名探偵コナン 旧拍手文置き場
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「………」
組織を抜けたその日の夜。
眠るアイリを見つめる。
アイリの隣のベッドにはシェリーがいて、その隣には博士が。
私のベッドはまだなく、アイリと一緒に眠っていたんだけど。
「…アイリ」
寝付けない。
本来は18歳のはずの娘が、今は6才の姿に。
守りたかった存在なのに。
私は守れずに、こんな姿にさせてしまった。
いえ、違う。
こんな姿になれただけ奇跡ね。
アイリが服用した薬は毒薬。
本来なら死ぬはずだったんだもの。
私はそこまでアイリを追い詰めてしまっていた。
本当に最低な母親よ。
「…ごめんね…アイリ…」
私は小さく呟き、眠るアイリの額にキスを落とし静かに寝室を出た。
リビングの窓際。
窓枠に背中を預け、タバコに火を点ける。
「…不味いわね」
タバコも変えた。
コンビニで買える一般的なものに。
前まで吸っていたものは、購入出来る店が限られてしまうから。
一般的なもののほうが足取りを掴められないから安全。
と、ボウヤに言われたわ。
おかげで不味くて不味くて。
「だったら禁煙したら?」
突然聞こえた声に、そちらを見れば。
「あなたから私に近づいて来るなんてね」
シェリーが立っていた。
「同じ屋根の下にいるんだもの。」
シェリーは肩を竦め、私に近づいて来る。
「それもそうね」
私もクスリと笑み、タバコの煙を肺に入れた。
「眠れないの?」
「あなたこそ眠れないの?」
質問を質問で返せば。
「あなたが起きた気配を感じたから」
私の反対側の窓枠に背中を預けた。
「起こしちゃったのかしら」
「ちょっとした物音でも起きちゃうの」
ちょっとした物音でも起きちゃうのなら、博士のいびきの中でよく眠れるわね。
なんて、言わないけど。
「そう」
おそらく私に敏感になってるのでしょう。
無意識に私に全神経を研ぎ澄ませているから、私がいるほうから音が聞こえれば目が覚めちゃうのね。
「組織は動きはどう?」
「さぁ。でもあなた以上に探してるでしょうね」
クスクスと笑い、電源の入っていない携帯電話を見つめる。
組織は私の正体を世界に公表することはない。
ハリウッド女優が実は危ない組織の一員だったと知られるのは、組織自体にもリスクを伴うから。
クリス・ヴィンヤードがどんな組織に属したのか。
何をしている組織なのか。
メディアが黙ってるわけがない。
関わったメディアを片っ端から消していたら、それこそ注目しかねない。
名声も時には役に立つわね。
「“あの方”のことを彼に話さないの?」
彼とはボウヤのこと。
「“あの人”を見つけた時に教えてあげると契約を結んだわ」
これはボウヤが持ちかけてきたこと。
“あの人”を見つけた時、私は包み隠さず組織のことを。
“あの方”のことを教える。
だから。
クロノが見つかったその時。
組織の存在は世界に知られることになるということ。
「そう…。」
シェリーは目を閉じて。
「じゃあ、組織が崩壊するのも近いということね」
「え?」
そう言って。
「あの探偵君の推理力にかかれば、必ず見つかるもの。おやすみなさい」
小さく笑み、寝室へと消えた。
「…私はあなたを殺そうとしたのに…」
それなのにそう言ってくれるなんて。
「…ありがとう、シェリー」
…いいえ。
私たちを繋げてくれた最愛の娘を想い、タバコの火を消して。
「ありがとう、哀」
小さく小さく笑みを零した。
翌日。
『事件に?』
「うん。学校の近くの公園で殺人事件があってね。コナンが勝手に捜査に乗り出して」
『そう。とりあえず子供たちに保護者へ連絡を入れさせなさい。私もすぐ行くから』
「わかった」
下校中、突然悲鳴が聞こえて来て。
私たちが向かった時、人が一人亡くなっていた。
で、帰りが遅いからってお母さんから電話がかかってきて簡単にワケを話す。
「アイリちゃんのお母さんから?」
「うん。とりあえず親に電話しなさいって」
「ちぇっ。せっかく博士んちにいるの母ちゃんを見れると思ったのによー」
「ほんとですね…。殺人事件が起きなければ…」
「…い、いや、帰ってもいいんだよ?」
殺人事件について、ぶちぶち文句を言う子供たちに高木刑事が苦笑いを浮かべる。
「アイリちゃんのお母さん、阿笠さんちにいるのかい?」
「うん。ずっと離れて暮らしてたんだけど、昨日日本に来たの。」
高木刑事に聞かれ、簡単に説明をする。
「そうかぁ。じゃあもう寂しくないね」
なんて高木刑事に言われて、私はきょとん顔をして。
「さ、最初から寂しくなんてなかったよ!」
慌てて言い返す。
「あっちの部屋見てくるぞ」
「あ、待ってくださいよコナン君!」
「コナン!」
で、コナンたちが隣の部屋へ行っちゃったからそれを追う。
だから。
「…あ、もしもし。僕です」
高木刑事が。
「どうやらあなたが掴んだ情報通りみたいですよ」
現場から少し離れて。
「いえ、あなたはガセネタを掴んで来るスペシャリストですから」
携帯電話で。
「じょ、冗談ですって」
誰かと。
「はい、引き続き偵察を」
そんな会話をしていたことは。
「出しませんよっ!じゃあ仕事に戻りますので!」
知らない。
「はいはい、じゃあまた連絡します。クロノさん」
NEXT
「………」
組織を抜けたその日の夜。
眠るアイリを見つめる。
アイリの隣のベッドにはシェリーがいて、その隣には博士が。
私のベッドはまだなく、アイリと一緒に眠っていたんだけど。
「…アイリ」
寝付けない。
本来は18歳のはずの娘が、今は6才の姿に。
守りたかった存在なのに。
私は守れずに、こんな姿にさせてしまった。
いえ、違う。
こんな姿になれただけ奇跡ね。
アイリが服用した薬は毒薬。
本来なら死ぬはずだったんだもの。
私はそこまでアイリを追い詰めてしまっていた。
本当に最低な母親よ。
「…ごめんね…アイリ…」
私は小さく呟き、眠るアイリの額にキスを落とし静かに寝室を出た。
リビングの窓際。
窓枠に背中を預け、タバコに火を点ける。
「…不味いわね」
タバコも変えた。
コンビニで買える一般的なものに。
前まで吸っていたものは、購入出来る店が限られてしまうから。
一般的なもののほうが足取りを掴められないから安全。
と、ボウヤに言われたわ。
おかげで不味くて不味くて。
「だったら禁煙したら?」
突然聞こえた声に、そちらを見れば。
「あなたから私に近づいて来るなんてね」
シェリーが立っていた。
「同じ屋根の下にいるんだもの。」
シェリーは肩を竦め、私に近づいて来る。
「それもそうね」
私もクスリと笑み、タバコの煙を肺に入れた。
「眠れないの?」
「あなたこそ眠れないの?」
質問を質問で返せば。
「あなたが起きた気配を感じたから」
私の反対側の窓枠に背中を預けた。
「起こしちゃったのかしら」
「ちょっとした物音でも起きちゃうの」
ちょっとした物音でも起きちゃうのなら、博士のいびきの中でよく眠れるわね。
なんて、言わないけど。
「そう」
おそらく私に敏感になってるのでしょう。
無意識に私に全神経を研ぎ澄ませているから、私がいるほうから音が聞こえれば目が覚めちゃうのね。
「組織は動きはどう?」
「さぁ。でもあなた以上に探してるでしょうね」
クスクスと笑い、電源の入っていない携帯電話を見つめる。
組織は私の正体を世界に公表することはない。
ハリウッド女優が実は危ない組織の一員だったと知られるのは、組織自体にもリスクを伴うから。
クリス・ヴィンヤードがどんな組織に属したのか。
何をしている組織なのか。
メディアが黙ってるわけがない。
関わったメディアを片っ端から消していたら、それこそ注目しかねない。
名声も時には役に立つわね。
「“あの方”のことを彼に話さないの?」
彼とはボウヤのこと。
「“あの人”を見つけた時に教えてあげると契約を結んだわ」
これはボウヤが持ちかけてきたこと。
“あの人”を見つけた時、私は包み隠さず組織のことを。
“あの方”のことを教える。
だから。
クロノが見つかったその時。
組織の存在は世界に知られることになるということ。
「そう…。」
シェリーは目を閉じて。
「じゃあ、組織が崩壊するのも近いということね」
「え?」
そう言って。
「あの探偵君の推理力にかかれば、必ず見つかるもの。おやすみなさい」
小さく笑み、寝室へと消えた。
「…私はあなたを殺そうとしたのに…」
それなのにそう言ってくれるなんて。
「…ありがとう、シェリー」
…いいえ。
私たちを繋げてくれた最愛の娘を想い、タバコの火を消して。
「ありがとう、哀」
小さく小さく笑みを零した。
翌日。
『事件に?』
「うん。学校の近くの公園で殺人事件があってね。コナンが勝手に捜査に乗り出して」
『そう。とりあえず子供たちに保護者へ連絡を入れさせなさい。私もすぐ行くから』
「わかった」
下校中、突然悲鳴が聞こえて来て。
私たちが向かった時、人が一人亡くなっていた。
で、帰りが遅いからってお母さんから電話がかかってきて簡単にワケを話す。
「アイリちゃんのお母さんから?」
「うん。とりあえず親に電話しなさいって」
「ちぇっ。せっかく博士んちにいるの母ちゃんを見れると思ったのによー」
「ほんとですね…。殺人事件が起きなければ…」
「…い、いや、帰ってもいいんだよ?」
殺人事件について、ぶちぶち文句を言う子供たちに高木刑事が苦笑いを浮かべる。
「アイリちゃんのお母さん、阿笠さんちにいるのかい?」
「うん。ずっと離れて暮らしてたんだけど、昨日日本に来たの。」
高木刑事に聞かれ、簡単に説明をする。
「そうかぁ。じゃあもう寂しくないね」
なんて高木刑事に言われて、私はきょとん顔をして。
「さ、最初から寂しくなんてなかったよ!」
慌てて言い返す。
「あっちの部屋見てくるぞ」
「あ、待ってくださいよコナン君!」
「コナン!」
で、コナンたちが隣の部屋へ行っちゃったからそれを追う。
だから。
「…あ、もしもし。僕です」
高木刑事が。
「どうやらあなたが掴んだ情報通りみたいですよ」
現場から少し離れて。
「いえ、あなたはガセネタを掴んで来るスペシャリストですから」
携帯電話で。
「じょ、冗談ですって」
誰かと。
「はい、引き続き偵察を」
そんな会話をしていたことは。
「出しませんよっ!じゃあ仕事に戻りますので!」
知らない。
「はいはい、じゃあまた連絡します。クロノさん」
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