最愛の… ベルモット男主夢

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「……組織の者の娘である私を匿うなんて…気は確かなの?」

「うっせーな。逆に言えば、おめぇは組織の手がかりなんだよ。それに、灰原だって元一員だろうが」

「それはそうだけど…。何も吐かないわよ、私」

「わーってるよ」

博士の自宅へ帰ってきた。

アイリを連れて。

「逃げてきたなら、おめぇが自分の居場所をバラすこともねぇだろうしな。それに」

と、私を見る工藤君。

「…なによ」

「いや、何でもねぇ。とにかく、変な気は起こすんじゃねぇぞ」

「はいはい」

博士を危険に晒しちゃうことになるけれど、博士は何も言わずに受け入れてくれた。

本当…お人好しなんだから…。







「……眠れないの?」

真夜中。

アイリはリビングのソファーで、膝を抱えて蹲っていた。

「…」

アイリの隣に座る。

「…ごめんね…志保…」

アイリ?」

突然、アイリが私に謝ってきた。

「私と会うのは…志保にとって命を危険に晒すことになっちゃうのに…。江戸川君も…危険に…」

声が震えている。

泣いていたの…あなた…。

アイリ…」

「…傷ついたよね…。たくさんたくさん…母に傷付けられたよね…」

肩が揺れている。

泣いていたのではなく、泣いているのね。

「……」
「ね…志保…。私…何のために生まれたのかな…」

「え?」

上げた顔は、涙に濡れてて。

「母が何かに失敗して粛清の対象になった時…真っ先に捕まるのは私…。私が人質に取られたら、母は殺される…。人質に取られなくても、組織は私の命を天秤にかける…」

ベルモットを手早く消すには、アイリは恰好の標的。

「……私は…母の弱点にしかならない存在…」

アイリのこんなに悲しそうな笑みを見るのは初めてで。

「…傍に居たいのに…居れば居るほど…私は母を危険に晒している…」

頬に伝う涙。

アイリはベルモットに愛されている。

なぜなら。

アイリを見るベルモットの眼差しは、たまらなく優しいものだから。

「…志保…っわ、わたし…っもう死ぬしか…っないかもしれない…っ」

こうして逃げ続けるだけでも、ベルモットを危険に晒している。

傍に居ることも出来なくて、離れることも出来ない。

「…アイリ

今、私に出来るのは。

声を殺して静かに泣くアイリを…抱き締めてあげることだけ…。


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