降り頻る雨の中で ベルモット男主夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「適当に座っとけ」
「えぇ…」
“あの人”の自宅。
大きくはないけれど、綺麗に掃除されたリビング。
「…っ」
白いソファーに腰をかければ、ズキリと撃たれた箇所に激痛が走った。
「今帰ったぞー、ワタアメー」
「ワタアメ?」
「ワン」
「!」
私の傍に、白い大きな犬が座る。
犬種はおそらく、日本スピッツね。
「…なぜワタアメという名前にしたの?」
「前に日本の祭りでワタアメっつーの食ってな。そいつ、似てんだろ?」
ニッと笑う“あの人”。
…単純ね。
私はワタアメの頭に手を伸ばし、静かに撫でる。
ワタアメは気持ち良さそうに目を閉じる。
「あったあった。」
“あの人”は白い箱を持っていて、私の前に膝を付いて。
「おら、怪我してるとこ見せてもらうぞ」
グッと私の服を捲った。
「銃弾が掠ったかのような傷痕だな。FBIか他の誰かとドンパチやった後か」
「…い…っ」
「染みるだろうけど我慢しろ」
消毒液で濡らした脱脂綿を、お腹の傷へと押し当てる。
「そのマスク、もう取っても平気だぞ」
「!!」
変装してることにも気付かれた。
おかしな点はなかったはずなのに。
どうして…。
「どうしてバレた?って言いたそうなアンタに、教えておいてやる」
ガーゼを貼り、服を下ろして。
“あの人”は不敵に笑み。
「変装に関しちゃ、俺の右に出る奴はいない。」
まだまだ甘いんだよ、と。
「ッ!」
髪の毛を掴まれ、マスクを取られてしまった。
「ほら。変装…………ん?」
「……なによ」
“あの人”はまじまじと私の顔を見つめる。
「いや、あんたの顔どこかで…」
「……あれじゃない?」
と。
タイミングよく私のテレビCMが流れたので、テレビを指す。
「ああ、どうりで見たことのある顔だと…………」
で、固まった。
「ええええ!?クリス・ヴィンヤード!?ハリウッドの女優かよっ!!」
あまりに大きな声だったため、耳を塞ぐ。
でも“あの人”が驚いたのは一瞬で、すぐにニヤニヤした笑みを浮かべて。
「…なに?」
「いや?ただ、ハリウッド女優のクリス・ヴィンヤードが、FBIに追われるような尚且つ銃撃されるなんてなぁと思って」
「…」
私の隣に腰を落として。
「FBIに追われるような組織の一員だったってわけだ」
ワタアメの頭を撫でた。
「…で?」
私は鞄に入っているタバコを取り出す。
「それがわかったところで、あなたは私をどうする気?FBIにでも「バカだな、あんた。」
“あの人”は呆れるように私を見つめ、
「FBIに引き渡すつもりなら手当てなんかしないし、ここにも連れて来ない。」
立ち上がって。
「さっきも言ったが、助けたことに論理的な思考は存在しない。かと言って、それを理由に揺するつもりもない。」
キッチンへ行き、飲み物を私へと差し出した。
「わかったらそれ飲んでしばらく寝てろ」
そう言い、バサッと毛布を投げてきた。
私がFBIに追われるような組織に属してることに気づいたのに。
私を追い返すことなく、傷の手当てまでして。
さらに匿ってくれるんて。
「…組織に知られたら、あなた消されるかもしれないわよ?」
そう脅しても、“あの人”は恐れることなく。
「上等だな。」
なんて笑う始末で。
「…不思議な男…」
そう思うのは当たり前。
“あの人”がリビングからいなくなったのを見計らい、眠らずに“あの人”の家から去った。
私は遠くに見える“あの人”の家を見つめ、手当てをされた腹部に視線を落として。
「…」
小さな小さな笑みを浮かべた──
.
「適当に座っとけ」
「えぇ…」
“あの人”の自宅。
大きくはないけれど、綺麗に掃除されたリビング。
「…っ」
白いソファーに腰をかければ、ズキリと撃たれた箇所に激痛が走った。
「今帰ったぞー、ワタアメー」
「ワタアメ?」
「ワン」
「!」
私の傍に、白い大きな犬が座る。
犬種はおそらく、日本スピッツね。
「…なぜワタアメという名前にしたの?」
「前に日本の祭りでワタアメっつーの食ってな。そいつ、似てんだろ?」
ニッと笑う“あの人”。
…単純ね。
私はワタアメの頭に手を伸ばし、静かに撫でる。
ワタアメは気持ち良さそうに目を閉じる。
「あったあった。」
“あの人”は白い箱を持っていて、私の前に膝を付いて。
「おら、怪我してるとこ見せてもらうぞ」
グッと私の服を捲った。
「銃弾が掠ったかのような傷痕だな。FBIか他の誰かとドンパチやった後か」
「…い…っ」
「染みるだろうけど我慢しろ」
消毒液で濡らした脱脂綿を、お腹の傷へと押し当てる。
「そのマスク、もう取っても平気だぞ」
「!!」
変装してることにも気付かれた。
おかしな点はなかったはずなのに。
どうして…。
「どうしてバレた?って言いたそうなアンタに、教えておいてやる」
ガーゼを貼り、服を下ろして。
“あの人”は不敵に笑み。
「変装に関しちゃ、俺の右に出る奴はいない。」
まだまだ甘いんだよ、と。
「ッ!」
髪の毛を掴まれ、マスクを取られてしまった。
「ほら。変装…………ん?」
「……なによ」
“あの人”はまじまじと私の顔を見つめる。
「いや、あんたの顔どこかで…」
「……あれじゃない?」
と。
タイミングよく私のテレビCMが流れたので、テレビを指す。
「ああ、どうりで見たことのある顔だと…………」
で、固まった。
「ええええ!?クリス・ヴィンヤード!?ハリウッドの女優かよっ!!」
あまりに大きな声だったため、耳を塞ぐ。
でも“あの人”が驚いたのは一瞬で、すぐにニヤニヤした笑みを浮かべて。
「…なに?」
「いや?ただ、ハリウッド女優のクリス・ヴィンヤードが、FBIに追われるような尚且つ銃撃されるなんてなぁと思って」
「…」
私の隣に腰を落として。
「FBIに追われるような組織の一員だったってわけだ」
ワタアメの頭を撫でた。
「…で?」
私は鞄に入っているタバコを取り出す。
「それがわかったところで、あなたは私をどうする気?FBIにでも「バカだな、あんた。」
“あの人”は呆れるように私を見つめ、
「FBIに引き渡すつもりなら手当てなんかしないし、ここにも連れて来ない。」
立ち上がって。
「さっきも言ったが、助けたことに論理的な思考は存在しない。かと言って、それを理由に揺するつもりもない。」
キッチンへ行き、飲み物を私へと差し出した。
「わかったらそれ飲んでしばらく寝てろ」
そう言い、バサッと毛布を投げてきた。
私がFBIに追われるような組織に属してることに気づいたのに。
私を追い返すことなく、傷の手当てまでして。
さらに匿ってくれるんて。
「…組織に知られたら、あなた消されるかもしれないわよ?」
そう脅しても、“あの人”は恐れることなく。
「上等だな。」
なんて笑う始末で。
「…不思議な男…」
そう思うのは当たり前。
“あの人”がリビングからいなくなったのを見計らい、眠らずに“あの人”の家から去った。
私は遠くに見える“あの人”の家を見つめ、手当てをされた腹部に視線を落として。
「…」
小さな小さな笑みを浮かべた──
.