盲目の剣士 しのぶさん男主夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「千太郎さん、もう大丈夫です」
「銀麗…ッ!すまねぇ!本当にすまねぇッ!助かった…ッ」
銀麗さんは刀を収め、骨董屋さんへ手を差し伸べる。
「…銀麗さん、そちらは足です」
「!おっと、すみません。」
銀麗さんへ駆け寄り、銀麗さんの頭の天辺から足の爪先まで見る。
「…鬼殺隊だったんですね」
銀麗さんは骨董屋さんを助け起こす。
「元、だけどね。血の匂いはしないので、怪我はされてないみたいでよかった」
確かに怪我はされてないようですが…。
「銀麗…本当にありがとう…」
「いいんです。ご自宅まで送りますよ」
「いや…そこまで世話になるわけにはいかない…。すまん…ありがとう…」
骨董屋さんは銀麗さんに何度も頭を下げて、帰って行った。
私はそんな骨董屋さんの背中を見つめたまま。
「…いつくらいに退役を?」
そう聞くと。
「十五年前に退役したんだ」
銀麗さんは歩き出して。
「“風柱”だったんだけど、目が見えなくなっちゃったからね」
私はその後ろをついて行く。
「“風柱”!?」
「うん。」
十五年前の…風柱って…。
「鬼殺隊を知っているということは、君も鬼殺隊なのかな?」
「あ…私は“蟲柱”の階級を賜ってます…」
「え!?柱!?若いのにすごいなぁ」
…あなたも十分若いと思いますが…。
「今の鬼殺隊に、僕の知ってる子はいないだろうなぁ」
「今の鬼殺隊ならいないかもしれませんね」
同じ“風の呼吸”の使い手である不死川さんも、多分知らないだろうし。
ん?
風の呼吸?
でもさっき、銀麗さんは“空の呼吸”を使って…。
「…銀麗さん、先程“風の呼吸”ではなく“空の呼吸”という呼吸を使ってませんでした…?」
呼吸の違いを問えば。
「ああ。ほら僕、目が見えなくなっちゃったから風の呼吸が使えなくなったんだ。だから、なんとかならないかなぁと鍛錬して“空の呼吸”の派生に成功したのさ」
なんとかならないかなぁ、で新しい呼吸を?
冗談じゃない…。
この人…戦うために生まれて来たんじゃないの?
「まぁ“空の呼吸”を派生出来たのは、当時の同期が“雷の呼吸”の使い手でね?基本の型だけ教えてもらってたからなんだ」
…“雷の呼吸”と“風の呼吸”を組み合わせて派生させたとか…。
だから閃光を纏っているように見えたのね。
“雷の速さ”と“風の太刀”
これら二つを合わせたものが“空の呼吸”
…簡単に言えば、呼吸を二種類使っているということね。
………凄すぎて何も言えませんよ…。
銀麗さんが持ってる白杖も、細身の日輪刀だった。
これは多分、政府関係の方にバレないようにしているもの。
滅多に来ないでしょうけど、絶対に来ないわけじゃないから。
「しかし、お嬢さんが“柱”かぁ。お嬢さんが如何に優秀かがよくわかるよ」
「……」
そういえば、名乗ってなかった…。
「…私は胡蝶しのぶと言います。」
銀麗さんは立ち止まって、私へ振り返る。
「しのぶちゃんね。もう呼ばれてるけど、僕は楪 銀麗って言うんだ」
よろしくね、と優しく微笑む。
「……」
私は銀麗さんの顔の前で手を振る。
「ん?」
「いえ…本当に見えてないのかなと思いまして…」
「あは!それよく旅人さんに言われるよ。盲目のわりに足取りがしっかりしすぎてるって」
銀麗さんはクスクス笑いながら。
「もしも鬼に襲われて逃げられる状況なら、僕の家の方向に逃げてきて大きな声で僕を呼んで欲しいって村のみんなには言ってあるんだ」
この村の中でなら声は届いてすぐ駆けつけられるし、あとは来る方向とどこに向かっているかがわかれば場所は特定出来る、と。
だから、自分の家の方に走って来てるとわかるだけでも銀麗さんにとっては大切な情報の一つなんだ。
「この村は僕の庭さ」
なんて言いながら再び歩き出した。
……現役に戻れるんじゃないですかね、この人…。
.
「千太郎さん、もう大丈夫です」
「銀麗…ッ!すまねぇ!本当にすまねぇッ!助かった…ッ」
銀麗さんは刀を収め、骨董屋さんへ手を差し伸べる。
「…銀麗さん、そちらは足です」
「!おっと、すみません。」
銀麗さんへ駆け寄り、銀麗さんの頭の天辺から足の爪先まで見る。
「…鬼殺隊だったんですね」
銀麗さんは骨董屋さんを助け起こす。
「元、だけどね。血の匂いはしないので、怪我はされてないみたいでよかった」
確かに怪我はされてないようですが…。
「銀麗…本当にありがとう…」
「いいんです。ご自宅まで送りますよ」
「いや…そこまで世話になるわけにはいかない…。すまん…ありがとう…」
骨董屋さんは銀麗さんに何度も頭を下げて、帰って行った。
私はそんな骨董屋さんの背中を見つめたまま。
「…いつくらいに退役を?」
そう聞くと。
「十五年前に退役したんだ」
銀麗さんは歩き出して。
「“風柱”だったんだけど、目が見えなくなっちゃったからね」
私はその後ろをついて行く。
「“風柱”!?」
「うん。」
十五年前の…風柱って…。
「鬼殺隊を知っているということは、君も鬼殺隊なのかな?」
「あ…私は“蟲柱”の階級を賜ってます…」
「え!?柱!?若いのにすごいなぁ」
…あなたも十分若いと思いますが…。
「今の鬼殺隊に、僕の知ってる子はいないだろうなぁ」
「今の鬼殺隊ならいないかもしれませんね」
同じ“風の呼吸”の使い手である不死川さんも、多分知らないだろうし。
ん?
風の呼吸?
でもさっき、銀麗さんは“空の呼吸”を使って…。
「…銀麗さん、先程“風の呼吸”ではなく“空の呼吸”という呼吸を使ってませんでした…?」
呼吸の違いを問えば。
「ああ。ほら僕、目が見えなくなっちゃったから風の呼吸が使えなくなったんだ。だから、なんとかならないかなぁと鍛錬して“空の呼吸”の派生に成功したのさ」
なんとかならないかなぁ、で新しい呼吸を?
冗談じゃない…。
この人…戦うために生まれて来たんじゃないの?
「まぁ“空の呼吸”を派生出来たのは、当時の同期が“雷の呼吸”の使い手でね?基本の型だけ教えてもらってたからなんだ」
…“雷の呼吸”と“風の呼吸”を組み合わせて派生させたとか…。
だから閃光を纏っているように見えたのね。
“雷の速さ”と“風の太刀”
これら二つを合わせたものが“空の呼吸”
…簡単に言えば、呼吸を二種類使っているということね。
………凄すぎて何も言えませんよ…。
銀麗さんが持ってる白杖も、細身の日輪刀だった。
これは多分、政府関係の方にバレないようにしているもの。
滅多に来ないでしょうけど、絶対に来ないわけじゃないから。
「しかし、お嬢さんが“柱”かぁ。お嬢さんが如何に優秀かがよくわかるよ」
「……」
そういえば、名乗ってなかった…。
「…私は胡蝶しのぶと言います。」
銀麗さんは立ち止まって、私へ振り返る。
「しのぶちゃんね。もう呼ばれてるけど、僕は楪 銀麗って言うんだ」
よろしくね、と優しく微笑む。
「……」
私は銀麗さんの顔の前で手を振る。
「ん?」
「いえ…本当に見えてないのかなと思いまして…」
「あは!それよく旅人さんに言われるよ。盲目のわりに足取りがしっかりしすぎてるって」
銀麗さんはクスクス笑いながら。
「もしも鬼に襲われて逃げられる状況なら、僕の家の方向に逃げてきて大きな声で僕を呼んで欲しいって村のみんなには言ってあるんだ」
この村の中でなら声は届いてすぐ駆けつけられるし、あとは来る方向とどこに向かっているかがわかれば場所は特定出来る、と。
だから、自分の家の方に走って来てるとわかるだけでも銀麗さんにとっては大切な情報の一つなんだ。
「この村は僕の庭さ」
なんて言いながら再び歩き出した。
……現役に戻れるんじゃないですかね、この人…。
.