
贈るつもりはなかった。
たまたま通りかかって目に入っただけだった。
しかし、ホークアイの言葉。
“セイフォード少将の嬉しそうな表情、見てみたくありませんか?”
見たいと思った。
花なぞいきなり贈って、困らせないか心配だったけれど。
アイリの嬉しそうな表情が見てみたかった。
まぁ眠ってるうちに帰宅して、直接渡せはしなかったが。
今度は伝えよう。
ちゃんとした言葉で。
私の言葉で。
退役後ではなくて。
近い内に。
だから、もう少し待っていてくれ。
END
「……ん」
どれくらい寝ていたのだろう。
目を開ければ。
「あ」
「……」
アイリの顔があった。
「起きた?」
「……いつ帰ってきた」
「一時間くらい前よ」
アイリが膝枕をしてくれていて。
「…ちゃんと起こせ阿呆…」
「あなたがアホみたいな顔して寝てるからつい、ね」
アイリはクスクス笑う。
「「………」」
愛おしそうな眼差し。
その眼差しに、私の心臓がドクンと大きく脈打った。
まずい。
口に出そうだ。
言葉に出そうだ。
“好きだ”
秘めた想いが。
「…腹が減った」
なんとか出た違う言葉。
私は体を起こす。
危なかった。
もう少しで言葉が出そうだった…。
「ん、何か食べましょうか」
アイリも立ち上がって、私に続いて寝室を出る。
そうだ。
花束。
カウンターテーブルに置いたダークピンクの薔薇の。
「……!」
カウンターテーブルへと視線を向ければ、薔薇の花束は花瓶に移されていた。
花瓶の隣には本が置いてある。
さっきはなかった本が。
キッチンに立つアイリ。
ソファーに座る私。
「ね、オリヴィエ」
「なんだ」
アイリは私のほうを見ずに。
「この色の薔薇の花言葉を知ってて買って来てくれたの?」
問いかけてきた。
チラッとアイリを見る。
私たちは長い付き合いだ。
お互い貶し合い、高め合い、認め合い、信頼し合う仲で。
だからこそ。
「いや、適当に買って来た」
否定しても、内に秘めた想いに気づいてくれるだろう。
「そう」
チラッとアイリを見ると、どこか嬉しそうで。
「何か意味がある花なのか?」
問えば。
「さぁ?どうかしら。わからないなー」
アイリもわからないと言う。
「そうか」
「えぇ」
花瓶の隣にある本は、おそらく花言葉の図鑑。
調べたのだろう。
ダークピンクの薔薇の花言葉と。
その本数が意味する言葉を。
「今日泊まってくでしょ?」
「あぁ、泊まる」
お互いチラ見して。
「アイリ」
「んー?」
「食事は後でいい」
「……ん、わかったわ」
アイリは素直に私の傍に来て。
「…シャワーは浴びたいんだけど」
「後でな」
「もう…」
私に跨るように座って。
それからは…。
溺れるように。
深く。
求め合った。
ダークピンクの薔薇の花言葉は。
“愛を誓います”
12輪の意味は。
“夫婦になってください”
贈るつもりはなかった。
たまたま通りかかって目に入っただけだった。
しかし、ホークアイの言葉。
“セイフォード少将の嬉しそうな表情、見てみたくありませんか?”
見たいと思った。
花なぞいきなり贈って、困らせないか心配だったけれど。
アイリの嬉しそうな表情が見てみたかった。
まぁ眠ってるうちに帰宅して、直接渡せはしなかったが。
今度は伝えよう。
ちゃんとした言葉で。
私の言葉で。
退役後ではなくて。
近い内に。
だから、もう少し待っていてくれ。
END
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