最愛の… ベルモット男主夢
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「…眠ったわね」
泣き疲れたのか、アイリは寝息を立て始めた。
閉じられた瞳には、うっすらと涙が浮かんでいるけど。
毛布を持ってきて、そっとアイリにかけてあげた時。
「ッ!!」
ゾクリ
背筋が凍り付くような感覚に襲われた。
これは、組織の者が近くにいる時に起こるもの。
つまり……。
『そこにいるのでしょう?シェリー』
ベルモットがこの家に。
「……ッ」
昼間と同じで、ガクガクと膝が震える。
どうしよう。
博士がいるのに。
この家には。
博士がいるのに…ッ
『安心して。あなたやこの家の人を消しに来たわけじゃないわ。だから近くに来てもらえない?』
玄関。
ドアの向こうに。
いる。
私はすごく動悸している胸を押さえ、アイリを見つめ震える足で玄関に向かう。
『開けて、なんて言わないわ。このままでいい』
このドアの向こうに…ベルモットが…。
『…アイリはどう?』
「っ!ど、どうして…っ」
アイリの居場所が、たった一日でバレるなんて…っ
『ハロウィンパーティの件で、あのボウヤのことをアイリに話したことがあるからよ。』
ハロウィンパーティ…。
私が工藤君の予備の追跡眼鏡で追った時の…。
「…アイリを連れ戻しに来たの…?」
『……』
ベルモットからの返事はない。
『あの子、あなたたちに何か話した?』
話したとしたら。
きっと。
いいえ、確実に消される。
「何も。あなたの本名すら黙秘してる」
『そう…』
どこか、寂しさを帯びる声。
「ただ…」
『え?』
私はドアに手をついて。
「“私は何のために生まれてきたんだろう”と言っていたわ」
私には。
アイリを悲しみから解放させることが出来ない。
「“私は母の弱点にしかならない存在”、“傍に居たいのに…居れば居るほど…私は母を危険に晒している…”」
『……』
「“私はもう、死ぬしかないのかもしれない”そう言っていた…」
アイリが口にした悲しみを、ベルモットに告げた。
ベルモットは再び沈黙して。
『…ねぇシェリー』
「…なに?」
『私がどうして、自分の身を危険に晒してまであの子を傍に置いてるか…知ってる?』
問い掛けてきた。
「それは…愛おしいからでしょ…?」
あなたにとってアイリは、唯一本心を曝け出せる最愛の娘だもの。
『そうよ。あの子が何よりも愛おしいから。』
「愛おしいならなぜ組織にアイリの存在を告げたの?」
今度は私からの問い掛け。
アイリを愛おしく思うなら、アイリの存在を告げずに隠し通せばよかったのに。
『…告げたわけじゃないわ。』
「え?」
ドア越しにベルモットを見つめる。
『バレたのよ…組織に…。3才だったあの子の存在が…』
私は目を見開いた。
「バレ…た…?」
『えぇ…。ボスは言ったわ。』
“娘を助けてやる代わりに、父親を消せ”
つまり…。
ベルモットの…夫…。
「消した…の…?」
『…えぇ』
私は目を閉じた。
「なんてことを…っ!アイリが知った『“アイリには火事で死んだと告げて”』
私の言葉を遮り、ベルモットは言った。
『あの人に…そう言われたの…。』
少し震える声。
泣いて…いる…?
『アイリは…私が唯一愛した人との間に産まれた愛しい娘。だからこそ、護るために傍に置いていたの…』
ベルモットはハリウッドの大女優。
こんな演技なんてわけもない。
けれど。
どうしてだろう。
とても演技には聞こえなくて。
胸が締め付けられてしまうほど、切なくなってしまうのは。
最も愛しい人をその手にかけたベルモット。
どうしてだろう。
涙が止まらないのは。
「…アイリを連れて帰らせることは出来ないけど…」
博士、愚かな私を。
どうか許して。
「顔くらいは…見て行ったら…?」
ベルモットと対面する。
「…全て演技だったらどうするの?」
「…狙撃の名手であるあなたがこうして話しに来たんだもの。」
賭け、だけれどね。
「それでも中に入れるなんて、ね…」
ベルモットは苦笑を零し、中へ入る。
向かうのはアイリが眠るソファーで。
「……泣いていたのね…」
優しい手つきで頬を撫でて。
「私はいつも、あなたを泣かせてばかり…」
額を寄せて。
「…全てが片付いたら…どこか遠い場所で…静かに暮らしましょうね…」
たまらなく優しい笑みを浮かべて。
「I love you with all my heart…」
小さく愛を囁き、触れるだけのキスを…アイリの頬に落とした…。
「そうか…」
昨日起きたことを工藤君に話した。
「…怒らないの?彼女をこの家に入れたことを…」
下手したら、博士が殺されていたかもしれないのに。
「…あぁ。きっとオレも、おめぇと同じことをしたと思うからな…」
工藤君はどこか儚そうにアイリを見つめている。
「まぁアイリがオレたちの傍に居れば、昨日みたいにベルモットと接触出来るかもしれねぇし」
「…そうね」
これ以上の悲しみが、アイリに降り注がれないように。
「ベルモットが唯一愛した人物のことも調べねぇとな」
昨日のことで、ベルモットの印象が少し変わってしまった。
アイリを見つめるあの眼差しは、偽りのない確かな愛情。
「…アイリ」
起きたら言ってあげるから。
あなたは。
ベルモットとベルモットが唯一愛した人に。
愛されるために生まれてきたのだと──…
I can't live without you.
あなたなしじゃ生きていけない
I'd do anything for you.
あなたのためなら何でもする
I love you with all my heart.
心からあなたを愛しているわ
I love you too.
私も愛してます
END
「…眠ったわね」
泣き疲れたのか、アイリは寝息を立て始めた。
閉じられた瞳には、うっすらと涙が浮かんでいるけど。
毛布を持ってきて、そっとアイリにかけてあげた時。
「ッ!!」
ゾクリ
背筋が凍り付くような感覚に襲われた。
これは、組織の者が近くにいる時に起こるもの。
つまり……。
『そこにいるのでしょう?シェリー』
ベルモットがこの家に。
「……ッ」
昼間と同じで、ガクガクと膝が震える。
どうしよう。
博士がいるのに。
この家には。
博士がいるのに…ッ
『安心して。あなたやこの家の人を消しに来たわけじゃないわ。だから近くに来てもらえない?』
玄関。
ドアの向こうに。
いる。
私はすごく動悸している胸を押さえ、アイリを見つめ震える足で玄関に向かう。
『開けて、なんて言わないわ。このままでいい』
このドアの向こうに…ベルモットが…。
『…アイリはどう?』
「っ!ど、どうして…っ」
アイリの居場所が、たった一日でバレるなんて…っ
『ハロウィンパーティの件で、あのボウヤのことをアイリに話したことがあるからよ。』
ハロウィンパーティ…。
私が工藤君の予備の追跡眼鏡で追った時の…。
「…アイリを連れ戻しに来たの…?」
『……』
ベルモットからの返事はない。
『あの子、あなたたちに何か話した?』
話したとしたら。
きっと。
いいえ、確実に消される。
「何も。あなたの本名すら黙秘してる」
『そう…』
どこか、寂しさを帯びる声。
「ただ…」
『え?』
私はドアに手をついて。
「“私は何のために生まれてきたんだろう”と言っていたわ」
私には。
アイリを悲しみから解放させることが出来ない。
「“私は母の弱点にしかならない存在”、“傍に居たいのに…居れば居るほど…私は母を危険に晒している…”」
『……』
「“私はもう、死ぬしかないのかもしれない”そう言っていた…」
アイリが口にした悲しみを、ベルモットに告げた。
ベルモットは再び沈黙して。
『…ねぇシェリー』
「…なに?」
『私がどうして、自分の身を危険に晒してまであの子を傍に置いてるか…知ってる?』
問い掛けてきた。
「それは…愛おしいからでしょ…?」
あなたにとってアイリは、唯一本心を曝け出せる最愛の娘だもの。
『そうよ。あの子が何よりも愛おしいから。』
「愛おしいならなぜ組織にアイリの存在を告げたの?」
今度は私からの問い掛け。
アイリを愛おしく思うなら、アイリの存在を告げずに隠し通せばよかったのに。
『…告げたわけじゃないわ。』
「え?」
ドア越しにベルモットを見つめる。
『バレたのよ…組織に…。3才だったあの子の存在が…』
私は目を見開いた。
「バレ…た…?」
『えぇ…。ボスは言ったわ。』
“娘を助けてやる代わりに、父親を消せ”
つまり…。
ベルモットの…夫…。
「消した…の…?」
『…えぇ』
私は目を閉じた。
「なんてことを…っ!アイリが知った『“アイリには火事で死んだと告げて”』
私の言葉を遮り、ベルモットは言った。
『あの人に…そう言われたの…。』
少し震える声。
泣いて…いる…?
『アイリは…私が唯一愛した人との間に産まれた愛しい娘。だからこそ、護るために傍に置いていたの…』
ベルモットはハリウッドの大女優。
こんな演技なんてわけもない。
けれど。
どうしてだろう。
とても演技には聞こえなくて。
胸が締め付けられてしまうほど、切なくなってしまうのは。
最も愛しい人をその手にかけたベルモット。
どうしてだろう。
涙が止まらないのは。
「…アイリを連れて帰らせることは出来ないけど…」
博士、愚かな私を。
どうか許して。
「顔くらいは…見て行ったら…?」
ベルモットと対面する。
「…全て演技だったらどうするの?」
「…狙撃の名手であるあなたがこうして話しに来たんだもの。」
賭け、だけれどね。
「それでも中に入れるなんて、ね…」
ベルモットは苦笑を零し、中へ入る。
向かうのはアイリが眠るソファーで。
「……泣いていたのね…」
優しい手つきで頬を撫でて。
「私はいつも、あなたを泣かせてばかり…」
額を寄せて。
「…全てが片付いたら…どこか遠い場所で…静かに暮らしましょうね…」
たまらなく優しい笑みを浮かべて。
「I love you with all my heart…」
小さく愛を囁き、触れるだけのキスを…アイリの頬に落とした…。
「そうか…」
昨日起きたことを工藤君に話した。
「…怒らないの?彼女をこの家に入れたことを…」
下手したら、博士が殺されていたかもしれないのに。
「…あぁ。きっとオレも、おめぇと同じことをしたと思うからな…」
工藤君はどこか儚そうにアイリを見つめている。
「まぁアイリがオレたちの傍に居れば、昨日みたいにベルモットと接触出来るかもしれねぇし」
「…そうね」
これ以上の悲しみが、アイリに降り注がれないように。
「ベルモットが唯一愛した人物のことも調べねぇとな」
昨日のことで、ベルモットの印象が少し変わってしまった。
アイリを見つめるあの眼差しは、偽りのない確かな愛情。
「…アイリ」
起きたら言ってあげるから。
あなたは。
ベルモットとベルモットが唯一愛した人に。
愛されるために生まれてきたのだと──…
I can't live without you.
あなたなしじゃ生きていけない
I'd do anything for you.
あなたのためなら何でもする
I love you with all my heart.
心からあなたを愛しているわ
I love you too.
私も愛してます
END
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