花言葉 オリヴィエ百合夢
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「どちらが強いか?」
「そうです!」
「…レベッカ、あなた何を聞いてるのよ」
ホークアイが呆れるようにため息を吐く。
「だ、だって気にならない!?セイフォード少将の唯一の同期で同じ将官なんだし!」
力説をするカタリナ。
私とアイリ、どちらが強いか、か。
「でもね、レベッカ。アームストロング少将はセイフォード少将を押し倒せるのよ?」
「あ…」
「…ホークアイ、貴様何をほざいている…」
ホークアイの発言に、今度は私がため息を零して。
「お前たちはアイリから軍隊格闘の訓練を受けたことはあるか?」
二人に問う。
二人はまた顔を見合わせて、首を横に振る。
「いえ、セイフォード少将からは受けたことはありません」
「忙しい方なので…なかなか都合が…」
まぁ確かに、あいつは忙しいからな。
「そうか」
私はまたコーヒーを啜って。
「私があいつを押し倒せるのは、単純に私のほうが強いからではない」
「ではなぜ…」
少なくなったコーヒーカップの中を見つめながら。
「ただ単に、あいつも満更ではないというだけだ」
語り出す。
「「え」」
私の言葉に、きょとんとする二人。
「士官学校時代、軍隊格闘訓練でアイリとペアを組まされたことがあってな」
こんな華奢な奴に投げ飛ばされることもなければ、拘束されることもない。
そう思い舐めてかかった結果。
「見事に投げ飛ばされた」
「す、すごい…」
「さすがセイフォード少将…」
あいつは自分の体躯の細さを理解し、どの程度の力があり、どのくらいの体躯差なら投げ飛ばせるかすらも理解していた。
また、相手が男であろうとそれに合った戦い方をする。
「それからは私も負けないよう訓練を積んで、たまに勝てる程度にはなったがな」
「…たまに勝てる程度…ですか…」
「まぁ、劣ったのは軍隊格闘くらいで射撃や筆記などは互角だった」
だからこそ、努力した。
負けたくないから。
あいつの頭の良さには敵わないが、士官学校では筆記試験や実技試験は常にあいつと並んで首位にいた。
「と言っても、アイリは士官学校を一年で卒業し、国家資格を取って少佐になった」
士官学校など通わず初めから国家資格を取ればいいものを。
「なぜ最初から国家資格を取らなかったんでしょう?」
さすがのホークアイも疑問符を浮かべた。
「軍隊の知識を得たかったらしい」
「…それを一年で得たということですね…」
「そうだな」
本当はそうではない。
本当は、もっと早くに卒業出来た。
でも一年も士官学校にいたのは。
“あなたが居るから”
私もホークアイと同じことを聞いた時。
アイリはそう答えた。
“…べ、別に恋愛とかそうじゃなくて…!張り合いのある人がいるって楽しかったからってことよ…!”
頬を赤らめたまま言われても効果はないと思ったが。
“確かに、貴様が居なくなると張り合いがなくなって暇になるな”
そう返すと、アイリは“でしょ?”と。
とても綺麗な笑みを浮かべた。
「アームストロング少将?」
「!すまない。少し物思いに耽ってしまった」
懐かしいな。
「っと、もうこんな時間か」
気付けばアイリとの約束が迫っていた。
「話に付き合ってもらってすまなかったな。約束があるから私はもう行くとしよう」
「あ、アームストロング少将!」
私は近くにあった伝票を手に取って立ち上がる。
「伝票…!」
そんな私にホークアイたちが焦り出すが。
「大した額ではないが、上官の顔を立ててくれ」
そう告げると。
「ありがとうございます、アームストロング少将」
「あ、ありがとうございます…!」
二人は引き下がってくれた。
「これからセイフォード少将と昼食でしたね」
「あぁ」
カフェを出て、ホークアイに問われた。
「セイフォード少将にお花を贈ると、喜ばれますよ」
「…なんだ急に」
「先ほどフラワーショップを見ていらしたので」
「だからあれは…」
贈ろうと思って見ていたわけではないと言ったはずだが、ホークアイはクスクス笑って。
「贈るつもりはなかったのかもしれませんが、セイフォード少将の嬉しそうな表情、見てみたくありませんか?」
「……」
私は腕を組んで、また小さく息を吐いて。
「…では、私はもう行く」
ホークアイの言葉には答えず、背中を向けた。
「はい、ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
ホークアイとカタリナは私に敬礼をし、私たちは別れた。
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「どちらが強いか?」
「そうです!」
「…レベッカ、あなた何を聞いてるのよ」
ホークアイが呆れるようにため息を吐く。
「だ、だって気にならない!?セイフォード少将の唯一の同期で同じ将官なんだし!」
力説をするカタリナ。
私とアイリ、どちらが強いか、か。
「でもね、レベッカ。アームストロング少将はセイフォード少将を押し倒せるのよ?」
「あ…」
「…ホークアイ、貴様何をほざいている…」
ホークアイの発言に、今度は私がため息を零して。
「お前たちはアイリから軍隊格闘の訓練を受けたことはあるか?」
二人に問う。
二人はまた顔を見合わせて、首を横に振る。
「いえ、セイフォード少将からは受けたことはありません」
「忙しい方なので…なかなか都合が…」
まぁ確かに、あいつは忙しいからな。
「そうか」
私はまたコーヒーを啜って。
「私があいつを押し倒せるのは、単純に私のほうが強いからではない」
「ではなぜ…」
少なくなったコーヒーカップの中を見つめながら。
「ただ単に、あいつも満更ではないというだけだ」
語り出す。
「「え」」
私の言葉に、きょとんとする二人。
「士官学校時代、軍隊格闘訓練でアイリとペアを組まされたことがあってな」
こんな華奢な奴に投げ飛ばされることもなければ、拘束されることもない。
そう思い舐めてかかった結果。
「見事に投げ飛ばされた」
「す、すごい…」
「さすがセイフォード少将…」
あいつは自分の体躯の細さを理解し、どの程度の力があり、どのくらいの体躯差なら投げ飛ばせるかすらも理解していた。
また、相手が男であろうとそれに合った戦い方をする。
「それからは私も負けないよう訓練を積んで、たまに勝てる程度にはなったがな」
「…たまに勝てる程度…ですか…」
「まぁ、劣ったのは軍隊格闘くらいで射撃や筆記などは互角だった」
だからこそ、努力した。
負けたくないから。
あいつの頭の良さには敵わないが、士官学校では筆記試験や実技試験は常にあいつと並んで首位にいた。
「と言っても、アイリは士官学校を一年で卒業し、国家資格を取って少佐になった」
士官学校など通わず初めから国家資格を取ればいいものを。
「なぜ最初から国家資格を取らなかったんでしょう?」
さすがのホークアイも疑問符を浮かべた。
「軍隊の知識を得たかったらしい」
「…それを一年で得たということですね…」
「そうだな」
本当はそうではない。
本当は、もっと早くに卒業出来た。
でも一年も士官学校にいたのは。
“あなたが居るから”
私もホークアイと同じことを聞いた時。
アイリはそう答えた。
“…べ、別に恋愛とかそうじゃなくて…!張り合いのある人がいるって楽しかったからってことよ…!”
頬を赤らめたまま言われても効果はないと思ったが。
“確かに、貴様が居なくなると張り合いがなくなって暇になるな”
そう返すと、アイリは“でしょ?”と。
とても綺麗な笑みを浮かべた。
「アームストロング少将?」
「!すまない。少し物思いに耽ってしまった」
懐かしいな。
「っと、もうこんな時間か」
気付けばアイリとの約束が迫っていた。
「話に付き合ってもらってすまなかったな。約束があるから私はもう行くとしよう」
「あ、アームストロング少将!」
私は近くにあった伝票を手に取って立ち上がる。
「伝票…!」
そんな私にホークアイたちが焦り出すが。
「大した額ではないが、上官の顔を立ててくれ」
そう告げると。
「ありがとうございます、アームストロング少将」
「あ、ありがとうございます…!」
二人は引き下がってくれた。
「これからセイフォード少将と昼食でしたね」
「あぁ」
カフェを出て、ホークアイに問われた。
「セイフォード少将にお花を贈ると、喜ばれますよ」
「…なんだ急に」
「先ほどフラワーショップを見ていらしたので」
「だからあれは…」
贈ろうと思って見ていたわけではないと言ったはずだが、ホークアイはクスクス笑って。
「贈るつもりはなかったのかもしれませんが、セイフォード少将の嬉しそうな表情、見てみたくありませんか?」
「……」
私は腕を組んで、また小さく息を吐いて。
「…では、私はもう行く」
ホークアイの言葉には答えず、背中を向けた。
「はい、ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
ホークアイとカタリナは私に敬礼をし、私たちは別れた。
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