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12月25日、帝王ホテルの正面玄関が見える位置。

まぁ、帝王ホテルに泊まってもよかったんだけど、さすがに刑事が居すぎるからね。

遠くから双眼鏡で眺めてるの。

刑事たちが着飾って、無防備に集まってホテルへと入って行く。

「アイリはまだかしら」

今日まで嫌味の電話とかしてやったんだけど、何故だか知らないけどクスクス笑われるだけで。

『…なんで笑うのよ』

『行動が子供だからよ』

なんてからかわれる始末。

この私がね。

本当に苛々するわよ。

自分の限界を知らないからまた馬鹿みたいにガバガバ飲んで酔い潰れるに決まってるわ。

「！来たわね」

帝王ホテルの門。

佐藤美和子と宮本由美に挟まれて。

「…なによ。あの格好」

楽しそうに笑いながら。

「…可愛いじゃない」

可愛らしく、綺麗に。

「…あれだもの、周りは放っておかないわよね…」

それでいて落ち着きのある清楚な洋服を召したアイリがやってきた。

「……なによ、もう」

あんなに可愛くなって。

誰のためにそんな可愛くなってるのよ。

そのプレゼントも誰に渡すやつなのよ。

「…苛々するわ」

タバコに火を点け、白い息と共に煙を吐き出す。

そして腕時計を見て。

「…11時に一度連絡入れてみようかしら」

せめて1時間だけでも会えれば…。

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