三姉妹 しのぶさん姉妹百合夢
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「そういえば、楪さんに渡されていた古い本は、どんな内容なの?」
蝶屋敷へと帰宅して3日後。
姉さんは思い出したかのように言った。
ちなみに私の部屋で姉さんは書類整理をし始めている。
「槍の使い方みたいな」
「槍?」
「うん」
私は本を閉じて、立ち上がる。
「どこへ行くの?」
すかさず私の手を掴む姉さん。
「庭だよ。ちょっと来て」
「えぇ」
姉さんと手を繋いだまま庭へ行く。
ちょっとの距離でも手を繋がれてしまうの…。
庭に来て、姉さんの手を離そうとするけど。
「なに?」
「いや、離して…」
離してくれない…。
「…逃げない?」
「逃げないよ」
手を離してくれて、庭に出る。
……。
私はしのぶ姉さんへ少しだけ振り返って。
「…ッ」
走り出してみたら。
ガシッ
「うわっ!」
しのぶ姉さんに抱き捕まって、その勢いのままゴロゴロ転がった。
「…怒るわよ、リン」
「ごめんて」
焦りながらムッとしてる姉さんが可愛くて、クスクス笑えば。
「……っ」
「…姉さん、背骨折れる…」
姉さんは頬を赤らめて、ギュウウッと抱き締めて来た。
「この長さが丁度良いかな」
少し長めの木の棒を見つけて。
「姉さん、ちょっと離れてて」
「嫌」
「だからごめんてば…」
揶揄ったばかりに、姉さんが離れてくれなくなった…。
「じゃあさ、私に斬りかかってきて。」
少し短いけど、木の棒を姉さんに渡す。
「え?でも…」
「もちろん手加減してね」
柱であるしのぶ姉さんに、加減なく斬りかかられたら一溜りもない。
「…では、行くわよ?」
「うん」
私はクルクルと棒を回し、構える。
姉さんが斬りかかって来るのを躱す。
「!」
舞う。
“花の呼吸”でもなく“蟲の呼吸”でもない、私独自の息遣い。
舞う。
姉さんから目を離さず、ステップを繰り返して。
軽やかに。
優雅に。
花びらも巻き込んで。
蒼い蝶をも巻き込んで。
姉さんの攻撃を受け流しながら、時には斬りかかって。
さすがは柱。
…まったく当たらない。
いや、今は当たったら困るからいいんだけど。
少ししか古い本を読んでないから。
まだまだ鍛錬が必要。
もっと精度を上げないと。
「…っ」
「わっ」
カンッと木の棒を弾かれて。
ギュウウッとまた強く抱き締められた。
「やっぱり姉さんは凄いなぁ」
息も上がってないし、当たらないとわかっているから遠慮なく棒を振るえた。
「…凄いのは…あなたよ…」
姉さんの声が震えている。
「姉さん?」
私は自分の首に回っているしのぶ姉さんの腕に触れる。
「凄いわ…今のを極めたら、あなたはとてつも無く強くなれる…」
姉さんがそう言ってくれるなら。
私、また頑張るよ。
姉さんと肩を並べて戦えるようになるまで。
カナヲと肩を並べて戦えるようになるまで。
報われない努力もあるかもしれないけど。
報われるまで努力し続ければ。
もしかしたら、報われる日が来るかもしれないから。
「わ…綺麗な刀…」
「本当…綺麗な刀ですね」
15日後、私の刀が出来上がり楪さんが持って来てくれた。
ちなみに姉さんとカナヲは少し遠めの任務地のため、朝から不在で。
アオイが隣に居る。
“いい?触られそうになったら斬りかかるのよ?正当防衛だから大丈夫だからね。”
“いやいや…いくらなんでも…”
“アオイ、リンをお願いしますね”
“お任せを”
蝶屋敷総出の過保護で困っちゃうよ…。
淡い青色へと刀身の色が変わった。
本当に綺麗な刀…。
「刀身は通常の刀より短めで、少し細いですが強度は上げてます。」
短めの刀身にも関わらず、鞘は刀身より長い。
「あ、これ…」
私は柄を鞘へと収めてアオイを見ると、アオイも驚くように刀を見ていた。
「そう。そこで止めていただければ、薙刀に変わるんだ」
凄い…凄すぎる…。
「薙刀も槍の動きでいけるから、キミは鬼殺隊初の槍使いとしてこれからも頑張ってな」
楪さんに頭を撫でられた。
…鬼殺隊初…。
「はい!頑張ります!」
「楪さん、リンさんに触らないでください」
「キミも!?キミたち胡蝶家の子厳し過ぎない!?」
「…すみません、私が家出したばかりに過保護になってしまったんです…」
楪さんが私のために打ってくれたこの特別な刀。
絶対に使いこなしてみせる。
鬼殺隊初の槍使いとして。
胡蝶の名に恥じない戦いをするんだ。
「…え?頭を撫でられた?」
「うん。あ、ねぇ見て。これ………姉さん?」
夜中、姉さんとカナヲが帰宅した。
今日は帰って来ないと思ってたんだけど。
鍛錬場で刀を振るっていたところに、姉さんが慌てて来た。
また居なくなったと思ったみたい。
で、楪さんが頭を撫でてくれたことを伝えると。
「姉さん?どこ行くの?」
「お風呂」
「え゙?」
「ほら、汗も掻いてるし、ね?」
姉さんのコメカミにピクピク青筋が浮かんでいる…。
“あの変態…”という呟きも聞こえてくる…。
「え、姉さんも入るの?」
「え?もちろん」
ということで。
「…んっ…ぅ…っ」
「ん」
姉さんと一緒にお風呂に入ると、絶対に赤い痕を付けられる…。
虫除けしないと、って。
こんなに常々一緒に居たら、誰も近づいて来ないよ…もう…。
「リン、少し休みなさい」
「姉さんだって研究してないで休みなよ」
「私はいいの」
「…しのぶ姉さん、一緒に休も?」
「……っ仕方ないわね!」
溺愛されていることを逆手に取り、少し上目遣いで見上げてそう言うと、ほぼ確実に姉さんは一緒に休んでくれる。
だから。
「リンさんもしのぶ様も、あまりにも休まないなら一緒の部屋に布団敷きませんからね」
「ご、ごめんなさい…」
「…私は別に「リン?」は、はい…わかりました…」
アオイにそう脅されるようになった…。
姉さんには効果的面だった…。
鍛錬の毎日。
あの古い本を読み解き、独自の舞いも取り入れて。
この刀を最大限に生かすために。
時にはカナヲに相手をしてもらったり。
…いやカナヲもめっちゃ強くてもう…。
負けてられない!って自分を奮い立たせた。
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「そういえば、楪さんに渡されていた古い本は、どんな内容なの?」
蝶屋敷へと帰宅して3日後。
姉さんは思い出したかのように言った。
ちなみに私の部屋で姉さんは書類整理をし始めている。
「槍の使い方みたいな」
「槍?」
「うん」
私は本を閉じて、立ち上がる。
「どこへ行くの?」
すかさず私の手を掴む姉さん。
「庭だよ。ちょっと来て」
「えぇ」
姉さんと手を繋いだまま庭へ行く。
ちょっとの距離でも手を繋がれてしまうの…。
庭に来て、姉さんの手を離そうとするけど。
「なに?」
「いや、離して…」
離してくれない…。
「…逃げない?」
「逃げないよ」
手を離してくれて、庭に出る。
……。
私はしのぶ姉さんへ少しだけ振り返って。
「…ッ」
走り出してみたら。
ガシッ
「うわっ!」
しのぶ姉さんに抱き捕まって、その勢いのままゴロゴロ転がった。
「…怒るわよ、リン」
「ごめんて」
焦りながらムッとしてる姉さんが可愛くて、クスクス笑えば。
「……っ」
「…姉さん、背骨折れる…」
姉さんは頬を赤らめて、ギュウウッと抱き締めて来た。
「この長さが丁度良いかな」
少し長めの木の棒を見つけて。
「姉さん、ちょっと離れてて」
「嫌」
「だからごめんてば…」
揶揄ったばかりに、姉さんが離れてくれなくなった…。
「じゃあさ、私に斬りかかってきて。」
少し短いけど、木の棒を姉さんに渡す。
「え?でも…」
「もちろん手加減してね」
柱であるしのぶ姉さんに、加減なく斬りかかられたら一溜りもない。
「…では、行くわよ?」
「うん」
私はクルクルと棒を回し、構える。
姉さんが斬りかかって来るのを躱す。
「!」
舞う。
“花の呼吸”でもなく“蟲の呼吸”でもない、私独自の息遣い。
舞う。
姉さんから目を離さず、ステップを繰り返して。
軽やかに。
優雅に。
花びらも巻き込んで。
蒼い蝶をも巻き込んで。
姉さんの攻撃を受け流しながら、時には斬りかかって。
さすがは柱。
…まったく当たらない。
いや、今は当たったら困るからいいんだけど。
少ししか古い本を読んでないから。
まだまだ鍛錬が必要。
もっと精度を上げないと。
「…っ」
「わっ」
カンッと木の棒を弾かれて。
ギュウウッとまた強く抱き締められた。
「やっぱり姉さんは凄いなぁ」
息も上がってないし、当たらないとわかっているから遠慮なく棒を振るえた。
「…凄いのは…あなたよ…」
姉さんの声が震えている。
「姉さん?」
私は自分の首に回っているしのぶ姉さんの腕に触れる。
「凄いわ…今のを極めたら、あなたはとてつも無く強くなれる…」
姉さんがそう言ってくれるなら。
私、また頑張るよ。
姉さんと肩を並べて戦えるようになるまで。
カナヲと肩を並べて戦えるようになるまで。
報われない努力もあるかもしれないけど。
報われるまで努力し続ければ。
もしかしたら、報われる日が来るかもしれないから。
「わ…綺麗な刀…」
「本当…綺麗な刀ですね」
15日後、私の刀が出来上がり楪さんが持って来てくれた。
ちなみに姉さんとカナヲは少し遠めの任務地のため、朝から不在で。
アオイが隣に居る。
“いい?触られそうになったら斬りかかるのよ?正当防衛だから大丈夫だからね。”
“いやいや…いくらなんでも…”
“アオイ、リンをお願いしますね”
“お任せを”
蝶屋敷総出の過保護で困っちゃうよ…。
淡い青色へと刀身の色が変わった。
本当に綺麗な刀…。
「刀身は通常の刀より短めで、少し細いですが強度は上げてます。」
短めの刀身にも関わらず、鞘は刀身より長い。
「あ、これ…」
私は柄を鞘へと収めてアオイを見ると、アオイも驚くように刀を見ていた。
「そう。そこで止めていただければ、薙刀に変わるんだ」
凄い…凄すぎる…。
「薙刀も槍の動きでいけるから、キミは鬼殺隊初の槍使いとしてこれからも頑張ってな」
楪さんに頭を撫でられた。
…鬼殺隊初…。
「はい!頑張ります!」
「楪さん、リンさんに触らないでください」
「キミも!?キミたち胡蝶家の子厳し過ぎない!?」
「…すみません、私が家出したばかりに過保護になってしまったんです…」
楪さんが私のために打ってくれたこの特別な刀。
絶対に使いこなしてみせる。
鬼殺隊初の槍使いとして。
胡蝶の名に恥じない戦いをするんだ。
「…え?頭を撫でられた?」
「うん。あ、ねぇ見て。これ………姉さん?」
夜中、姉さんとカナヲが帰宅した。
今日は帰って来ないと思ってたんだけど。
鍛錬場で刀を振るっていたところに、姉さんが慌てて来た。
また居なくなったと思ったみたい。
で、楪さんが頭を撫でてくれたことを伝えると。
「姉さん?どこ行くの?」
「お風呂」
「え゙?」
「ほら、汗も掻いてるし、ね?」
姉さんのコメカミにピクピク青筋が浮かんでいる…。
“あの変態…”という呟きも聞こえてくる…。
「え、姉さんも入るの?」
「え?もちろん」
ということで。
「…んっ…ぅ…っ」
「ん」
姉さんと一緒にお風呂に入ると、絶対に赤い痕を付けられる…。
虫除けしないと、って。
こんなに常々一緒に居たら、誰も近づいて来ないよ…もう…。
「リン、少し休みなさい」
「姉さんだって研究してないで休みなよ」
「私はいいの」
「…しのぶ姉さん、一緒に休も?」
「……っ仕方ないわね!」
溺愛されていることを逆手に取り、少し上目遣いで見上げてそう言うと、ほぼ確実に姉さんは一緒に休んでくれる。
だから。
「リンさんもしのぶ様も、あまりにも休まないなら一緒の部屋に布団敷きませんからね」
「ご、ごめんなさい…」
「…私は別に「リン?」は、はい…わかりました…」
アオイにそう脅されるようになった…。
姉さんには効果的面だった…。
鍛錬の毎日。
あの古い本を読み解き、独自の舞いも取り入れて。
この刀を最大限に生かすために。
時にはカナヲに相手をしてもらったり。
…いやカナヲもめっちゃ強くてもう…。
負けてられない!って自分を奮い立たせた。
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