豹変 ベルモット男主夢
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「ふぅ」
午後7時。
ジンとの打ち合わせが終わり、クロノが待つマンションへと帰宅する。
帰って来てるかどうかはわからないけどね。
鍵を開けて、中に入る。
「……」
玄関の明かりは点いていないけど、靴がある。
帰宅してるわね。
リビングの電気も点いてない。
「クロノ?」
リビングに続くドアを開けて呼びかけても反応はない。
真っ暗な中、電気を点けようとスイッチに手を伸ばせば。
「……」
暗闇に少し目が慣れた時、薄らとソファーに座るクロノが見えた。
スイッチに伸ばされた手を引き、クロノへ歩み寄る。
「ただいま、クロノ」
クロノの肩に手を置くと。
僅かに震えていた。
ああ。
苦しんでいる。
悲しんでいる。
昼間聞こえただろう、被害者の恐怖に泣き叫ぶ絶望の声に。
被害者と遺族を想い、泣いている。
傷ついている。
「…クロノ」
私はクロノの隣に腰を落とし、頭を抱き寄せた。
「……しんどい…」
「えぇ…そうね…」
「…憎い…」
「…そうね…」
理不尽に命を奪う存在に向ける、真っ直ぐな憎悪が目覚める。
「……昼間のあれは何をした人なの…?」
クロノの頭を抱き締めながら問いかけると。
「……自分の子…4才の子を……床に…投げつけたり…踏み…つけたり…して…殺した…」
我が子を虐待して殺した男のようで。
「…聞こえた…」
「…子供の声?」
クロノが頷く。
「…痛い…苦しい…熱い…」
4才の子が泣き叫んだ絶望の声。
「…許して…許して…」
父親に許しを乞う悲痛の声。
「クロノ、もういいわ。もういいから」
聞いてるだけでも心が痛くなる。
クロノは私から離れ、天井を見上げる。
「……抵抗する術のない子供を殺した…」
暗闇に慣れた私の瞳が見たものは。
「…父親…殺す…」
暗闇の中。
不気味に光る赤い瞳。
普段眠っている“赤眼の悪魔”が目を覚ました瞬間だった。
「…生きる価値はない?」
「ない…死ぬべき…人間だ…」
別人のようなクロノ。
五年前に感じた恐怖が蘇る。
「……」
私は立ち上がり、電気を点けに行く。
「…っ!」
その眩しさから、クロノは眉間に皺を寄せて。
「クリス、おかえり」
ニコリと笑った。
今の今まで“赤眼の悪魔”が姿を現していたのに。
「まったくあなたは…」
赤い瞳に浮かぶ涙をハンカチで拭ってあげる。
「クリス?」
「お腹空かない?」
「空いた」
「じゃあ、外食行きましょう」
クロノは立ち上がり、クッと背中を伸ばす。
「ラーメンがいい」
「ハリウッド女優の私にラーメンが合うと思う?」
「ギャップ萌えするかもしれないだろ」
「そんなギャップいらないわ」
ケラケラ笑う様子を見て安堵する。
いつまでも“赤眼の悪魔”には慣れない。
背筋が凍るほどゾッとしてしまう。
明かりの下で見る赤い瞳はルビーのようで綺麗なんだけど。
闇の中に浮かぶ赤い瞳はすごく不気味。
その不気味さがわかるのは、今のところ私だけ。
なぜなら、目撃者がいないから。
本当、完全犯罪を成立させてしまうんだから恐ろしい子よ…。
「ほら、行くわよ」
「うん。ラーメンな」
「嫌だと言ったでしょ?」
「俺は食べたい!」
ラーメンラーメンと煩いから、中華のお店に予約を入れたわ…。
.
「ふぅ」
午後7時。
ジンとの打ち合わせが終わり、クロノが待つマンションへと帰宅する。
帰って来てるかどうかはわからないけどね。
鍵を開けて、中に入る。
「……」
玄関の明かりは点いていないけど、靴がある。
帰宅してるわね。
リビングの電気も点いてない。
「クロノ?」
リビングに続くドアを開けて呼びかけても反応はない。
真っ暗な中、電気を点けようとスイッチに手を伸ばせば。
「……」
暗闇に少し目が慣れた時、薄らとソファーに座るクロノが見えた。
スイッチに伸ばされた手を引き、クロノへ歩み寄る。
「ただいま、クロノ」
クロノの肩に手を置くと。
僅かに震えていた。
ああ。
苦しんでいる。
悲しんでいる。
昼間聞こえただろう、被害者の恐怖に泣き叫ぶ絶望の声に。
被害者と遺族を想い、泣いている。
傷ついている。
「…クロノ」
私はクロノの隣に腰を落とし、頭を抱き寄せた。
「……しんどい…」
「えぇ…そうね…」
「…憎い…」
「…そうね…」
理不尽に命を奪う存在に向ける、真っ直ぐな憎悪が目覚める。
「……昼間のあれは何をした人なの…?」
クロノの頭を抱き締めながら問いかけると。
「……自分の子…4才の子を……床に…投げつけたり…踏み…つけたり…して…殺した…」
我が子を虐待して殺した男のようで。
「…聞こえた…」
「…子供の声?」
クロノが頷く。
「…痛い…苦しい…熱い…」
4才の子が泣き叫んだ絶望の声。
「…許して…許して…」
父親に許しを乞う悲痛の声。
「クロノ、もういいわ。もういいから」
聞いてるだけでも心が痛くなる。
クロノは私から離れ、天井を見上げる。
「……抵抗する術のない子供を殺した…」
暗闇に慣れた私の瞳が見たものは。
「…父親…殺す…」
暗闇の中。
不気味に光る赤い瞳。
普段眠っている“赤眼の悪魔”が目を覚ました瞬間だった。
「…生きる価値はない?」
「ない…死ぬべき…人間だ…」
別人のようなクロノ。
五年前に感じた恐怖が蘇る。
「……」
私は立ち上がり、電気を点けに行く。
「…っ!」
その眩しさから、クロノは眉間に皺を寄せて。
「クリス、おかえり」
ニコリと笑った。
今の今まで“赤眼の悪魔”が姿を現していたのに。
「まったくあなたは…」
赤い瞳に浮かぶ涙をハンカチで拭ってあげる。
「クリス?」
「お腹空かない?」
「空いた」
「じゃあ、外食行きましょう」
クロノは立ち上がり、クッと背中を伸ばす。
「ラーメンがいい」
「ハリウッド女優の私にラーメンが合うと思う?」
「ギャップ萌えするかもしれないだろ」
「そんなギャップいらないわ」
ケラケラ笑う様子を見て安堵する。
いつまでも“赤眼の悪魔”には慣れない。
背筋が凍るほどゾッとしてしまう。
明かりの下で見る赤い瞳はルビーのようで綺麗なんだけど。
闇の中に浮かぶ赤い瞳はすごく不気味。
その不気味さがわかるのは、今のところ私だけ。
なぜなら、目撃者がいないから。
本当、完全犯罪を成立させてしまうんだから恐ろしい子よ…。
「ほら、行くわよ」
「うん。ラーメンな」
「嫌だと言ったでしょ?」
「俺は食べたい!」
ラーメンラーメンと煩いから、中華のお店に予約を入れたわ…。
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