豹変 ベルモット男主夢
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「うわ、これ美味い」
「でしょ?このホテル料理美味しいのよ」
あれから3時間ほどでクロノから連絡があり、このホテルにチェックインさせた。
この子はここに来てと言った場所に文句一つ言わずに来てくれる。
理由も聞いてこない。
前にどうして聞いてこないの?と問いかけたら。
“クリスを信用してるから聞かなくてもいい”
ですって。
可愛いわよね。
「ここ温泉ある?」
「あるわよ。行く?」
「うん、入りたい」
チェックインさせたから、部屋は別々だけれど。
クロノの部屋はそのまま使わず私の部屋で過ごしてるの。
二人部屋だからね。
「浴衣持った?」
「持った」
浴衣を持って、浴場へ向かう。
「混浴かな」
「違うわね。女の裸なんていつも見てるでしょ?」
「そうだけど、見たいじゃん」
「私以外の女に興味出たの?なに、浮気?」
「え゙?俺たち付き合ってたの?」
なんて冗談混じりで他愛のない会話をしていた時。
「クリス」
「なに?」
浴場への近道の通路ではなく、少し遠回りになる通路を指した。
「え?こっちのほうが早く…」
で、言葉を止めて。
「わかったわ」
クロノが指したほうの通路へと進路変更する。
こちらの通路を歩いて来るんだ。
今回ターゲットになる存在が。
まさか計画の内じゃないわよね?
私が今日このホテルに泊まることなんてさっき決めたんだし、計画なんて出来ないわよ。
じゃあなに?直感?
第六感を持ってるの?
いえ、持っているから“声”が聞こえるのよね。
前方から男の人が歩いて来る。
でもすれ違ってもクロノは振り返らない。
あの男性ではない。
なんだか私が挙動不審になってしまうわよね。
誰だろうと探してしまうじゃない、もう。
ガチャ、と。
通り過ぎようとしている部屋のドアが開いた。
女性と男性のカップルが出て来て、楽しそうに笑っている。
デートね。
今夜はお楽しみでしょうね、きっと。
なんて思って、ふとクロノを見れば。
何の気なしにそちらを見ている表情。
本当に、ただ突然ドアが開いたからそちらを見たみたいな。
本当に何の意図もないだろう視線なのに。
…ゾッとした。
ああ、あのカップルのうちのどちらかがターゲットだ。
いえ、或いはどちらともターゲットなのかもしれない。
クロノは視線を戻し、大きく息を吸って吐いた。
聞こえたんでしょう。
被害者の絶望の声が。
「クロノ、ちょっと忘れ物をしたから部屋に戻らない?」
泣きそうだろうクロノにそう声を掛けると、クロノは何も言わずに頷いた。
クロノの手を引き、来た道を戻る。
部屋に戻り、電気を点けようとスイッチに手を伸ばせば。
「…っ!」
クロノに腕を引かれ、そのまま抱き締められた。
震えている。
啜り泣いている。
「……憎い…憎い…」
「…被害者の声…?」
私の肩に顔を埋めながら頷く。
「…男のほう…。三年前…同僚の女をレイプした…」
静かに語るクロノ。
「抵抗する女…無理やり…それを…動画…撮って…」
ああ、あった。
三年前だったのね、あの事件。
女をレイプしてる様子を動画にし、SNSで拡散されたもの。
挙句、首を絞めて殺害したあの悲惨な事件。
「……女…が…動画…撮った…」
「共犯なのね」
クロノは俯きながら私から離れて。
ゆっくり顔を上げた瞬間。
戦慄した。
スカイブルーのカラーコンタクトをしていたはずなのに。
赤い瞳が私を捉えているから。
今の今までスカイブルーだった瞳が赤く。
「…殺す…男を…殺す…」
不気味に光る赤い瞳。
「………」
私は手を伸ばし電気を点けた。
すると。
「いきなり点けたら目がやられるだろ」
いつものクロノに戻った。
「電気なんていきなり点けるものでしょ」
「点けるよーくらい言えよな」
「ああ、ごめんなさいね。点けたわよ」
「おせーわ!」
よかった。
瞳はやっぱりスカイブルーのまま。
憎悪が現れた時に、カラーコンタクトレンズが意味なくなるって怖くない?
この子、本当に悪魔に取り憑かれてるんじゃないの?
「で、女のほうは殺さないの?」
「自首すれば殺さない。しなければ殺す」
「どちらだと思う?」
私は椅子に座り、タバコに火を点ける。
クロノはベッドへ寝転んで。
「自首しないなら殺すだけだから、どっちでもいい」
そう吐き捨てた。
今回はどんなやり方をするのやら。
私はクスリと笑み、クロノに覆い被さる。
「温泉行く前に、一回する?」
「する」
もう一度間近で見てみたい。
“赤眼の悪魔”が殺人犯を断罪する現場を。
全身を駆け巡る恐怖に支配されるかもしれないけれど。
断罪後、被害者と遺族を想い涙する“赤眼の悪魔”を。
「…一回って言ったでしょ」
「聞こえなかった」
「信じられない。今度耳鼻科紹介するわね」
結局三回もされて、温泉へ行くのが遅くなってしまった。
しかも…。
「…んっ、ん…っ」
「ハリウッド女優を抱く高校生ってすごいよな」
「うるさ…っぁ…あっ」
温泉後も抱かれて…。
せっかく流した汗を、また掻く羽目になったわ…。
END
「うわ、これ美味い」
「でしょ?このホテル料理美味しいのよ」
あれから3時間ほどでクロノから連絡があり、このホテルにチェックインさせた。
この子はここに来てと言った場所に文句一つ言わずに来てくれる。
理由も聞いてこない。
前にどうして聞いてこないの?と問いかけたら。
“クリスを信用してるから聞かなくてもいい”
ですって。
可愛いわよね。
「ここ温泉ある?」
「あるわよ。行く?」
「うん、入りたい」
チェックインさせたから、部屋は別々だけれど。
クロノの部屋はそのまま使わず私の部屋で過ごしてるの。
二人部屋だからね。
「浴衣持った?」
「持った」
浴衣を持って、浴場へ向かう。
「混浴かな」
「違うわね。女の裸なんていつも見てるでしょ?」
「そうだけど、見たいじゃん」
「私以外の女に興味出たの?なに、浮気?」
「え゙?俺たち付き合ってたの?」
なんて冗談混じりで他愛のない会話をしていた時。
「クリス」
「なに?」
浴場への近道の通路ではなく、少し遠回りになる通路を指した。
「え?こっちのほうが早く…」
で、言葉を止めて。
「わかったわ」
クロノが指したほうの通路へと進路変更する。
こちらの通路を歩いて来るんだ。
今回ターゲットになる存在が。
まさか計画の内じゃないわよね?
私が今日このホテルに泊まることなんてさっき決めたんだし、計画なんて出来ないわよ。
じゃあなに?直感?
第六感を持ってるの?
いえ、持っているから“声”が聞こえるのよね。
前方から男の人が歩いて来る。
でもすれ違ってもクロノは振り返らない。
あの男性ではない。
なんだか私が挙動不審になってしまうわよね。
誰だろうと探してしまうじゃない、もう。
ガチャ、と。
通り過ぎようとしている部屋のドアが開いた。
女性と男性のカップルが出て来て、楽しそうに笑っている。
デートね。
今夜はお楽しみでしょうね、きっと。
なんて思って、ふとクロノを見れば。
何の気なしにそちらを見ている表情。
本当に、ただ突然ドアが開いたからそちらを見たみたいな。
本当に何の意図もないだろう視線なのに。
…ゾッとした。
ああ、あのカップルのうちのどちらかがターゲットだ。
いえ、或いはどちらともターゲットなのかもしれない。
クロノは視線を戻し、大きく息を吸って吐いた。
聞こえたんでしょう。
被害者の絶望の声が。
「クロノ、ちょっと忘れ物をしたから部屋に戻らない?」
泣きそうだろうクロノにそう声を掛けると、クロノは何も言わずに頷いた。
クロノの手を引き、来た道を戻る。
部屋に戻り、電気を点けようとスイッチに手を伸ばせば。
「…っ!」
クロノに腕を引かれ、そのまま抱き締められた。
震えている。
啜り泣いている。
「……憎い…憎い…」
「…被害者の声…?」
私の肩に顔を埋めながら頷く。
「…男のほう…。三年前…同僚の女をレイプした…」
静かに語るクロノ。
「抵抗する女…無理やり…それを…動画…撮って…」
ああ、あった。
三年前だったのね、あの事件。
女をレイプしてる様子を動画にし、SNSで拡散されたもの。
挙句、首を絞めて殺害したあの悲惨な事件。
「……女…が…動画…撮った…」
「共犯なのね」
クロノは俯きながら私から離れて。
ゆっくり顔を上げた瞬間。
戦慄した。
スカイブルーのカラーコンタクトをしていたはずなのに。
赤い瞳が私を捉えているから。
今の今までスカイブルーだった瞳が赤く。
「…殺す…男を…殺す…」
不気味に光る赤い瞳。
「………」
私は手を伸ばし電気を点けた。
すると。
「いきなり点けたら目がやられるだろ」
いつものクロノに戻った。
「電気なんていきなり点けるものでしょ」
「点けるよーくらい言えよな」
「ああ、ごめんなさいね。点けたわよ」
「おせーわ!」
よかった。
瞳はやっぱりスカイブルーのまま。
憎悪が現れた時に、カラーコンタクトレンズが意味なくなるって怖くない?
この子、本当に悪魔に取り憑かれてるんじゃないの?
「で、女のほうは殺さないの?」
「自首すれば殺さない。しなければ殺す」
「どちらだと思う?」
私は椅子に座り、タバコに火を点ける。
クロノはベッドへ寝転んで。
「自首しないなら殺すだけだから、どっちでもいい」
そう吐き捨てた。
今回はどんなやり方をするのやら。
私はクスリと笑み、クロノに覆い被さる。
「温泉行く前に、一回する?」
「する」
もう一度間近で見てみたい。
“赤眼の悪魔”が殺人犯を断罪する現場を。
全身を駆け巡る恐怖に支配されるかもしれないけれど。
断罪後、被害者と遺族を想い涙する“赤眼の悪魔”を。
「…一回って言ったでしょ」
「聞こえなかった」
「信じられない。今度耳鼻科紹介するわね」
結局三回もされて、温泉へ行くのが遅くなってしまった。
しかも…。
「…んっ、ん…っ」
「ハリウッド女優を抱く高校生ってすごいよな」
「うるさ…っぁ…あっ」
温泉後も抱かれて…。
せっかく流した汗を、また掻く羽目になったわ…。
END
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