ギャップ 綱手様 百合夢
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「おはようございます綱手様」
「ああ、おはようさん」
ある日の朝、居間へと行けば。
トーカが朝食を作ってくれていた。
トーカとは、あたしの妻でね。
元暗殺戦術特殊部隊 第四部隊 部隊長を務めた忍で。
暗部の中で最も残酷な部隊と畏怖されていた部隊。
トーカはそんな部隊の隊長を十年近く務めた阿呆みたいに強い妻なんだ。
なぜそんな奴が妻になったかというと。
『ドタイプです…!結婚してください…!』
白狐の暗部の仮面を付けたまま詰め寄られてね…。
『…いや、さすがに年齢が離れすぎているだろ…』
あたしは五十歳で、トーカは三十五歳。
いくらなんでも年齢が…と言えば。
『愛に年齢なんて関係ありません…!』
年齢など関係ない、と…。
まぁ確かに、五代目火影になって暗部のリストを確認した時。
“…えらい整った顔をした奴が暗部の部隊長なんだな”と思ったが…。
まさかそんな奴から猛アプローチされるとは思わんだろ…。
毎日のようにあたしの前に現れては“好きです”と告白をされて。
『妻にしてくださいお願いします』
と、いきなり後ろから抱き付かれたり…。
『…トーカ、勝手に暗部の仮面を取るんじゃない』
トーカの暗部の仮面、白狐の仮面をあたしの机に置いて。
『え?綱手様の妻になるので暗部辞めるんですが…』
勝手に暗部を降りたり…。
あまりのアプローチの多さに、トーカを妻にしようと決めたのは。
『ッッあんた気は確かか!?』
帰宅したあたしの家に勝手に入り込んでいて。
『……こういうの…好きかなぁと思いまして…』
裸エプロンで出迎えられたからだ。
『あたしは変態じゃないが、本当にあたしと結婚して後悔しないのかい?あたしはあんたより十五も上だよ?』
断じて裸エプロンに唆られたわけじゃないが、こうまでして好いてくれているなら、とね。
あたしはずっと独り身で生きて、独りで死んでいくと思っていた。
愛する弟や恋人だったダンを失ってから、誰かを愛するということに恐怖を抱いた。
あたしの好きな人はみんな死んじまうって。
だからあたしは誰かを好きになったりしてはいけないと。
そう思っていた。
トーカの部下にそれとなくトーカのことを聞けば。
“隊長はまじ良い女っすよ”とか。
“あんなギャップの激しい人はあの人しか存在しませんよ、萌え”とか。
“まじで優しい人なので、オススメしません”とか。
部下から慕われていて。
お互いの顔なんて知らないだろうに、そこまで慕っているのだから性格が良いのは確かなのだろう。
こんな良い部下もいるのに、あたしなんかで本当にいいのだろうか。
『後悔したくないから、あなたの妻になりたいんです』
そう言ったトーカはとても優しく、綺麗な笑みを浮かべていたのを今でも忘れない。
………裸エプロンで感動も台無しになったのも忘れていないがな。
だがまぁ、そんなこんなでトーカの猛アプローチにまんまとハマってしまって、結婚したってわけさ。
結婚してよかったんだがね。
毎朝の朝食と、“おはよう”という言葉はホッと安心させてくれるし。
「コーヒー淹れますね」
「酒でもいいよ」
「今日は休肝日なのでダメです」
「休肝日じゃなければいいのかい」
なんてこれが毎朝の会話なんだ。
休肝日じゃない日は、“朝からダメです”と言われる。
「〜♪〜♪」
鼻歌混じりで朝食を作ってくれていて、あたしはそれを横目で見つつコーヒーを飲みながら新聞を見る。
ピーンポーン ピーンポーン ピポピポピポピーンポーン
「…呪いの品が届いたみたいだな」
「あは!今日はなんでしょうね」
トーカを慕う元部下から、たまにこうした嫌がらせとも取れるチャイムを鳴らされ、トーカを奪ったことによる“呪いの品”が玄関先に置かれるんだ。
「あたしが行くよ」
「あ、ありがとうございます」
トーカが取りに行こうとしたのを止めて、あたしが取りに行く。
玄関を開ければ、大きめの箱が置かれていて。
それを持って。
「…あー、ありがたいなぁ」
とだけ零して家の中に入る。
すると。
ピーンポーン と一度だけ鳴らされ、これが“どういたしまして”の合図だ。
「開けてみましょう」
「あぁ」
箱を開けて、中身を確認すると。
「…今日は「ダメですよ、今日は休肝日です!」
あたしが前に飲みたいと言っていた、雲隠れの里のみ売られている酒が入っていた。
「ちぃ…。でもあたしの好物が入ってるのなんて珍しいな」
いつもはトーカの好物ばかりなんだが。
そう言うと。
「ああ、それは前に私が“雲隠れの里にしかないお酒飲みたいなぁ”って独り言を言ったからかもです」
「…呪いを利用するんじゃないよ、まったく…」
トーカはクスクス笑った。
「今日のお弁当はお野菜多めですから」
「…肉が食べたい」
「じゃあ、夜ご飯はお肉にしますね」
だからお昼は頑張って野菜を食べましょう、と。
あたしの体調管理も完璧にこなしてくれる。
「……」
また鼻歌混じりで台所に立ち、弁当を作ってくれているから。
あたしはその背後に立って。
「?綱手さ………」
こちらへ振り向いたトーカへ口付けをした。
「ン…ん…」
ちゅ、ちゅ、と音を立てて。
「は…っぁ…っ」
深く口付けて離れれば、透明の糸があたしたちを繋いでプツリと切れた。
「顔が赤いよ」
「っあ、朝から…っこんな…っ」
顔から火が出そうなくらい真っ赤な顔になったトーカを見て。
「その気になっちまったかい?」
「ちが…っ!違います…っ」
本当、可愛い妻だと改めて感じた朝になった。
.
「おはようございます綱手様」
「ああ、おはようさん」
ある日の朝、居間へと行けば。
トーカが朝食を作ってくれていた。
トーカとは、あたしの妻でね。
元暗殺戦術特殊部隊 第四部隊 部隊長を務めた忍で。
暗部の中で最も残酷な部隊と畏怖されていた部隊。
トーカはそんな部隊の隊長を十年近く務めた阿呆みたいに強い妻なんだ。
なぜそんな奴が妻になったかというと。
『ドタイプです…!結婚してください…!』
白狐の暗部の仮面を付けたまま詰め寄られてね…。
『…いや、さすがに年齢が離れすぎているだろ…』
あたしは五十歳で、トーカは三十五歳。
いくらなんでも年齢が…と言えば。
『愛に年齢なんて関係ありません…!』
年齢など関係ない、と…。
まぁ確かに、五代目火影になって暗部のリストを確認した時。
“…えらい整った顔をした奴が暗部の部隊長なんだな”と思ったが…。
まさかそんな奴から猛アプローチされるとは思わんだろ…。
毎日のようにあたしの前に現れては“好きです”と告白をされて。
『妻にしてくださいお願いします』
と、いきなり後ろから抱き付かれたり…。
『…トーカ、勝手に暗部の仮面を取るんじゃない』
トーカの暗部の仮面、白狐の仮面をあたしの机に置いて。
『え?綱手様の妻になるので暗部辞めるんですが…』
勝手に暗部を降りたり…。
あまりのアプローチの多さに、トーカを妻にしようと決めたのは。
『ッッあんた気は確かか!?』
帰宅したあたしの家に勝手に入り込んでいて。
『……こういうの…好きかなぁと思いまして…』
裸エプロンで出迎えられたからだ。
『あたしは変態じゃないが、本当にあたしと結婚して後悔しないのかい?あたしはあんたより十五も上だよ?』
断じて裸エプロンに唆られたわけじゃないが、こうまでして好いてくれているなら、とね。
あたしはずっと独り身で生きて、独りで死んでいくと思っていた。
愛する弟や恋人だったダンを失ってから、誰かを愛するということに恐怖を抱いた。
あたしの好きな人はみんな死んじまうって。
だからあたしは誰かを好きになったりしてはいけないと。
そう思っていた。
トーカの部下にそれとなくトーカのことを聞けば。
“隊長はまじ良い女っすよ”とか。
“あんなギャップの激しい人はあの人しか存在しませんよ、萌え”とか。
“まじで優しい人なので、オススメしません”とか。
部下から慕われていて。
お互いの顔なんて知らないだろうに、そこまで慕っているのだから性格が良いのは確かなのだろう。
こんな良い部下もいるのに、あたしなんかで本当にいいのだろうか。
『後悔したくないから、あなたの妻になりたいんです』
そう言ったトーカはとても優しく、綺麗な笑みを浮かべていたのを今でも忘れない。
………裸エプロンで感動も台無しになったのも忘れていないがな。
だがまぁ、そんなこんなでトーカの猛アプローチにまんまとハマってしまって、結婚したってわけさ。
結婚してよかったんだがね。
毎朝の朝食と、“おはよう”という言葉はホッと安心させてくれるし。
「コーヒー淹れますね」
「酒でもいいよ」
「今日は休肝日なのでダメです」
「休肝日じゃなければいいのかい」
なんてこれが毎朝の会話なんだ。
休肝日じゃない日は、“朝からダメです”と言われる。
「〜♪〜♪」
鼻歌混じりで朝食を作ってくれていて、あたしはそれを横目で見つつコーヒーを飲みながら新聞を見る。
ピーンポーン ピーンポーン ピポピポピポピーンポーン
「…呪いの品が届いたみたいだな」
「あは!今日はなんでしょうね」
トーカを慕う元部下から、たまにこうした嫌がらせとも取れるチャイムを鳴らされ、トーカを奪ったことによる“呪いの品”が玄関先に置かれるんだ。
「あたしが行くよ」
「あ、ありがとうございます」
トーカが取りに行こうとしたのを止めて、あたしが取りに行く。
玄関を開ければ、大きめの箱が置かれていて。
それを持って。
「…あー、ありがたいなぁ」
とだけ零して家の中に入る。
すると。
ピーンポーン と一度だけ鳴らされ、これが“どういたしまして”の合図だ。
「開けてみましょう」
「あぁ」
箱を開けて、中身を確認すると。
「…今日は「ダメですよ、今日は休肝日です!」
あたしが前に飲みたいと言っていた、雲隠れの里のみ売られている酒が入っていた。
「ちぃ…。でもあたしの好物が入ってるのなんて珍しいな」
いつもはトーカの好物ばかりなんだが。
そう言うと。
「ああ、それは前に私が“雲隠れの里にしかないお酒飲みたいなぁ”って独り言を言ったからかもです」
「…呪いを利用するんじゃないよ、まったく…」
トーカはクスクス笑った。
「今日のお弁当はお野菜多めですから」
「…肉が食べたい」
「じゃあ、夜ご飯はお肉にしますね」
だからお昼は頑張って野菜を食べましょう、と。
あたしの体調管理も完璧にこなしてくれる。
「……」
また鼻歌混じりで台所に立ち、弁当を作ってくれているから。
あたしはその背後に立って。
「?綱手さ………」
こちらへ振り向いたトーカへ口付けをした。
「ン…ん…」
ちゅ、ちゅ、と音を立てて。
「は…っぁ…っ」
深く口付けて離れれば、透明の糸があたしたちを繋いでプツリと切れた。
「顔が赤いよ」
「っあ、朝から…っこんな…っ」
顔から火が出そうなくらい真っ赤な顔になったトーカを見て。
「その気になっちまったかい?」
「ちが…っ!違います…っ」
本当、可愛い妻だと改めて感じた朝になった。
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