柱稽古 しのぶさん男主夢
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「ふー…お?しのぶちゃんいる?」
「あ、銀麗さん。今日もお疲れ様でした」
「しのぶちゃんもね」
夜、銀麗さんの部屋の前で銀麗さんを待っていた。
銀麗さんはホカホカと湯気を立たせながら私の傍に来たから、手を掴んで誘導する。
「ありがとう」
私の隣に座り、私の方へと顔を向けてニコリと笑む。
「いやー、この数日間で確実にみんな強くなって行って、吸収の早さにさすがは柱だと思ったよ」
こんな数日で見る見るうちに強くなる柱たちに、銀麗さんは感心していた。
「みんな吐きながらでも、強くなっている自分を実感して嬉しいんだと思います」
銀麗さんは育手としても優秀な逸材。
不死川さんは銀麗さんの空の呼吸を盗もうとして、まずは雷の呼吸から会得せねばならないこと知り絶句してましたし。
「小芭内も、蜜璃ちゃんを絡ませると途端に強くなるし。恋の力は偉大だね」
なんてクスクス笑う。
恋の力…ですか…。
私はチラッと銀麗さんを見る。
心音を悟られないよう、落ち着いて落ち着いて。
「あの、銀麗さん」
「ん?」
「昼間…甘露寺さんが私に小声で仰っていたこと…は…その…聞こえて…ました…よね…」
だから動揺して伊黒さんの拳が顔面に入ったんでしょうから…。
「…ん?んー、まぁ…んー…」
銀麗さんは苦笑を零して。
「…この耳の良さ…女の子たちの秘密の話まで聞こえちゃうから善し悪しだよね…」
申し訳なさそうにそう言った。
「銀麗さんは…その…お嫌ですか…」
本当は…口付けも…。
気付けないから、私にされてしまっているだけで…。
本当は嫌なのかもしれない…。
銀麗さんは困ったような表情を浮かべて。
「嫌な気持ちがないからこうしてしのぶちゃんとお話しするし、嫌だったらしのぶちゃんのお屋敷じゃなくて、実弥のお屋敷にお世話になるよ」
と、銀麗さんは言った。
「…そう…ですか…」
よかった…。
よかった…。
私の気持ちだけを優先してしまっていると思っていたから…。
「ただ、ね。しのぶちゃん」
「?はい」
銀麗さんは至極真面目な顔をして。
「本当に僕でいいのかなって。僕は35歳のおじさんで、しのぶちゃんは多分未成年でしょ?」
そう言った。
私はきょとんと銀麗さんを見つめて。
「良くなかったら口付けなんてしませんよ…。」
誰彼構わず口付けなんてしませんから…私は…。
そう告げると、銀麗さんは頬をほんのり赤らめた。
「…そっか」
「…はい」
気恥ずかしい雰囲気だけど、心地良い静寂で。
私はまたチラッ銀麗とさんを見て。
「ッ!」
口付けをしようとすれば、触れる前に人差し指で止められた。
「鍛錬の成果出てますよ、しのぶ先生」
「…優秀すぎます…」
銀麗さんはクスクス笑って。
「っ!」
手を私の顎へ移動させて、上を向かされる。
「今、しのぶちゃんどんな顔をしてるのかなぁ。速い心音だから照れてる?」
「ッて、照れてませんっ」
触れて欲しいけど、銀麗さんは触れてくれずに笑うだけ。
だから。
「?しの………」
私は自分の顎にある銀麗さんの手を掴み、口付けをした。
いつもは触れるだけの、短い口付け。
でも今は。
銀麗さんは見開いた目を細め、私の後頭部を押さえて。
「ん…っんぅ…っ」
深いものにした。
銀麗さんの寝巻きの合わせ目を掴み、私からも求める。
確かに私と銀麗さんは年が離れている。
でも誰かを好きになるのに年齢なんて関係ない。
私は銀麗さんが好き。
きっと銀麗さんも、私を好いてくれているからこんな口付けをしてくれるんだろう。
私と銀麗さんは同じ想い。
「……これ以上は君が成人してからにする」
「こんな口付けをして、変に真面目ですね…」
なんて二人で笑い合う。
「…時が来たらちゃんと僕から伝えるから…」
「どんな言葉をですか?」
照れてる銀麗さんの頬を突っつくと、銀麗さんは優しい笑みを浮かべて。
「好きだよ、って伝えるよ」
いつか言ってくれるだろう言葉を口にした。
「っっっ」
「おやぁ?心音がさらに速くなったけど、大丈夫かなぁ」
今度は銀麗さんが私の頬を突っついて来たため、その手を掴んでまた口付けをした。
ああ、好き。
本当に好き。
ねぇ、姉さん。
私はきっとこんなに好きだと思う人とは出会えずに死ぬんだろうと思っていたの。
でもね。
愛しい人が出来たの。
35歳というおじさんだけど。
私、この人が凄く好きなの。
応援してくれる?姉さん。
「ちょっと待っててね」
「?どうしました?」
銀麗さんは部屋へと戻り、すぐ戻って来た。
「これは…」
銀麗さんの手には黒い羽織があり、それを広げると背中に赤い文字で“滅”と描かれていて。
「僕が現役時代に使っていた羽織なんだ。」
銀麗さんが現役時代に使っていた…鬼殺隊の羽織…。
「これ、ボロボロだから縫製係の方に直してもらいたいんだけど、いいかなぁ」
「え?じゃあ…」
羽織を直すということは…。
まさか…。
銀麗さんは不敵な笑みを浮かべて。
「“空柱”の階級、賜ろうかと思ってね」
鬼殺隊への復帰の意思を示した。
「柱たちの稽古を付けて、強くなったのは彼らだけじゃないよ」
僕自身も良い鍛錬になった、と銀麗さんは言う。
銀麗さんの隊服を纏う姿を見ることが出来るなんて。
同じ柱として、共に戦うことが出来るなんて。
「…しのぶちゃん…あの…胸が当たってるんだけど…」
「…当ててるんです」
嬉しさで銀麗さんを抱き締めると、銀麗さんは恥ずかしそうに私の背中に腕を回してくれた。
「成人してから成人してから成人してから!」
「呪文ですか」
「そう!自分の理性に呪文をかけたんだよっ!」
…私は別に構わないのに。
銀麗さんからは望めないなら、私から誘うしかなさそうですね…。
それから数日後、銀麗さんはお館様に鬼殺隊復帰の件をお話に行かれた。
その間に新しい隊服と、縫製係に直してもらった羽織が届いて。
「……しのぶ様」
「っアオイ!?いつの間に…っ」
…銀麗さんの羽織を纏っている姿を、アオイに見られてしまいました…。
それから、銀麗さんと一緒に一度村へ戻り、村の皆さんに事情を説明すれば。
「この世を平和にしてくれよ!銀麗!」
「私たちはいつでも銀ちゃんを待ってるからね!」
「またお前の隊服姿を見ることになるなんてな。様になってるじゃねぇか。死ぬんじゃねぇぞ?銀麗」
村の皆さんは銀麗さんの背中を押してくれた。
「ありがとうみんなさん。行ってきます」
「しのぶちゃんとイチャイチャばかりすんなよ?」
「っし、しませんよっ」
「っ」
笑顔で手を振ってくれた。
そして。
「那田蜘蛛山へ救援?」
「はい、行ってきます」
「へぇー、僕も行こうかなぁ」
銀麗さんのように嗅覚と聴覚が鋭い子たちに出会ったのは、半年後のことだった。
END
「ふー…お?しのぶちゃんいる?」
「あ、銀麗さん。今日もお疲れ様でした」
「しのぶちゃんもね」
夜、銀麗さんの部屋の前で銀麗さんを待っていた。
銀麗さんはホカホカと湯気を立たせながら私の傍に来たから、手を掴んで誘導する。
「ありがとう」
私の隣に座り、私の方へと顔を向けてニコリと笑む。
「いやー、この数日間で確実にみんな強くなって行って、吸収の早さにさすがは柱だと思ったよ」
こんな数日で見る見るうちに強くなる柱たちに、銀麗さんは感心していた。
「みんな吐きながらでも、強くなっている自分を実感して嬉しいんだと思います」
銀麗さんは育手としても優秀な逸材。
不死川さんは銀麗さんの空の呼吸を盗もうとして、まずは雷の呼吸から会得せねばならないこと知り絶句してましたし。
「小芭内も、蜜璃ちゃんを絡ませると途端に強くなるし。恋の力は偉大だね」
なんてクスクス笑う。
恋の力…ですか…。
私はチラッと銀麗さんを見る。
心音を悟られないよう、落ち着いて落ち着いて。
「あの、銀麗さん」
「ん?」
「昼間…甘露寺さんが私に小声で仰っていたこと…は…その…聞こえて…ました…よね…」
だから動揺して伊黒さんの拳が顔面に入ったんでしょうから…。
「…ん?んー、まぁ…んー…」
銀麗さんは苦笑を零して。
「…この耳の良さ…女の子たちの秘密の話まで聞こえちゃうから善し悪しだよね…」
申し訳なさそうにそう言った。
「銀麗さんは…その…お嫌ですか…」
本当は…口付けも…。
気付けないから、私にされてしまっているだけで…。
本当は嫌なのかもしれない…。
銀麗さんは困ったような表情を浮かべて。
「嫌な気持ちがないからこうしてしのぶちゃんとお話しするし、嫌だったらしのぶちゃんのお屋敷じゃなくて、実弥のお屋敷にお世話になるよ」
と、銀麗さんは言った。
「…そう…ですか…」
よかった…。
よかった…。
私の気持ちだけを優先してしまっていると思っていたから…。
「ただ、ね。しのぶちゃん」
「?はい」
銀麗さんは至極真面目な顔をして。
「本当に僕でいいのかなって。僕は35歳のおじさんで、しのぶちゃんは多分未成年でしょ?」
そう言った。
私はきょとんと銀麗さんを見つめて。
「良くなかったら口付けなんてしませんよ…。」
誰彼構わず口付けなんてしませんから…私は…。
そう告げると、銀麗さんは頬をほんのり赤らめた。
「…そっか」
「…はい」
気恥ずかしい雰囲気だけど、心地良い静寂で。
私はまたチラッ銀麗とさんを見て。
「ッ!」
口付けをしようとすれば、触れる前に人差し指で止められた。
「鍛錬の成果出てますよ、しのぶ先生」
「…優秀すぎます…」
銀麗さんはクスクス笑って。
「っ!」
手を私の顎へ移動させて、上を向かされる。
「今、しのぶちゃんどんな顔をしてるのかなぁ。速い心音だから照れてる?」
「ッて、照れてませんっ」
触れて欲しいけど、銀麗さんは触れてくれずに笑うだけ。
だから。
「?しの………」
私は自分の顎にある銀麗さんの手を掴み、口付けをした。
いつもは触れるだけの、短い口付け。
でも今は。
銀麗さんは見開いた目を細め、私の後頭部を押さえて。
「ん…っんぅ…っ」
深いものにした。
銀麗さんの寝巻きの合わせ目を掴み、私からも求める。
確かに私と銀麗さんは年が離れている。
でも誰かを好きになるのに年齢なんて関係ない。
私は銀麗さんが好き。
きっと銀麗さんも、私を好いてくれているからこんな口付けをしてくれるんだろう。
私と銀麗さんは同じ想い。
「……これ以上は君が成人してからにする」
「こんな口付けをして、変に真面目ですね…」
なんて二人で笑い合う。
「…時が来たらちゃんと僕から伝えるから…」
「どんな言葉をですか?」
照れてる銀麗さんの頬を突っつくと、銀麗さんは優しい笑みを浮かべて。
「好きだよ、って伝えるよ」
いつか言ってくれるだろう言葉を口にした。
「っっっ」
「おやぁ?心音がさらに速くなったけど、大丈夫かなぁ」
今度は銀麗さんが私の頬を突っついて来たため、その手を掴んでまた口付けをした。
ああ、好き。
本当に好き。
ねぇ、姉さん。
私はきっとこんなに好きだと思う人とは出会えずに死ぬんだろうと思っていたの。
でもね。
愛しい人が出来たの。
35歳というおじさんだけど。
私、この人が凄く好きなの。
応援してくれる?姉さん。
「ちょっと待っててね」
「?どうしました?」
銀麗さんは部屋へと戻り、すぐ戻って来た。
「これは…」
銀麗さんの手には黒い羽織があり、それを広げると背中に赤い文字で“滅”と描かれていて。
「僕が現役時代に使っていた羽織なんだ。」
銀麗さんが現役時代に使っていた…鬼殺隊の羽織…。
「これ、ボロボロだから縫製係の方に直してもらいたいんだけど、いいかなぁ」
「え?じゃあ…」
羽織を直すということは…。
まさか…。
銀麗さんは不敵な笑みを浮かべて。
「“空柱”の階級、賜ろうかと思ってね」
鬼殺隊への復帰の意思を示した。
「柱たちの稽古を付けて、強くなったのは彼らだけじゃないよ」
僕自身も良い鍛錬になった、と銀麗さんは言う。
銀麗さんの隊服を纏う姿を見ることが出来るなんて。
同じ柱として、共に戦うことが出来るなんて。
「…しのぶちゃん…あの…胸が当たってるんだけど…」
「…当ててるんです」
嬉しさで銀麗さんを抱き締めると、銀麗さんは恥ずかしそうに私の背中に腕を回してくれた。
「成人してから成人してから成人してから!」
「呪文ですか」
「そう!自分の理性に呪文をかけたんだよっ!」
…私は別に構わないのに。
銀麗さんからは望めないなら、私から誘うしかなさそうですね…。
それから数日後、銀麗さんはお館様に鬼殺隊復帰の件をお話に行かれた。
その間に新しい隊服と、縫製係に直してもらった羽織が届いて。
「……しのぶ様」
「っアオイ!?いつの間に…っ」
…銀麗さんの羽織を纏っている姿を、アオイに見られてしまいました…。
それから、銀麗さんと一緒に一度村へ戻り、村の皆さんに事情を説明すれば。
「この世を平和にしてくれよ!銀麗!」
「私たちはいつでも銀ちゃんを待ってるからね!」
「またお前の隊服姿を見ることになるなんてな。様になってるじゃねぇか。死ぬんじゃねぇぞ?銀麗」
村の皆さんは銀麗さんの背中を押してくれた。
「ありがとうみんなさん。行ってきます」
「しのぶちゃんとイチャイチャばかりすんなよ?」
「っし、しませんよっ」
「っ」
笑顔で手を振ってくれた。
そして。
「那田蜘蛛山へ救援?」
「はい、行ってきます」
「へぇー、僕も行こうかなぁ」
銀麗さんのように嗅覚と聴覚が鋭い子たちに出会ったのは、半年後のことだった。
END
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