痛み ベルモット男主夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「ん」
「なに?」
「書き込まれた」
「え?」
食事を終え、食器洗いをしていれば。
というかこの私がどうして食器洗いなんてしないといけないのよ。
ハリウッド女優の私が。
こんなことをさせるのは、世界中でキラだけね。
で、クロノが文庫本を置いてパソコンへと視線を移した。
クロノが立ち上げているサイトの名は“悪魔の微笑”で。
復讐を請け負う、復讐サイト。
そう。
10年前、クロノが両親を殺害した理由こそ。
このサイトを立ち上げた理由そのもの。
『これは復讐だ。オレを虐待した復讐だ』
クロノが小さな笑みを浮かべながらそう呟いたのは、今でも忘れない。
「入ってきたの?」
「うん」
このサイトへはパスワードを入力しなければ入れない。
かなり難しいパスワードを。
でもクロノ曰く、“心の底から復讐を願う奴は入って来る”
らしいわ。
だから、心から復讐を願う人からの書き込みみたい。
「なんて?」
クロノをソファー越しに、後ろから抱き締めてパソコンを見る。
「“本当に復讐してくれるのか?”だって」
最初は誰でも聞いて来る疑いの言葉。
“お前が心から願うなら”
クロノがそう返す。
5分後、返信が来る。
“娘が殺されたが、証拠不十分で犯人が無罪になった”
在り来たりな理由だけど、横目でクロノを見ると小さな笑みを浮かべていた。
…まったく。
恐ろしい子だわ。
“お前の個人情報と娘の名、そして犯人の写真を転送しろ。個人情報はお前が裏切らない限り悪用しない”
“写真を送った。住所も電話番号も載せた。娘の名は桜。桜を殺したことを後悔させるような殺し方にしてほしい”
「何の躊躇もなく個人情報を教えてきた。こいつ本物だな」
「みたいね。大抵は殺し方のリクエストは来ないものね」
クスクス。
クロノが笑う。
クロノの裏社会での呼び名は“執行人”
執行人は、誰であろうとどんなくだらない理由だろうと。
依頼されれば執行してしまう。
証拠を残さずにね。
だから彼が執行した事件は全て迷宮入りしているわ。
“わかった。お前の恨みと憎しみの下、願いを叶えてやる。
執行の完了はニュースで知れ。
ただこれだけは言っておく。
手をかけるのはオレだが、それを依頼したのはお前だ。
お前自身の平穏と引き換えに、毎日が苦痛と恐怖に変わることを努々忘れるな”
手をかけなくとも、同じ罪であることを告げると。
“平穏なんて、桜が殺された時点で失った。苦痛なんて桜が殺された時点ですでに味わっている。
恐怖なんてない。あるのは犯人への晴れることのない憎しみだけだ。よろしく頼む”
そうして、依頼人との会話を終えた。
クロノはゆっくりと立ち上がって。
「狩りの時間だ」
小さく微笑を浮かべた。
「組織の仕事はどうするの?」
タバコを吹かせ、問いかければ。
「こっちが先だ。あんたは先に行ってていい」
軽くキスをしてきた。
狩りが始まる前、クロノは必ずキスをしてくる。
儀式なのかは知らないけどね。
「私も行くわ」
「形跡を残されるのは困る」
「バイクで待機してるわよ。あなたの足になってあげるって言ってるの」
タバコの火を消して、今度は私からキスをする。
「わかった」
私はクロノの計画を知らなくていい。
ただクロノを送ったり迎えに行ったりするだけで。
拉致監禁はリスクを伴うため、滅多に行わないし。
「顔は隠さないの?」
「これから死ぬ人間だ。見られても何の意味もない」
…本当、恐ろしい子だわ。
.
「ん」
「なに?」
「書き込まれた」
「え?」
食事を終え、食器洗いをしていれば。
というかこの私がどうして食器洗いなんてしないといけないのよ。
ハリウッド女優の私が。
こんなことをさせるのは、世界中でキラだけね。
で、クロノが文庫本を置いてパソコンへと視線を移した。
クロノが立ち上げているサイトの名は“悪魔の微笑”で。
復讐を請け負う、復讐サイト。
そう。
10年前、クロノが両親を殺害した理由こそ。
このサイトを立ち上げた理由そのもの。
『これは復讐だ。オレを虐待した復讐だ』
クロノが小さな笑みを浮かべながらそう呟いたのは、今でも忘れない。
「入ってきたの?」
「うん」
このサイトへはパスワードを入力しなければ入れない。
かなり難しいパスワードを。
でもクロノ曰く、“心の底から復讐を願う奴は入って来る”
らしいわ。
だから、心から復讐を願う人からの書き込みみたい。
「なんて?」
クロノをソファー越しに、後ろから抱き締めてパソコンを見る。
「“本当に復讐してくれるのか?”だって」
最初は誰でも聞いて来る疑いの言葉。
“お前が心から願うなら”
クロノがそう返す。
5分後、返信が来る。
“娘が殺されたが、証拠不十分で犯人が無罪になった”
在り来たりな理由だけど、横目でクロノを見ると小さな笑みを浮かべていた。
…まったく。
恐ろしい子だわ。
“お前の個人情報と娘の名、そして犯人の写真を転送しろ。個人情報はお前が裏切らない限り悪用しない”
“写真を送った。住所も電話番号も載せた。娘の名は桜。桜を殺したことを後悔させるような殺し方にしてほしい”
「何の躊躇もなく個人情報を教えてきた。こいつ本物だな」
「みたいね。大抵は殺し方のリクエストは来ないものね」
クスクス。
クロノが笑う。
クロノの裏社会での呼び名は“執行人”
執行人は、誰であろうとどんなくだらない理由だろうと。
依頼されれば執行してしまう。
証拠を残さずにね。
だから彼が執行した事件は全て迷宮入りしているわ。
“わかった。お前の恨みと憎しみの下、願いを叶えてやる。
執行の完了はニュースで知れ。
ただこれだけは言っておく。
手をかけるのはオレだが、それを依頼したのはお前だ。
お前自身の平穏と引き換えに、毎日が苦痛と恐怖に変わることを努々忘れるな”
手をかけなくとも、同じ罪であることを告げると。
“平穏なんて、桜が殺された時点で失った。苦痛なんて桜が殺された時点ですでに味わっている。
恐怖なんてない。あるのは犯人への晴れることのない憎しみだけだ。よろしく頼む”
そうして、依頼人との会話を終えた。
クロノはゆっくりと立ち上がって。
「狩りの時間だ」
小さく微笑を浮かべた。
「組織の仕事はどうするの?」
タバコを吹かせ、問いかければ。
「こっちが先だ。あんたは先に行ってていい」
軽くキスをしてきた。
狩りが始まる前、クロノは必ずキスをしてくる。
儀式なのかは知らないけどね。
「私も行くわ」
「形跡を残されるのは困る」
「バイクで待機してるわよ。あなたの足になってあげるって言ってるの」
タバコの火を消して、今度は私からキスをする。
「わかった」
私はクロノの計画を知らなくていい。
ただクロノを送ったり迎えに行ったりするだけで。
拉致監禁はリスクを伴うため、滅多に行わないし。
「顔は隠さないの?」
「これから死ぬ人間だ。見られても何の意味もない」
…本当、恐ろしい子だわ。
.