降り頻る雨の中で ベルモット男主夢
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「で?狙撃されるような仕事なの?あなた」
「…流れ弾に当たっただけだよ」
「銃撃戦があったことは認めるのね」
あれから少しして、クロノが呼んだ医者、ミナトがやってきた。
荒療治だけど、応急処置にはなっていると。
“けど、今時こんな方法で塞ぐ奴いねぇよ。お前早死にするタイプだわな”
なんて、呆れてもいたわ。
「というか、寝てなくて大丈夫なの?」
医師の処置が終わったのは昨夜。
それなのに、クロノはキッチンに立っている。
「動いてたほうが早く治るかもしれないだろ」
「…呆れた」
呆れるようにため息を零す。
銃撃戦があったのならニュースで放送されるはず。
テレビを点けて、チャンネルを変える。
「新聞取ってないの?」
「あるよ」
『昨夜未明、ロンドン郊外で、銃撃戦がありました。銃撃戦はFBIと、FBIが追っている“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”で繰り広げた模様で』
クロノから新聞を受け取った時、流れたニュース。
“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”?
初めて聞く組織ね。
でもまぁ。
「流れてるわよ?あなたのこと」
クロノが関わっている事件に間違いない。
自分もFBIに追われる身だからこそ、私がFBIに追われていることに気付いたのね。
「これだけで、なんで俺だと思うんだよ?
「銃撃戦が起きてるじゃない」
「起きた国を見ろ。それにお前、昨日の夜にこの家にきただろ?」
「え?」
画面の端に視線を向ければ、“イギリスの首都、ロンドン郊外”と出ている。
しかも、さっきアナウンサーが“昨夜未明”と言った。
「…嘘…」
昨日私は、夜にこの家へやってきた。
つまり、銃撃戦が起こってから時間もそう経たずにクロノはこの家へ戻ってきているということ。
「不可能だろ?飛行機も最終便が出た後のことだし」
「…自家用機ってことも考えられるじゃない」
「調べてみろよ。その時間にフライトがあったかを」
…昨夜はあんなに弱くて隙を見せていたのに。
たった数時間で、食えない男に戻るなんて。
「じゃあなぜ撃たれたの?」
「さぁな。」
コーヒーを啜り、ニヤニヤ笑っている。
「私には?」
「セルフです。あ、おい!」
クロノのコーヒーを奪ってやったわ。
クロノはブチブチ文句を言いながらコーヒーを入れに行った。
まぁ、“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”という名前さえわかれば調べようがある。
名称があるということは、クロノ一人の組織ではないということ。
「……」
もし…。
もし組織に目を付けられる組織なら…。
クロノの傍にいる私へ…。
“あの方”から粛清の命令が下される…。
「ま、酒のコードネームがある組織には喧嘩売らないから心配すんな」
私の考えていることを知ってか、チャンネルを変えてクロノが言った。
「そうね、それが賢い選択だわ。」
私は組んだ足に肘を置き、手に顎を乗せてクスリと笑む。
すると。
「?」
クロノの顔が近づいて…。
「ッ!!」
触れるだけの。
本当に触れるだけの…。
キスをしてくれた。
「隙あり」
悪戯に笑う彼の頬が、ほんのり赤く染まる。
立ち上がる彼の腕を掴んで。
「…よくわからなかったから、もう一度してくれない…?」
何がわからないんだよ、と言われるかと思ったけれど。
「なんだ、わからなかったのか。じゃあもう一回してやるよ」
クロノはソファーの後ろに立ち、私の頬に手を添えて。
「…えぇ。長くしてもらえると、わかるかもしれないわ…」
「わかった」
そっと、キスをしてくれた。
ああ。
たまらなく愛おしい。
クロノといると、自分はつくづく女なんだと思い知らされる。
クロノといるだけで。
冷え切った心が、暖かく満たされていく。
私に“幸せ”なんて似合わないのに。
心の底から幸せだと感じてしまう。
「今日…泊まってもいい…?」
その日、初めて。
「いや、ダメ」
「もう…空気読みなさいよ…」
私はクロノと熱を分かち合った。
溺れるような行為に酔い痴れて…。
何度も何度も──…
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「で?狙撃されるような仕事なの?あなた」
「…流れ弾に当たっただけだよ」
「銃撃戦があったことは認めるのね」
あれから少しして、クロノが呼んだ医者、ミナトがやってきた。
荒療治だけど、応急処置にはなっていると。
“けど、今時こんな方法で塞ぐ奴いねぇよ。お前早死にするタイプだわな”
なんて、呆れてもいたわ。
「というか、寝てなくて大丈夫なの?」
医師の処置が終わったのは昨夜。
それなのに、クロノはキッチンに立っている。
「動いてたほうが早く治るかもしれないだろ」
「…呆れた」
呆れるようにため息を零す。
銃撃戦があったのならニュースで放送されるはず。
テレビを点けて、チャンネルを変える。
「新聞取ってないの?」
「あるよ」
『昨夜未明、ロンドン郊外で、銃撃戦がありました。銃撃戦はFBIと、FBIが追っている“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”で繰り広げた模様で』
クロノから新聞を受け取った時、流れたニュース。
“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”?
初めて聞く組織ね。
でもまぁ。
「流れてるわよ?あなたのこと」
クロノが関わっている事件に間違いない。
自分もFBIに追われる身だからこそ、私がFBIに追われていることに気付いたのね。
「これだけで、なんで俺だと思うんだよ?
「銃撃戦が起きてるじゃない」
「起きた国を見ろ。それにお前、昨日の夜にこの家にきただろ?」
「え?」
画面の端に視線を向ければ、“イギリスの首都、ロンドン郊外”と出ている。
しかも、さっきアナウンサーが“昨夜未明”と言った。
「…嘘…」
昨日私は、夜にこの家へやってきた。
つまり、銃撃戦が起こってから時間もそう経たずにクロノはこの家へ戻ってきているということ。
「不可能だろ?飛行機も最終便が出た後のことだし」
「…自家用機ってことも考えられるじゃない」
「調べてみろよ。その時間にフライトがあったかを」
…昨夜はあんなに弱くて隙を見せていたのに。
たった数時間で、食えない男に戻るなんて。
「じゃあなぜ撃たれたの?」
「さぁな。」
コーヒーを啜り、ニヤニヤ笑っている。
「私には?」
「セルフです。あ、おい!」
クロノのコーヒーを奪ってやったわ。
クロノはブチブチ文句を言いながらコーヒーを入れに行った。
まぁ、“夜霧の住人(ナイトミスト レジデント)”という名前さえわかれば調べようがある。
名称があるということは、クロノ一人の組織ではないということ。
「……」
もし…。
もし組織に目を付けられる組織なら…。
クロノの傍にいる私へ…。
“あの方”から粛清の命令が下される…。
「ま、酒のコードネームがある組織には喧嘩売らないから心配すんな」
私の考えていることを知ってか、チャンネルを変えてクロノが言った。
「そうね、それが賢い選択だわ。」
私は組んだ足に肘を置き、手に顎を乗せてクスリと笑む。
すると。
「?」
クロノの顔が近づいて…。
「ッ!!」
触れるだけの。
本当に触れるだけの…。
キスをしてくれた。
「隙あり」
悪戯に笑う彼の頬が、ほんのり赤く染まる。
立ち上がる彼の腕を掴んで。
「…よくわからなかったから、もう一度してくれない…?」
何がわからないんだよ、と言われるかと思ったけれど。
「なんだ、わからなかったのか。じゃあもう一回してやるよ」
クロノはソファーの後ろに立ち、私の頬に手を添えて。
「…えぇ。長くしてもらえると、わかるかもしれないわ…」
「わかった」
そっと、キスをしてくれた。
ああ。
たまらなく愛おしい。
クロノといると、自分はつくづく女なんだと思い知らされる。
クロノといるだけで。
冷え切った心が、暖かく満たされていく。
私に“幸せ”なんて似合わないのに。
心の底から幸せだと感じてしまう。
「今日…泊まってもいい…?」
その日、初めて。
「いや、ダメ」
「もう…空気読みなさいよ…」
私はクロノと熱を分かち合った。
溺れるような行為に酔い痴れて…。
何度も何度も──…
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