降り頻る雨の中で ベルモット男主夢
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「お手紙でーす」
「お前ふざけんなよ…」
それから毎日のように、変装してクロノの家へ訪れた。
クロノも、私のことを“あんた”から“お前”に。
「また見破られた。いい加減教えてくれてもいいんじゃない?」
「しつこい」
クロノは鬱陶しそうな顔はするけど、とりあえず中には通してくれる。
「っつか、手紙なら郵便受けに入れろよ」
手紙を渡して、差出人を確認。
「“Vermouth(ヴァームース)”?」
「知り合い?そこで郵便屋さんに会って、この家に届ける手紙があるなら持って行くと言ったらそれを渡されたんだけど」
私もクロノの横から差出人を見る。
「……」
ふふっ。
いくら頭の切れるあなたでも、さすがにこれは解けないわよね。
しかし。
「お前のコードネームか?これ」
…すぐにジト目で私を睨んできた…。
「な…なんで…」
驚いた、なんてものじゃないわ…。
なに…この男は…。
「だって、“ベルモット”なんて名前知らないし」
「…知らないだけでなぜコードネームだとわかるのよ?」
「それだ」
「え?」
クロノは悪戯に笑って。
「お前、今“なぜコードネームだとわかるのよ?”と言ったな」
「えぇ。言ったわ。それが何?」
私は腰に手を当て、クロノを見据える。
「“わかるのか”と聞く奴は、大概答えがわかってる奴が使うんだよ。」
「ッ!!」
「まぁそれが必ずしも使われるわけじゃないが、さっきと今のお前の表情で当たりと見た。」
クロノは悪戯に笑う。
「……カマかけたわね?」
「迂闊すぎるんだよ、お前が」
封筒を破り、中身を取り出す。
「“マヌケな一般人”だと…こんにゃろ…」
中には一言、そう書いた。
けど今は中身なんてどうでもよくて。
「っつか、何しにきたんだよ」
クロノの鋭さに。
恐怖を覚えた。
「聞いてんのか?」
呆然としていた私の顔を覗き込み、私を睨んでくる。
「…私がここに来る理由なんて一つよ。」
「あ、そう。無駄足ご苦労様」
「連れないわね。あ、ねぇ。コーヒーご馳走してくれない?喉渇いちゃって」
「仕方ないな…。ジュース飲んだら帰れよ?」
「コーヒーよ。ジュースじゃなくて」
「喉渇いた時は、ジュースが一番だ。ネットで検索してみろ」
「ヒットするの?」
「しないよバーカ。」
「…あなた、いつか殺してあげるわ」
ハリウッド女優である私の誘いを断る。
逆に“帰れ”だなんて追い払われる。
組織の存在で脅しをかけても恐れない。
こんなに思い通りにならない男は初めてで。
だからこそ。
惹かれたのかもしれない。
それも。
猛烈に。
.
「お手紙でーす」
「お前ふざけんなよ…」
それから毎日のように、変装してクロノの家へ訪れた。
クロノも、私のことを“あんた”から“お前”に。
「また見破られた。いい加減教えてくれてもいいんじゃない?」
「しつこい」
クロノは鬱陶しそうな顔はするけど、とりあえず中には通してくれる。
「っつか、手紙なら郵便受けに入れろよ」
手紙を渡して、差出人を確認。
「“Vermouth(ヴァームース)”?」
「知り合い?そこで郵便屋さんに会って、この家に届ける手紙があるなら持って行くと言ったらそれを渡されたんだけど」
私もクロノの横から差出人を見る。
「……」
ふふっ。
いくら頭の切れるあなたでも、さすがにこれは解けないわよね。
しかし。
「お前のコードネームか?これ」
…すぐにジト目で私を睨んできた…。
「な…なんで…」
驚いた、なんてものじゃないわ…。
なに…この男は…。
「だって、“ベルモット”なんて名前知らないし」
「…知らないだけでなぜコードネームだとわかるのよ?」
「それだ」
「え?」
クロノは悪戯に笑って。
「お前、今“なぜコードネームだとわかるのよ?”と言ったな」
「えぇ。言ったわ。それが何?」
私は腰に手を当て、クロノを見据える。
「“わかるのか”と聞く奴は、大概答えがわかってる奴が使うんだよ。」
「ッ!!」
「まぁそれが必ずしも使われるわけじゃないが、さっきと今のお前の表情で当たりと見た。」
クロノは悪戯に笑う。
「……カマかけたわね?」
「迂闊すぎるんだよ、お前が」
封筒を破り、中身を取り出す。
「“マヌケな一般人”だと…こんにゃろ…」
中には一言、そう書いた。
けど今は中身なんてどうでもよくて。
「っつか、何しにきたんだよ」
クロノの鋭さに。
恐怖を覚えた。
「聞いてんのか?」
呆然としていた私の顔を覗き込み、私を睨んでくる。
「…私がここに来る理由なんて一つよ。」
「あ、そう。無駄足ご苦労様」
「連れないわね。あ、ねぇ。コーヒーご馳走してくれない?喉渇いちゃって」
「仕方ないな…。ジュース飲んだら帰れよ?」
「コーヒーよ。ジュースじゃなくて」
「喉渇いた時は、ジュースが一番だ。ネットで検索してみろ」
「ヒットするの?」
「しないよバーカ。」
「…あなた、いつか殺してあげるわ」
ハリウッド女優である私の誘いを断る。
逆に“帰れ”だなんて追い払われる。
組織の存在で脅しをかけても恐れない。
こんなに思い通りにならない男は初めてで。
だからこそ。
惹かれたのかもしれない。
それも。
猛烈に。
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