背中合わせ ベルモット百合夢
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「……はぁもう…」
迂闊だった。
2月17日、組織の裏切り者の粛清を命じられ、赴けば。
撃たれた。
防弾ベストは着ていたんだけど。
よりにもよって足を狙って来るなんて。
左足と右腕に被弾し、今は自宅療養中。
裏切り者は、一緒に行ったジンが仕留めた。
「いい様だな、ベルモット」
クツリ、冷たくジンが笑う。
「えぇ、笑ってくれて結構よ」
タバコに火を点け、煙を吐き出す。
入院自体は三日ほどだった。
そのままアイリに会いに行ったら、きっと心配するでしょうし。
まぁ、顔と態度には出さないでしょうけど。
アイリに心配はさせたくないし、何よりこんな姿を見られたくない。
アイリの中にいる私は、おそらく“怪我なんてしない強い人”。
だからこそ、怪我を負った状態では会えない。
「…ふふっ」
つくづくアイリに甘いわよね、私。
「何を笑ってやがる」
「自分の様にね、笑えて来ちゃったわ」
小さく笑むと、ジンが怪訝そうに睨んできた。
「それより、少し休むから出て行ってもらえない?」
「…わかった」
ジンを追い出し、ベッドに身を委ねる。
「……」
携帯電話を見つめて、リダイヤルからアイリの名前と番号を出す。
声が聞きたい。
毎日電話をしていたから。
こんなに長い期間、声を聞けないなんてことはなかったから余計に。
でも今かけてしまえば、会いに行ってしまう。
こんな情けない姿を晒すことになってしまう。
それ以前に、今自宅を出ればジンに尾行されるわね。
治るまでは会えない。
仕事に復帰出来るようになるまで。
会えない。
「……禁断症状が出そうだわ…」
携帯電話を閉じ、左腕で目元を隠して。
「……アイリ」
会いたくてたまらない人の名前を囁いた…。
.
「……はぁもう…」
迂闊だった。
2月17日、組織の裏切り者の粛清を命じられ、赴けば。
撃たれた。
防弾ベストは着ていたんだけど。
よりにもよって足を狙って来るなんて。
左足と右腕に被弾し、今は自宅療養中。
裏切り者は、一緒に行ったジンが仕留めた。
「いい様だな、ベルモット」
クツリ、冷たくジンが笑う。
「えぇ、笑ってくれて結構よ」
タバコに火を点け、煙を吐き出す。
入院自体は三日ほどだった。
そのままアイリに会いに行ったら、きっと心配するでしょうし。
まぁ、顔と態度には出さないでしょうけど。
アイリに心配はさせたくないし、何よりこんな姿を見られたくない。
アイリの中にいる私は、おそらく“怪我なんてしない強い人”。
だからこそ、怪我を負った状態では会えない。
「…ふふっ」
つくづくアイリに甘いわよね、私。
「何を笑ってやがる」
「自分の様にね、笑えて来ちゃったわ」
小さく笑むと、ジンが怪訝そうに睨んできた。
「それより、少し休むから出て行ってもらえない?」
「…わかった」
ジンを追い出し、ベッドに身を委ねる。
「……」
携帯電話を見つめて、リダイヤルからアイリの名前と番号を出す。
声が聞きたい。
毎日電話をしていたから。
こんなに長い期間、声を聞けないなんてことはなかったから余計に。
でも今かけてしまえば、会いに行ってしまう。
こんな情けない姿を晒すことになってしまう。
それ以前に、今自宅を出ればジンに尾行されるわね。
治るまでは会えない。
仕事に復帰出来るようになるまで。
会えない。
「……禁断症状が出そうだわ…」
携帯電話を閉じ、左腕で目元を隠して。
「……アイリ」
会いたくてたまらない人の名前を囁いた…。
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