降り頻る雨の中で ベルモット男主夢
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それから、眠るアイリを抱いて。
外へ出て。
家に。
火を放った。
「……」
視線を、左側へと流す。
そこにはジンが立っていた。
「頭をぶち抜く瞬間、しっかりと見させてもらったぜ」
「……」
「せいぜい、娘を大切にするんだな」
そう吐き出し、ジンは去って行った。
「……ん」
アイリが静かに目を開けた。
「…ママ…パパは…?」
「…パパは…」
アイリを地面に立たせ、頭を撫でて。
「パパは…あの中よ…アイリとママを…助けてくれたの…」
「あのなか…」
煌々と燃ゆる家を見つめる。
「…ママ…ポンポンいたいの…?」
すると、アイリは火事から私のほうへ顔を向け、私の頬に手を添えてそう言った。
「…え?」
「ポンポンいたいから…エンエンしてるの…?」
パパが死んだということは、まだわからないのね。
だから、何が起こっているのかわからない。
ただわかるのは、私が酷く悲しそうにしているということ。
「…えぇ…。とても痛いの…。痛くて痛くて…。でもアイリが傍に居てくれるなら…ママ、もう泣かないわ…」
私は、“あの人”と同じ優しさを持つ愛しい子を。
強く抱き締めた。
「アイリ、ママのそばにいるよ!だからなかないでママ!」
「えぇ…っありがとうアイリ…っ」
ごめんね。
ごめんなさい。
あなたから。
大好きなパパを奪ってしまって。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
けれど、あなたは必ず護るから。
この身に代えても。
たとえこの身が滅びても。
「あなたは私が護るから」
あなたを護るために、組織を潰すから。
もう何人もの人を殺めた私に、復讐なんて言葉を使う資格はないけれど。
いつか必ず…──
……──
「…嫌なこと思い出させないでくれる?」
「くっくっ。」
タバコの火を消して、窓から放る。
そう。
あれから15年も経った。
アイリも18歳になって。
幸せ、ではないかもしれないけど普通に暮らしている。
「何かあったんですかい?」
数年前に組織に入った男、ウォッカが問い掛けてきた。
「昔の話よ。」
「そう。どこかのハリウッド女優が、娘の命と引き換えに愛する男の命をその手にかけた、な。さらに、母親のお遊びが激しいとその娘に家出されてるがな」
ジンが卑劣に笑う。
「……」
ジンから視線を逸らし、窓の外を見つめる。
あの日と同じ強い雨。
忘れもしない“あの人”の最期。
…クロノ。
アイリはもう18歳よ。
あなたに成長したアイリの姿を見せてあげたいわ。
あなたと同じくらい優しいあの子を。
…まぁ、今は訳ありで6才の姿で行方不明だけど。
大丈夫、居場所はわかっているわ。
クロノ。
組織を崩壊させることが出来る。
“銀の弾丸(シルバーブレット)”を見つけたの。
全てが終わったら。
アイリと二人であなたのお墓参りへ行くから。
だから、もう少しだけ待っていて。
ねぇクロノ。
ずっと、愛しているわ──…
END
それから、眠るアイリを抱いて。
外へ出て。
家に。
火を放った。
「……」
視線を、左側へと流す。
そこにはジンが立っていた。
「頭をぶち抜く瞬間、しっかりと見させてもらったぜ」
「……」
「せいぜい、娘を大切にするんだな」
そう吐き出し、ジンは去って行った。
「……ん」
アイリが静かに目を開けた。
「…ママ…パパは…?」
「…パパは…」
アイリを地面に立たせ、頭を撫でて。
「パパは…あの中よ…アイリとママを…助けてくれたの…」
「あのなか…」
煌々と燃ゆる家を見つめる。
「…ママ…ポンポンいたいの…?」
すると、アイリは火事から私のほうへ顔を向け、私の頬に手を添えてそう言った。
「…え?」
「ポンポンいたいから…エンエンしてるの…?」
パパが死んだということは、まだわからないのね。
だから、何が起こっているのかわからない。
ただわかるのは、私が酷く悲しそうにしているということ。
「…えぇ…。とても痛いの…。痛くて痛くて…。でもアイリが傍に居てくれるなら…ママ、もう泣かないわ…」
私は、“あの人”と同じ優しさを持つ愛しい子を。
強く抱き締めた。
「アイリ、ママのそばにいるよ!だからなかないでママ!」
「えぇ…っありがとうアイリ…っ」
ごめんね。
ごめんなさい。
あなたから。
大好きなパパを奪ってしまって。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
けれど、あなたは必ず護るから。
この身に代えても。
たとえこの身が滅びても。
「あなたは私が護るから」
あなたを護るために、組織を潰すから。
もう何人もの人を殺めた私に、復讐なんて言葉を使う資格はないけれど。
いつか必ず…──
……──
「…嫌なこと思い出させないでくれる?」
「くっくっ。」
タバコの火を消して、窓から放る。
そう。
あれから15年も経った。
アイリも18歳になって。
幸せ、ではないかもしれないけど普通に暮らしている。
「何かあったんですかい?」
数年前に組織に入った男、ウォッカが問い掛けてきた。
「昔の話よ。」
「そう。どこかのハリウッド女優が、娘の命と引き換えに愛する男の命をその手にかけた、な。さらに、母親のお遊びが激しいとその娘に家出されてるがな」
ジンが卑劣に笑う。
「……」
ジンから視線を逸らし、窓の外を見つめる。
あの日と同じ強い雨。
忘れもしない“あの人”の最期。
…クロノ。
アイリはもう18歳よ。
あなたに成長したアイリの姿を見せてあげたいわ。
あなたと同じくらい優しいあの子を。
…まぁ、今は訳ありで6才の姿で行方不明だけど。
大丈夫、居場所はわかっているわ。
クロノ。
組織を崩壊させることが出来る。
“銀の弾丸(シルバーブレット)”を見つけたの。
全てが終わったら。
アイリと二人であなたのお墓参りへ行くから。
だから、もう少しだけ待っていて。
ねぇクロノ。
ずっと、愛しているわ──…
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