豹変 ベルモット男主夢
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『本日未明、○○ちゃんを暴行し虐待死させたとして逃走していた○○容疑者が、遺体となって発見されました』
あれから約一月後。
ジンの車の後部座席に座る私の耳に。
あるニュースのラジオが入った。
『目撃者はおらず、現在警察は情報提供を呼びかけていて』
「警察は無能だな」
ジンが冷酷に笑むけれど。
「そうね」
警察が無能なんじゃないのよ。
クロノの暗殺スキルがヤバいの。
私はスマホを開き、SNSを見る。
『やべぇ、また神の御業か?』
『目撃者がいないなら、また断罪されたんだな。』
『死神が日本にいるのかよ。これで日本の犯罪者が減ればいいけど』
『逃走してた犯人って、警察は何やってんの?警察が逃さず捕まえてりゃ殺されることなかっただろうに』
クロノを崇拝する者や、警察に対して悪態を吐く者で溢れていた。
テレビに出る専門家や、心理学者たちも恐怖する。
『神にでもなった気分でいるのか、正義だと思っているのか。』
『人の姿をした“悪魔”』
あの子を知らないから言いたい放題なのは仕方ないわね。
自分の行いが正しいものではないことくらい理解してるのよ。
馬鹿じゃないんだから、あの子は。
完全犯罪を成立させてしまうくらいの頭脳とスキルを持っているんだから。
あの子は“神”でもなければ“正義”でもない。
ただ、“被害者とその遺族の味方”なだけ。
まぁ犯人に対してだけ“悪魔”になるけれどね。
組織はまだクロノの危険さに気付いていない。
犯人像すら予測出来ないんだもの、気付くわけないわよね。
私だけが知っている“悪魔”の正体。
なんだか特別な感じがして優越感に浸っているわ。
だって、クロノと仲の良い新一って子すら知らないことなんだから。
たとえ数日でクロノの信用を得たとしても、クロノの正体を知ってるのは私だけなんだから。
え?数日間でクロノの信用を得たことを根に持ってるのか、ですって?
持つに決まってるでしょ。
私は一年もかかったのよ?
持たない方がおかしいわ。
とあるホテルの前で車を停めてもらい、車から降りる。
「じゃあ、ジン。またね」
「………」
ジンは横目で見ただけで、そのまま車を発進させて居なくなった。
「少しは愛想良くしたらいいのに」
本当、無愛想というか何というか。
冷酷という表現が正しいのでしょうけど、同じ組織に属している身としては冷酷という言葉より無愛想のほうがしっくり来るわね。
ホテルにチェックインの手続きをして、時計を見る。
今日も新一という子と遊ぶと言っていたし、まだ帰ってないわね、きっと。
クロノから連絡が来るまで少し寝ようかしら。
鍵を受け取り、クロノにメールを入れる。
『帰宅する前に連絡をちょうだい』
そう送ると。
『了解』の2文字。
部屋に着き、鍵を開けて中に入る。
窓際まで行って、眼下に広がる米花町を見つめる。
殺人事件を犯し、逃げ果し続けてる犯人たち。
逃げなさい。
“赤眼の悪魔”と出会う前に。
罪を認め自首しなさい。
理不尽に人の命を奪ってもなお、生き続けたいなら。
「…なんて、私が言える立場じゃないんだけどね」
私は五年前のあの夜、本当は殺されるはずだったのに。
どうしてターゲットから外れたのかはわからないけど、それを聞いたりはしなかった。
窓から離れ、ベッドに腰を掛けて。
「ホテルに呼ぼうかしら」
チェックインさせて、今日はホテルで過ごすのもいいわね。
何にせよ、クロノから連絡が来るまで眠りましょう。
「おやすみなさい、クロノ」
私はベッドへ横になり、静かに目を閉じた。
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『本日未明、○○ちゃんを暴行し虐待死させたとして逃走していた○○容疑者が、遺体となって発見されました』
あれから約一月後。
ジンの車の後部座席に座る私の耳に。
あるニュースのラジオが入った。
『目撃者はおらず、現在警察は情報提供を呼びかけていて』
「警察は無能だな」
ジンが冷酷に笑むけれど。
「そうね」
警察が無能なんじゃないのよ。
クロノの暗殺スキルがヤバいの。
私はスマホを開き、SNSを見る。
『やべぇ、また神の御業か?』
『目撃者がいないなら、また断罪されたんだな。』
『死神が日本にいるのかよ。これで日本の犯罪者が減ればいいけど』
『逃走してた犯人って、警察は何やってんの?警察が逃さず捕まえてりゃ殺されることなかっただろうに』
クロノを崇拝する者や、警察に対して悪態を吐く者で溢れていた。
テレビに出る専門家や、心理学者たちも恐怖する。
『神にでもなった気分でいるのか、正義だと思っているのか。』
『人の姿をした“悪魔”』
あの子を知らないから言いたい放題なのは仕方ないわね。
自分の行いが正しいものではないことくらい理解してるのよ。
馬鹿じゃないんだから、あの子は。
完全犯罪を成立させてしまうくらいの頭脳とスキルを持っているんだから。
あの子は“神”でもなければ“正義”でもない。
ただ、“被害者とその遺族の味方”なだけ。
まぁ犯人に対してだけ“悪魔”になるけれどね。
組織はまだクロノの危険さに気付いていない。
犯人像すら予測出来ないんだもの、気付くわけないわよね。
私だけが知っている“悪魔”の正体。
なんだか特別な感じがして優越感に浸っているわ。
だって、クロノと仲の良い新一って子すら知らないことなんだから。
たとえ数日でクロノの信用を得たとしても、クロノの正体を知ってるのは私だけなんだから。
え?数日間でクロノの信用を得たことを根に持ってるのか、ですって?
持つに決まってるでしょ。
私は一年もかかったのよ?
持たない方がおかしいわ。
とあるホテルの前で車を停めてもらい、車から降りる。
「じゃあ、ジン。またね」
「………」
ジンは横目で見ただけで、そのまま車を発進させて居なくなった。
「少しは愛想良くしたらいいのに」
本当、無愛想というか何というか。
冷酷という表現が正しいのでしょうけど、同じ組織に属している身としては冷酷という言葉より無愛想のほうがしっくり来るわね。
ホテルにチェックインの手続きをして、時計を見る。
今日も新一という子と遊ぶと言っていたし、まだ帰ってないわね、きっと。
クロノから連絡が来るまで少し寝ようかしら。
鍵を受け取り、クロノにメールを入れる。
『帰宅する前に連絡をちょうだい』
そう送ると。
『了解』の2文字。
部屋に着き、鍵を開けて中に入る。
窓際まで行って、眼下に広がる米花町を見つめる。
殺人事件を犯し、逃げ果し続けてる犯人たち。
逃げなさい。
“赤眼の悪魔”と出会う前に。
罪を認め自首しなさい。
理不尽に人の命を奪ってもなお、生き続けたいなら。
「…なんて、私が言える立場じゃないんだけどね」
私は五年前のあの夜、本当は殺されるはずだったのに。
どうしてターゲットから外れたのかはわからないけど、それを聞いたりはしなかった。
窓から離れ、ベッドに腰を掛けて。
「ホテルに呼ぼうかしら」
チェックインさせて、今日はホテルで過ごすのもいいわね。
何にせよ、クロノから連絡が来るまで眠りましょう。
「おやすみなさい、クロノ」
私はベッドへ横になり、静かに目を閉じた。
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