名探偵コナン 旧拍手文置き場
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「……どうしてこうなった…」
「それはあなたがお馬鹿さんだから」
「騙すあなたが悪いでしょ!!」
「嘘だとわかってるのに裏読みをしてのこのこ来たあなたが悪いわよ」
「………」
ある日。
テーブルの上に一通の手紙があった。
差出人はベルモット。
え?どうしてベルモットだってわかるの?って?
だって、私の非番の日をわかってて尚且つ勝手に家に入ってテーブルにわざわざ手紙を置いていくんだもの。
ベルモットしかいないわよ。
で、その手紙にはこう書いてあった。
『あなたの大切なものを人質にしたわ。返して欲しかったら10時までにデズニーランドへ来るように』
と。
封筒の中には新幹線のチケットも入ってた。
まず、“大切なもの”に心当たりがない。
まぁ確かに?蘭さんやコナン君と言った大切な友人はいるけれど。
人質にされて黙ってる子たちじゃないし、万が一誘拐なら警察が動いて私にも出動要請が出る。
じゃあ、物?
執着して持ってるものなんて、おじいさんの写真くらい。
でもおじいさんの写真はちゃんとお財布に入ってる。
つまり。
「嘘ね、これは」
ベルモットの私を呼び出すための嘘。
だって見て、デズニーランドに来るようにって。
明らかに遊びたいだけじゃない。
ほら前にトロピカルランドに呼び出された時と同じよ。
だから真に受ける必要なんてない。
「…そうよね、別に…気にする必要なんて…」
でも待って。
ベルモットは私の知らないことまで知っている。
私が無意識に大切にしているものがあるというの?
人か物か。
いえ、人なわけがないわ。
さっきも言ったように、人なら大事件。
じゃあやっぱり物?
……なに?
何を人質にしたの…?
いえ、やっぱり嘘よ。
これはベルモットの巧妙な嘘。
絶対に引っかからない。
「………けど、今度は本当…なら…?」
よく考えて。
ベルモットは何を考えているのかを。
私が無意識に大切にしているものを人質にしているのかもしれない。
「……ベルモットめ…」
近すぎて気付かない大切なものを盗むなんて…。
最低よ本当。
「はいこれ」
「…………」
10時、約束の場所 デズニーランドの入り口で。
ニヤニヤと腹が立つ笑みを浮かべながら立っていたベルモットに渡されたものは。
「……いつの間に盗ったのよ」
「気付かないで寝てるんだもの。笑いを堪えるのが大変だったわ」
枕だった。
いや枕って。
確かに寝る時の必需品だけれど。
大切だけれど。
「勝手に人の家に入るのやめてよね!」
「入られたことにも気づかない時点でFBI失格じゃない?」
「もっと痕跡を残して」
「そんな素人じゃあるまいし、痕跡を残すなんて無理よ」
「変なところでプロフェッショナルを発揮しなくていいのよ!!」
ぶちぶち文句を言って。
「…これ、置いて来るから車の鍵を貸して」
「はい。入り口近くに停めてある白いバンよ」
「………」
「なに?」
「…いえ。じゃあ待っててね」
「えぇ、早くね」
何の躊躇もなく車の鍵を貸してくれた…。
このまま帰っちゃうとか思わないのかしら…。
「……帰っちゃおうかな…」
だって、ベルモットと遊ぶ理由なんてないし。
私とベルモットは正義と悪。
一緒に遊ぶなんて以ての外。
「…はぁ…はぁ…駐車場遠すぎ…っさすがデズニーランド…」
やっと着いた駐車場で、白いバンを探すのも一苦労…。
やっと車を見つけ、運転席に乗り込んでエンジンをかける。
ギアを入れ換えて、バックしようと後ろを見る。
「………」
…待ってるのよね、ベルモットのやつ。
私がちゃんと戻って来るのを。
ついて来てないから、私を信用して。
待ってるのよね。
「……」
ギアをパーキングに戻して、ハンドルに額をつける。
「…どうかしてるわよ…本当…」
FBIなのに、FBIの敵と仲良く遊ぶなんて。
私はどこまでFBIを裏切るんだろう。
車から出て、鍵をかけて。
「…あんにゃろ…」
私にこんなに迷わせるなんて。
本当に腹が立つ。
なんて。
迷う自分も自分なんだけど…。
「あら。」
「なに?」
「戻って来ないと思ってたのに」
「戻って来ないと思ってたわりに、待ってたってことは戻って来るって思ってたことに気付いて」
「うるさいわよ。せっかくあなた名義のレンタカーにしてあげたのに」
なんて可愛くないこと言いつつ、ちょっと嬉しいそうで。
「…勝手に私の名義を使わないでよね」
なんか可愛いなって思っちゃう。
「帰ることも考えたけど、あなたに全部奢らせようと思って戻ってきたの」
そう言うと、ベルモットはクスクスと笑って。
「仕方ないから庶民に奢ってあげるわ」
スマホを鞄に入れた。
「んまぁ…嫌味!」
「嫌味を言ったんだから当たり前でしょ」
やっぱりどこか嬉しそうなベルモットを見ると、ちょっとだけ私も嬉しくなってしまう。
こんなんじゃダメなのに、ベルモットと一緒に居ることが一番素で居られる。
「はいこれチケット。」
「可愛いデザイン」
「夢の国だからね。行くわよ」
「はいはい…」
ベルモットに入場チケットを渡されて、表面上は仕方なしなしなのに。
心の中ではワクワクしてしまって。
「……グッズ売り場行きたい」
「カチューシャを付けるって約束するならいいわ」
「…ベルモ……ベルちゃんも付けてね」
一歩、夢の国へと踏み入れれば。
広がる夢の世界。
「ねぇ!早く!」
魔法にかかったかのように。
「そんなに引っ張らなくても行くから。まったくアイリはお子ちゃまね」
ベルモットの腕を掴んで走り出す。
これは夢の国の、奇跡の魔法。
今だけは正義とか悪とか無しにして。
私はミヌーちゃんのカチューシャを付けて、ベルモットはミッティーマウスのカチューシャを付けた。
「可愛い」
さすがハリウッド女優、こんなカチューシャでも様になるなんて。
私の言葉に、ベルモットはきょとん顔をして。
「あなたも似合うじゃない」
クスクス笑った。
「このリュックは?」
「さすがにそこまで子供じゃないわよ…」
ドナルトのリュックを見せられ、首を横に振って。
「あ、でもこのお財布欲しい」
「十分子供じゃない」
首から下げられるミヌーちゃんの丸いお財布を買ってもらって。
アメちゃんを入れて。
「はいあげる」
「え!?いいの!?ありがとうお姉ちゃん!」
泣いてママたちを困らせている子供にあげたり。
「ねー!あれ!あれ乗りたい!!」
「あれ絶叫マシンよ?いいの?」
「いい!乗る!」
ファストパスっていう、VIPなチケットで優先的に乗れるんだけど。
「………」
「待つのもまたいいものでしょ?」
「良くないわよ。後30分待ちって何」
「ね、次はこのエリア行ってグッズ買いたい!」
「話を聞きなさい、アイリ」
待ち時間に次の予定を立てたり。
「いいなぁ」
「何が?」
「あれってホテルでしょ?デズニーランドリゾート内のホテルに泊まってみたいなぁと思っただけよ」
「今日は全て私に委ねるなら取ってあげるけど?」
「え?今からなんて無理よ」
「私を誰だと思ってるのよ」
「……ハリウッド女優様…」
ハリウッド女優を理由に、デズニーランドリゾート内のホテル…それもスイートルームを取ってくれたり。
「……アイリさんたちも来てたんだね」
「!コナン君!」
「やぁだなに?ストーカー?私たちが行く先々にいるわね、坊やたちは」
「オメェがアイリさんのストーカーなんだろっ!」
コナン君たちと出会ったり。
でも、コナン君たちとはすぐに別れた。
いつもなら一緒に回るんだけど。
「いいの?」
ベルモットがコナン君たちの背中を見る。
「いいの。私たちは私たちで回りましょう」
行きたいところがたくさんある。
子供たちと居たら回れないし、今日はベルモットと二人で回りたい。
「喉乾いてない?」
「ちょっと乾いたかなぁ」
「あっちに可愛いカップのお店あったわよ」
「私モンスターズペンのキャラクターがいい」
「はいはい」
ベルモットもなんかまた嬉しそうだし。
きっとコナン君たちと回ることになると思ったんでしょうね。
デズニーリゾートのホテルのセキュリティと守秘義務も完璧で、クリス・ヴィンヤードが誰を連れて宿泊しに来たことも世界に知られることはなく。
「ぁ…っあ…っあ…っ」
「気持ち良い?」
「ぃ…っい…っああっあっも…っイク…っ」
…まぁ、ホテルではこれでもかというくらい抱かれたけど…。
デズニーランドを一望出来るほどの高さがある部屋の窓から、煌びやかなデズニーランドを見て。
「また来たいなぁ…」
楽しかった一日の感想を口にすると。
「今度はどうやって騙そうかしらね」
後ろからベルモットに抱き締められた。
「…騙すんじゃなくて、ちゃんと誘ってよ」
「あなたはFBI、私は敵の組織の人間。ちゃんと誘えるわけないでしょ」
わかってる。
わかってるけど。
「…それでも…一か八か誘ってみてちょうだい」
「一か八かなのね」
ちゅ、ちゅ、と。
後ろから首筋にキスをされて。
「まぁ、次は一か八か誘ってみてあげるわ」
またベッドへと連れて行かれた。
「「……」」
ベルモットの首に腕を回し、見つめ合う。
きっと抱いている想いは一緒。
言いたい言葉もきっと。
でも口にしない。
してはいけない言葉。
「…疲れたんですけど」
「夜はこれからでしょ?」
「…もう」
いつか。
いつか、当たり前のように一緒に居られるようになりたいなと願わずにはいられない。
いつか全てが解決した時に。
「ミヌーちゃん、今このホテルに来てるらしいわよ」
「え!?行きたい!」
「なに、私よりミヌーちゃん?」
「当たり前でしょ!!」
変装なんてしないで手を繋いで歩きたい。
「あんなの、中の人はきっとコミカルな動きをするおじさんよ」
「夢の国で夢を壊さないでくれる?」
ミヌーちゃんに嫉妬を露わにさせるこの人と、一緒に。
END
「……どうしてこうなった…」
「それはあなたがお馬鹿さんだから」
「騙すあなたが悪いでしょ!!」
「嘘だとわかってるのに裏読みをしてのこのこ来たあなたが悪いわよ」
「………」
ある日。
テーブルの上に一通の手紙があった。
差出人はベルモット。
え?どうしてベルモットだってわかるの?って?
だって、私の非番の日をわかってて尚且つ勝手に家に入ってテーブルにわざわざ手紙を置いていくんだもの。
ベルモットしかいないわよ。
で、その手紙にはこう書いてあった。
『あなたの大切なものを人質にしたわ。返して欲しかったら10時までにデズニーランドへ来るように』
と。
封筒の中には新幹線のチケットも入ってた。
まず、“大切なもの”に心当たりがない。
まぁ確かに?蘭さんやコナン君と言った大切な友人はいるけれど。
人質にされて黙ってる子たちじゃないし、万が一誘拐なら警察が動いて私にも出動要請が出る。
じゃあ、物?
執着して持ってるものなんて、おじいさんの写真くらい。
でもおじいさんの写真はちゃんとお財布に入ってる。
つまり。
「嘘ね、これは」
ベルモットの私を呼び出すための嘘。
だって見て、デズニーランドに来るようにって。
明らかに遊びたいだけじゃない。
ほら前にトロピカルランドに呼び出された時と同じよ。
だから真に受ける必要なんてない。
「…そうよね、別に…気にする必要なんて…」
でも待って。
ベルモットは私の知らないことまで知っている。
私が無意識に大切にしているものがあるというの?
人か物か。
いえ、人なわけがないわ。
さっきも言ったように、人なら大事件。
じゃあやっぱり物?
……なに?
何を人質にしたの…?
いえ、やっぱり嘘よ。
これはベルモットの巧妙な嘘。
絶対に引っかからない。
「………けど、今度は本当…なら…?」
よく考えて。
ベルモットは何を考えているのかを。
私が無意識に大切にしているものを人質にしているのかもしれない。
「……ベルモットめ…」
近すぎて気付かない大切なものを盗むなんて…。
最低よ本当。
「はいこれ」
「…………」
10時、約束の場所 デズニーランドの入り口で。
ニヤニヤと腹が立つ笑みを浮かべながら立っていたベルモットに渡されたものは。
「……いつの間に盗ったのよ」
「気付かないで寝てるんだもの。笑いを堪えるのが大変だったわ」
枕だった。
いや枕って。
確かに寝る時の必需品だけれど。
大切だけれど。
「勝手に人の家に入るのやめてよね!」
「入られたことにも気づかない時点でFBI失格じゃない?」
「もっと痕跡を残して」
「そんな素人じゃあるまいし、痕跡を残すなんて無理よ」
「変なところでプロフェッショナルを発揮しなくていいのよ!!」
ぶちぶち文句を言って。
「…これ、置いて来るから車の鍵を貸して」
「はい。入り口近くに停めてある白いバンよ」
「………」
「なに?」
「…いえ。じゃあ待っててね」
「えぇ、早くね」
何の躊躇もなく車の鍵を貸してくれた…。
このまま帰っちゃうとか思わないのかしら…。
「……帰っちゃおうかな…」
だって、ベルモットと遊ぶ理由なんてないし。
私とベルモットは正義と悪。
一緒に遊ぶなんて以ての外。
「…はぁ…はぁ…駐車場遠すぎ…っさすがデズニーランド…」
やっと着いた駐車場で、白いバンを探すのも一苦労…。
やっと車を見つけ、運転席に乗り込んでエンジンをかける。
ギアを入れ換えて、バックしようと後ろを見る。
「………」
…待ってるのよね、ベルモットのやつ。
私がちゃんと戻って来るのを。
ついて来てないから、私を信用して。
待ってるのよね。
「……」
ギアをパーキングに戻して、ハンドルに額をつける。
「…どうかしてるわよ…本当…」
FBIなのに、FBIの敵と仲良く遊ぶなんて。
私はどこまでFBIを裏切るんだろう。
車から出て、鍵をかけて。
「…あんにゃろ…」
私にこんなに迷わせるなんて。
本当に腹が立つ。
なんて。
迷う自分も自分なんだけど…。
「あら。」
「なに?」
「戻って来ないと思ってたのに」
「戻って来ないと思ってたわりに、待ってたってことは戻って来るって思ってたことに気付いて」
「うるさいわよ。せっかくあなた名義のレンタカーにしてあげたのに」
なんて可愛くないこと言いつつ、ちょっと嬉しいそうで。
「…勝手に私の名義を使わないでよね」
なんか可愛いなって思っちゃう。
「帰ることも考えたけど、あなたに全部奢らせようと思って戻ってきたの」
そう言うと、ベルモットはクスクスと笑って。
「仕方ないから庶民に奢ってあげるわ」
スマホを鞄に入れた。
「んまぁ…嫌味!」
「嫌味を言ったんだから当たり前でしょ」
やっぱりどこか嬉しそうなベルモットを見ると、ちょっとだけ私も嬉しくなってしまう。
こんなんじゃダメなのに、ベルモットと一緒に居ることが一番素で居られる。
「はいこれチケット。」
「可愛いデザイン」
「夢の国だからね。行くわよ」
「はいはい…」
ベルモットに入場チケットを渡されて、表面上は仕方なしなしなのに。
心の中ではワクワクしてしまって。
「……グッズ売り場行きたい」
「カチューシャを付けるって約束するならいいわ」
「…ベルモ……ベルちゃんも付けてね」
一歩、夢の国へと踏み入れれば。
広がる夢の世界。
「ねぇ!早く!」
魔法にかかったかのように。
「そんなに引っ張らなくても行くから。まったくアイリはお子ちゃまね」
ベルモットの腕を掴んで走り出す。
これは夢の国の、奇跡の魔法。
今だけは正義とか悪とか無しにして。
私はミヌーちゃんのカチューシャを付けて、ベルモットはミッティーマウスのカチューシャを付けた。
「可愛い」
さすがハリウッド女優、こんなカチューシャでも様になるなんて。
私の言葉に、ベルモットはきょとん顔をして。
「あなたも似合うじゃない」
クスクス笑った。
「このリュックは?」
「さすがにそこまで子供じゃないわよ…」
ドナルトのリュックを見せられ、首を横に振って。
「あ、でもこのお財布欲しい」
「十分子供じゃない」
首から下げられるミヌーちゃんの丸いお財布を買ってもらって。
アメちゃんを入れて。
「はいあげる」
「え!?いいの!?ありがとうお姉ちゃん!」
泣いてママたちを困らせている子供にあげたり。
「ねー!あれ!あれ乗りたい!!」
「あれ絶叫マシンよ?いいの?」
「いい!乗る!」
ファストパスっていう、VIPなチケットで優先的に乗れるんだけど。
「………」
「待つのもまたいいものでしょ?」
「良くないわよ。後30分待ちって何」
「ね、次はこのエリア行ってグッズ買いたい!」
「話を聞きなさい、アイリ」
待ち時間に次の予定を立てたり。
「いいなぁ」
「何が?」
「あれってホテルでしょ?デズニーランドリゾート内のホテルに泊まってみたいなぁと思っただけよ」
「今日は全て私に委ねるなら取ってあげるけど?」
「え?今からなんて無理よ」
「私を誰だと思ってるのよ」
「……ハリウッド女優様…」
ハリウッド女優を理由に、デズニーランドリゾート内のホテル…それもスイートルームを取ってくれたり。
「……アイリさんたちも来てたんだね」
「!コナン君!」
「やぁだなに?ストーカー?私たちが行く先々にいるわね、坊やたちは」
「オメェがアイリさんのストーカーなんだろっ!」
コナン君たちと出会ったり。
でも、コナン君たちとはすぐに別れた。
いつもなら一緒に回るんだけど。
「いいの?」
ベルモットがコナン君たちの背中を見る。
「いいの。私たちは私たちで回りましょう」
行きたいところがたくさんある。
子供たちと居たら回れないし、今日はベルモットと二人で回りたい。
「喉乾いてない?」
「ちょっと乾いたかなぁ」
「あっちに可愛いカップのお店あったわよ」
「私モンスターズペンのキャラクターがいい」
「はいはい」
ベルモットもなんかまた嬉しそうだし。
きっとコナン君たちと回ることになると思ったんでしょうね。
デズニーリゾートのホテルのセキュリティと守秘義務も完璧で、クリス・ヴィンヤードが誰を連れて宿泊しに来たことも世界に知られることはなく。
「ぁ…っあ…っあ…っ」
「気持ち良い?」
「ぃ…っい…っああっあっも…っイク…っ」
…まぁ、ホテルではこれでもかというくらい抱かれたけど…。
デズニーランドを一望出来るほどの高さがある部屋の窓から、煌びやかなデズニーランドを見て。
「また来たいなぁ…」
楽しかった一日の感想を口にすると。
「今度はどうやって騙そうかしらね」
後ろからベルモットに抱き締められた。
「…騙すんじゃなくて、ちゃんと誘ってよ」
「あなたはFBI、私は敵の組織の人間。ちゃんと誘えるわけないでしょ」
わかってる。
わかってるけど。
「…それでも…一か八か誘ってみてちょうだい」
「一か八かなのね」
ちゅ、ちゅ、と。
後ろから首筋にキスをされて。
「まぁ、次は一か八か誘ってみてあげるわ」
またベッドへと連れて行かれた。
「「……」」
ベルモットの首に腕を回し、見つめ合う。
きっと抱いている想いは一緒。
言いたい言葉もきっと。
でも口にしない。
してはいけない言葉。
「…疲れたんですけど」
「夜はこれからでしょ?」
「…もう」
いつか。
いつか、当たり前のように一緒に居られるようになりたいなと願わずにはいられない。
いつか全てが解決した時に。
「ミヌーちゃん、今このホテルに来てるらしいわよ」
「え!?行きたい!」
「なに、私よりミヌーちゃん?」
「当たり前でしょ!!」
変装なんてしないで手を繋いで歩きたい。
「あんなの、中の人はきっとコミカルな動きをするおじさんよ」
「夢の国で夢を壊さないでくれる?」
ミヌーちゃんに嫉妬を露わにさせるこの人と、一緒に。
END