豹変 ベルモット男主夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
'
「クロノ、起きなさい。」
五年後。
米花町にあるマンションの一室で、私は金髪の青年を起こす。
「早く起きないと遅刻するわよ?」
カーテンを開け、日光を浴びせてやると。
「…ぅ…」
その眩しさから顔を顰めた。
このクロノと呼んだ青年、五年前に出会ったあの悪魔なのよ。
あの後、ホテルで交渉したんだけどね。
何を条件に出しても頷かなかった。
『…あんたの組織に報告すればいいよ…。オレに差し向けられた刺客はみんな殺すから…』
出来るものなら、と言いたいところだけれど。
いい知れない恐怖を抱かせるこの少年なら、或いはやってしまうかもしれないと思わされた。
『…わかったわ。でもあなたのサポートはさせてくれない?』
『…何のために?』
『あなたまだ未成年でしょ?保護者が居ると色々楽よ』
『……』
ということで、何とか近くことを許されたの。
最初こそ警戒されていたものの、一年も経てば信用してくれてね。
信用してくれた瞬間から嘘みたいに性格が豹変。
『クリス、ジュース買ってきたよ』
『私に?』
『うん』
『ありがとう、クロノ』
ニコニコ笑うようになった。
当時は13歳という幼さでね。
年相応に屈託なく笑うのよ。
でも一度“仕事モード”に入れば、また豹変。
赤い瞳の奥に潜む憎悪が姿を現すかのように。
被害者と遺族を想い、涙を零すの。
そのギャップに驚いたものの、この子は弱者の味方であることには違いない。
「…今日休む…」
「そう言って昨日も休んだでしょ?」
枕にグリグリと顔を擦り付け、また眠ろうとするから。
クロノの頭に手を置いて。
「今日お弁当作ってあげたんだけど、いらない?」
そう言うと。
「いる」
ガバッと頭を上げた。
私はクスリと笑み、クロノの額にキスを落として。
「じゃあほら、早く起きなさい」
クロノはグッと背中を伸ばし、立ち上がった。
五年前は私より小さかったのに、今は私より背が高い。
「そういえば、今日新一たちと遊ぶんだった」
「最近その子とよく遊ぶわね」
「なんか誘われるんだよ。俺が外国人だからなのかな」
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、そのまま飲む。
「それもあるかもしれないけど、教室で一人で居るのを不憫に思ったんじゃない?」
「…嬉しいようなそうでもないような」
この新一という子も信用しているらしく、よく笑っている姿を目撃するわ。
この子に出会う前は私しか信用していなかったのに、しかも私は信用を獲得するまで一年もかかったにも関わらず、新一という子はクロノが編入してから数日で獲得してね。
嫉妬してしまうわよ。
「一度帰って来るの?」
「そのまま遊びに行く」
浴室へ行き、顔を洗って歯を磨く。
赤い瞳は印象付けてしまうから、スカイブルーのカラーコンタクトをするようにさせた。
「門限は18時だからね」
「いや早すぎるわ」
制服を着て、ネクタイを締めて。
「あまり遅くならないから」
「補導される前に帰宅しなさいね」
「わかった」
玄関でキスをして、送り出した。
五年前に感じたあの恐怖はなんだったのかと思うくらいの豹変ぶりに、笑みすら漏れる。
「さて、と。」
クロノも見送ったし、私も“仕事”をしないとね。
クロノの存在を組織に知られないようにするのもなかなか大変なのよ。
最悪知られたとしても、新しい玩具とでも伝えればいい。
ハリウッド女優である私の演技力もプラスすればバレることはないでしょう。
「…過保護ね、本当」
そんな自分に小さく笑み、窓の外を見つめた。
.
「クロノ、起きなさい。」
五年後。
米花町にあるマンションの一室で、私は金髪の青年を起こす。
「早く起きないと遅刻するわよ?」
カーテンを開け、日光を浴びせてやると。
「…ぅ…」
その眩しさから顔を顰めた。
このクロノと呼んだ青年、五年前に出会ったあの悪魔なのよ。
あの後、ホテルで交渉したんだけどね。
何を条件に出しても頷かなかった。
『…あんたの組織に報告すればいいよ…。オレに差し向けられた刺客はみんな殺すから…』
出来るものなら、と言いたいところだけれど。
いい知れない恐怖を抱かせるこの少年なら、或いはやってしまうかもしれないと思わされた。
『…わかったわ。でもあなたのサポートはさせてくれない?』
『…何のために?』
『あなたまだ未成年でしょ?保護者が居ると色々楽よ』
『……』
ということで、何とか近くことを許されたの。
最初こそ警戒されていたものの、一年も経てば信用してくれてね。
信用してくれた瞬間から嘘みたいに性格が豹変。
『クリス、ジュース買ってきたよ』
『私に?』
『うん』
『ありがとう、クロノ』
ニコニコ笑うようになった。
当時は13歳という幼さでね。
年相応に屈託なく笑うのよ。
でも一度“仕事モード”に入れば、また豹変。
赤い瞳の奥に潜む憎悪が姿を現すかのように。
被害者と遺族を想い、涙を零すの。
そのギャップに驚いたものの、この子は弱者の味方であることには違いない。
「…今日休む…」
「そう言って昨日も休んだでしょ?」
枕にグリグリと顔を擦り付け、また眠ろうとするから。
クロノの頭に手を置いて。
「今日お弁当作ってあげたんだけど、いらない?」
そう言うと。
「いる」
ガバッと頭を上げた。
私はクスリと笑み、クロノの額にキスを落として。
「じゃあほら、早く起きなさい」
クロノはグッと背中を伸ばし、立ち上がった。
五年前は私より小さかったのに、今は私より背が高い。
「そういえば、今日新一たちと遊ぶんだった」
「最近その子とよく遊ぶわね」
「なんか誘われるんだよ。俺が外国人だからなのかな」
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、そのまま飲む。
「それもあるかもしれないけど、教室で一人で居るのを不憫に思ったんじゃない?」
「…嬉しいようなそうでもないような」
この新一という子も信用しているらしく、よく笑っている姿を目撃するわ。
この子に出会う前は私しか信用していなかったのに、しかも私は信用を獲得するまで一年もかかったにも関わらず、新一という子はクロノが編入してから数日で獲得してね。
嫉妬してしまうわよ。
「一度帰って来るの?」
「そのまま遊びに行く」
浴室へ行き、顔を洗って歯を磨く。
赤い瞳は印象付けてしまうから、スカイブルーのカラーコンタクトをするようにさせた。
「門限は18時だからね」
「いや早すぎるわ」
制服を着て、ネクタイを締めて。
「あまり遅くならないから」
「補導される前に帰宅しなさいね」
「わかった」
玄関でキスをして、送り出した。
五年前に感じたあの恐怖はなんだったのかと思うくらいの豹変ぶりに、笑みすら漏れる。
「さて、と。」
クロノも見送ったし、私も“仕事”をしないとね。
クロノの存在を組織に知られないようにするのもなかなか大変なのよ。
最悪知られたとしても、新しい玩具とでも伝えればいい。
ハリウッド女優である私の演技力もプラスすればバレることはないでしょう。
「…過保護ね、本当」
そんな自分に小さく笑み、窓の外を見つめた。
.