名探偵コナン 旧拍手文置き場
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「キャンプ?」
「うん。で、海と山どっちがいいか話し合い中なの」
今日から春休み。
子供たちが毎日遊びに来て、キャンプの相談をしている。
「春休みにキャンプって、変じゃない?」
「あいつらは、休みだっつったらキャンプ行きたがるんだよ…」
ボウヤが呆れるように言う。
じゃあ、ゴールデンウィークも行きそうね。
「そう。気を付けてね。」
まぁ何にせよ、私には関係ないから。
煙草に火を点けてそう言うと。
「何言ってるの。お母さんも行くんだよ」
…アイリに言われた。
「私も?」
「当たり前だろ?博士の車じゃ、みんな乗れねぇし」
「車なんて持ってないわ」
「今、レンタル出来るって知ってた?」
「知ってるわよ。ワゴン車を借りればいいじゃない」
この私がなぜキャンプなんて行かないといけないのよ。
行く気のない私を、アイリが睨んで来る。
「行きたくないの?」
アイリの問いかけに。
「えぇ」
即答すれば。
「じゃあいいよ。キャンプ先で私が死んだ時後悔するのはお母さんだし」
縁起でもないことを言ってきたため。
「ボウヤがいる以上、そう簡単には死なないわよ」
煙草の煙を吹き掛けてやった。
「く…」
さすがに何も言えなくなったようで、頬を膨らませてどっか行ったわ。
この私に口で勝とうなんて100年早いのよ。
「本当に行かねぇのか?」
「えぇ、留守番をしているわ」
「そうか」
ボウヤがアイリが去った方向を見つめて。
「もしかしたら、オメーの旦那の情報が手に入るかも知れねぇのに。」
と、口にした。
「…どうしてキャンプ先であの人の情報が手に入るのかしら」
騙されないわよ、ボウヤ。
「おそらくオメーのことを監視してると思うぞ。オメーに出会わないように、尚且つ危険に陥らないように」
組織の動きを窺い、私たちに近づかないように。
「 近くで見てるのか、遠くで見てるのかはわからねぇが」
誰に見張らせてるのかも、今はまだわからない。
ただ言えるのは。
「オメーの旦那は、死を装ってから15年間、ずっとオメーらを守ってるってことだよ」
ボウヤの言葉に何も言えなくなる私に。
「で?行くの?行かないの?」
哀が問いかける。
「…わかったわよ」
今の環境を変えれば、見えてくるものがある。
予想外の行動を起こせば、向こうも何かボロを出すかもしれない。
案外早くに逢えるかもしれない。
「アイリに言ってくるわ」
「えぇ」
まったく。
あの人を理由にされると、断るに断れないじゃない。
ボウヤもわかってるから悪質だわ。
「明日買い物行こうね、お母さん」
「はいはい」
アイリもアイリで、私が行くことにしたらニコニコ笑顔。
…18歳とは思えない幼さよ。
まぁ、今は6才だけど。
「で、山?海?」
季節的に、海はまだ寒いから。
「山よ」
山よね、やっぱり。
「…あなたたちはあちらに乗りなさいよ」
「いいじゃねぇか」
「減るものでもないし」
「賑やかのほうがいいじゃん」
キャンプ当日。
レンタカーを借りれば、アイリだけじゃなくボウヤと哀まで乗り込んできた。
素でいられるから楽なんでしょうね。
アイリは賑やかのほうがいいと言うけれど、果たしてこの子たちで賑やかになるのかしら。
「…」
バックミラーを確認する。
人影や車の姿はない。
「んなわかりやすく居たら、誰だって見つけられるって」
右側からこっそりボウヤに言われた。
「ああ、違うわ。癖なのよ」
「癖?」
「前の仕事柄、注意深く確認することが癖になったの」
「あー…」
そう言うと、ボウヤも哀もチラリとアイリを見た。
「今はもう違うから、私は大丈夫だよ」
アイリは小さく笑い、ボウヤたちも安心したようで。
「おし、じゃあ行こうぜ」
「おー!」
私も気付かれないように笑み、車を発進させた。
「山にワインあるかしら」
「あるわけねぇだろ…」
車を走らせること2時間。
都心部を離れ、自然が多くなってきた。
「哀、トランプしない?」
「…酔うわよ?」
アイリも景色を見るのに飽きてきたみたい。
というか飽きるって何よ。
小さな子供でもあるまいし。
…今は6才だけど。
あれね。
若返ると、性格まで若返るのね。
若返りすぎよ。
「オメー、何ブツブツ言ってんだ?」
ブチブチ独り言を言っていると、ボウヤに怪しまれた。
「何でもないわ」
博士の車が右折したため、右折するために右ウィンカーを出せば。
「ッ!」
「なんだ!?」
突然、猛スピードで走って来た車と接触しそうになった。
「危ないわね。この車が私のフェラーリだったら追跡してボコボコにしてやるところよ」
ギリギリで避けれたからいいものの、接触していたらキャンプどころじゃなくなってしまう。
「フェラーリじゃなくても追ってくれ!」
ボウヤが小さくなる暴走車を見つめながら叫ぶ。
「嫌よ。あんなの警察の仕事でしょ?」
面倒事は御免だと告げれば。
「後部座席に小さな女の子がいた!おそらく誘拐!今見失えば追えなくなる!」
なんて、言ったため。
チラリとアイリを見つめる。
小さな女の子、ね。
本当。
まるで私を動かす最高の呪文だわ。
「シートベルト、締めなさい。舌噛むわよ?」
私はハンドルを回転させて。
「私が捕まらない完璧な理由を考えてちょうだい!」
アクセルを踏み込んだ。
NEXT
「キャンプ?」
「うん。で、海と山どっちがいいか話し合い中なの」
今日から春休み。
子供たちが毎日遊びに来て、キャンプの相談をしている。
「春休みにキャンプって、変じゃない?」
「あいつらは、休みだっつったらキャンプ行きたがるんだよ…」
ボウヤが呆れるように言う。
じゃあ、ゴールデンウィークも行きそうね。
「そう。気を付けてね。」
まぁ何にせよ、私には関係ないから。
煙草に火を点けてそう言うと。
「何言ってるの。お母さんも行くんだよ」
…アイリに言われた。
「私も?」
「当たり前だろ?博士の車じゃ、みんな乗れねぇし」
「車なんて持ってないわ」
「今、レンタル出来るって知ってた?」
「知ってるわよ。ワゴン車を借りればいいじゃない」
この私がなぜキャンプなんて行かないといけないのよ。
行く気のない私を、アイリが睨んで来る。
「行きたくないの?」
アイリの問いかけに。
「えぇ」
即答すれば。
「じゃあいいよ。キャンプ先で私が死んだ時後悔するのはお母さんだし」
縁起でもないことを言ってきたため。
「ボウヤがいる以上、そう簡単には死なないわよ」
煙草の煙を吹き掛けてやった。
「く…」
さすがに何も言えなくなったようで、頬を膨らませてどっか行ったわ。
この私に口で勝とうなんて100年早いのよ。
「本当に行かねぇのか?」
「えぇ、留守番をしているわ」
「そうか」
ボウヤがアイリが去った方向を見つめて。
「もしかしたら、オメーの旦那の情報が手に入るかも知れねぇのに。」
と、口にした。
「…どうしてキャンプ先であの人の情報が手に入るのかしら」
騙されないわよ、ボウヤ。
「おそらくオメーのことを監視してると思うぞ。オメーに出会わないように、尚且つ危険に陥らないように」
組織の動きを窺い、私たちに近づかないように。
「 近くで見てるのか、遠くで見てるのかはわからねぇが」
誰に見張らせてるのかも、今はまだわからない。
ただ言えるのは。
「オメーの旦那は、死を装ってから15年間、ずっとオメーらを守ってるってことだよ」
ボウヤの言葉に何も言えなくなる私に。
「で?行くの?行かないの?」
哀が問いかける。
「…わかったわよ」
今の環境を変えれば、見えてくるものがある。
予想外の行動を起こせば、向こうも何かボロを出すかもしれない。
案外早くに逢えるかもしれない。
「アイリに言ってくるわ」
「えぇ」
まったく。
あの人を理由にされると、断るに断れないじゃない。
ボウヤもわかってるから悪質だわ。
「明日買い物行こうね、お母さん」
「はいはい」
アイリもアイリで、私が行くことにしたらニコニコ笑顔。
…18歳とは思えない幼さよ。
まぁ、今は6才だけど。
「で、山?海?」
季節的に、海はまだ寒いから。
「山よ」
山よね、やっぱり。
「…あなたたちはあちらに乗りなさいよ」
「いいじゃねぇか」
「減るものでもないし」
「賑やかのほうがいいじゃん」
キャンプ当日。
レンタカーを借りれば、アイリだけじゃなくボウヤと哀まで乗り込んできた。
素でいられるから楽なんでしょうね。
アイリは賑やかのほうがいいと言うけれど、果たしてこの子たちで賑やかになるのかしら。
「…」
バックミラーを確認する。
人影や車の姿はない。
「んなわかりやすく居たら、誰だって見つけられるって」
右側からこっそりボウヤに言われた。
「ああ、違うわ。癖なのよ」
「癖?」
「前の仕事柄、注意深く確認することが癖になったの」
「あー…」
そう言うと、ボウヤも哀もチラリとアイリを見た。
「今はもう違うから、私は大丈夫だよ」
アイリは小さく笑い、ボウヤたちも安心したようで。
「おし、じゃあ行こうぜ」
「おー!」
私も気付かれないように笑み、車を発進させた。
「山にワインあるかしら」
「あるわけねぇだろ…」
車を走らせること2時間。
都心部を離れ、自然が多くなってきた。
「哀、トランプしない?」
「…酔うわよ?」
アイリも景色を見るのに飽きてきたみたい。
というか飽きるって何よ。
小さな子供でもあるまいし。
…今は6才だけど。
あれね。
若返ると、性格まで若返るのね。
若返りすぎよ。
「オメー、何ブツブツ言ってんだ?」
ブチブチ独り言を言っていると、ボウヤに怪しまれた。
「何でもないわ」
博士の車が右折したため、右折するために右ウィンカーを出せば。
「ッ!」
「なんだ!?」
突然、猛スピードで走って来た車と接触しそうになった。
「危ないわね。この車が私のフェラーリだったら追跡してボコボコにしてやるところよ」
ギリギリで避けれたからいいものの、接触していたらキャンプどころじゃなくなってしまう。
「フェラーリじゃなくても追ってくれ!」
ボウヤが小さくなる暴走車を見つめながら叫ぶ。
「嫌よ。あんなの警察の仕事でしょ?」
面倒事は御免だと告げれば。
「後部座席に小さな女の子がいた!おそらく誘拐!今見失えば追えなくなる!」
なんて、言ったため。
チラリとアイリを見つめる。
小さな女の子、ね。
本当。
まるで私を動かす最高の呪文だわ。
「シートベルト、締めなさい。舌噛むわよ?」
私はハンドルを回転させて。
「私が捕まらない完璧な理由を考えてちょうだい!」
アクセルを踏み込んだ。
NEXT