手を伸ばせば ベルモット百合夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…それから無我夢中で、ホテルから逃げ出したんだっけ…」
少しだけカーテンを開ける。
まだ外は暗い。
窓に手を付いて。
額を付けて。
目を閉じる。
お母さんにとって、私って何なのかな。
阿笠博士と工藤君に救われて。
こうして一緒に過ごせているけど。
やっぱり足枷なのかな。
私のせいで、またお母さんを危険な目に遭わせてるのかな。
そう思うと、毎日が不安で。
罪悪感で潰されそうになる。
私さえ居なければ。
「…私さえ生まれなければ…」
お母さんの足枷になんかならなくて済んだのに。
「私の娘を悪く言うの、やめてくれないかしら」
背後から、突然声が聞こえた。
「っ!」
ビクリと肩が震えた。
振り向けば、お母さんが壁に背中を預けて立っていた。
「…いつから起きてたの?」
「あなたが起きた時よ」
歩み寄らず、距離を取ったまま。
「…そっか」
私はまた窓の外に目を向ける。
「アイリ」
名前を呼ばれた。
「あなたの名前、私が決めたのよ」
お母さんの言葉に、また振り返った。
.