名探偵コナン 旧拍手文置き場
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「あの時追わずに見失ってたら、きっと今頃あの子助かってなかったかもしれないよ!」
「えぇ。幸い事故もなかったんだし、今回はお手柄ということで終わらせてもらえないかしら」
誘拐犯を見事捕まえたボウヤ。
通報は哀がして、私は警察に事情聴取をされている。
まぁ、普通に考えれば誘拐犯を追っていたとは言え、交通違反だもの当たり前よね。
これでお咎めがないほうがおかしいわ。
でもそこは。
「…わかったよ、コナン君。今回だけだからね」
普段からボウヤのお世話になっている警察だからね。
少しは融通が効くみたい。
「でも無茶しましたねぇ」
私の傍には若い刑事が立っている。
確か、高木刑事だったかしら。
「あの子が追えと煩くてね」
太った刑事と話しているボウヤへと視線を向けて、クスリと小さく笑う。
「コナン君にはいつも助けられていて、頭が上がりませんよ」
高木刑事は苦笑を浮かべる。
「何にでも首を突っ込んで巻き込まれて。早死するタイプよ、あれは」
タバコに火を点けると。
「トイレどこだろ」
足元にいるアイリがそう言う。
「ああ、トイレならあっちにあったよ」
「ありがとう、高木刑事」
高木刑事が教えてくれて、哀とアイリがお手洗いへと向かう。
今のあの二人は小学生だから、二人で行かせるのもね。
「あなたは付いて来なくてもいいわよ?」
「え?ああ!そうかっすみませんっついっ」
高木刑事も付いてきたからそう告げると、顔を赤くして慌てて太った刑事さんのほうへと走って行った。
「いつまでも新米刑事のようね」
「それが高木刑事の良さよ」
少しだけ嫌味を呟くと、哀が小さく笑った。
「もしかしたらお母さんに気があるのかもよ?」
「あらそうなの?でも私はあなたの父親に惚れてるから諦めてもらわないとね」
「…もっと恥じらいを持ちなさいよ」
なんて会話をしながらお手洗いへ。
『キャンプどころじゃなくなっちゃったなぁ』
『今日は、ね。春休みは始まったばかりなんだからまだまだ行けるわよ』
私はお手洗いの外で待っていて、中にはアイリと哀が入っていった。
遠くからボウヤたちを見つめる。
「あの子、どうしてバレないかが不思議ね」
警察に加わって誘拐犯の車を調べているんだもの。
「……」
本当に“あの人”を見つけることが出来るのだろうか。
15年も死を装えるような人を。
いくらボウヤでも、“あの人”を出し抜くなんて無理じゃないかしら。
「…どこで何をしているんだか…」
ボウヤは私を見張ってると言っていたけど。
私は“あの人”の仲間を、ミナト以外に見たことがないから。
仲間も見つけようがない。
「…クロノ…」
こんなにも会いたいのに。
あなたはどうして現れないの?
どうして会いに来てくれないの?
何をそんなに警戒しているの?
こんな疑問も、アイリがいない今無意味なんでしょうけどね。
「お待たせー」
アイリと哀がお手洗いから出て来た。
「まだ終わらないのかなぁ」
「もう終わるんじゃない?」
アイリと哀は手を繋いで、まるで姉妹のようね。
ボウヤは相変わらず警察たちの足元に。
「好奇心旺盛にも困ったものね」
「コナンがあんなんだからさー、私たち行くの遅くなるんだよねー」
アイリはアイリでぶちぶち文句を言って。
私はそれをクスクスと笑いつつ、周りを見渡す。
「あ、アイリちゃんのお母さん、少しいいですか?」
「!えぇ」
野次馬がさっきよりも増えて来たと思っていたら、高木刑事に声をかけられる。
「一応、フリだけでもしとかないとまずいので。あ!本当には切らないから大丈夫ですよ!」
「ふふっ、わかったわ。ちょっと行ってくるわね」
「うん」
野次馬たちの死角にあるパトカーへと誘導されて、後部座席に。
パトカーは運転したことがあるけれど、こうして後部座席に座るのは初めて。
「本当にコナン君には助けられてますよ。」
「そうみたいね」
パトカーの後部座席の窓にはスモークウィンドーが貼られているから、外からだと中はほぼ見えない。
一応免許証を出し、高木刑事はそれを確認する。
まぁ、偽造なんだけどね。
窓枠に肘をかけて、ボウヤを見つめて小さく笑う。
「今回だってたまたまコナン君の目に止まったから、被害者も無事でよかったです」
「たまたま、ね。あの子が事件に呼ばれている気もするけど」
だからあの子の周りでは頻繁に事件が起こる。
私が普通の母親だったら、アイリには関わることを止めさせるわ。
「でもそれは毛利さんのご自宅でお世話になってるからかもしれませんし」
免許証を返してもらい、名前とかを書かされる。
偽名で阿笠博士の自宅の住所を記入して、ペンを置く。
野次馬もだいぶ減ったわね。
「もういいかしら?」
「えーっと。はい、時間を取らせてしまってすみませんでした!」
「いいえ、大丈夫よ」
高木刑事に小さく笑み、パトカーから出てアイリたちのほうへと戻った。
…だから。
高木刑事が私の背中を見つめながら。
「免許証は偽造。名前も偽名。住所もあっさりと記入。こんな怪しい位置に停車してるパトカーにも警戒せずに乗る。」
小さい笑みを浮かべて。
「相変わらず隙の多い奴だよまったく。でもまぁ」
優しい眼差しを向けて。
「のんびり静かに暮らせてるみたいだな、クリスとアイリ。」
そう囁いていたのは知らない––––––。
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「あの時追わずに見失ってたら、きっと今頃あの子助かってなかったかもしれないよ!」
「えぇ。幸い事故もなかったんだし、今回はお手柄ということで終わらせてもらえないかしら」
誘拐犯を見事捕まえたボウヤ。
通報は哀がして、私は警察に事情聴取をされている。
まぁ、普通に考えれば誘拐犯を追っていたとは言え、交通違反だもの当たり前よね。
これでお咎めがないほうがおかしいわ。
でもそこは。
「…わかったよ、コナン君。今回だけだからね」
普段からボウヤのお世話になっている警察だからね。
少しは融通が効くみたい。
「でも無茶しましたねぇ」
私の傍には若い刑事が立っている。
確か、高木刑事だったかしら。
「あの子が追えと煩くてね」
太った刑事と話しているボウヤへと視線を向けて、クスリと小さく笑う。
「コナン君にはいつも助けられていて、頭が上がりませんよ」
高木刑事は苦笑を浮かべる。
「何にでも首を突っ込んで巻き込まれて。早死するタイプよ、あれは」
タバコに火を点けると。
「トイレどこだろ」
足元にいるアイリがそう言う。
「ああ、トイレならあっちにあったよ」
「ありがとう、高木刑事」
高木刑事が教えてくれて、哀とアイリがお手洗いへと向かう。
今のあの二人は小学生だから、二人で行かせるのもね。
「あなたは付いて来なくてもいいわよ?」
「え?ああ!そうかっすみませんっついっ」
高木刑事も付いてきたからそう告げると、顔を赤くして慌てて太った刑事さんのほうへと走って行った。
「いつまでも新米刑事のようね」
「それが高木刑事の良さよ」
少しだけ嫌味を呟くと、哀が小さく笑った。
「もしかしたらお母さんに気があるのかもよ?」
「あらそうなの?でも私はあなたの父親に惚れてるから諦めてもらわないとね」
「…もっと恥じらいを持ちなさいよ」
なんて会話をしながらお手洗いへ。
『キャンプどころじゃなくなっちゃったなぁ』
『今日は、ね。春休みは始まったばかりなんだからまだまだ行けるわよ』
私はお手洗いの外で待っていて、中にはアイリと哀が入っていった。
遠くからボウヤたちを見つめる。
「あの子、どうしてバレないかが不思議ね」
警察に加わって誘拐犯の車を調べているんだもの。
「……」
本当に“あの人”を見つけることが出来るのだろうか。
15年も死を装えるような人を。
いくらボウヤでも、“あの人”を出し抜くなんて無理じゃないかしら。
「…どこで何をしているんだか…」
ボウヤは私を見張ってると言っていたけど。
私は“あの人”の仲間を、ミナト以外に見たことがないから。
仲間も見つけようがない。
「…クロノ…」
こんなにも会いたいのに。
あなたはどうして現れないの?
どうして会いに来てくれないの?
何をそんなに警戒しているの?
こんな疑問も、アイリがいない今無意味なんでしょうけどね。
「お待たせー」
アイリと哀がお手洗いから出て来た。
「まだ終わらないのかなぁ」
「もう終わるんじゃない?」
アイリと哀は手を繋いで、まるで姉妹のようね。
ボウヤは相変わらず警察たちの足元に。
「好奇心旺盛にも困ったものね」
「コナンがあんなんだからさー、私たち行くの遅くなるんだよねー」
アイリはアイリでぶちぶち文句を言って。
私はそれをクスクスと笑いつつ、周りを見渡す。
「あ、アイリちゃんのお母さん、少しいいですか?」
「!えぇ」
野次馬がさっきよりも増えて来たと思っていたら、高木刑事に声をかけられる。
「一応、フリだけでもしとかないとまずいので。あ!本当には切らないから大丈夫ですよ!」
「ふふっ、わかったわ。ちょっと行ってくるわね」
「うん」
野次馬たちの死角にあるパトカーへと誘導されて、後部座席に。
パトカーは運転したことがあるけれど、こうして後部座席に座るのは初めて。
「本当にコナン君には助けられてますよ。」
「そうみたいね」
パトカーの後部座席の窓にはスモークウィンドーが貼られているから、外からだと中はほぼ見えない。
一応免許証を出し、高木刑事はそれを確認する。
まぁ、偽造なんだけどね。
窓枠に肘をかけて、ボウヤを見つめて小さく笑う。
「今回だってたまたまコナン君の目に止まったから、被害者も無事でよかったです」
「たまたま、ね。あの子が事件に呼ばれている気もするけど」
だからあの子の周りでは頻繁に事件が起こる。
私が普通の母親だったら、アイリには関わることを止めさせるわ。
「でもそれは毛利さんのご自宅でお世話になってるからかもしれませんし」
免許証を返してもらい、名前とかを書かされる。
偽名で阿笠博士の自宅の住所を記入して、ペンを置く。
野次馬もだいぶ減ったわね。
「もういいかしら?」
「えーっと。はい、時間を取らせてしまってすみませんでした!」
「いいえ、大丈夫よ」
高木刑事に小さく笑み、パトカーから出てアイリたちのほうへと戻った。
…だから。
高木刑事が私の背中を見つめながら。
「免許証は偽造。名前も偽名。住所もあっさりと記入。こんな怪しい位置に停車してるパトカーにも警戒せずに乗る。」
小さい笑みを浮かべて。
「相変わらず隙の多い奴だよまったく。でもまぁ」
優しい眼差しを向けて。
「のんびり静かに暮らせてるみたいだな、クリスとアイリ。」
そう囁いていたのは知らない––––––。
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