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それから数日後。

私は再び“あの人”の自宅へ訪れた。

宅配業者に変装してね。

“あの人”の名前も、聞き込みで“クロノ・セイフォード”という名前であることがわかった。

『うーい』

インターホンを鳴らせば、すぐに“あの人”、クロノの声が聞こえた。

｢宅配便でーす｣

『…』

インターホンにはカメラが搭載されているから、モニター越しに確認しているのでしょう。

こちらへ歩いてくる足音。

靴を履いて、玄関の扉が…。








｢……あんた、なんで来てんだよ…｣







扉が開いたと思ったら、クロノはジト目で私を睨んできた。

また見破られた。

｢なぜわかるの？どこかおかしいところある？｣

｢あ、こら！勝手に入るなよ！｣

マスクを外しながら、クロノの家の中に入る。

｢あら、この前は入れてくれたじゃない｣

｢あの時と状況が違うだろうが｣

なんて言いつつ、通してくれる。

｢組織はいいのか？｣

｢えぇ。あなたのことはちゃんと報告してるわ。“馬鹿な一般人”とね｣

｢こんにゃろ…｣

クスリと笑い、マスクをソファーの背に置く。

｢で？何の用だ？｣

｢あなたの変装した姿を見せてもらおうかと思ってね｣

自分で豪語するくらいだもの。

一度見ておきたい。

相当すごいものなら、欲しい技術だわ。

｢他を当たってください｣

………少しも考えずに断られた。

｢…お金なら望むだけあげるわよ？何なら体で払ってあげてもいいし｣

どう？これなら悪い話しじゃないはず。

まぁ、大抵の男ならハリウッド女優である私の誘いは断れない。








｢金も女も間に合ってます｣








はずなのに…。

｢え？｣

きょとんとクロノを見つめる。

｢なに？用件はそれだけならさっさと帰れ｣

シッシッと手を払うように。

……この私の誘いを断るなんて…。

｢…私が誰だかわかってるわよね？｣

｢ハリウッド女優だろ？実はヤバい組織の一員の｣

やっぱり知ってるわよね…。

｢私次第で、あなたは組織に消されるかもしれないのよ？｣

と、脅しても…

｢上等だ。どっからでもかかってこい。｣

通用しない…。

｢………｣

バカなの？こいつ…。

なんて思ったわ。

｢ワン！｣

いつの間にか、私の足元にいたワタアメが鳴く。

｢もういいか？俺は眠いんだ｣

再度シッシッと払らわれた。

｢…絶対に暴いてみせるわ｣

｢いやいいよ…もう来るな…｣

ここまでムキにさせられたのは、クロノが初めてだったわね…。


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