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「I'm sorry…mother…it worked out this way…」

その日。


とある国から。


一人の少女が行方を晦ました──







窓を叩く雨。

ザァザァという音で、雨の強さを物語っている。

「……」

天気予報では明日の夕方までは降るらしい。

……雨。

この雨で。

あの子のことを思い出す。

綺麗な金色の髪をしていて、澄んでいるサファイアのような瞳をしたあの子。

あの子と出会ったのも、こんな強い雨の日だった。

その時私は、傘を持って行かなかった姉に傘を届けるために学校へ行って。

校門の前で、一人で待っていた私は。

『ねぇ？一人なの？一人なら、いっしょにあそばない？』

後ろから、あの子に遊ぼうと誘われた。

あの子はレインコートを着ていて。

『雨ふってるよ？』

私の問い掛けに、ニコッと綺麗に笑って。

『うん。だから、雨の日でしかあそべないあそびをするの！』

パシャパシャと水溜まりを踏む。

『おねえちゃんをまってるから』

傘を見せれば、あの子は“そっか”とだけ言って、水溜まりの水で遊んでいる。

『……』

そんなあの子を見つめ、姉の傘を見つめ、学校を見つめる。

その頃の私は、今の私くらいの年だったから。

『……ちょっとだけなら…』

遊びたいという気持ちがあった。

『うん！あそぼ！』

嬉しそうに笑ったあの子の顔は、今でも覚えているわ。

それから、私の親とあの子の親…。

…ベルモットが仲間だったのは後から知ったんだけどね…。


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