背中合わせ ベルモット百合夢
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「帰って来てるわね」
足を引き摺りながらも、向かった先はアイリの自宅。
会いたくて。
会いたい衝動を抑えきれなかった。
けれど、怪我を負っている状態ではちゃんと対面は出来ないから。
遠くからでいいから姿を見ようと。
姿を見たらすぐに戻ろうと思って。
でも…。
姿を見れば声を聞きたくなってしまった。
「本当、どうしちゃったのかしらね、私」
アイリに関して、抑えが効かなくなっている自分に笑みを浮かべて。
アイリの自宅、玄関前へ行って。
いつものように非通知で電話をかけた。
数回のコール音。
「着音に気づかなくて、辺りを見回してるってところか」
クスリと笑んだと同時に、コール音が消えた。
どうやら電話に出たようなんだけれど。
『……』
「………もしもしくらい言ったらどうなの…?」
無言なのよ。
『……………着音…勝手に変えたでしょ…』
声に、いつものような明るさがない。
「今頃気づいたの?もう一ヶ月も前に変えたのに」
元気がなくても、アイリの声に心から満たされる。
『勝手に変えないでよ!びっくりするじゃないっ!』
徐々に明るさが増す。
「びっくりしたなら、作戦は成功のようね」
まさか、心配していたのかしら。
『…まったく…』
まさかね。
敵である私の心配なんてするはずがない。
『……なんで今まで電話して来なかったの?』
「…」
アイリの問いかけに、空いている手で右足に触れて。
「…ちょっといろいろ忙しくてね」
嘘を言う。
冷える体に、段々と怪我が痛み出す。
「なに?心配してるの?私に会いたかった?声が聞きたかった?」
それを悟られないように、からかって見ると。
『っぜ、全部ハズレよバーカバーカ!!』
怒ってきた。
ふふっ、いつものアイリね。
「はいはい。ほんと、あなたは可愛いわよね」
『嫌味を言うために電話をしてきたの!?』
まさか。
ただ声が聞きたかっただけ、なんて。
「あら、バレた?組織にはからかう相手がいないからつまらないのよね」
言えるわけないじゃない。
『私関係ない…………』
アイリは言葉を止めて、無言になる。
どうしたのかしら。
『…ベルモット』
「なに?」
名前を呼ばれ、返事をすれば。
『………今、どこにいるの…?』
静かに問いかけられた。
.
「帰って来てるわね」
足を引き摺りながらも、向かった先はアイリの自宅。
会いたくて。
会いたい衝動を抑えきれなかった。
けれど、怪我を負っている状態ではちゃんと対面は出来ないから。
遠くからでいいから姿を見ようと。
姿を見たらすぐに戻ろうと思って。
でも…。
姿を見れば声を聞きたくなってしまった。
「本当、どうしちゃったのかしらね、私」
アイリに関して、抑えが効かなくなっている自分に笑みを浮かべて。
アイリの自宅、玄関前へ行って。
いつものように非通知で電話をかけた。
数回のコール音。
「着音に気づかなくて、辺りを見回してるってところか」
クスリと笑んだと同時に、コール音が消えた。
どうやら電話に出たようなんだけれど。
『……』
「………もしもしくらい言ったらどうなの…?」
無言なのよ。
『……………着音…勝手に変えたでしょ…』
声に、いつものような明るさがない。
「今頃気づいたの?もう一ヶ月も前に変えたのに」
元気がなくても、アイリの声に心から満たされる。
『勝手に変えないでよ!びっくりするじゃないっ!』
徐々に明るさが増す。
「びっくりしたなら、作戦は成功のようね」
まさか、心配していたのかしら。
『…まったく…』
まさかね。
敵である私の心配なんてするはずがない。
『……なんで今まで電話して来なかったの?』
「…」
アイリの問いかけに、空いている手で右足に触れて。
「…ちょっといろいろ忙しくてね」
嘘を言う。
冷える体に、段々と怪我が痛み出す。
「なに?心配してるの?私に会いたかった?声が聞きたかった?」
それを悟られないように、からかって見ると。
『っぜ、全部ハズレよバーカバーカ!!』
怒ってきた。
ふふっ、いつものアイリね。
「はいはい。ほんと、あなたは可愛いわよね」
『嫌味を言うために電話をしてきたの!?』
まさか。
ただ声が聞きたかっただけ、なんて。
「あら、バレた?組織にはからかう相手がいないからつまらないのよね」
言えるわけないじゃない。
『私関係ない…………』
アイリは言葉を止めて、無言になる。
どうしたのかしら。
『…ベルモット』
「なに?」
名前を呼ばれ、返事をすれば。
『………今、どこにいるの…?』
静かに問いかけられた。
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