豹変 ベルモット男主夢
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「あら、あれは」
午後3時過ぎ。
私は米花町にあるオープンカフェでコーヒーを嗜んでいた時。
クロノの姿が遠くに見えた。
新一という子と、新一の幼馴染みの…名前は忘れたけれど。
無邪気に笑い合うクロノを見ると、やっぱり普通の男の子。
あの子たちは赤い瞳のクロノを知らない。
殺人を犯し、法に守られた加害者を断罪する姿を見たことある?
テレビで見るでしょう?
“○○容疑者が何者かに殺害されました”って。
被害者遺族に頼まれているわけでもないのに。
被害者遺族の心の叫びを敏感に感じ取るの。
ただ、緻密な計画を立てるために実行するまで凡そ一月かかるけれど。
全てクロノ自身が企てる。
私はその内容は聞いたりしない。
ここに居てほしい、と言われればそこで待っているだけ。
完全犯罪なんて世の中有りはしないと思っていたけれど。
クロノはそれを可能にしてしまう。
今の日本警察で彼を見つけることは出来ない。
あんな無邪気に笑う子に、まさか暗殺の才能があるなんて思いも寄らないでしょうから。
楽しそうに笑うクロノを見つめ、コーヒーカップに口付けた時。
「……」
クロノたちとすれ違った人物。
クロノは表情は笑顔のまま、その人物を視線で追う。
それはごく自然な動作に見えるけれど。
私にはわかるの。
あれは、次なる標的の合図。
たまたま出会したのか、はたまたクロノの計画の一つなのかはわからない。
でもクロノに殺されるのが運命であるかのように。
この膨大な人口の中、たった一人の青年とすれ違ったがために。
警察や法律を掻い潜り、せっかく逃げ果せていたのに。
罪を認め、刑務所にいたほうが死なずに済んだだろうに。
あの人物がどんな事件に関わっているのか、それはクロノが帰宅した時に聞いてみるとして。
帰宅すれば、被害者と遺族を想い涙するクロノを抱き締めることが今日の私の仕事。
“今世紀最大の悪”と、ニュースで放送されるけど。
インターネットでは神と称え崇拝する者も居れば、嫌悪する者もいる。
被害者と遺族の想いを具現化させるクロノは、果たして本当に悪なのかしら?
正義とは?
悪とは?
クロノを見ているとわからなくなってしまう。
あの子は被害者や遺族の想いに寄り添い、少しでも無念が晴れればいい。
それだけしか考えていないから。
あんなに笑っているけれど、きっと聞こえているはず。
被害者の恐怖に泣き叫ぶ絶望の声が。
泣きそうになっているはず。
それ笑うことで耐えているんでしょうね。
「あら、ジンからだわ」
突然スマホが鳴り、画面をみればジンからで。
打ち合わせは夕方5時の予定だったんだけど。
時間を早めたのかしら。
私はコーヒーカップを置いて、遠くなっていくクロノを見つめて。
「切り替えないと」
クロノの保護者から、ベルモットに戻らなければ。
私は目を閉じ、深く深呼吸をして。
そして。
「もしもし?なに?夕方5時のはずでしょ?」
立ち上がり、歩き出す。
誰にも気付かれてはいけない私とクロノの関係。
そのスリル感に笑みを浮かべ、ベルモットを演じる私。
本当、クロノに依存しすぎてしまったわね…。
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「あら、あれは」
午後3時過ぎ。
私は米花町にあるオープンカフェでコーヒーを嗜んでいた時。
クロノの姿が遠くに見えた。
新一という子と、新一の幼馴染みの…名前は忘れたけれど。
無邪気に笑い合うクロノを見ると、やっぱり普通の男の子。
あの子たちは赤い瞳のクロノを知らない。
殺人を犯し、法に守られた加害者を断罪する姿を見たことある?
テレビで見るでしょう?
“○○容疑者が何者かに殺害されました”って。
被害者遺族に頼まれているわけでもないのに。
被害者遺族の心の叫びを敏感に感じ取るの。
ただ、緻密な計画を立てるために実行するまで凡そ一月かかるけれど。
全てクロノ自身が企てる。
私はその内容は聞いたりしない。
ここに居てほしい、と言われればそこで待っているだけ。
完全犯罪なんて世の中有りはしないと思っていたけれど。
クロノはそれを可能にしてしまう。
今の日本警察で彼を見つけることは出来ない。
あんな無邪気に笑う子に、まさか暗殺の才能があるなんて思いも寄らないでしょうから。
楽しそうに笑うクロノを見つめ、コーヒーカップに口付けた時。
「……」
クロノたちとすれ違った人物。
クロノは表情は笑顔のまま、その人物を視線で追う。
それはごく自然な動作に見えるけれど。
私にはわかるの。
あれは、次なる標的の合図。
たまたま出会したのか、はたまたクロノの計画の一つなのかはわからない。
でもクロノに殺されるのが運命であるかのように。
この膨大な人口の中、たった一人の青年とすれ違ったがために。
警察や法律を掻い潜り、せっかく逃げ果せていたのに。
罪を認め、刑務所にいたほうが死なずに済んだだろうに。
あの人物がどんな事件に関わっているのか、それはクロノが帰宅した時に聞いてみるとして。
帰宅すれば、被害者と遺族を想い涙するクロノを抱き締めることが今日の私の仕事。
“今世紀最大の悪”と、ニュースで放送されるけど。
インターネットでは神と称え崇拝する者も居れば、嫌悪する者もいる。
被害者と遺族の想いを具現化させるクロノは、果たして本当に悪なのかしら?
正義とは?
悪とは?
クロノを見ているとわからなくなってしまう。
あの子は被害者や遺族の想いに寄り添い、少しでも無念が晴れればいい。
それだけしか考えていないから。
あんなに笑っているけれど、きっと聞こえているはず。
被害者の恐怖に泣き叫ぶ絶望の声が。
泣きそうになっているはず。
それ笑うことで耐えているんでしょうね。
「あら、ジンからだわ」
突然スマホが鳴り、画面をみればジンからで。
打ち合わせは夕方5時の予定だったんだけど。
時間を早めたのかしら。
私はコーヒーカップを置いて、遠くなっていくクロノを見つめて。
「切り替えないと」
クロノの保護者から、ベルモットに戻らなければ。
私は目を閉じ、深く深呼吸をして。
そして。
「もしもし?なに?夕方5時のはずでしょ?」
立ち上がり、歩き出す。
誰にも気付かれてはいけない私とクロノの関係。
そのスリル感に笑みを浮かべ、ベルモットを演じる私。
本当、クロノに依存しすぎてしまったわね…。
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